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新NISA未成年枠2027年開始、年60万円で何が変わる?

2026年9月2日|いろは堂投資編集部
屋内のリビングで大人3人と子ども1人が書類を手に会話する写真

画像出典: Pavel Danilyuk / Pexels

この記事の要点
2025年12月19日に決定した令和8年度(2026年度)税制改正大綱で、0〜17歳を対象とした新NISA「つみたて投資枠」の解禁が決まりました。年間60万円・非課税保有限度額600万円で、開始は2027年1月の予定です。12歳以降は子の同意などを条件に払い出しができ、18歳到達時には成人NISAの生涯枠1,800万円へ自動的に引き継がれる設計になっています。
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子ども名義でも非課税で積み立てられるようになるって聞いたけど、ジュニアNISAと何が違うの?

子ども名義の非課税制度は、2023年末でジュニアNISAが廃止されてから空白の状態が続いていました。そこへ新しい枠が入ってくる、というのが今回の話です。

正直なところ、教育資金は「いつまでにいくら必要か」がある程度決まっているお金です。だからこそ、制度の中身を先に知って、使うか使わないかを落ち着いて決めればいい話でもあります。決まったこと、まだ動いていないこと、そして開始までにできる準備を順番に見ていきます。

2026年度税制改正で何が決まった?

政府・与党が2025年12月19日に決定した「令和8年度(2026年度)税制改正大綱」に、未成年を対象とした新NISA「つみたて投資枠」の解禁が盛り込まれました。金融庁も2025年12月26日付で、税制改正大綱における金融庁関係の主要項目としてこれを公表しています。

媒体によって「こどもNISA」「こども支援NISA」と呼び方に揺れがありますが、指しているのは同じ枠組みです。大綱で決まったのは2026年度改正としてですが、実際に使えるようになるのは2027年1月からの予定で、この「決定した年」と「始まる年」がずれている点が、いちばん混乱しやすいところです。

決まった内容の骨格
  • 対象年齢は0歳〜17歳(18歳未満)
  • 年間投資枠は60万円まで
  • 非課税保有限度額(生涯枠)は総額600万円まで
  • 買えるのは成人の「つみたて投資枠」と同様、長期・積立・分散を前提とした対象商品
  • 開始は2027年1月の予定

運用対象が成人のつみたて投資枠と同じ考え方に揃えられているのは、投機的な運用を抑えるための設計です。子どもの名義で短期売買を繰り返すような使い方は、そもそも商品の側で選べないようになっている、と考えると分かりやすいと思います。

旧ジュニアNISAとどこが違う?

制度の輪郭を旧ジュニアNISAと並べると、変わった点がはっきりします。同じ軸で2つの制度を比べたものが次のとおりです。

旧ジュニアNISA新しい未成年つみたて枠
年間投資枠80万円60万円
払い出し制限18歳まで原則不可12歳以降は子の同意等を条件に可能
状況2023年末で廃止2027年1月開始予定

税制改正大綱および金融庁の公表資料をもとに作成

年間の枠は80万円から60万円へ減っています。一方で使い勝手の面では、払い出し制限の緩和がかなり大きな変更です。旧ジュニアNISAは原則18歳まで引き出せず、この「途中で動かせない」点が敬遠される理由のひとつでした。新しい枠では12歳を過ぎれば、子の同意などを条件に親権者等が払い出せる設計になっています。

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12歳って、ずいぶん中途半端な区切りに見えるけど

年齢の区切りは、中学入学前後という子ども自身が自分のお金について説明を受けられる時期と重なります。中学・高校の費用が必要になる局面で、口座を解約せずに一部を取り崩せる余地が生まれる、というのが実務上の意味です。ここは12歳までは原則引き出せない裏返しでもあるので、直近数年で使う予定のお金を入れる場所ではない、という前提は変わりません。

18歳になったら口座はどうなる?

教育資金の制度でいちばん気になるのが「出口」です。ここは今回、かなり素直な設計になっています。

18歳到達時点で保有していた600万円分の非課税枠は、成人向けNISAの非課税保有限度額(総額1,800万円)へ自動的に引き継がれます。口座を切り替える手続きも、いったん売却して買い直す必要もなく、非課税のまま運用を続けられる設計です。

旧ジュニアNISAでは、成人年齢に達したあとの扱いが分かりにくく、それ自体が利用のハードルになっていました。18歳で自動的に成人枠へ乗り換わるなら、「大学入学のタイミングで一度リセットされる」といった心配をせずに考えられます。

向いていないケースもあります

この枠は非課税というだけで、値動きのある商品を買う点は成人のNISAと同じです。中学受験の費用のように使う時期が数年内に決まっているお金は、相場が下がった局面で取り崩さざるを得なくなる可能性があります。使う時期が近いお金は預貯金や学資保険で確保し、運用に回すのは時間に余裕のある部分だけ、という切り分けは制度が変わっても必要です。また、年間60万円という枠は、家計から無理なく出せる範囲を超えてまで埋めるものではありません。

開始まで、今のうちにできる準備は?

