市場価値の調べ方、30分でわかる無料診断と次の一手
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自分の市場価値は、doda・ミイダス・ASSIGNなどの無料診断で30分あればおおよその数値がつかめます。診断結果は「今の年収が妥当か」「次に何を身につけるか」の判断材料であり、転職の意思とは切り離して構いません。高める行動は、下期の目標設定や引き継ぎといった日常業務の中に組み込むのが最短です。
社内での評価と、社外での値段は別物です。目標設定シートを前にして、来期の自分がどこへ向かっているのか分からなくなる。転職したいわけではないのに、なぜか落ち着かない。そういう時期は誰にでもあります。
正直なところ、この不安は「考えて」も消えません。市場価値は感想ではなく数値なので、測らないかぎり永遠に霧のままです。逆に言えば、一度測ってしまえば不安は「課題」に変わります。課題なら手が打てます。
ここでは、無料で市場価値を測る具体的な手順と、測ったあとに日常業務の中で数値を動かしていく行動を、順番に並べます。転職するかどうかは、測り終わってから決めれば十分です。
市場価値とは何を指すのか?
市場価値とは、今の職務経歴・スキル・実績を持つあなたに、転職市場がいくらの年収を提示するかのことです。社内の人事評価とは別の軸で決まります。
ここが最初のつまずきどころです。社内評価は、その会社の事情(在籍年数、部署の予算、上司との相性、社内でしか通用しない業務知識)を含んだ値付けです。一方で転職市場は、その会社の事情をいっさい知りません。「あの案件を回してくれた人」ではなく「◯◯の経験が◯年ある人」として見られます。
この2つは、複数の転職メディアで別軸として両方を定期的に確認すべきだと共通して指摘されています。社内評価が高いのに市場価値が低い、という組み合わせは珍しくありません。逆もあります。
低い数字が出るのは、実は情報としては最も有益なパターンです。低い理由は必ず具体的なところにあります。経験が特定業界に閉じている、マネジメント経験が職務経歴に書けていない、担当した成果が数値化されていない。どれも、下期の動き方で変えられる項目です。
市場価値を無料で調べる方法は?
登録だけで使える診断サービスが複数あります。それぞれ算出の元になっているデータが違うので、性格も違います。
- doda — 累計利用者数は約934万人。転職者データを活用した市場価値診断ツールを提供し、公開求人数は28万件以上。求人数が多いぶん、職種の相場感をつかみやすい
- ミイダス — 登録者数150万人以上。学歴・職務経歴・実務経験・資格などを入力すると、約5分で自分と類似したユーザーに実際に届いたスカウト年収の実績が表示される
- ASSIGN(アサイン) — 20代のキャリアアップに特化。3分程度の質問で適正年収と適職を診断する
いずれも登録不要または無料登録のみで使え、実際のスカウト・年収データに基づく点が共通の強みです。占いのような診断ではなく、実データの参照だと考えてください。
30分でひととおり測る手順
- 職務経歴を手元に用意する診断の精度は入力の粒度で決まります。所属部署名だけでなく、担当業務・使用ツール・チーム人数・扱った金額や件数をメモに書き出してから始めます。ここが空欄だと、どのサービスでも実態より低い数字が出ます。
- まず1つ、実績ベースのものを使うミイダスのように「似た経歴の人に実際に届いたスカウト年収」を出すタイプから始めると、数値の意味が分かりやすくなります。所要は5分程度です。
- もう1つ、別のロジックで測る1つの結果だけでは、それが自分の値なのかサービスの傾向なのか判別できません。dodaやASSIGNなど別の診断でもう一度測り、レンジ(幅)として捉えます。「620万〜700万あたり」のような幅で持つのが正しい持ち方です。
- 提示された求人の要件を読む数値より重要なのがこちらです。自分に紐づいて出てくる求人の「必須要件」「歓迎要件」に、自分が持っていない項目が並んでいます。それが、次に埋めるべき穴の一覧です。
- スクリーンショットを残して日付を書く市場価値は一度測って終わりではなく、変化を見るものです。今日の数値を残しておくと、半年後に自分の行動が効いたかどうかが分かります。
診断を受けると、次の3つが手に入ります。①今の年収が妥当かどうかの把握、②転職した場合の年収アップ可能性の試算、③今後身につけるべきスキルの指針。3つ目が本命です。
診断で出る年収は、あくまで「似た経歴の人に届いたオファーの傾向」です。実際の提示額は面接での説明力や、その時期の求人状況で上下します。高く出ても浮かれず、低く出ても落ち込まず、穴の一覧をもらうためのツールと割り切るのが健全な使い方です。また、登録するとスカウトメールが届き始めます。受信が煩わしい場合は、通知設定を先に確認しておいてください。
測ったあと、何を伸ばせばいいのか?
