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大雨のハザードマップ、確認したい4つのレイヤー

2026年6月23日|いろは堂くらし編集部
雨の渋谷交差点

画像出典: 写真: Eddy Milfort from Sydney, Australia(CC BY-SA 2.0 / Wikimedia Commons)

この記事の要点
大雨への備えは、国土交通省のハザードマップポータルサイト(https://disaportal.gsi.go.jp/)で自宅・職場・学校の住所を入力し、洪水・内水氾濫・土砂災害・高潮のレイヤーを重ねて浸水想定と警戒区域を確認するところから始まります。そのうえで指定緊急避難場所と避難ルートを決め、市区町村版の詳細なハザードマップも併せて見ておくと、雨が強まったときに迷う時間がなくなります。住まいの対策は、水の入り口になる玄関・掃き出し窓・排水口を押さえるのが基本です。
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大雨の警報が出るたびに落ち着かないけど、結局なにを準備すればいいのか分からないままなんです。

大雨への備えは、防災グッズを買い足すことから始めなくて大丈夫です。最初にやるべきなのは、自分の家がどのくらい浸かる可能性がある場所なのかを知ること。ここが分かっていないと、買った物も避難の判断も的外れになってしまいます。

正直なところ、自宅の浸水想定を一度も見たことがない人はかなり多いです。でも確認自体は無料で、スマホがあれば10分ほどで終わります。国土交通省は「身のまわりでどのような災害リスクがあるか、どこへどのようなルートで避難すればよいのかなどを事前に確認し、備えておくことが重要」と案内しています。まずはそこからいきましょう。

自宅の浸水リスクはどこで確認する?

使うのは国土交通省のハザードマップポータルサイト(https://disaportal.gsi.go.jp/)です。このサイトは2つの機能で構成されています。

ハザードマップポータルサイトの2つの機能
  • 重ねるハザードマップ:全国の災害リスク情報を地図に重ねて表示できる。住所を入れてすぐ見られる
  • わがまちハザードマップ:市区町村が公開している各種ハザードマップを地域単位で検索できる

先に「重ねるハザードマップ」で全体像をつかみ、そのあと「わがまちハザードマップ」で自分の市区町村の詳細版を見る、という順番が分かりやすいです。

重ねるハザードマップで見られること

「重ねるハザードマップ」で確認できるのは、次のような情報です。

洪水・内水氾濫・高潮・津波浸水想定区域と浸水深
土砂災害土砂災害警戒区域等
地形分類その土地が本来持っている災害リスク
自然災害伝承碑過去にその地域で起きた災害の記録
指定緊急避難場所避難先として指定されている場所

国土交通省の公表データをもとに作成

ここで見落としやすいのが内水氾濫です。川から水があふれる洪水と違い、内水氾濫は下水道や排水路が雨量に追いつかず、道路や敷地に水がたまる現象を指します。川から離れた住宅地でも起こるため、「うちは川がないから平気」と思っている家ほど確認する意味があります。

もうひとつ必ず見てほしいのが自然災害伝承碑です。これは過去にその土地で実際に起きた水害や土砂災害を記録した石碑の位置を示すもので、想定区域の色より生々しい情報になります。近所にあれば、雨のときにどこが危ないのかが具体的にイメージできます。

ハザードマップの確認手順は?

実際の手順はこれだけです。スマホでもできます。

  1. 3か所の住所を用意する自宅、職場、子どもの学校や保育園。生活時間の長い場所はすべて対象です。日中に大雨になったとき、家族がばらばらの場所にいる前提で考えます。
  2. 重ねるハザードマップを開いて住所を入れるハザードマップポータルサイト(https://disaportal.gsi.go.jp/)から「重ねるハザードマップ」へ。検索窓に住所を入力します。
  3. 洪水・内水氾濫・土砂災害・高潮を順に重ねる1つずつ表示して、自宅の位置に色が付くか、付くなら浸水深が何メートル想定かを見ます。ここは必ずメモしてください。
  4. 指定緊急避難場所と避難ルートを確認する地図上の避難場所を表示し、自宅からのルートを指でなぞります。途中に浸水想定の濃い場所やアンダーパス、用水路があれば、そこを通らない別ルートも決めておきます。
  5. わがまちハザードマップで市区町村版も見る自治体版には、避難情報の出し方や地域ごとの注意点など、全国版にない情報が載っていることがあります。
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うちの前の道路、色が付いてました…。ずっと安全だと思ってた。

