投資初心者の最初の1年、始め方の順番は?
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投資の始め方は「証券口座を開く→つみたて設定を少額で入れる→慣れたら単元未満株で個別株を1株買う→記録して振り返る」の順で進めると迷いにくくなります。ネット完結の口座開設は最短翌営業日で取引可能、積立はネット証券なら月100円から設定でき、個別株も1株から買えるため、最初の1年は「金額を増やすこと」より「一通り経験しておくこと」を目標に置けます。
投資の入り口でつまずく理由の多くは、知識が足りないことではありません。やることが同時に5つくらい目の前に並んでいて、順番が決まっていないことです。口座を開く、NISAの枠を理解する、商品を選ぶ、金額を決める、個別株を買ってみる——どれも必要ですが、全部を今日決める必要はありません。
正直なところ、最初の1年でいちばん大事なのは利益ではなく「一通り自分の手でやってみて、値動きがある状態に慣れること」です。ここでは、口座開設から記録の振り返りまでを月単位の順番に並べ直します。金額はあとから増やせます。順番だけ先に決めてしまいましょう。
投資は何から始めればいい?最初の1年の全体像
先に全体を見ておくと、今どこにいるかが分かって迷いにくくなります。最初の1年を4つのブロックに割ると、こうなります。
- 1〜2か月目:口座を開く証券口座とNISA口座の申し込みを済ませる。ここは手続きだけで、投資判断はまだ不要です。
- 3〜5か月目:つみたてを少額で回すまず小さい金額で自動積立を設定し、値動きがある口座を持っている状態に慣れます。
- 6〜9か月目:個別株を1株だけ買ってみる単元未満株で数千円規模から。自分で選んで注文を出す経験がここで手に入ります。
- 10〜12か月目:記録して振り返る1年分の記録を見返して、金額や配分を来年の自分向けに調整します。
この順番にしている理由ははっきりしていて、判断が要らない作業から先に片づけているからです。口座開設も積立設定も、銘柄を選ぶ力はまったく要りません。要らない段階で悩まないほうが、続きます。
投資は元本が保証されていません。積立でも個別株でも、買った値段より下がることは普通に起こります。ここで紹介するのは「始め方の順番」であって、増える方法の話ではありません。金額の決め方は、下がっても生活が揺れない範囲を上限にしてください。
1〜2か月目:証券口座はどうやって開く?
最初の関門に見えて、実際にやることは書類を用意して申し込むだけです。必要なのはマイナンバー確認書類と本人確認書類の2種類。マイナンバーカードを持っていれば、スマホからのネット申込みならその1枚で本人確認まで完結します。持っていない場合は、運転免許証と通知カードの組み合わせが一般的です。
ちなみに2016年以降、マイナンバーを提示しないと証券口座は新規開設できない制度になっています。「番号を出すのが不安だから避ける」という選択肢は、そもそも存在しません。
| 提出方法 | 取引開始までの目安 |
|---|---|
| スマホ・ネットで完結 | 最短で翌営業日から取引可能 |
| 書類を郵送 | 10日程度 |
Newsweek日本版の公表情報をもとに作成
急ぐ必要はありませんが、郵送を選ぶと開設だけで10日ほど溶けます。手元にマイナンバーカードがあるなら、スマホで完結させたほうが1〜2か月目のうちに次へ進めます。
NISA口座も同時に申し込んでおく
証券口座の申込画面には、たいていNISA口座を一緒に申し込むかどうかの選択があります。ここで一緒に申し込んでおくと、あとから別途手続きする手間がなくなります。
新NISAの枠組みも、この段階で言葉だけ押さえておけば十分です。つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円で、この2つは併用できて合計年360万円。生涯で非課税にできる金額は合計1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)です。
埋める必要はまったくありません。これは「ここまでなら非課税で使える」という上限であって、目標額ではないからです。月1万円の積立なら年12万円で、つみたて投資枠の1割しか使いません。それでも制度上は何の問題もありません。上限は、将来余裕ができたときに困らないための天井だと思ってください。
3〜5か月目:積立はいくらから設定する?