診断で穴が見えたら、次は埋める番です。ここで多くの人が「まとまった勉強時間を確保しよう」と考えて、結局止まります。
実際のところ、学びに手をつけている人はそれほど多くありません。厚生労働省の令和6年度「能力開発基本調査」には、働く人の学びの実態と、企業がそこにかけている費用がまとまっています。
| 指標 | 実施率・金額 | 前回比 |
|---|---|---|
| 自己啓発を実施した労働者の割合 | 36.8% | +2.4pt |
| 自己啓発実施率(正社員) | 45.3% | ― |
| 自己啓発実施率(正社員以外) | 15.8% | ― |
| 自己啓発実施率(男性) | 41.9% | ― |
| 自己啓発実施率(女性) | 30.7% | ― |
| OFF-JTを受講した労働者の割合 | 37.0% | +2.7pt |
| 教育訓練費用を支出した企業の割合 | 54.9% | +0.3pt |
| OFF-JT費用(労働者一人当たり平均) | 1.5万円 | 横ばい |
| 自己啓発支援費用(労働者一人当たり平均) | 0.4万円 | +0.1万円 |
厚生労働省の公表データをもとに作成
自己啓発を実施した労働者は36.8%、3人に1人という水準です。さらに目を引くのは、OFF-JT(社外の研修等)の受講率が37.0%だという行です。裏を返せば、約6割の人は会社が用意している社外研修すら使っていないということになります。ここは伸びしろです。しかも企業側は、教育訓練費用を支出している企業が54.9%、労働者一人当たり平均で1.5万円を出しています。使われるのを待っている予算がある、という状況です。
つまり最初の一手は、新しく何かを始めることではなく、すでに社内にある制度を棚卸しすることです。研修カタログ、資格取得の補助、社内公募。存在は知っているけれど中身を見たことがない、というものが必ずあります。
日常業務の中で市場価値を高める7つの行動
ここからは、下期のスケジュールに実際に載せられる形で並べます。追加の勉強時間をほとんど必要としない順です。
- 目標設定シートに「社外でも通じる言葉」を混ぜる下期の目標を書くとき、「〇〇プロジェクトの推進」ではなく「5名体制の案件で進行管理を担当し、納期遵守率を◯%へ」と書きます。社内用語を外した表現に直すだけで、期末にはそのまま職務経歴書の一行になります。上司にも伝わりやすくなるので、損がありません。
- 担当業務に必ず数字を1つ付ける件数、金額、時間、人数、率。どれか1つで構いません。市場価値の診断で低く出る人の多くは、実績がないのではなく実績が数値化されていないだけです。今週の業務日報から、数えられるものを1つ選んで記録を始めてください。
- 引き継ぎ・後輩指導を「手順書」として残す異動や引き継ぎのタイミングは、自分の業務を言語化する最高の機会です。口頭で教えて終わりにせず、手順書に落とします。「業務を標準化し、後任が独力で回せる状態にした」という実績になり、これはマネジメント寄りの評価軸に効きます。
- 部署横断のプロジェクトに手を挙げる市場価値は「経験の幅」で上がります。同じ部署だけで積んだ年数は、外から見ると1年分の経験の繰り返しに見えることがあります。他部署と組む案件が回ってきたら、忙しくても取りに行く価値があります。
- 社内公募・ジョブローテーションの要項を読む応募するかは後で決めて構いません。要項には、その会社が今どんな人材を求めているかが具体的に書かれています。求人票を読むのと同じ効果があり、しかも社内にいるまま読めます。
- 会社が出しているOFF-JT(社外研修)を1つ使う受講率37.0%の枠に入るだけで、上位4割に立てます。費用の相場感として、企業が労働者一人当たりに出しているOFF-JT費用は平均1.5万円です。自腹を切る前に、使える枠を確認してください。
- 四半期ごとに市場価値を測り直す半年に一度でも構いません。行動が数値に反映されたか、反映されないならどこが足りないかを見ます。測定しない改善は続きません。
今の職場が明確に消耗の原因になっている場合、市場価値を高めてから動くという順番は現実的ではありません。健康や生活が削られている状況では、まず離れる準備を優先してください。また、専門性が極端にニッチな職種では、診断ツールの母集団が小さく数値が実態とずれることがあります。その場合は、数値よりも「提示される求人の中身」を判断材料にしてください。
転職しないまま、社外に通じる実績は作れるのか?
