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特定口座の源泉徴収あり・なし、年間取引報告書のどこで見る?

2026年8月19日|いろは堂投資編集部
室内の机でノートパソコン前に座り書類を両手で持つ人物

画像出典: SHVETS production / Pexels

この記事の要点
特定口座が「源泉徴収あり」か「なし」かは、証券会社から交付される特定口座年間取引報告書の上部にある「③源泉徴収の選択」欄で確認できます。「1.有」に丸が付いていれば証券会社が20.315%を天引きしているため原則として確定申告は不要、「2.無」なら報告書の数字をもとに自分で申告します。報告書は取引のあった翌年1月31日までに交付され、同じものが税務署にも提出されています。
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口座を作るとき「源泉徴収あり」を選んだ気がするけど、正直あやふや。確定申告っているの?

口座開設は何年も前の話で、そのとき何を選んだか覚えていない。株の売買にはそれなりに慣れてきたのに、税金まわりだけは毎年ぼんやりしたまま2月を迎える——これはかなり多いパターンです。

ただ、この確認は探し回る作業ではありません。証券会社が毎年送ってくる1枚の書類の、上のほうにある小さな欄を見るだけで決着します。その欄の場所と、有・無それぞれで何が変わるのかを順に見ていきます。

そもそも特定口座とは何が違う口座?

株式の取引口座には、特定口座と一般口座があります。違いはひとことで言うと、年間の損益計算を証券会社がやってくれるかどうかです。

特定口座を選んでいると、証券会社がその口座内の1年分の売買を集計し、特定口座年間取引報告書という書類を作ってくれます。いくら売って、取得費がいくらで、差し引きの損益がいくらだったか——確定申告で必要になる数字が、すでに計算された状態で手元に届くわけです。

そのうえで、特定口座はさらに「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の2種類に分かれます。今回確認したいのは、この枝分かれのどちらに自分がいるかです。

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計算してくれるのと、税金を引くのは別の話ってこと?

計算と徴収は別の工程です。特定口座であればどちらも損益計算はしてもらえますが、そこから税金を天引きして納めるところまで代行するのが「源泉徴収あり」、計算結果だけ渡されて納めるのは自分でやるのが「源泉徴収なし」という区別になります。

「源泉徴収あり」と「なし」で何が変わる?

源泉徴収ありの口座では、譲渡益や配当等が発生するたびに、証券会社が20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)を差し引いて納税まで済ませます。納税が完了しているので、その口座の利益については原則として確定申告が不要です(申告不要制度)。

源泉徴収なしの口座では天引きが行われません。利益が出た年は、年間取引報告書に載っている数字をもとに自分で確定申告をして納税します。書類の数字を転記する形になるので、申告作業自体は簡便に設計されています。

源泉徴収あり源泉徴収なし
税金の天引き証券会社が20.315%を徴収徴収されない
年間取引報告書交付される交付される
確定申告原則不要自分で申告する

どちらでも年間取引報告書は交付されます。つまり「書類が届いた=源泉徴収なしだった」ではありません。ここは取り違えやすいところです。

年間取引報告書のどこを見れば分かる?

確認するのは1か所だけです。特定口座年間取引報告書の上部に「③源泉徴収の選択」という項目があり、「1.有」「2.無」のどちらかに丸が付いています。

紙面の位置そこに書かれている内容
上段ブロック(1行目)①住所(居所)又は本店所在地
上段ブロック(2行目)②氏名又は名称・個人番号
上段ブロック(3行目)③源泉徴収の選択 1.有/2.無 ← 丸が付いている方が自分の設定
中段以降譲渡の対価の額・取得費・差引金額など金額欄
下段配当等の額と源泉徴収税額の欄

SBIネオトレード証券の公表する報告書サンプルをもとに作成

上の並びのとおり、③は住所・氏名のすぐ下にあります。金額がずらりと並ぶ表の中を探しても見つかりません。探す場所は「表の中」ではなく「表が始まる前の上段」です。紙でも電子交付のPDFでも、レイアウトは各社ほぼ共通です。

  1. 報告書を用意する郵送で届いた紙、または証券会社のマイページにログインして電子交付の書類(PDF)を開きます。「特定口座年間取引報告書」という名前で保管されています。
  2. 上部の「③源泉徴収の選択」を探す氏名・住所などが書かれた上段のブロックの中にあります。表の本体(譲渡損益の金額欄)ではなく、その手前です。
  3. 丸の位置を読む「1.有」に丸なら源泉徴収あり、「2.無」に丸なら源泉徴収なしの口座です。
  4. 複数口座があれば全部見る証券会社ごとに設定が違う場合があります。A社は有、B社は無、という状態も普通に起こります。口座の数だけ報告書があるので、それぞれ確認します。
確認できたらここまで判断できます
  • 「1.有」→ その口座の利益は納税済み。原則として申告しなくてよい
  • 「2.無」→ 利益が出ていれば申告が必要。報告書の金額を使う
  • 複数社で有・無が混在 → 有の口座も含めて申告した方が有利な場合がある(次章)

そもそも報告書が見当たらないときは

報告書が見当たらない場合は、まず交付時期を思い出してみてください。特定口座年間取引報告書は、取引のあった翌年の1月31日までに証券会社から交付され、同時に同じ内容が税務署にも提出されています。年明けすぐの時期に、電子交付のお知らせとして届いていることが多い書類です。

それでも無い場合、考えられるのは3つです。ひとつは、その年にその口座で売却も配当受取もなかったケース。動きがなければ交付されないことがあります。ふたつめは、その口座が特定口座ではなく一般口座だったケース。一般口座には年間取引報告書という制度自体がなく、自分で取引をまとめる必要があります。みっつめは、NISA口座の取引と混同しているケースで、こちらは非課税なので源泉徴収の選択という概念がありません。「③が見つからない」のではなく「その書類自体が特定口座のものではない」可能性を先に疑うと早く解決します。

電子交付ではPDFに加えてXML形式でも提供されるケースが増えています。e-Taxの確定申告書等作成コーナーでこのXMLファイルを読み込むと、報告書の内容が申告書に自動で入力されます。手入力の転記ミスが減るので、申告する場合は使い勝手の良い経路です。

「源泉徴収あり」でも申告した方がよいのはどんなとき?

