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夏のボーナス平均とは?額面より手取りで見る基準

2026年6月12日|いろは堂キャリア編集部
日本円紙幣の写真

画像出典: 写真: Japanexperterna.se(CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons)

この記事の要点
民間企業の夏の賞与は6月〜7月中旬の支給が中心です。中小企業を含む全国平均は45万7000円(帝国データバンク2025年夏季)で、よく報道される97万4000円は従業員500人以上の大手企業の妥結額です。自分の額と比べるなら調査対象の規模を合わせ、額面ではなく手取り(おおむね額面の75〜85%)で見ると実態がつかめます。
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ニュースで「夏のボーナス平均97万円」って見たけど、自分の明細と全然違う…。うちって低いのかな。

ボーナスの額は同僚にも聞きづらく、比べる相手がニュースの数字しかない、という人は多いはずです。ただ、その97万円という数字は、そもそも比較対象が違います。

正直なところ、賞与は「頑張った分だけもらえる」という単純なものではありません。支給時期も金額も、法律ではなく会社の就業規則と労使交渉で決まります。仕組みを知れば、自分の金額が何で決まったのかを説明できるようになります。

夏のボーナスはいつもらえる?

民間企業の夏季賞与は、6月〜7月中旬に支給されるケースが多くなっています。国家公務員は例年6月30日に支給される慣例があり、この時期にボーナス関連の報道が集中するのはそのためです。

ただし、支給日そのものは法律で決まっていません。支給時期も金額も、勤め先の就業規則・賃金規程に定めがあります。そもそも賞与を支給するかどうか自体が、会社の裁量です。

自分の会社の支給日を確認したいときは、社内ポータルの就業規則か賃金規程で「賞与」の章を探すのが確実です。算定対象期間(多くは前年10月〜当年3月など)と支給日が併記されているのが一般的で、ここを読むと「いつまでの働きが、今回の金額に反映されているのか」も同時にわかります。

「平均97万円」と「平均45万円」、どちらと比べるべき?

ボーナスの平均額は、調査によって倍以上の開きがあります。どれかが間違っているわけではなく、調べている企業の規模が違うだけです。2025年夏季賞与の主な調査結果を並べると、次のようになります。

調査対象2025年夏季の平均額
経団連(最終集計)大手企業(原則従業員500人以上)22業種154社97万4000円(前年比+3.44%)
帝国データバンク中小企業を含む全国1227社の正社員45万7000円(前年比+1万8000円)
厚生労働省 毎月勤労統計調査事業所規模5人以上(賞与支給のある事業所)42万6337円(前年比+2.9%)

経団連帝国データバンク厚生労働省の公表データをもとに作成

上の表のとおり、報道で目立つ97万4000円は、上場企業クラスの大手が労使交渉で妥結した金額の平均です。これは1981年以降で最高額を7年ぶりに更新した数字でもあり、話題になりやすい一方、日本の働き手全体の実感とはズレます。

従業員数百人規模までの会社に勤めているなら、比較対象は帝国データバンクの45万7000円か、厚労省統計の42万6337円です。帝国データバンクの調査では支給額の分布も出ていて、最も多い層は「30万円以上〜50万円未満」で34.8%、次いで「50万円以上〜75万円未満」が24.7%、「15万円以上〜30万円未満」が21.8%でした。3社に1社が30万〜50万円の帯にいる、という景色です。

自分の額と比べる前に、そろえる3点
  • 勤務先の従業員規模(500人以上なら経団連、それ未満なら帝国データバンク・厚労省)
  • 正社員かどうか(帝国データバンクの数値は正社員対象)
  • 額面か手取りか(報道の平均額はすべて額面)

ボーナスの額はどうやって決まる?

賞与の算定方式は、大きく2つに分かれます。自分の明細がどちらのタイプかがわかると、金額が動いた理由も見えてきます。

1. 基本給連動型

「基本給の◯ヵ月分」という形で決まる方式です。基本給25万円で2.0ヵ月分なら50万円、という計算になります。仕組みが単純で見通しが立てやすい反面、基準が基本給だけだと、その期に大きな成果を出しても金額に反映されにくいという性質があります。この型の会社で賞与を増やしたいなら、狙うのは賞与そのものではなく昇給による基本給の底上げです。

2. 業績・人事評価連動型

「基本給 × 支給月数 × 評価係数」のように、会社業績や人事考課の結果を係数として掛ける方式です。基本給25万円・2.0ヵ月分でも、評価係数が0.9なら45万円、1.1なら55万円と、同じ等級の同僚と10万円差がつきます。同期と金額が違うのに月給はほぼ同じ、という場合、この評価係数が効いていると考えられます。

支給月数そのものも、あらかじめ労使で固定するケースと、会社業績で変動させるケースがあります。経団連が集計している数字も、春の労使交渉で「夏季一時金」として妥結した額です。つまり夏のボーナスの水準は、多くの企業で春の段階に決着がついています。

評価だけを責めても答えは出ません

金額が想定より低かったとき、原因は「自分の評価」「支給月数(会社業績)」「基本給の水準」の3つのどこかにあります。評価係数が同じでも、会社業績で支給月数が0.2ヵ月削られれば金額は下がります。明細に支給月数や評価ランクの記載がないなら、次の評価面談で「今回の賞与は何ヵ月分で、自分の評価はどこに位置していたか」を聞くのが最短です。制度の確認を尋ねる形なので、査定への不満を伝えるより角が立ちません。

額面と手取りはなぜこんなに違う?

