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春闘2026賃上げ率5%とは?自分の給料と違う理由

2026年5月14日|いろは堂キャリア編集部
日本のビジネスパーソン(サラリーマン)のイメージ写真

画像出典: 写真: Bertievogts(CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の要点
2026年春闘の賃上げ率は、連合の第4回集計(4月17日時点)で全体5.08%、300人未満の中小組合は4.84%でした。この数字は定期昇給相当分を含んだ加重平均で、基本給そのものが底上げされるベースアップ分だけを示すものではありません。自分の昇給と比べるときは、給与明細の「基本給」を昇給前後で見比べ、定昇分とベア分の内訳を人事や組合に確認するのが確実です。
😟
ニュースでは賃上げ5%って言ってるのに、自分の昇給通知は数千円だった…。うちの会社、そんなに渋いの?

ニュースの「賃上げ率5%」と、手元の昇給額が噛み合わない。この違和感は、会社が特別に渋いから生まれているとは限りません。報じられる賃上げ率は、そもそも自分の昇給額と同じ物差しで測られた数字ではないからです。

正直なところ、この数字の中身を知らないまま比べると、必要のない落ち込み方をしてしまいます。まずは何を表した数字なのかを揃えて、そのうえで自社の昇給を確かめにいきましょう。手順は明細1枚と、人事か組合への短い質問で足ります。

2026年の春闘で、賃上げ率はいくらだったのか?

まず数字を押さえます。連合(日本労働組合総連合会)は春の労使交渉の回答を段階的に集計して公表しており、2026年の集計は途中経過が複数回出ています。

集計回時点全体 賃上げ率300人未満(中小) 賃上げ率
第1回2026年3月18日時点5.26%5.05%
第3回2026年4月1日10時時点5.09%5.00%
第4回2026年4月17日時点5.08%4.84%

日本労働組合総連合会(連合)/労働政策研究・研修機構(JILPT)の公表データをもとに作成

上の表で目を引くのは、集計が進むほど数字が下がっていく動きです。序盤に回答が出るのは体力のある大手が中心で、あとから中小企業の回答が積み上がるほど平均が現実寄りに落ち着いていきます。全体は5%台を保っている一方、300人未満の組合は第4回時点で4.84%と5%を割り込みました。

もうひとつ、正社員以外の数字も出ています。有期・パートなど非正規で働く人の時給は、加重平均で80.39円・6.61%の引き上げ。率だけ見れば正社員を上回る伸びです。

「賃上げ率5%」は何を指した数字なのか?

🤔
5%上がるって、基本給が5%増えるってことじゃないの?

報じられる賃上げ率は、性質の違う2つの上がり方を足した合計値です。内訳は次の2つに分かれます。

賃上げ率を構成する2つの中身
  • 定期昇給(定昇)…勤続年数や評価に応じて、個人の給与が段階的に上がる仕組み。制度として毎年運用されている会社では、業績と関係なく一定の上昇が起きます。
  • ベースアップ(ベア)…賃金表そのもの、つまり社員全員の賃金基準額を一律に引き上げること。会社の業績や交渉の結果で決まり、実施しない年もあります。

身近な例で言えば、定昇は階段を一段のぼること、ベアは階段そのものを持ち上げることです。階段を一段のぼれば高さは変わりますが、あなたの後ろに続く人が立つ位置は変わりません。ベアが入ると、全員の立ち位置がまとめて上がります。

連合が発表している賃上げ率は、この定期昇給相当分を含んだ数字です。つまり「5%」のうちの相当部分は、もともと制度として毎年上がるはずだった分が占めています。ニュースの5%を、自分の基本給が今年新たに5%底上げされる意味だと受け取ると、実感とずれるのはここが理由です。

加えて、あの数字は加重平均です。回答を寄せた組合を単純に足して割ったのではなく、組合の規模を反映した平均になっています。個々の会社の数字ではなく、集計対象全体をならした値だと押さえておいてください。

自社の昇給を確かめる手順は?

ここからが実際の作業です。用意するのは昇給通知か給与明細で、昇給前の月と昇給後の月の2枚あると話が早く進みます。

  1. 基本給だけを昇給前後で比べる明細の中から「基本給」の行を探し、昇給前と昇給後の額を並べます。賃上げ率は基本給をもとにした数字で、賞与や残業代、各種手当は含まれないのが通常です。手取りの増減で比べると、残業時間や社会保険料の変動が混ざって判断できなくなります。
  2. 昇給額から率を出す計算は「昇給前の給与 × 昇給率 = 昇給額」の関係を逆にたどるだけです。基本給30万円で昇給率1%なら昇給額は3,000円、昇給後の基本給は30万3,000円。手元の昇給額を昇給前の基本給で割れば、自分の昇給率が出ます。
  3. 定昇分とベア分の内訳を聞くここが要です。人事・給与部門、労働組合がある会社なら組合に「今年の昇給は定期昇給分とベースアップ分でそれぞれいくらか」と確認します。連合の数字が定昇込みである以上、自社側も定昇込みの数字に揃えないと比較が成立しません。
  4. 比べる相手を自社の規模に合わせる組合員300人未満の規模に近い会社で働いているなら、全体の5.08%ではなく300人未満の4.84%を物差しにするほうが実態に近づきます。大手中心の集計をそのまま自分の基準にすると、差が実際より大きく見えます。

質問の言い回しに迷うなら、こう聞けば角が立ちません。「今年の昇給額について、定期昇給分とベースアップ分の内訳を教えていただけますか。世の中の賃上げ率と比べるときの参考にしたくて」。制度の確認を求めているだけなので、待遇への不満と受け取られにくい聞き方です。

そもそもベアがない会社はどのくらいあるのか?

