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防災の日、家族で15分の在宅避難訓練メニュー

2026年9月1日|いろは堂くらし編集部
室内で両親と娘がリュックを背負わせている家族3人の写真。

画像出典: August de Richelieu / Pexels

この記事の要点
家庭の防災訓練は15分あれば形になります。身を守る姿勢を1分、家の中の危険箇所の確認を3分、備蓄と非常持ち出し袋の場所の共有を5分、災害用伝言ダイヤル171の練習を3分、集合場所の紙への書き出しを3分に分けて進めます。9月1日の防災の日と、8月30日〜9月5日の防災週間がちょうどきっかけになります。
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防災訓練って、学校とか会社でやらされた記憶しかないんだけど……家でもやったほうがいいの?

家庭での防災訓練は、道具も申し込みもいりません。必要なのは家族がそろっている15分だけです。

正直なところ、「一日かけて避難所まで歩いてみる」ような訓練を思い浮かべると腰が重くなります。でも、実際に効くのは体を動かして一度やってみた、という記憶が家族全員に残ることです。内閣府の防災情報でも、日頃から災害時の行動をイメージし、実際に身体を動かして身を守る行動を練習しておくことが案内されています。

9月1日は防災の日で、8月30日〜9月5日は防災週間です。年に一度のきっかけとしてちょうどいい時期に来ています。

防災の日はなぜ9月1日なの?

防災の日は、1923年9月1日の関東大震災を教訓として、1960年6月17日の閣議了解により制定されました。9月1日を含む8月30日〜9月5日は防災週間とされ、全国で防災訓練や啓発行事が行われます。

もうひとつ、8月31日〜9月1日ごろは台風の襲来が多いとされる「二百十日」(立春から数えて210日目にあたる、農家に伝わる警戒の日)にもあたります。地震だけでなく風水害への備えも含めて、備えを見直す日として位置づけられてきました。

つまりこの時期は、家族に「ちょっと防災やろう」と言い出しやすい数少ないタイミングです。理由の説明がいらないのは意外と大きい利点です。

家庭でやる15分の訓練は、何をすればいい?

やることは5つです。時間を先に決めてしまうのがコツで、だらだら話し合いにならずに済みます。

  1. 1分:身を守る姿勢をやってみる「姿勢を低く」「頭を守る」「揺れが収まるまで動かない」の3つを、その場で全員一斉に1分間やります。
  2. 3分:家の中の危険箇所を歩いて確認倒れそうな家具、割れるガラス、寝ている頭の上にある物。玄関までの通り道に何が置いてあるかも見ます。
  3. 5分:備蓄と非常持ち出し袋の置き場所を全員で見る「どこにあるか知っているのが一人だけ」の状態をなくすのが目的です。
  4. 3分:災害用伝言ダイヤル171を練習する使い方を声に出して確認します。携帯回線が不通になった場合の連絡手段として案内されているものです。
  5. 3分:集合場所と安否確認の方法を紙に書く家族が別々の場所にいるときにどうするかを決め、紙に書いて共有します。

この形は、アメリカで2008年に始まった「シェイクアウト訓練」という形式が下敷きになっています。決まった時刻に参加者が一斉に3つの安全行動を1分間だけ実施するもので、「自分の身は自分で守る」ことを基本にした訓練です。日本の自治体でも広く実施されていて、これに加えて備蓄物資の確認や家具の固定状況の点検を行う「プラス1」の取り組みが推奨されています。上の手順の2〜5番目は、その「プラス1」を家庭向けに分解したものです。

最初の1分、何を子どもに伝えればいい?

3つの安全行動は、言葉で覚えるより一度やってしまったほうが早いです。テーブルの下に入る、クッションで頭を守る、そのまま数えて待つ。ここまでで十分です。

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1分って、やってみると意外と長いんだね

実際の揺れは数十秒から1分程度続くことがあります。1分間じっとしている感覚を体に入れておくと、「もう終わったかな」と早く動き出してしまう失敗が減ります。子どもがふざけて笑ってしまっても構いません。楽しくやったほうが記憶に残ります

やる時刻を先に決めておくと家族が集まりやすくなります。夕食前など、全員がそろう時間に「今から1分だけ」と声をかけるのが現実的です。

家の中のどこを見て回ればいい?

3分の見回りは、部屋を順番に回るのではなく「人がいる場所」を基準にすると早く終わります。

3分で見る場所
  • 寝ている場所の頭上と周囲(本棚・時計・ガラス製の物)
  • 食事をする場所の近くの背の高い家具
  • 玄関までの通り道(段ボール・洗濯物のカゴなどの障害物)
  • ドアの前に倒れて出口をふさぎそうな物

ここで見つかった問題は、その場で直せるものだけ直します。段ボールをどかす、時計を外す。家具の固定金具が必要なものは「買うものリスト」に書いて次に進みます。転倒防止の突っ張り棒や耐震マットはホームセンターや通販で扱いがあるので、当日そろえられなくても支障はありません。訓練の時間内で全部を解決しようとすると、そこで15分が終わってしまいます。

災害の種類ごとに安全な避難場所と避難経路が違う点も、この3分のうちに一度触れておくといいところです。地震で家にとどまるのか、風水害で早めに動くのかで判断が変わります。

備蓄の置き場所を共有するだけで何が変わる?

