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騰落レシオで確認、日経平均7万円回復は本物か

2026年10月16日|いろは堂投資編集部
暗い画面に赤青のローソク足と折れ線・棒グラフが並ぶ株価チャート画面のアップ、人物なし

画像出典: ぱくたそ

この記事の要点
騰落レシオは一定期間の値上がり銘柄数合計÷値下がり銘柄数合計×100(%)で、相場参加銘柄の広がりを測る指標です。100%が中立、120%以上は買われ過ぎ、70%以下は売られ過ぎとされます。日経平均が上昇しているのに騰落レシオが低いままなら、少数の主力株が指数を押し上げ、多くの銘柄は値下がりしている状態を示すサインとして解説されることが多い指標です。
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日経平均は7万円に戻ったけど、自分の持ち株はぜんぜん上がってない。この上昇って信じていいの?

日経平均株価は2026年10月6日、前日比737円12銭(1.1%)高の70,683円98銭で終値を付け、約3カ月ぶりに終値で7万円台を回復しました。9月15日の直近安値63,484円10銭からは、12営業日で7,199円88銭(11.3%)の上昇です。

ただ、この上昇の中身については市場解説で「半導体関連株が一斉高となり全体相場を牽引した一方、半導体以外のセクターへの投資資金の流入は限られた」と指摘されています。指数の数字と自分の持ち株の値動きが食い違う感覚には、根拠があるわけです。

正直なところ、指数だけを見ていてもこのズレは判定できません。相場が何銘柄に支えられているかを数で見る指標が「騰落レシオ」です。計算のしかたと、どこで見て、見た結果をどう受け止めるかまでを順に渡します。

騰落レシオとは?

騰落レシオは、一定期間における「値上がり銘柄数の合計」÷「値下がり銘柄数の合計」×100(%)で算出するテクニカル指標です。相場に参加している銘柄の広がり、つまり市場全体の過熱や冷え込みを測ります。

計算は足し算と割り算だけです。過去25日間の値上がり銘柄数の合計が100、値下がり銘柄数の合計が80だったとすると、25日騰落レシオは100÷80×100で125%になります。

ここで大事なのは、この指標が「株価がいくら上がったか」を一切見ていない点です。見ているのは上がった銘柄の数と下がった銘柄の数だけ。1銘柄が1万円上がっても、カウントは「値上がり1銘柄」です。だからこそ、値がさの主力株(1株の株価そのものが高い主力銘柄)が指数を押し上げる局面で、指数との差が出てきます。

騰落レシオの目安(一般的な判断の線)
  • 100% … 中立。値上がりと値下がりの銘柄数が釣り合っている
  • 120%以上 … 「買われ過ぎ」と判断されることが多い
  • 70%以下 … 「売られ過ぎ」と判断されることが多い

期間設定は一般的に5日または25日が使われます。5日騰落レシオは短期的な過熱感、25日騰落レシオは中期的な過熱感を測るのに向いています。

なぜ日経平均が上がっても騰落レシオが低いままになるのか?

🤔
指数が上がってるなら、上がってる銘柄のほうが多いってことじゃないの?

日経平均は構成銘柄の株価を使って算出される指数で、株価の高い銘柄の値動きが指数へ強く反映されます。一方の騰落レシオは、どの銘柄も「1銘柄」として平等に数えます。この2つの数え方の違いが、同じ相場を見ていながら違う答えを出す理由です。

今回の局面を当てはめてみます。10月1日は米マイクロン・テクノロジーの好決算(6〜8月期の売上高・純利益が急拡大)を受けてAI・半導体関連銘柄に断続的な買いが入り、日経平均は2,200円あまり上昇しました。10月5日の前場には一時1,700円超上昇し、半導体検査装置のアドバンテストが連日で上場来高値を更新して指数を牽引しています(以下の個別銘柄名は、値動きの経緯を示す事実の例示で、売買の推奨ではありません)。

背景には米国株の堅調さがあります。9月15日から10月5日の期間、フィラデルフィア半導体株指数(SOX。米国の半導体関連銘柄で構成される株価指数)は17.9%上昇し、ナスダック総合指数も10月5日に過去最高値を更新しました。

