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未成年口座の開設手順、贈与が成立する条件とは?

2026年6月21日|いろは堂投資編集部
貯金箱(ピギーバンク)のイメージ

画像出典: 写真: Наталя добр(CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の要点
未成年口座は、親権者自身がその証券会社に口座を持ち、同意したうえで、続柄を証明する公的書類を提出して開設するのが共通の骨格です。贈与税の基礎控除110万円は「その年に子が受けた贈与の合計額」に対する枠であって証券口座への入金上限ではなく、親が資金も管理も握ったままだと名義預金と扱われ、贈与自体が成立していないと判断されるおそれがあります。
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子どもの名義で口座を作って、少しずつ株を買っていきたいんだけど……そもそも子ども本人だけで作れるものなの?

未成年口座は、子ども本人が単独で申し込んで完結する口座ではありません。主要ネット証券はいずれも「親権者がその会社に口座を持っていること」を前提に設計されています。申込画面に入るのも、書類を返送するのも、基本的には親側の作業です。

そしてもうひとつ、口座の作り方と同じくらい先に知っておきたいのがお金の入れ方です。正直なところ、「年110万円までなら非課税」という言葉だけが独り歩きしていて、その枠が何にかかる枠なのかまで押さえている人は多くありません。ここを取り違えたまま何年も積み上げると、あとから話がややこしくなります。

未成年口座とは?誰が主体になる口座なのか

未成年口座は、口座の名義人が18歳未満である証券口座のことです。名義は子どもですが、取引の意思決定と管理を親権者(法定代理人)が担う前提で制度が組まれています。ここが成人の口座との一番大きな違いです。

楽天証券は、登録親権者に対して、口座名義人宛に送られるIDとパスワードを使って未成年口座の取引状況を常に管理・把握することへの同意を求めています。つまり「子どもに渡して自由にやらせる」形ではなく、親が中身を把握し続けることが開設の条件に含まれているわけです。

🤔
親が管理するなら、自分の口座で買って将来渡すのと何が違うの?

違いは名義と、そこに至るお金の移し方です。子ども名義の口座に入れたお金は、原則として「親から子への贈与」として扱われることを前提に手続きを整える必要があります。後半の贈与の項目で、この点を具体的に見ていきます。

未成年口座の開設に必要なものは?

必要書類は証券会社ごとに細部が違いますが、骨格は共通しています。主要3社の公表内容を整理すると次のとおりです。

親権者の口座続柄の証明申込方法
SBI証券取引主体となる親権者(父または母)の総合口座が必要続柄を確認できる証明書類(世帯状況により異なる)親権者が2名いる場合、申込者以外の親権者の情報も申告
楽天証券親権者のうち1名の総合取引口座が必要世帯全員記載の住民票の写し(子のマイナンバー・続柄の記載必須)+親権者の本人確認書類親権者がログイン後の専用画面から申込
マネックス証券申込書の同意書欄に親権者の署名続柄記載のある住民票、または未成年の健康保険証+母子健康手帳郵送方式(本人確認書類・マイナンバーのオンライン提出は不可)

SBI証券楽天証券マネックス証券の公表データをもとに作成

表を見ると、親権者側の口座がまだ無い状態では、そもそも未成年口座の申込に進めないケースがあることがわかります。楽天証券は親権者全員の同意に加えて親権者1名の総合取引口座の開設を条件として明示していますし、SBI証券も取引の主体となる親権者がすでに口座を保有していることを求めています。子どもの口座を今月中に、と考えているなら、順番としては親の口座が先です。

親権者が1人のとき・親権者がいないときは?