安全だと思っていた場所に色が付いていた、という発見こそが確認の一番の価値です。色が付いていなかった場合も収穫で、自宅にとどまる(在宅避難)という選択肢が現実的だと分かるためです。避難所へ行くか家にいるかを雨の日に迷わずに済みます。

確認したら家族で共有する4項目

今日やる4つの確認
  • 自宅の想定浸水深(何メートル/色なし)
  • 土砂災害警戒区域に入っているか
  • 指定緊急避難場所の名前と徒歩の所要時間
  • そこまでの安全なルート(通らない道も含む)

紙に書いて冷蔵庫に貼るか、家族のメッセージアプリのグループに送っておきます。停電するとスマホの充電が惜しくなるので、紙が1枚あると強いです。

浸水深が分かったら何を判断する?

浸水想定の数字は、そのまま「どこへ逃げるか」の判断材料になります。目安として次のように考えると整理しやすいです。

  • 色が付いていない:在宅避難が基本の選択肢。水と食料の備蓄を優先する
  • 浅い浸水想定で、建物の上階がある:上の階へ移動する垂直避難が現実的。ただし孤立する前提で備蓄が必要
  • 浸水深が建物の高さに近い、または土砂災害警戒区域:早い段階で家の外へ避難する前提で計画する

大事なのは、この判断を雨が降る前に決めておくことです。警報が出てから考えると、外がすでに危ない状態で移動することになります。土砂災害警戒区域に入っている家は特に、明るいうちに動くと決めておくのがおすすめです。

ハザードマップだけで安心しないでください

ハザードマップは想定に基づく地図で、実際の雨がその想定を超えることもあります。色が付いていない場所で浸水が起きないと保証するものではありません。「うちは色が付いていないから何もしなくていい」ではなく、「色が付いていないから在宅避難を軸に備える」という使い方をしてください。

住まいの水害対策は何から手を付ける?

家に水が入ってくる経路は、だいたい決まっています。玄関、掃き出し窓などの低い開口部、そして排水口です。順に押さえます。

1. 玄関と掃き出し窓(水の主な入り口)

浅い浸水なら、開口部に水をせき止めるだけで被害が変わります。専用の止水板がなくても、家にあるもので代用できます。

  1. ゴミ袋で簡易水のうを作る厚手のゴミ袋を二重にし、水を入れて口を縛ります。破れないよう入れすぎず、持ち上げられる重さにとどめます。これを玄関や窓の前に並べると、重みで隙間をふさぐ土のう代わりになります。
  2. 段ボールと組み合わせる水のうを段ボール箱に詰めて並べると、形が崩れにくく壁のように使えます。
  3. 使い終わったら水を捨てるだけ土のうと違って保管場所を取らないのが利点です。必要になってから作れます。

2. 排水口からの逆流を止める

浸水時は、トイレ・浴室・洗濯機の排水口から下水が逆流してくることがあります。ここも水のうが役立ちます。便器の中、浴室の排水口、洗濯機の排水口の上に水のうを置いて重しにすると、逆流を抑えられます。床が汚水で汚れる被害は復旧が特に大変なので、優先度は高いです。

3. 家財を上へ動かす

雨が強まる前に上げておきたいもの
  • 通帳・印鑑・保険証券・パスポートなどの重要書類
  • 写真アルバムや思い出の品(買い直せないもの)
  • パソコン、ルーター、延長コード(電源まわりは水に弱い)
  • 1階に置いている家電の電源プラグ

床上浸水で一番つらいのは、家電より書類と思い出の品です。ふだんから床置きをやめて棚の上段に置いておくと、当日あわてなくて済みます。

4. 車の避難先を決めておく

浸水想定区域に住んでいて車がある場合、どこへ移動させるかを事前に決めておきます。アンダーパスや川沿いの駐車場は避け、高台の駐車場や立体駐車場を候補にします。移動は明るいうちに、が原則です。

大雨の備蓄は何をどれだけ用意する?

