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副業容認は64%、就業規則のどこを見て申請する?

2026年9月14日|いろは堂キャリア編集部
オフィスらしき屋内で、スーツ姿の男性一人がノートパソコン前で印鑑を持ち書類に押そうとしている様子

画像出典: ぱくたそ

この記事の要点
パーソル総合研究所の2025年調査では、企業の副業容認率は64.0%と過去最高でした。自社が認めているかは、就業規則の「副業・兼業」条文が禁止・許可制・届出制のどれかで判断できます。厚生労働省のモデル就業規則は届出制を原則としており、届け出れば原則として認められる建て付けになっています。
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副業やってみたいけど、うちの会社って禁止なのかな。人事にいきなり聞くのも気まずいし…

副業に興味はあるのに、最初の一歩が「会社に確認する」で止まってしまう。正直なところ、ここで止まっている人はかなり多いです。聞いた瞬間に「転職を考えているのでは」と思われないか、という心配もありますよね。

ただ、人事に聞く前に、就業規則を自分で読むだけで答えの大半は出ます。見るべきは条文1本。禁止と書いてあるのか、許可がいるのか、届け出るだけでいいのか。ここが分かれば、次に何をすればいいかも決まります。

副業を認めている会社はどのくらいある?

パーソル総合研究所の「第四回 副業の実態・意識に関する定量調査」(2025年10月28日発表、2025年8月実施)によると、企業の副業容認率は64.0%で過去最高でした。正社員の副業実施率も11.0%と過去最高で、20代男性に限れば20.2%。5人に1人が実際にやっている計算になります。

大企業に絞った数字もあります。みらいワークスが2026年8月28日に発表した調査(従業員1,000名以上〈製造業〉または500名以上〈製造業以外〉の人事担当者500名対象)では、正社員の副業容認率は54.6%。「現在は禁止だが制度整備中」が19.8%あり、これを合わせると回答企業の4分の3が認める方向に動いています。

調査主体調査時期対象副業容認率(または類する指標)備考
パーソル総合研究所(第四回調査)2025年8月実施・10月28日発表経営層・人事従事者1,500名 / 有業者62,320名64.0%(過去最高)副業平均時給3,617円、正社員副業実施率11.0%、受入率29.1%
パーソル総合研究所(第三回調査)2023年公表経営層・人事従事者等60%超正社員副業実施率7%(2021年比-2.1pt)
みらいワークス2026年8月28日発表大企業(1,000名以上/製造業以外500名以上)人事担当者500名54.6%受入率56.8%、「原則自由」9.0%、制度整備中19.8%

パーソル総合研究所・みらいワークスの公表データをもとに作成

上の表は調査対象の規模も属性も違うので、経年で「増えた」と並べて読むことはできません。それでも、どちらの調査でも過半数が認めているという事実は共通しています。自分の会社が例外的に厳しいと決めつける前に、まず規定を見てみる価値はあります。

就業規則のどこを見ればいい?

探すのは「副業」「兼業」「二重就業」「他社就業」といった語を含む条文です。就業規則が社内ポータルにPDFで置かれているなら、検索機能でこの4語を打つのが一番早い。服務規律の章か、その近くにあることがほとんどです。

見つけた条文は、次の3つのどれかに当てはまります。

条文のタイプを見分ける
  • 届出制 — 「届け出ること」「あらかじめ会社に届け出る」。届出をすれば原則として副業できる建て付け
  • 許可制 — 「会社の許可を得なければならない」「承認を要する」。会社の判断で可否が決まる
  • 禁止 — 「従事してはならない」。例外規定があるかも併せて確認する

厚生労働省のモデル就業規則(令和4年11月版)第70条は、勤務時間外に他社の業務に従事できると定めたうえで、労働者からの届出に基づき、企業秩序への影響や労務提供への支障などがある場合に限って禁止・制限できる、という形をとっています。従来の許可制から届出制へ転換したのが、この改定のポイントです。

ここを知っておくと、自社の条文の意味も読みやすくなります。国が示す標準形が届出制である以上、届出制の会社は「認めない理由がある時だけ止める」という運用をしているということです。

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そもそも就業規則がどこにあるか分からない…

就業規則は労働者に周知する義務があるものなので、社内ポータル・共有フォルダ・総務の書棚のいずれかに必ずあります。見当たらない場合は、総務や人事に「就業規則を確認したいのですが、どこで見られますか」と聞けば十分です。この聞き方なら副業の話には踏み込みません。

禁止・許可制と書いてあったらどうする?

禁止と書かれていても、そこで完全に終わりとは限りません。厚生労働省のガイドライン(2025年3月版)では、禁止・制限できる事由として次の4つが挙げられています。

会社が禁止・制限できる代表的な事由
  • 労務提供上の支障がある場合
  • 企業秘密が漏洩する場合
  • 会社の名誉・信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
  • 競業により自社の利益を害する場合

裏を返せば、このどれにも当たらない副業なら、制限する根拠は薄いということになります。土日に本業と無関係な分野で、社内情報を一切使わずに働く。この形であれば、相談の土俵には乗せられます。

みらいワークスの調査で「現在は禁止だが制度整備中」が19.8%あったように、規定が実態に追いついていない会社も一定数あります。数年前の規則のまま止まっているだけ、というケースは珍しくありません。

無断で始めるのは割に合いません

禁止規定があるのに黙って始めると、発覚したときに懲戒の対象になり得ます。収入のために始めたはずが、本業の評価を落とす結果になっては本末転倒です。規定がグレーなら、始める前に確認する。これが一番安全で、結果的に早い道です。

副業の申請はどう出す?

