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台風の出社判断、警戒レベル4「危険警報」とは?

2026年8月10日|いろは堂キャリア編集部
屋内オフィス、大きな窓の前で男性2人がノートPCを見ながら立ち話。

画像出典: Thirdman / Pexels

この記事の要点
台風接近時の出社可否は、気象庁の警戒レベル・鉄道の計画運休・通勤経路の安全性・就業規則の4点で判断します。2026年5月29日から警戒レベル4は「危険警報」に名称が統一され、レベル4以上では出社を求めないことが企業に求められます。連絡は前日夜のうちに「明日の勤務形態の確認」として上司へ入れておくと、当日朝の判断が驚くほど楽になります。
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明日、台風来るらしいけど……電車動いてたら行くべきだよね?自分だけ休むのも気まずいし。

台風の前日の夜、スマホで運行情報を何度も更新しながら、結局「朝になってから決めよう」で寝てしまう。そして当日、駅に着いてから止まっていることを知る。この流れ、毎回やっている人はかなり多いです。

迷う原因はシンプルで、判断の材料がバラバラなまま、当日の朝に一気に決めようとしていることにあります。見るべき情報は4つしかなく、そのうち3つは前日のうちに揃います。順番に見ていきましょう。

台風の日、会社は何を見て出社可否を決めているのか?

企業が出社の可否を判断するときに使う材料は、大きく4つに整理されています。①気象庁の警戒レベル、②鉄道の運行状況、③通勤経路の安全性(徒歩や車での移動リスク)、④自宅や勤務先の建物の安全性です。

裏を返すと、あなたが自分で判断するときも同じ4つを見ればいいということです。天気予報のアプリだけを眺めていても答えが出ないのは、材料が1つしか揃っていないからです。

そしてもう1つ、実務上いちばん大事な前提があります。まず確認すべきは自社の就業規則・社内規程に定められた台風時の出社基準です。「警報が出たら自宅待機」「電車が止まったら在宅」といった基準が明文化されている会社は珍しくありません。台風が来る前の平常時に、一度検索して読んでおくのが最短です。

台風シーズンに入る前にやっておくこと
  • 就業規則や社内ポータルで「災害時」「悪天候時」の項目を検索して読む
  • 自宅から会社までの経路で、使っている路線名をすべて書き出す
  • 在宅で当日できる仕事・できない仕事を仕分けておく
  • 会社のPC・VPN(自宅から社内ネットワークへ安全につなぐ仕組み)・会議ツールが自宅から使えるか、平時に一度試す

会社側でも、出社させるか自宅待機・テレワークかの基準を事前に明文化し、平時から周知しておくことが重要とされています。当日その場の従業員任せにする判断は望ましくないという考え方です。もし自社に基準がないなら、それはあなた個人の問題ではなく、上司やチームに一度投げてよい話題です。

警戒レベルの見方は2026年5月に変わった

気象庁は気象業務法・水防法の改正にともない、2026年5月29日から防災気象情報の体系を刷新しました。大雨・洪水・土砂災害・高潮の4つの災害について、警戒レベルと情報の名称の対応をすべて統一しています。

変わったポイントは2つあります。1つは、情報の名前の前に警戒レベルの数字が付くようになったこと。従来の「大雨警報」は「レベル3大雨警報」という呼び方になりました。ニュースで数字を聞いた瞬間に、どの段階かがわかるようになったわけです。

もう1つが「危険警報」の新設です。警戒レベル4にあたる情報が、どの災害でも「レベル4危険警報」(例: レベル4大雨危険警報)という統一名称になりました。以前はレベル4相当の情報が災害ごとに「警戒情報」「危険情報」などバラバラの名前で、聞いただけでは深刻さの順位がわからない状態でした。同じ「特別警報」という言葉でも、大雨特別警報はレベル5相当、高潮特別警報はレベル4相当というように対応レベルが違っていたのです。この分かりにくさが解消されたのが今回の改定です。

レベルごとの行動の目安

レベル3 大雨警報など準備の段階。テレワークへの切り替えを検討し、前日のうちに上司へ相談を入れる目安。
レベル4 危険警報出社しない段階。立地や通勤経路のリスクに応じて出勤制限・自宅待機を検討し、企業には従業員を出社させないことが求められるとされる。在宅勤務へ切り替えるか、業務を止める判断をする目安。
レベル5 特別警報出社を求められない段階。命に危険が及ぶ最大級の警戒で、企業は従業員に出社を求めることはできないとされる。移動せず安全確保を最優先にする目安。

気象庁の公表情報および人事労務分野の解説をもとに作成

覚えておく数字は「4」です。上の表でレベル4・レベル5の行にあるとおり、レベル4以上が出ている地域にいるなら、出社しないという選択は自己判断のわがままではなく、社会的に想定されている行動です。ここを知っているだけで、上司への連絡のときの気持ちがかなり変わります。

鉄道の計画運休はいつわかる?