2027年1月開始予定ということは、現時点ではまだ口座を開くことも積み立てを始めることもできません。制度の詳細は今後の法案審議や金融機関の対応で固まっていく部分もあります。それでも、開始を待つあいだにできる整理はあります。

  1. 教育資金の必要時期を書き出す子ども1人につき、いつ・何のためにお金が要るかを年単位で並べます。ここで「6年以内に使う」ものと「10年以上先」のものに分かれるはずです。
  2. 運用に回せる部分を切り分ける直近で使うお金は預貯金に置いたまま、時間に余裕のある部分だけを候補にします。年60万円は月あたり5万円ですが、枠は埋めるためのものではありません。
  3. 親自身のNISA枠の使用状況を確認する家計全体で見れば、成人の枠がまだ余っているなら、そちらを先に使うという選択もあります。子ども名義にすると資金が子どものものになる点も含めて考えます。
  4. 金融機関の告知を待つ取扱商品や申込方法は各社の対応が発表されてから分かります。開始前に確定情報として案内される内容だけを見て判断します。
  5. 制度の続報を年内に一度確認する大綱で決まった内容が、その後の手続きでどう具体化されたかを、開始前にもう一度確かめておきます。
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今すぐ動かなくていいなら、家計の整理から始めればいいのね

制度の開始まで時間があることは、むしろ有利に働きます。必要時期の切り分けができていれば、始まったときに「いくらを、どの枠で」の判断が一瞬で済みます。逆にここが曖昧なままだと、枠の大きさだけを見て金額を決めてしまいがちです。

親名義で積み立てるのとどちらがいい?

子ども名義の枠が使えるようになっても、親名義のNISAで教育資金を積み立てる方法がなくなるわけではありません。どちらにも性格の違いがあります。

子ども名義の枠は、家族全体で使える非課税枠が増えるという点が最大の利点です。親の生涯枠1,800万円とは別に、子ども1人あたり600万円の枠が立ち上がる形になります。一方で、子ども名義の資産は子どものものであり、12歳までは原則引き出せません。家計が苦しい局面で機動的に使う想定なら、この制約は無視できません。

親名義で積み立てる場合は、いつでも取り崩せて用途も自由ですが、非課税枠は親自身の老後資金と取り合いになります。どちらが正解ということはなく、家計にどれだけ余裕があるか、親の枠がどの程度埋まっているかで答えが変わります。

なお、ここまでの数値・制度内容は2025年12月に決定した税制改正大綱にもとづく2026年9月時点の情報です。今後の法令・金融機関の対応で細部が変わる可能性があるため、実際に利用する際は金融庁および利用する金融機関の最新の案内で確認してください。

投資は自己責任であり、元本は保証されていません。非課税制度は税負担を軽くする仕組みであって、運用成果を保証するものではありません。本記事は制度の解説を目的としたもので、特定の商品や投資行動を推奨するものではありません。

よくある質問

新NISAの未成年つみたて枠はいつから使えますか?

2027年1月からの開始が予定されています。制度自体は2025年12月19日に決定した令和8年度(2026年度)税制改正大綱に盛り込まれたもので、決定した年と開始する年が異なる点に注意が必要です。

未成年つみたて枠の年間投資枠と生涯枠はいくらですか?

年間投資枠は60万円、非課税保有限度額(生涯枠)は総額600万円です。成人のつみたて投資枠の年120万円より少なく、旧ジュニアNISAの年80万円からも減額されています。

積み立てたお金は途中で引き出せますか?

12歳までは原則として引き出せません。12歳以降は子の同意等を条件に親権者等による払い出しが可能となる設計で、18歳まで原則不可だった旧ジュニアNISAより大幅に緩和されています。

子どもが18歳になったら口座はどうなりますか?

18歳到達時に、保有していた600万円分の非課税枠は成人向けNISAの非課税保有限度額(総額1,800万円)へ自動的に引き継がれます。口座の切り替えや売却の手続きなしで非課税運用を継続できる設計です。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。