届出制・許可制のどちらでも、多くの会社には「副業・兼業申請書」「副業・兼業に関する届出書」といった所定の様式があります。まずは社内の様式を探し、なければ人事に確認します。一般的な記載項目は、副業の内容・業務時間・想定収入・就業先名です。

  1. 就業規則の条文を特定する禁止・許可制・届出制のどれかを確認し、条番号をメモする。以降のやり取りで「第◯条について」と言えると話が早い。
  2. 4つの事由に当たらないか自己点検する競業しないか、社内情報を使わないか、本業の勤務に支障が出ない時間帯か。ここを先に潰しておく。
  3. 所定の様式を入手する社内ポータルで「副業」「届出」を検索。見つからなければ人事に「副業の届出様式はありますか」と聞く。
  4. 内容・時間・想定収入・就業先を書いて提出する「土日のみ・月20時間程度」のように、本業の勤務時間と重ならないことが読み取れる書き方にする。
  5. 受理の記録を残す提出日と受理された旨のメールを保存しておく。後から「聞いていない」となるのを防ぐ。

直属の上司に先に一声かけるかは会社の文化によりますが、提出前に伝えておくほうが揉めにくいのは確かです。伝え方は「本業に支障が出ない範囲で、休日に◯◯の仕事をしたいと考えています。規定に沿って届出を出す前に、先にお耳に入れておきたくて」くらいで足ります。理由を長く語る必要はありません。

雇用契約で副業すると何が変わる?

ここは見落とされがちなところです。副業先とも雇用契約を結ぶ場合(アルバイト・パートなど)、労働基準法上は本業と副業先の労働時間を通算して管理することになります。本業で週40時間働いていれば、副業先の時間はその上に積み上がる計算です。

一方、フリーランス・業務委託型の副業はこの通算の対象外です。執筆・デザイン・コンサルティングなどを業務委託で請ける形なら、労働時間通算の問題は起きません。会社側から見ても管理の手間が少ないため、届出が通りやすい形でもあります。

パーソル総合研究所の調査では、副業の平均時給は3,617円で、2023年の前回調査から24%上がっています。時間あたりの単価が上がっているぶん、少ない時間でも成立しやすくなっているということでもあります。

税金と住民税はどう扱えばいい?

副業所得が年間20万円を超える場合は、確定申告が必要です。ここは金額で機械的に決まります。

確定申告書には住民税の徴収方法を選ぶ欄があり、「自分で納付(普通徴収)」を選ぶと、副業分の住民税を給与天引きと分けられます。会社に通知される住民税額に副業分が乗らなくなる、という理屈です。

普通徴収なら絶対に伝わらない、とは言えません

普通徴収への切替が可能かどうか、手続きの方法は市区町村によって運用が異なります。選択しても分離されないケースもあり得るため、「これで確実にバレない」とは考えないほうが安全です。居住地の自治体に確認したうえで、そもそも届出を出して堂々とやる形を優先してください。

今日できることはどこまで?

ここまでの内容を、今日の30分でできる範囲に落とすとこうなります。

今日やること
  • 社内ポータルで就業規則を開き、「副業」「兼業」で検索する
  • 条文が禁止・許可制・届出制のどれか判定し、条番号を控える
  • 届出制なら申請様式を探す。見つからなければ人事に様式の有無だけ聞く
  • やりたい副業が競業・情報漏洩・本業への支障に当たらないか自分で点検する
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規則を読むだけなら、今日のうちにできそう

始めるかどうかを今日決める必要はありません。自社がどのルールなのかを知る。それだけで、「たぶん無理だろう」という曖昧な足踏みは終わります。判断材料がそろってから決めれば十分です。

よくある質問

副業を認めている企業はどのくらいありますか?

パーソル総合研究所の第四回調査(2025年10月28日発表)によると、企業の副業容認率は64.0%で過去最高でした。大企業に絞ったみらいワークスの調査(2026年8月28日発表)では54.6%で、「現在は禁止だが制度整備中」の19.8%を合わせると回答企業の4分の3が認める方向にあります。

就業規則のどこを見れば副業の可否がわかりますか?

服務規律の章あたりにある「副業」「兼業」「二重就業」「他社就業」を含む条文を探します。そこに「届け出ること」とあれば届出制、「許可を得なければならない」とあれば許可制、「従事してはならない」とあれば禁止です。就業規則がPDFで社内共有されている場合は、この4語で検索するのが早いです。

会社は副業をどんな理由で禁止できますか?

厚生労働省のガイドライン(2025年3月版)は、労務提供上の支障がある場合、企業秘密が漏洩する場合、会社の名誉・信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合、競業により自社の利益を害する場合の4つを挙げています。届出制の下では、これらに当たらない限り副業は原則として認められる建て付けです。

副業をすると確定申告は必要ですか?

副業所得が年間20万円を超える場合は確定申告が必要です。確定申告書では住民税の徴収方法として「自分で納付(普通徴収)」を選べますが、切替の可否や手続きは市区町村によって運用が異なるため、居住地の自治体への確認が必要です。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。