警戒レベルと同じくらい、いえ通勤という意味ではそれ以上に効いてくるのが鉄道の計画運休です。計画運休とは、台風の接近が予測される段階で、鉄道会社があらかじめ運転をとりやめると決めて発表するものを指します。

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計画運休って、いつ発表されるのか毎回わからなくて張り付いちゃう。

発表のタイミングにはおおよその型があります。計画運休は、台風などの接近が少なくとも24時間前から予測でき、広域に影響が及ぶ場合に実施されます。JR北海道は運用を公表しており、台風などの到達予報日の前々日までに計画運休の可能性を告知し、前日までに実施区間を確定して告知するという2段階のタイムラインをとっています。

一般に台風接近時、鉄道各社は前日から前々日に運行計画を発表し、当日朝までに区間や時間帯の詳細を確定させる運用が定着しています。予報の精度という制約がある以上、詳細が前日から当日早朝になるのは避けられません。

  1. 前々日の夜台風の進路予報と、通勤で使う路線の公式サイト・公式アカウントを確認する。この時点で「運休の可能性」の告知が出ることがある。
  2. 前日の昼まで実施区間の告知が出ていないか再確認。ここで在宅にするかの見通しを立てる。
  3. 前日の夕方〜夜上司へ連絡を入れる。当日朝ではなくこのタイミングが理想。
  4. 当日の早朝詳細の確定を確認し、前日の連絡どおりに動く。変更があればチャットで一報。

ポイントは3番です。多くの人が当日の朝に連絡していますが、朝は上司も同じように情報を追っていて、返事が来ない可能性が高い時間帯です。前日の夜に一言入れておけば、朝は決めたとおりに動くだけで済みます。

上司やチームへ、どう連絡すればいい?

連絡は本来は電話が望ましいものの、電話ができない状況ではメールやチャットでも問題ありません。共通して押さえるべきは、状況・自分の判断・業務への手当ての3点を1通に入れることです。状況だけを伝えて判断を上司に丸投げすると、往復が増えて朝の貴重な時間が溶けます。

前日に相談を入れるとき

まだ確定していない段階の連絡です。判断を仰ぐ形にしつつ、自分の案を先に置いておくと話が早く進みます。

前日連絡の文例
  • お疲れさまです。◯◯です。明日は台風の影響で、利用している△△線が計画運休の可能性を告知しています。差し支えなければ在宅勤務に切り替えたいと考えていますが、いかがでしょうか。明日の◯◯の対応は在宅でも進められます。

在宅勤務に切り替えるとき

在宅で業務が可能なことを明示するのがコツです。「行けません」ではなく「こう働きます」と伝えると、受け取る側の心配ごとが1つ減ります。

在宅切替の文例
  • ○○部の△△です。台風の影響で出勤が難しい状況ですが、自宅にて業務対応が可能です。本日は在宅勤務で作業を進めさせていただきます。ご確認のほどよろしくお願いいたします。

遅れそうなとき

すでに移動を始めていて到着が読めない場合です。到着の見込み時刻を入れておくと、相手は会議の組み替えなどを判断できます。

遅延連絡の文例
  • 現在台風のため電車が止まっており、タクシーにて出勤しておりますが、渋滞に巻き込まれており到着が遅れそうです。◯◯時までには到着の予定です。大変ご迷惑をおかけして申し訳ございません。

やむを得ず欠勤するとき

在宅でも対応できない事情があるときの連絡です。資料の共有先まで書いておくと、チームがあなたを待たずに動けます。

欠勤連絡の文例
  • おはようございます。○○部の△△です。現在、台風の影響で交通機関が停止しており、出勤が難しい状況です。本日はやむを得ず欠勤させていただきます。業務への影響が出ないよう、必要な資料はメールで共有済みです。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

あわせてチームのチャットにも一言流しておくと親切です。上司への連絡は許可を得るためのもの、チームへの連絡は「今日この人はここにいる」を共有するためのもので、目的が違います。

台風で休んだら給料はどうなる?