源泉徴収ありは「申告しなくてよい」であって「申告してはいけない」ではありません。あえて申告することで結果が変わる場面があります。

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申告不要って言われたから、ずっと何もしてなかった…

代表的なのは、複数の証券会社に口座を持っていて、片方で利益・もう片方で損失が出ている場合です。A社で30万円の利益、B社で20万円の損失というとき、A社では30万円分に対する税金がすでに天引きされています。

数字にすると差がはっきりします。A社で天引きされた税額は30万円×20.315%=60,945円。申告して損益通算をすると課税対象は差引10万円になり、本来の税額は20,315円です。その差額40,630円が還付される計算になります。損失20万円に20.315%を掛けた額がそのまま戻る、と覚えると見積もりが早くなります。

もうひとつは、年間トータルで損失に終わった場合の繰越控除です。申告しておくと、その損失を翌年以降の利益と相殺できる仕組みがあります。損失の年は「どうせ税金がかからないから」と放置しがちですが、申告しないと繰り越す権利自体が発生しません。

申告すれば必ず得、とは限りません

確定申告をすると、その所得が合計所得金額に含まれます。源泉徴収ありのまま申告しなければ含まれない扱いになるところが、申告することで社会保険料の算定や、配偶者・扶養親族としての判定に影響する可能性があります。特に扶養に入っている方や国民健康保険に加入している方は、還付される金額と、保険料や扶養判定への影響を見比べたうえで決める必要があります。判断に迷う場合は税務署や税理士に個別に確認してください。

これから設定を変えたい場合はどうする?

確認した結果が想定と違っていた場合、源泉徴収の有無は変更できます。ただし、その年に一度でもその口座で売却や配当の受け入れがあると、その年の途中では変更できないのが一般的です。変更を考えるなら年内の取引を始める前が基本になります。

手続きは証券会社のマイページで「源泉徴収の選択」に関する届出を出す形が多く、会社によって画面の名称や導線が異なります。使っている証券会社のヘルプで「源泉徴収 変更」と検索するのが早いです。

なお、どちらが正解という設定ではありません。手間を減らしたいなら「あり」、他の所得との兼ね合いで自分でコントロールしたいなら「なし」という選び方になります。まずは自分がどちらなのかを知ってから、変える必要があるかを考えれば十分です。

確認の流れをもう一度

今日やること
  • 証券会社のマイページで「特定口座年間取引報告書」を開く
  • 上段ブロックの3行目、「③源泉徴収の選択」の丸を見る
  • 「有」なら原則申告不要/「無」なら申告が必要
  • 複数社に口座があれば、社ごとに同じ確認をする
  • 損失の年や、社をまたいで損益が分かれている年は、申告した方が有利かを検討する

税金の話は苦手意識が出やすい領域ですが、この確認自体は書類の1行を読むだけです。まずそこをはっきりさせておくと、毎年2月にぼんやり不安になる時間がなくなります。

※本記事は制度と手続きの解説であり、投資助言や特定の商品・銘柄の推奨ではありません。株式投資は自己責任であり、元本が保証されるものではありません。税務上の取り扱いは個々の状況によって異なるため、具体的な判断は税務署または税理士にご確認ください。

よくある質問

特定口座年間取引報告書はいつ届きますか?

取引のあった年の翌年1月31日までに証券会社から交付されます。同じ内容の報告書が税務署にも提出されます。近年は郵送ではなく、証券会社のマイページでの電子交付(PDF・XML形式)が主流になっています。

源泉徴収ありの口座なら確定申告は本当に不要ですか?

その口座内の譲渡益・配当等については証券会社が20.315%を源泉徴収して納税を完了しているため、原則として確定申告は不要です。ただし複数口座の損益通算や譲渡損失の繰越控除を使いたい場合は、あえて申告する選択肢があります。

源泉徴収なしの口座では何をすればよいですか?

証券会社から交付された特定口座年間取引報告書に記載された年間の譲渡損益や配当等の金額をもとに、自分で確定申告書を作成して申告します。e-Taxの確定申告書等作成コーナーで報告書のXMLファイルを読み込むと、内容が自動入力されます。

証券会社ごとに源泉徴収の設定が違うことはありますか?

あります。源泉徴収の有無は口座ごとの設定なので、A証券は「有」、B証券は「無」という状態は普通に起こります。口座を複数持っている場合は、証券会社ごとに年間取引報告書の「③源泉徴収の選択」欄を確認してください。

年間取引報告書に「③源泉徴収の選択」欄が見当たりません。

③は住所・氏名が並ぶ上段ブロックの中にあり、金額欄の表の中にはありません。上段を見ても無い場合は、その書類が特定口座のものではない可能性があります。一般口座には年間取引報告書の制度がなく、NISA口座は非課税のため源泉徴収の選択という項目自体がありません。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。