SBI証券は、親権者が1名の場合でも未成年口座を開設できるとしています。親権者がいない場合も、未成年後見人がSBI証券に口座を開設済みであれば開設は可能で、その際は未成年後見人であることを証明する公的書類として戸籍謄本(全部事項証明)の附票付きが必要になります。

マネックス証券では、法定代理人と未成年者の住所が異なる場合に、戸籍謄本または戸籍全部事項証明書(コピー可)と、それぞれの本人確認書類の提出が求められます。同居していない家庭では、住民票だけでは足りない場面があるということです。

必要書類は会社ごとに違います

ここで挙げた書類は各社が公表している内容ですが、世帯の状況によって追加書類を求められることがあり、内容も随時更新されます。申込に着手する前に、利用予定の証券会社の未成年口座ページで最新の必要書類を必ず確認してください。また、未成年口座で取引できる商品の範囲(信用取引の可否など)は会社ごとに定めがあるため、各社の未成年口座説明書で確認するのが確実です。

未成年口座の開設手順は?

  1. 親権者の口座を先に開く親権者本人がその証券会社に総合口座を持っているかを確認します。無ければここから。会社によっては、この時点で申込画面にたどり着けません。
  2. 続柄を証明する書類を集める多くの場合、続柄とマイナンバーが記載された世帯全員分の住民票が起点になります。役所での取得時に「続柄あり・マイナンバーあり」で請求するのを忘れないでください。
  3. 親権者の同意欄を埋めるマネックス証券なら申込書の「未成年者の証券取引に関する同意書」欄に親権者が署名します。楽天証券では親権者全員の同意が条件です。
  4. 申込方法に合わせて提出する楽天証券は親権者がログイン後の専用画面から申し込みます。マネックス証券は郵送方式で、送られてきた書類に必要書類を添えて返送します。オンラインで完結するとは限りません。
  5. ID・パスワードを受け取り、管理方法を決める口座名義人宛に届くIDとパスワードで、親権者が取引状況を把握します。ここで「誰がどう管理するか」を家庭内で決めておくと、次章の贈与の話につながります。

年110万円までなら大丈夫、ではない?

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毎年110万円までなら口座に入れて大丈夫、って聞いたけど……違うの?

贈与税の暦年課税では、その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与でもらった財産の合計額から、基礎控除額110万円を差し引いた残りに税率がかかります。ここで大事なのは、110万円は「その年に子が受けた贈与財産の合計額」に対する枠であって、証券口座への年間入金額の上限ではないという点です。

同じ年に現金でも渡し、証券口座にも入金したなら、合計して110万円を超えているかどうかで判定されます。祖父母からの贈与があれば、それも同じ年の合計に含まれます。口座単位で110万円ずつ、という数え方ではありません。

国税庁が示す計算例では、贈与財産の価額が500万円の場合、基礎控除後の課税価格は500万円−110万円=390万円となり、一般税率の場合の贈与税額は390万円×20%−25万円=53万円と計算されます。控除を超えた分に対してどのくらいの負担が生じるのか、桁感を掴んでおくとよいと思います。

その年の贈与合計に入るもの
  • 親から子への現金の手渡し・振込
  • 子ども名義の証券口座への入金
  • 祖父母など、親以外からの贈与

名義預金と判断されると何が起きる?

110万円の枠とはまったく別の論点として、「名義預金」があります。名義預金とは、口座の名義人(子)と、実際に資金を出して管理している人(親)が異なる預貯金等のことです。税務上は名義人ではなく、実質的な拠出者・管理者の財産とみなされ、相続税や贈与税の課税対象になり得ます。

ここが重要なところで、名義預金と認定されると、そもそも贈与が成立していなかったという整理になります。基礎控除110万円を毎年きちんと下回っていたかどうか以前の話で、口座の中身が将来的に親の相続財産として扱われるリスクが出てきます。「枠に収めていたか」と「贈与が成立していたか」は別の問題だと理解しておいてください。

何を見て判断されるのか

税務の専門家が裁判例を整理したところによれば、名義預金かどうかは次の5点を総合して判断されるとされています。これは国税庁の個別のタックスアンサーとして示されたものではなく、専門家による解説である点は押さえておいてください。

名義預金の判定で見られる5点(専門家解説)
  • 資金を出したのは誰か
  • 通帳・印鑑・カードを誰が保管し、入出金を誰が指図しているか
  • その財産から生じる利息・配当が誰に帰属しているか
  • 名義人と管理者の関係
  • 名義人がその名義を持つに至った経緯