在宅避難を軸にする家庭なら、備蓄の中身も現実的なものにできます。特別な非常食を買い込むより、ふだん食べているものを少し多めに持つ考え方が続きます。

飲料用の市販ペットボトルを常に切らさない量で持つ
食料加熱なしで食べられるもの中心。レトルト、缶詰、パックご飯
停電対策モバイルバッテリー、乾電池、懐中電灯(ろうそくは避ける)
断水対策携帯トイレ、ウェットティッシュ、ポリ袋
情報乾電池式ラジオ。スマホの充電を温存できる

水害では、浸水が引いても断水や停電が続くことがあります。特に携帯トイレは、あるとないとで在宅避難の快適さがまったく違います。まだ持っていなければ、ここから足すのがおすすめです。必要な備蓄量や品目は自治体が案内していることが多いので、住んでいる市区町村の防災ページも合わせて見てください。

🤔
備蓄って場所を取るし、期限も切れちゃうんですよね。

買い置きを少し多めにして、古いものから食べて買い足す回し方にすると、期限切れで捨てる無駄がなくなります。専用の保管場所を作らず、いつもの食品ストックの量を1.5倍にするだけでも十分に備蓄になります。

避難のタイミングはどう決める?

雨の当日に迷わないよう、家族で「この条件になったら動く」を先に決めておきます。

  1. 明るいうちに判断する夜間の移動は足元が見えず、側溝やマンホールの位置が分かりません。夕方までに動くかどうかを決めます。
  2. 高齢者・小さな子どもがいる家は早めに移動に時間がかかる家族がいる場合、判断を1段階早く前倒しします。
  3. 移動が危険なら垂直避難に切り替えるすでに道路が冠水している状況で外へ出るほうが危険です。その場合は建物の上階へ移動します。
この対策が向かないケースもあります

簡易水のうや家財の移動が効くのは、浸水が浅い場合です。ハザードマップで深い浸水想定が出ている地域や、土砂災害警戒区域では、家を守る作業より早く離れる判断が優先されます。作業に時間をかけて避難が遅れるほうが危険です。まず自宅がどちらのタイプかを、ハザードマップで確かめてください。

今日やることを1つに絞るなら

ハザードマップポータルサイトを開いて、自宅の住所を入れる。これだけです。所要10分、費用ゼロで、そのあとに必要な備えの中身が決まります。

その結果を家族に共有して、避難場所と、そこまでのルートを1つ決める。備えは物を買うことではなく、判断を先に済ませておくことです。雨の音を聞きながら考えることが減るほど、当日の行動は速くなります。

よくある質問

ハザードマップはどこで見られますか?

国土交通省のハザードマップポータルサイト(https://disaportal.gsi.go.jp/)で無料で見られます。全国の災害リスクを地図に重ねて表示する「重ねるハザードマップ」と、市区町村が公開しているハザードマップを地域単位で検索できる「わがまちハザードマップ」の2つの機能があり、住所を入力して自宅の浸水想定区域や浸水深を確認できます。

重ねるハザードマップでは何が確認できますか?

洪水・内水氾濫・高潮・津波による浸水想定区域と浸水深、土砂災害警戒区域等、土地本来の災害リスクを把握するための地形分類、過去の災害を記録した自然災害伝承碑、指定緊急避難場所が確認できます。これらを重ねて表示することで、自宅周辺のリスクと避難先を一度に把握できます。

川が近くにない家でも大雨の対策は必要ですか?

必要です。下水道や排水路が雨量に追いつかず道路や敷地に水がたまる内水氾濫は、川から離れた住宅地でも起こります。ハザードマップポータルサイトでは内水氾濫の浸水想定も確認できるため、洪水のレイヤーだけでなく内水氾濫も必ず重ねて見てください。

土のうがない家庭でもできる浸水対策はありますか?

厚手のゴミ袋を二重にして水を入れ、口を縛った「簡易水のう」で代用できます。玄関や掃き出し窓の前に並べれば浅い浸水をせき止められ、便器や浴室・洗濯機の排水口の上に置けば下水の逆流を抑えられます。使い終わったら水を捨てるだけなので、保管場所も取りません。

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