少数の値がさ半導体株が大きく上がれば、他の多くの銘柄が小幅に下げていても日経平均は上昇します。この状態を「上昇の広がりに乏しい相場」と呼び、騰落レシオが低いまま指数だけが上昇しているサインとして解説されることが多いものです。

騰落レシオはどこで見られる?確認の手順

専用の計算は不要で、公開されている数値を読むだけで足ります。

  1. ツールを開く松井証券の投資情報ツール「マーケットラボ」では、日経平均や東証プライム・スタンダード・グロース各市場について、過去25日・過去5日・当日の騰落レシオを無料で確認できます。日本経済新聞の情報サイト(nikkei.joho-box.net)でも騰落レシオのデータを取得できるとされています。
  2. 対象市場を確認する同じ「騰落レシオ」でも、東証プライム全体か、日経平均構成銘柄かで中身が変わります。どの市場を集計した数値なのかを先に確かめます。
  3. 算出期間を確認する5日か25日かで意味が変わります。中期の広がりを見たいなら25日、直近の過熱だけを見たいなら5日です。両方並べて見ると、短期の勢いと中期の体力を分けて読めます。
  4. 日経平均の推移と並べる指数が上がっているのに騰落レシオが100%を下回っているか、横ばいのままかを見ます。ここが広がりの判定箇所です。
  5. 元データの銘柄数も見る騰落レシオの材料は値上がり・値下がり銘柄数です。当日の内訳を見ると、広がりの実感がつかめます。

元データの読み方(東証プライムのある日の例)

値上がり858銘柄
値下がり595銘柄
変わらず102銘柄
合計1,555銘柄

松井証券の公表データをもとに作成

上の表は、東証プライム市場のある日の午前9時6分時点の集計です。この日は値上がりが値下がりを上回り、東証33業種でも値上がり19業種・値下がり14業種でした。値上がり858を値下がり595で割れば、この時点の当日ベースの比率は約144%と計算できます。

騰落レシオはこの日々の銘柄数を5日分、25日分と足して割ったものです。毎日の内訳を1回でも自分で割ってみると、指標の数字が何を数えたものか体でわかります。

騰落レシオを見るときの注意点

この指標だけで相場を決められないケースもあります

騰落レシオは銘柄数だけを数える指標なので、値上がり幅・値下がり幅は反映されません。多くの銘柄がわずかに上がり、少数が大きく下げた日でも、数値は高く出ます。「広がりの有無」を見る道具であって、上昇の大きさや持続性を予測する道具ではありません。

また、120%以上なら下がる、70%以下なら上がるという目安は、あくまで過去の傾向から言われている線です。目安を超えたまま相場が続くことも、達する前に転じることもあります。売買の合図として単独で使える水準ではありません。

相場の見通しそのものについては、同じ局面でも強気と弱気の見方が併存しています。見通しやレンジの数字に触れる記事を読むときは、どこの機関がいつ出した見方なのかを必ず確かめ、反対の見方も並べて読むことをおすすめします。片側だけを集めると、判断材料が偏ります。

確認して何がわかったら、次に何をするのか?

😤
数字は見られた。でも、見たあと自分は何をすればいいんだろう。

確認を行動につなげる部分です。ここは売買の指示ではなく、自分の資産配分が意図どおりかを点検する材料として使うという考え方で整理します。

読み取った結果ごとの、点検する項目
  • 指数が上昇・騰落レシオも100%超… 広がりのある上昇。自分の持ち株が上がっていないなら、理由は相場全体ではなく個別の事情にある可能性が高い。保有銘柄の決算や業種の事情を確かめる
  • 指数が上昇・騰落レシオは低いまま… 少数銘柄に支えられた上昇。自分の保有が特定の業種に寄っていないかを確認する。寄っていた場合、それが自分で決めた方針どおりなのか、値動きに引っぱられて偏ったのかを区別する
  • 騰落レシオが120%以上… 買われ過ぎとされる水準。新規の買いを急いで入れる必要があるかを一度立ち止まって考える材料にする
  • 騰落レシオが70%以下… 売られ過ぎとされる水準。慌てて投げ売る前に、自分が決めた損切りルールに当てはまっているかを確認する