並べてみるとわかりますが、判定の軸は書類上の名義ではなく、実態としてお金が誰のものとして動いているかです。子ども名義の口座を作っただけでは、この5点のうち多くが親を指したままになります。

贈与を成立させるために整えること

実務上、名義預金と判定されないために重要とされているのは、贈与の事実と受贈者本人による管理を客観的に示せる状態を作ることです。具体的には、贈与契約書を作成すること、口座の管理・運用を実質的に子(成人後は本人)が行っている状態にすること、通帳や証券口座のID・パスワードを親が独占管理し続けないこと、といった点が挙げられています。

ただし、前半で見たとおり未成年口座では親権者が取引状況を管理・把握することが開設条件に含まれています。制度上の管理義務と、贈与としての実態づくりは、同じ方向を向いていません。この折り合いをどうつけるかは家庭ごとの事情に左右されるところなので、金額が大きくなる見込みがあるなら、早い段階で税理士など専門家に相談するのが安全です。

向いていないケースもあります

数年以内に教育費として取り崩す予定のお金は、価格変動のある商品に置くと必要なときに元本を下回っている可能性があります。また、口座の管理を親が続けることに家庭内で合意が取れていない場合や、贈与の記録を残す運用を続けられそうにない場合は、無理に子ども名義にせず、親自身の口座で運用してから必要な時点で贈与を検討するという選択肢もあります。

開設前に確認しておきたいこと

申込に進む前のチェック
  • 親権者自身の口座が、その証券会社に開設済みか
  • 親権者が2名いる場合、もう1名の同意・情報申告の要否を確認したか
  • 住民票を「続柄あり・マイナンバーあり」で取得したか
  • 申込がオンライン完結か郵送併用かを把握しているか
  • その年に子が受ける贈与の合計額(他の贈与を含む)を把握しているか
  • 贈与契約書など、贈与の事実を残す方法を決めたか
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手続きより、お金の入れ方のほうを先に決めておくべきだったんだね。

口座を開くこと自体は、書類さえ揃えば難しい手続きではありません。一方で、贈与の扱いは何年も積み上げた後になって効いてきます。まずは各社の未成年口座ページで必要書類を確認しつつ、その年の贈与合計をどう管理するかを先に決めておくと、後から慌てずに済みます。

本記事は制度と手続きの解説を目的としたもので、特定の商品や投資手法を推奨するものではありません。投資は自己責任であり、元本は保証されません。また、税務の取扱いは個別事情や制度改正により異なるため、具体的な判断は国税庁の公表情報や税理士など専門家にご確認ください。

よくある質問

未成年口座は子ども本人だけで開設できますか?

できません。主要ネット証券では親権者の同意が必須で、SBI証券や楽天証券は親権者自身がその証券会社に口座を保有していることを開設条件としています。マネックス証券でも申込書の同意書欄に親権者の署名が必要です。

未成年口座の開設にはどんな書類が必要ですか?

親権者と子の続柄を証明する公的書類が必要です。楽天証券は子のマイナンバーと続柄が記載された世帯全員分の住民票の写しと親権者の本人確認書類、マネックス証券は続柄記載のある住民票、または未成年の健康保険証と母子健康手帳の組み合わせを求めています。会社ごとに異なるため事前確認が必要です。

年間110万円までなら子ども名義の口座に入金しても課税されませんか?

110万円は贈与税の基礎控除額で、その年の1月1日から12月31日までに子が贈与を受けた財産の合計額に対する枠です。証券口座への年間入金額の上限という意味ではなく、同じ年に現金贈与や祖父母からの贈与があれば合算して判定されます。

名義預金と判断されるとどうなりますか?

名義預金とは名義人と実際の資金拠出者・管理者が異なる預貯金等で、税務上は実質的な拠出者の財産とみなされます。この場合そもそも贈与が成立していなかったと整理されるため、基礎控除の適用以前の問題として、口座内の資産が将来的に贈与者の相続財産として扱われるリスクがあります。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。