口座ができたら、次は自動積立の設定です。ここでいきなり「毎月いくらが正解か」を考え込むと止まります。ネット証券の多くは月100円から積立を設定できますので、最初の金額は正解を当てにいくものではありません。
参考までに、実際の金額感のデータはこうなっています。
| 2024年 新NISAつみたて投資枠の平均購入額(調査A) | 年間68.9万円(月換算 約5.7万円) |
|---|---|
| 同・別調査 | 年間約47.3万円(月換算 約3.9万円) |
| ネット証券の最低積立額 | 月100円から |
SOICOの公表データをもとに作成
平均が月4〜6万円と聞くと焦るかもしれませんが、この2つの調査は同じ年の話なのに月1.8万円もずれています。調査の時期や対象者が違えば平均は簡単に動く、という意味で、平均は自分の金額を決める根拠になりません。実務的には月1万〜3万円あたりがよく言及されるレンジですが、1年目は「毎月引き落とされても何とも思わない額」が唯一の基準でいいと思います。
何を積み立てるかは、対象商品の枠で絞られる
商品選びが不安なところですが、つみたて投資枠は選べる範囲があらかじめ限定されています。金融庁が定めた「長期・積立・分散」の要件を満たす公募株式投資信託とETFだけが対象で、選定基準の柱は投資対象資産に株式を含むことと販売手数料がゼロ(ノーロード、ETFは1.25%以下)であることです。つまり、この枠の中から選んでいる限り、買うときの手数料で削られる心配は基本的にありません。
- 毎月の金額(下がっても平気な額から)
- 引き落とし日と引き落とし元(銀行かカードか)
- 信託報酬(保有中ずっとかかる費用。商品ごとに違うので必ず見る)
- つみたて投資枠で買う設定になっているか
買付手数料は制度側で無料に揃えられていますが、信託報酬は商品ごとに違い、持っている間ずっとかかり続けます。ここだけは自分で数字を確認してください。
設定したら、しばらく見ない
積立を始めた直後は、口座を1日に何度も開きたくなります。ただ、この時期の評価額の上下は数百円〜数千円の話で、判断材料にはなりません。3〜5か月目の目標は増やすことではなく、値動きのある口座を持っている状態を日常にすることです。月に1回、残高を見て記録する程度で十分です。
6〜9か月目:初めての個別株は1単元じゃなくていい
積立に慣れたら、自分で選んで注文する経験を1回だけ入れておきます。ここで多くの人が止まるのが金額の壁です。
日本の証券取引所では、普通株式の売買単位は100株(1単元)と決まっています。個別株を買うのに最低限必要な金額は株価×100株。株価3,000円の銘柄なら30万円です。積立を月1万円で始めた人にとっては、桁が違います。
1単元にこだわらないルートがあります。証券会社各社が独自に提供している単元未満株(ミニ株)のサービスを使えば、1株から買えます。呼び名は会社ごとに違っていて、SBI証券は「S株」、楽天証券は「かぶミニ」、三菱UFJ eスマート証券は「プチ株」です。
| 買い方 | 最低単位 | 必要額のイメージ(株価3,000円の場合) |
|---|---|---|
| 通常の取引(1単元) | 100株 | 約30万円 |
| 単元未満株 | 1株 | 約3,000円 |
日本経済新聞ほかの公表情報をもとに作成
数千円で1株持つと、投資信託では見えなかったものが見えます。決算が出た日に株価がどう動くか、自分がそれを見てどんな気持ちになるか。この「自分の反応」を知ることが、1年目に個別株を1株だけ買う目的です。金額が小さければ、判断を間違えても学習コストは数千円で済みます。
積立の評価額が少し下がっただけで眠れなくなった、という自覚がある人は、6〜9か月目に個別株へ進まなくて構いません。個別株は1銘柄の値動きがそのまま出るため、投資信託より上下が大きく感じられます。無理に段階を進めるより、積立だけで1年通すほうが健全です。
10〜12か月目:何を記録して、どう振り返る?