気になるところなので、制度の考え方も押さえておきましょう。厚生労働省は令和元年台風第15号の際に「台風被害等に伴い労働者を休業させる場合の取扱い」についてQ&Aを公表しており、休業手当が必要かどうかは個別の事情を総合的に勘案すべきとしています。そのうえで、原則の形はこうなります。

台風による交通機関の運休など、不可抗力で出社できず休業した場合は「使用者の責めに帰すべき事由」にあたらないため、労働基準法上の休業手当(平均賃金の60%以上)を支払う義務は原則として生じません。いわゆるノーワーク・ノーペイの原則です。

一方で例外があります。労働者が就労できる状況にもかかわらず、会社の判断・都合で出社させず休業させた場合は、労働基準法第26条により平均賃金の60%以上の休業手当の支払い義務が生じます。「働けたのに会社が休ませた」のか「そもそも働けなかった」のかで扱いが分かれる、と理解しておくとよいでしょう。

また、休業時の賃金・手当の取扱いを、労働者との合意など適法な手続きなしに一方的に不利益な方向へ変更することはできません。会社の説明に疑問があるときは、就業規則の該当箇所を確認したうえで、人事や労務の担当に聞くのが正しい順番です。

在宅に切り替えられないケースもあります

店舗・製造・医療・物流など、その場にいることが仕事の中身そのものである職種では、テレワークへの切り替えという選択肢がそもそも存在しません。この場合に有効なのは、当日の判断より前段の話し合いです。「レベル4以上なら休業」「計画運休が出たらシフトを組み替える」といった基準をチームで決めておくこと。個人の努力で埋められる問題ではないので、無理に自分だけで抱え込まないでください。

次の台風までに整えておく3つのこと

台風の日にうまく動けるかどうかは、当日の判断力ではなく事前の準備でほぼ決まります。最後に、次の台風が来る前に手をつけておくと効くものを挙げます。

1つめは、平時からテレワークができる体制を整えておくことです。平時から在宅で働ける状態にしておけば、台風接近時も平常時と同じように業務を続けられます。内閣府も、悪天候時のガイドライン策定とあわせて、テレワーク環境の構築を企業の危機対応力を高める取り組み事例として紹介しています。個人としては、自宅からVPNや会議ツールにつながるかを晴れた日に一度試しておくだけで十分です。

2つめは、自分の路線の情報源を1か所に集めておくこと。ブラウザのブックマークでも、スマホのホーム画面でも構いません。前々日の夜に3タップで確認できる状態にしておきます。

3つめは、上の文例を自分の部署名・路線名に置き換えて、メモアプリに貼っておくことです。台風の朝に文面を考える余裕はありません。判断も文面も、天気が穏やかな日に済ませておくのがいちばん確実な備えです。

台風のたびに胃が痛くなる時間を、次からは少し減らせるはずです。

よくある質問

台風のとき、警戒レベルいくつなら出社しなくてよいですか?

警戒レベル4「危険警報」以上が出ている場合、企業には従業員を出社させないことが求められるとされています。レベル5「特別警報」では、企業は従業員に出社を求めることはできないとされます。レベル3「警報」の段階はテレワークへの切り替えを検討する目安です。ただし最終的な扱いは自社の就業規則や社内規程が優先されるため、平時に確認しておくことが大切です。

防災気象情報の名前はいつ変わったのですか?

気象庁は気象業務法・水防法の改正にともない、2026年5月29日から防災気象情報の体系を刷新しました。大雨・洪水・土砂災害・高潮の4災害で警戒レベルと情報名称の対応が統一され、情報名の前にレベルの数字が付くようになりました(例:「レベル3大雨警報」)。警戒レベル4は災害を問わず「危険警報」という統一名称になっています。

鉄道の計画運休はいつ発表されますか?

計画運休は、台風などの接近が少なくとも24時間前から予測でき、広域に影響が及ぶ場合に鉄道事業者の判断で実施されます。JR北海道の運用例では、到達予報日の前々日までに計画運休の可能性を告知し、前日までに実施区間を確定して告知する2段階のタイムラインをとっています。詳細の確定が前日から当日早朝になるのは、予報精度の制約上避けられません。

台風で会社を休んだ日の給料は支払われますか?

台風による交通機関の運休など不可抗力で出社できず休業した場合は「使用者の責めに帰すべき事由」に該当しないため、労働基準法上の休業手当(平均賃金の60%以上)の支払い義務は原則として生じません。一方、就労できる状況にもかかわらず会社の判断で休業させた場合は、労働基準法第26条により平均賃金の60%以上の休業手当の支払い義務が生じます。

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