😲
聞いてみたら「今年はベアなし、定昇だけ」って言われた…うちだけ?

ベースアップを実施しない会社は、少数派とは言えません。厚生労働省の「令和7(2025)年賃金引上げ等の実態に関する調査」では、ベアを実施したか予定がある企業は57.8%。4割超の企業ではベアが行われていない計算になります。

同じ調査では、ベアと定昇を合わせた1人平均の賃金改定率は4.4%でした。前年の4.1%から上がり、1999年以降で最も高い水準です。ここで見逃せないのが労働組合の有無による差で、組合がある企業は4.8%、組合がない企業は4.0%と、0.8ポイントの開きがあります。

春闘の集計はそもそも労働組合の回答を集めたものです。組合のない職場で働いていれば、報じられる数字より低く出やすい構造がある、と理解しておくと納得しやすくなります。

数字が低いこと自体は、すぐ転職の理由にはなりません

昇給率が世間の平均を下回っていたとしても、それだけで判断材料としては足りません。賞与の水準、退職金制度、残業の実態、在宅勤務の可否など、金額に表れない条件が生活に効いてくるからです。逆に、昇給率が平均並みでも「ベアが数年止まったまま」なら、数年後の基本給の位置は今のうちに考えておく価値があります。単年の率ではなく、数年分の推移で見るのが現実的です。

今年の数字を来年に活かすには?

賃上げのニュースは毎年春に流れ、そのたびに同じ疑問が湧きます。今回調べたことを残しておけば、来年は数分で終わります。

手元に残しておきたい4項目
  • 昇給前後の基本給の額(明細の写しか、数字のメモ)
  • 今年の昇給額と、そこから計算した自分の昇給率
  • 定昇分とベア分の内訳(確認できた範囲で)
  • 比較に使った外部の数字と、その時点(例:連合第4回集計・2026年4月17日時点で全体5.08%)

この4つを1行ずつメモしておくだけで、翌年は昇給額を足すだけで推移が見えます。基本給が3年でいくら動いたかは、評価面談で待遇の話をするときにも、転職を検討する段になって年収の根拠を説明するときにも、そのまま使える材料になります。

なお、大手企業を対象とした経団連の集計は連合とは別に公表されますが、集計時期が異なるため同じタイミングの数字として並べることはできません。比べるときは、出どころと時点が揃っているかを先に見てください。

数字を確かめたあと、何をするか

内訳まで確認して、それでも納得しにくい結果だったなら、次に見るのは自分の市場での位置です。今の会社の昇給ペースが妥当かどうかは、社外の相場と並べて初めて判断できます。応募しなくても、求人の年収レンジを眺めるだけで感覚は掴めます。

焦って動く必要はありません。数字を知ってから決めればいいのであって、知らないまま我慢するか、知らないまま飛び出すかの二択になってしまうのがいちばんもったいない状態です。

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とりあえず明細を引っ張り出して、基本給の欄だけ見比べてみる!

よくある質問

2026年春闘の賃上げ率はいくらですか?

連合の第4回回答集計(2026年4月17日時点)では、全体の賃上げ率は5.08%、組合員300人未満の中小組合は4.84%でした。第1回集計(3月18日時点)は全体5.26%・中小5.05%、第3回集計(4月1日10時時点)は全体5.09%・中小5.00%で、集計が進むにつれて数字は下がっています。いずれも定期昇給相当分を含んだ加重平均です。

ニュースの賃上げ率と自分の昇給率を単純に比べていいですか?

そのまま比べると誤解が生まれます。報じられる賃上げ率は定期昇給相当分を含んだ加重平均であり、基本給が新たに底上げされるベースアップ分だけを示した数字ではありません。比較するなら、自分の昇給も定期昇給を含めた基本給ベースの率に揃える必要があります。

定期昇給とベースアップは何が違いますか?

定期昇給は勤続年数や評価に応じて個人の給与が段階的に上がる仕組みで、制度として毎年運用されます。ベースアップは賃金表そのもの、つまり社員全員の賃金基準額を一律に引き上げるもので、会社の業績や交渉の結果によって実施されない年もあります。

ベースアップを行っていない会社はどのくらいありますか?

厚生労働省の令和7(2025)年賃金引上げ等の実態に関する調査では、ベースアップを実施したか予定がある企業は57.8%でした。4割超の企業では実施されていない計算になります。同調査ではベアと定昇を合わせた1人平均賃金改定率は4.4%で、労働組合のある企業は4.8%、ない企業は4.0%と差がありました。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。