そして、どのケースでも「何もしない」が正答になりうることを押さえておいてください。積立を続けている人であれば、騰落レシオの数字を理由に積立額や投資先を変える必要はありません。長期の積立は、こうした短期の広がりの変化とは別の時間軸で運用するものです。

記録を付けている人は、確認した日の日経平均・25日騰落レシオ・そのとき自分が感じたこと(不安だった、焦ったなど)を3行だけメモしておくと役に立ちます。次に同じ局面が来たとき、自分が数字にどう反応する人間なのかが見える資料になります。

大台更新のペースは過去と比べてどうなのか?

広がりの話と合わせて知っておくと、相場の速さの感覚がつかめます。市場解説では、日経平均は2万円から3万円の回復に5年10カ月を要したのに対し、5万円から6万円への到達はわずか6カ月だったと指摘されています。

7万円台は2026年6月16日に史上初めて突破し(終値で最高値更新)、背景は米・イラン戦闘終結への期待とAI市場拡大期待とされました。その後相場は下落して9月15日に63,484円10銭まで下げ、10月6日に再び7万円台へ戻っています。大台の数字が大きく速く動く相場では、指数の水準だけを心の支えにすると、値動きに振り回されやすくなります。だから数で広がりを見る習慣が効いてきます。

なお、本記事の株価・指数の数値はいずれも記載した日付時点のものです。騰落レシオの目安(120%・70%)も一般的に言われている線であり、将来の値動きを保証するものではありません。

まず今日できること

難しい準備はいりません。騰落レシオを表示できるツールを一度開いて、25日の数値と日経平均の直近の動きを並べて見る。これだけで、「指数は上がっているのに自分の持ち株は上がらない」という感覚に数字の裏づけがつくか、つかないかが分かります。

判定できたら、売買の判断に飛ぶ前に、自分の保有が特定の業種に寄っていないかの点検へ進んでください。順番としてはそちらが先です。

投資は自己責任です。元本は保証されず、損失が生じる可能性があります。本記事は指標の読み方を説明する教育目的の内容であり、個別銘柄の推奨や投資助言ではありません。最終的な投資判断はご自身で行ってください。

よくある質問

騰落レシオの計算式は?

騰落レシオは、一定期間における値上がり銘柄数の合計を値下がり銘柄数の合計で割り、100を掛けて算出します(単位は%)。過去25日間の値上がり銘柄数合計が100、値下がり銘柄数合計が80なら、25日騰落レシオは100÷80×100で125%です。

騰落レシオは何%なら買われ過ぎ・売られ過ぎと判断される?

一般的な目安は、100%が中立、120%以上が「買われ過ぎ」、70%以下が「売られ過ぎ」です。ただしこれは過去の傾向から言われている線であり、目安を超えたまま相場が続くこともあるため、単独の売買シグナルとしては使えません。

5日騰落レシオと25日騰落レシオはどう使い分ける?

期間設定は一般的に5日または25日が使われ、5日騰落レシオは短期的な過熱感、25日騰落レシオは中期的な過熱感を測るのに用いられます。短期の勢いと中期の広がりを分けて見たい場合は、両方を並べて確認します。

騰落レシオはどこで無料で確認できる?

松井証券の投資情報ツール「マーケットラボ」では、日経平均や東証プライム・スタンダード・グロース各市場について、過去25日・過去5日・当日の騰落レシオを無料で確認できます。日本経済新聞の情報サイト(nikkei.joho-box.net)でも騰落レシオのデータを取得できるとされています。確認する際は、対象市場と算出期間の条件を合わせて見ることが推奨されます。

日経平均が上がっているのに騰落レシオが低いのはなぜ?

日経平均は株価の高い銘柄の値動きが指数に強く反映される一方、騰落レシオはどの銘柄も1銘柄として平等に数えるためです。少数の値がさ株(1株の株価そのものが高い銘柄)が大きく上がり、多くの銘柄が小幅に下げている場合、日経平均は上昇しても騰落レシオは低いままになります。これは上昇の広がりに乏しい相場を示すサインとして解説されることが多い状態です。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。