備蓄の中身より先に、置き場所を全員が知っているかどうかが効きます。家族の誰かが不在のときに災害が起きても、残った人が水と食料にたどり着けるからです。

量の目安も、この5分のうちに一度そろえておきます。首相官邸の案内をもとに、人数別の飲料水の必要量を出すと次のようになります。

家族の人数飲料水 3日分飲料水 1週間分
1人9L21L
2人18L42L
3人27L63L
4人36L84L

首相官邸「災害が起きる前にできること」の公表データをもとに作成

もとになっているのは、飲料水は1人1日3リットルを目安に3日分、食料も3日分(アルファ米・缶詰・干物・乾パンなど)という案内です。大規模災害時には1週間分の備蓄が望ましいとされています。上の表を2リットルのペットボトルで数え直すと、4人家族の3日分は18本です。箱で置ける量かどうかが見えるので、その場で「足りていない」と分かります。なお、トイレなどに使う生活用水は飲料水とは別に必要とされています。

数が足りないと分かったときは、その場で買い足す計画まで決めてしまいます。普段から少し多めに買い置きし、賞味期限の古いものから消費して、消費した分を買い足す「ローリングストック」という方法が農林水産省の家庭備蓄ポータルで案内されています。防災用の特別な食品をそろえなくても、いつも食べているレトルトや缶詰を1〜2個多く買うところから始められます。この方法なら一度にまとめ買いする負担も、期限切れで捨てる無駄も避けられます。

災害用伝言ダイヤル171はどう練習する?

災害用伝言ダイヤル171は、携帯電話の回線がつながらないときの連絡手段として案内されているものです。「171」にかけて、録音するか再生するかを選び、決めておいた電話番号を入れて、そこにメッセージを預けたり聞いたりします。

🤔
番号は聞いたことあるけど、実際にかけたことは一度もないかも

この3分でやるのは、「どの電話番号を伝言の預け先にするか」を家族で1つ決めることです。ここが決まっていないと、当日にお互いが別々の番号にメッセージを残してすれ違います。自宅の固定電話か、家族の誰かの携帯番号を1つ選んで、全員のスマホのメモに書いておきます。

災害用伝言板もあわせて、使い方を事前に確認しておくことが推奨されています。スマホの操作は大人でも当日に慌てるので、一度画面を開いてみるだけでも違います。

離れているときの決め事は何を書けばいい?

最後の3分は紙に書きます。スマホのメモではなく紙にするのは、停電と電池切れで見られなくなるのを避けるためです。

紙に書いておく5項目
  • 集合場所(第1候補・第2候補の2か所)
  • 伝言を預ける電話番号(1つに統一)
  • 家族全員の携帯番号
  • 学校・職場の連絡先
  • 徒歩で帰る場合のおおよその経路

書いたら人数分コピーして、財布や通学カバンに入れます。首相官邸も、家族が別々の場所にいる際の安否確認方法と集合場所を日頃から話し合っておくことを勧めています。話し合った内容が形に残るのは紙だけです。

15分では足りない部分もあります

この15分でできるのは「家族の認識をそろえること」までです。家具の固定金具の取り付け、実際の避難経路を歩いて確認すること、ハザードマップで自宅の浸水想定を調べることは、別の日に時間を取る必要があります。とくに川や崖の近くにお住まいの場合は、地震より風水害の避難判断のほうが先に必要になることがあるため、15分の訓練で済ませたと考えないでください。

来年また同じことをやるだけでいい?

基本的には同じ5つで構いません。ただし、2回目からは前回の紙を見返すところから始めると早く終わります。携帯番号が変わっていないか、集合場所が今も使えるか、子どもの学校が変わっていないか。

備蓄の賞味期限も同じタイミングで見ます。防災の日を「年に一度、家の防災を点検する日」に固定してしまえば、思い出すきっかけを毎年探さずに済みます。

1年に15分です。それだけで、家族全員が同じ動き方を知っている状態を保てます。

よくある質問

防災の日はいつで、なぜその日なのですか?

防災の日は9月1日です。1923年9月1日の関東大震災を教訓として、1960年6月17日の閣議了解により制定されました。9月1日を含む8月30日から9月5日までは防災週間とされ、全国で防災訓練や啓発行事が実施されます。

家庭の備蓄は何日分あればいいですか?

首相官邸の案内では、飲料水は1人1日3リットルを目安に3日分、食料も3日分を備蓄するとされています。大規模災害時には1週間分の備蓄が望ましいとされています。4人家族の3日分の飲料水は36リットルで、2リットルのペットボトル18本にあたります。トイレなどに使う生活用水は飲料水とは別に必要です。

備蓄を一度にそろえるのが負担なときはどうすればいいですか?

ローリングストックで日常の買い物に少しずつ足していく方法があります。いつも食べているレトルト食品や缶詰を1〜2個多めに買い、古いものから消費して消費した分を買い足していけば、一度にまとめ買いする負担がなく、期限切れで捨てる無駄も避けられます。

ローリングストックとは何ですか?

ローリングストックは、普段から食品を少し多めに買い置きし、賞味期限の古いものから消費して、消費した分を買い足していく備蓄方法です。農林水産省が家庭備蓄ポータルで推進しており、防災用の特別な食品をそろえなくても、日常的に食べているレトルト食品や缶詰を多めに買うところから始められます。

シェイクアウト訓練とはどんな訓練ですか?

シェイクアウト訓練は2008年にアメリカで始まった訓練形式で、決まった時刻に参加者が一斉に3つの安全行動(姿勢を低くする・頭を守る・揺れが収まるまで動かない)を1分間実施するものです。「自分の身は自分で守る」ことを基本とし、地域防災力の強化を目的としています。備蓄物資の確認や家具の固定状況を確認する「プラス1」の取り組みもあわせて推奨されています。

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