「50万円支給」と聞いていたのに、振り込まれたのは40万円だった。この差は、次の3つが差し引かれるためです。

  1. 社会保険料健康保険料・厚生年金保険料・(40歳以上なら)介護保険料。賞与額を1000円未満切り捨てした額に保険料率を掛けます。厚生年金保険料率は労使合計18.3%で、労使折半のため本人負担は9.15%です。健康保険料率は加入先の健康保険組合や協会けんぽの都道府県によって異なります。
  2. 雇用保険料賞与の額面に、業種ごとの雇用保険料率を掛けて計算します。
  3. 源泉所得税「賞与の支給額 − 社会保険料の額」に対して、国税庁の「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」で求めた税率を掛けます。この税率は前月の給与額を表に当てはめて決まるため、残業が多かった月の翌月の賞与は、税率が一段上がることがあります。

結果として、ボーナスの手取りは額面の概ね75〜85%になるケースが多くなります。ざっくり見積もるなら額面×0.8、正確に出したいなら上の3つを順に引く、という使い分けで十分です。額面50万円なら手取りは40万円前後、という感覚を持っておくと、使い道の計画が立てやすくなります。

住民税が引かれていないのはなぜ?

明細を見ると、毎月の給与にはある住民税の欄が、賞与にはありません。これはミスではなく仕組みです。住民税は前年の所得をもとに年額を先に確定し、6月から翌年5月までの毎月の給与から12分割で天引き(特別徴収)します。年額が先に決まっている以上、賞与から追加で引く必要がないわけです。

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じゃあボーナスが増えても、その分の住民税は今年の給与には響かないってこと?

今年の毎月の住民税額は変わりません。ただし賞与も課税所得に含まれるため、増えた分は翌年6月からの住民税に反映されます。昨年より賞与が大きく増えた年は、翌年の6月に手取りが少し下がって見えることがあります。驚かないための予備知識として持っておくと安心です。

今日できる、明細の3分チェック

数字を眺めて終わりにせず、次の順に自分の明細を見てみてください。賞与は年2回しか情報が出てこないので、明細が届いたときが唯一の確認機会です。

賞与明細で見る4項目
  • 支給額(額面)と、実際の振込額の差 → 差額 ÷ 額面で自分の控除率がわかる
  • 基本給に対して何ヵ月分か → 額面 ÷ 基本給で計算する
  • 評価係数や評価ランクの記載の有無 → あれば評価連動型、なければ基本給連動型の可能性が高い
  • 算定対象期間 → いつの働きが反映されたのかを確認する

この4つを控えておくと、冬の賞与と並べたときに「会社業績で月数が動いたのか」「自分の評価が動いたのか」を切り分けられます。金額の高低に一喜一憂するより、こちらのほうが次の行動につながります。

そのうえで、支給月数も評価も納得できるのに額面が伸びない場合は、原因は基本給の水準にあります。基本給は社内の昇給か、転職時の条件交渉でしか大きくは動きません。いま急いで動く必要はありませんが、自分の基本給が同じ職種の相場のどのあたりかを知っておくと、次の評価面談で話す材料になります。

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平均と比べて落ち込むより、うちの計算式を知るほうが先だった。

ボーナスは、会社の業績と自分の評価と基本給が交わる場所に出てくる数字です。仕組みがわかれば、次にどこを動かせばいいかも自然に見えてきます。

よくある質問

夏のボーナスはいつ支給されますか?

民間企業の夏季賞与は6月〜7月中旬に支給されるケースが多く、国家公務員は例年6月30日に支給される慣例があります。支給日は法律で定められておらず、各社の就業規則・賃金規程によって決まります。

夏のボーナスの平均額はいくらですか?

2025年夏季の場合、中小企業を含む全国調査(帝国データバンク、正社員対象1227社)で45万7000円、厚生労働省の毎月勤労統計調査(事業所規模5人以上)で42万6337円でした。一方、経団連が集計した大手企業(原則従業員500人以上)154社の平均は97万4000円で、対象企業の規模によって大きく異なります。

ボーナスの手取りは額面のどれくらいですか?

概ね額面の75〜85%程度になるケースが多いです。賞与からは健康保険・厚生年金・介護保険などの社会保険料、雇用保険料、源泉所得税が差し引かれます。厚生年金保険料率は労使合計18.3%で本人負担は9.15%、健康保険料率は加入先や都道府県によって異なります。

ボーナスから住民税が引かれないのはなぜですか?

住民税は前年の所得をもとに年額を確定し、6月から翌年5月までの毎月の給与から12分割で特別徴収する仕組みだからです。年額が先に決まっているため、賞与から追加で天引きされません。ただし賞与も課税所得に含まれるので、増えた分は翌年6月からの住民税額に反映されます。

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