作れます。ただし、社内の業務だけで完結させるより、社外の目に触れる場を1つ持つほうが早いのは事実です。
その選択肢として現実味を増しているのが副業です。企業がどれだけ副業を認めているかは、複数の調査機関がそれぞれ発表しています。
| 調査主体 | 調査名 | 容認割合 | 対象・備考 |
|---|---|---|---|
| パーソル総合研究所 | 第四回 副業の実態・意識に関する定量調査 | 64.3%(前回比+3.4pt) | 全国企業対象。副業平均時給3,617円 |
| JBRC(リクルート) | 兼業・副業に関する動向調査2024 | 60.7%(2020年調査49.5%から増加) | 兼業・副業を認める人事制度がある企業 |
| みらいワークス | 大企業における副業・兼業に関する人事制度調査2025 | 55.2%(禁止44.8%) | 従業員1,000名以上の大企業のみ |
| エン・ジャパン | 人事のミカタ アンケート2025 | 約49%(前年比+3pt) | 副業人材を受け入れる企業は24% |
パーソル総合研究所 他(複数調査)の公表データをもとに作成
上の表のとおり、調査主体や対象母集団が違うため、容認割合はおおむね5割から6割台まで幅があります。共通しているのはいずれの調査でも前回より増えているという方向性です。まずは自社の就業規則で、副業の扱いがどう書かれているかを確認するところからになります。
副業が市場価値の観点で効くのは、収入そのものより値付けが可視化される点です。パーソル総合研究所の調査では副業の平均時給は3,617円でした。自分の時間に社外の誰かがいくら払うのか、実額で分かる経験は、社内評価だけを見ている状態とは景色が変わります。
副業が難しい環境なら、越境学習という手もあります。社外や普段と異なる環境に身を置いて学ぶ手法で、所属先を変えずに市場価値の高いスキルや視点を獲得する方法として企業研修の分野で注目されています。社外プロジェクトへの一時的な参加や、業界コミュニティでの活動がこれにあたります。
この3か月で、何から手をつければいいのか?
優先順位をつけます。全部やる必要はありません。
- 今週:無料診断を2つ受けて、数値をレンジで把握する(合計30分)
- 今週:診断で出てきた求人の必須要件から、自分に無い項目を3つ書き出す
- 今月:下期の目標設定シートに、社外に通じる表現で1項目を入れる
- 今月:社内の研修カタログ・資格補助・社内公募の要項に目を通す
- 今期中:担当業務のうち1つを数値で記録する習慣にする
- 3か月後:もう一度診断を受けて、数値と求人の中身の変化を見る
市場価値を測ることと、会社を辞めることは別の行為です。健康診断を受けたからといって、すぐ入院するわけではないのと同じです。数値が分かれば、今の会社に留まるという選択にも根拠が生まれます。いつでも動けると分かっている人が留まるのと、動けないから留まるのとでは、同じ在籍でも仕事の質が変わります。
不安のままにしておく理由は、もうありません。30分で測れます。
よくある質問
市場価値の診断は無料で受けられますか?
はい。doda、ミイダス、ASSIGN(アサイン)などが無料の市場価値診断を提供しており、いずれも登録不要または無料登録のみで利用できます。ミイダスは学歴・職務経歴・実務経験・資格などを入力すると約5分で、自分と類似したユーザーに実際に届いたスカウト年収の実績を表示します。
転職するつもりがなくても市場価値を調べる意味はありますか?
あります。市場価値を知るメリットとして、①現在の年収が妥当か把握できる、②転職による年収アップの可能性を試算できる、③今後身につけるべきスキルの指針が得られる、の3点が挙げられています。特に3点目は、今の会社に留まりながらスキルを伸ばす際の判断材料になります。
社内評価が高ければ市場価値も高いのですか?
必ずしも一致しません。社内評価と社外評価(転職市場での値付け)は別軸であり、両方を定期的に確認することが重要だと複数の転職メディアで共通して指摘されています。社内評価には在籍年数や社内固有の業務知識が含まれますが、転職市場ではそれらは評価対象になりにくいためです。
勉強時間が取れなくても市場価値は上げられますか?
上げられます。厚生労働省の令和6年度「能力開発基本調査」では、OFF-JT(社外の研修等)を受講した労働者は37.0%で、約6割は会社が用意する研修機会を使っていません。教育訓練費用を支出している企業は54.9%、労働者一人当たり平均1.5万円が投じられており、まず社内制度を棚卸しして使うのが、追加の学習時間を必要としない最初の一手になります。
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