1年目の最後は、増えたか減ったかの確認ではありません。来年の自分が判断を変えるための材料を残す作業です。
記録は複雑にすると続かないので、月1回・5分で終わる粒度にします。
- その月末の評価額と、投資した合計額(元本)
- その月にやった操作(積立の設定変更、買った・売った)
- そのとき何を考えていたか(1行でいい)
3つ目が効きます。金額の推移だけなら証券会社の画面が勝手に出してくれますが、「下がったとき自分が何を考えたか」は記録しないと残りません。半年後に読み返すと、その時の不安が的中していたのか、単なる一時的な上下だったのかが自分の言葉で分かります。
12か月目に決めること
1年分の記録がそろったら、来年に向けて調整するのは次の3点だけで十分です。
- 積立額を維持するか、増やすか1年間まったく生活に影響がなかったなら増額を検討。少しでも苦しかったなら据え置き。
- 個別株を続けるか1株持ってみて、値動きが気にならなかったか、逆に仕事が手につかなかったか。感想が判断材料です。
- 見る頻度を決める毎日見て消耗したなら、月1回に固定する。ここも記録から判断できます。
1年目を終えた時点で持っていてほしいのは、含み益ではなく「自分はこの値動きに耐えられる/耐えられない」という自己データです。これがあると、2年目以降の金額判断が他人の平均値ではなく自分基準になります。
制度は変わることがある、という前提だけ持っておく
NISAの制度は固定ではありません。たとえば2026年度の税制改正では、つみたて投資枠に関する年齢制限の見直し(未成年層向けの支援)が金融庁から要望として出ています。ただしこれは2025年12月時点で要望・検討の段階であり、決まった話ではありません。
ここで言いたいのは制度の中身ではなく、年に1回くらいは制度側の変更をチェックする習慣を持っておくと、あとから慌てないで済むということです。振り返りをする12か月目に、あわせて金融庁の発表を見ておくくらいの頻度で十分です。
1〜2か月目にやるのは書類の提出だけです。銘柄も金額も、その先で決めれば間に合います。まずは手元にマイナンバーカードがあるかどうかを確認するところから始めてみてください。
※ 投資は自己責任です。投資信託・株式には元本保証がなく、購入時より値下がりして損失が出る可能性があります。本記事は制度と手順の解説を目的としたもので、特定の商品・銘柄の購入を推奨するものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。
よくある質問
投資は何から始めればいいですか?
証券口座の開設から始めます。必要なのはマイナンバー確認書類と本人確認書類で、マイナンバーカードがあればスマホからのネット申込みで本人確認まで完結します。口座ができてから、少額の積立設定、個別株の購入、記録と振り返り、の順に進めると判断が必要な作業を後回しにできます。
証券口座の開設にはどのくらい時間がかかりますか?
スマホやネットで完結する申込みの場合、最短で翌営業日から取引が可能です。書類を郵送で提出する方法を選ぶと10日程度かかります。なお2016年以降、マイナンバーを提示しないと証券口座の新規開設はできない制度になっています。
積立は毎月いくらから始められますか?
ネット証券の多くは月100円から積立設定に対応しています。2024年の新NISAつみたて投資枠の平均購入額は調査によって年間68.9万円(月約5.7万円)と年間約47.3万円(月約3.9万円)に分かれており、平均値は調査の時期や対象によって大きく変わります。金額は平均に合わせるのではなく、値下がりしても生活に影響しない範囲で決めるのが現実的です。
個別株を買うには100株(1単元)分の資金が必要ですか?
通常の取引では日本の証券取引所の規定により売買単位が100株のため、株価×100株の資金が必要です。ただし証券会社各社が提供する単元未満株のサービス(SBI証券のS株、楽天証券のかぶミニ、三菱UFJ eスマート証券のプチ株など)を使えば1株から購入でき、株価3,000円の銘柄なら約3,000円で買えます。
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