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金利上昇と銀行株、スクリーニングで絞る3条件

2026年9月26日|いろは堂投資編集部
屋外、日本の地方銀行の店舗ビル正面と前の道路

画像出典: パブリックドメイン(Wikimedia Commons)

この記事の要点
2026年9月25日の日経平均株価は前日比850円21銭(1.30%)高の6万6364円20銭で5日続伸し、半導体関連に加えて銀行株が買われました。背景には米10年債利回りが一時5.22%と2007年6月以来の水準まで上昇したことがあります。金利上昇局面で名前が挙がる業種は、証券会社などの無料スクリーニング機能で「業種→ROE→PBR」の3条件を順に重ねると、自分の手で数十銘柄まで絞り込めます。
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ニュースで「金利が上がって銀行株が買われた」って言ってたけど、それを聞いて自分は何をすればいいの?

2026年9月25日の日経平均株価は、前日比850円21銭(1.30%)高の6万6364円20銭で取引を終え、5日続伸しました。東京エレクトロンやアドバンテストなどAI・半導体関連が押し上げた一方、三菱UFJフィナンシャル・グループをはじめとする銀行株も物色されています。東証株価指数(TOPIX)も3営業日ぶりに反発し、53.29ポイント(1.31%)高の4128.59で終えました。

正直なところ、値上がりのニュースだけを見ても次の行動にはつながりません。ここで役に立つのは「なぜその業種が動いたのか」という理屈と、同じ性質を持つ銘柄を自分で探すスクリーニング(条件を指定して銘柄を絞り込む機能)の手順です。以下は特定の銘柄をすすめるものではなく、条件の組み立て方の解説です。

なぜ金利が上がると銀行株が買われるのか?

銀行の本業の利益は、貸出金利と預金金利の差である利ざやから生まれます。市場金利が上がると貸出金利は比較的早く上がっていく一方、預金金利の引き上げは緩やかにとどまりやすいため、差が広がって収益が改善すると期待されます。金利上昇局面で銀行株に資金が向かうのは、この期待が理由です。

今回の値動きの背景にあるのは米国の長期金利です。米10年債利回りは一時5.22%まで上昇し、2007年6月以来の高水準になりました。米30年債利回りも一時5.50%と2004年以来の高さです。9月23日に発表されたS&P米国複合フラッシュPMI(購買担当者に景況感を聞き取って指数化した速報指標)が過去5年で最速の経済活動拡大を示し、強い経済指標を受けて金利が急騰した流れでした。

中東情勢の膠着による原油価格の上昇がインフレ長期化への懸念を強め、世界的な金利上昇圧力につながっているという解説もあります。加えて9月は、中間配当を受け取る権利が確定する日の前に株を買っておく「権利取り」の時期にあたり、高配当株として銀行株が買われやすい面もありました。

「10月利上げ観測7割」はどこまで確かな数字か?

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利上げの確率が7割って、誰がどうやって計算しているんだろう。

市場が織り込む利上げ確率は、金利の先物やスワップの価格から逆算した推計値です。日本経済新聞は9月25日付で「米長期金利が上昇、19年ぶり5.2%台 FRB10月利上げ予想7割に拡大」と報じており、この7割は米連邦準備制度理事会(FRB)についての数字です。

同じ「10月の利上げ確率」でも、日銀については報道ごとに数値が大きく割れています。10月単月で約3割とする報道、翌日物金利スワップ(OIS)から逆算して84%とする報道、12月までの追加利上げ確率が9割超に高まったとする報道が混在しています。算出の対象期間も手法も違うため、数字だけを取り出して比べても意味が合いません。

単一の確率を前提に組み立てないでください

織り込み確率は日々動きますし、集計時点と算出主体が違えば数値も変わります。記事や投稿で確率を見かけたら、必ず「いつ時点の、どこが出した、何についての数字か」をセットで確認してください。日銀についての織り込み確率は、東京短資が「マーケットから読み解く日銀利上げ確率」としてOIS金利をもとに随時公表しています。

FRB高官の発言も一枚岩ではありません。マイケル・バー理事は9月23日に、インフレ率が2%目標を上回る状態が続き「さらなる政策調整が必要になる可能性が高い」と述べました。ジョン・ウィリアムズNY連銀総裁は9月24日に、年末までの追加利上げは「合理的な考え方」としつつ、経済指標次第との姿勢を示しています。ケビン・ウォーシュFRB議長は「現在は物価安定に重点を置いている」と語っています。見方が割れている前提で読むのが安全です。

金利上昇局面で名前が挙がる業種はどこか?

金利が上がると収益構造が有利に働きやすいとされる業種は、いくつかのパターンに整理できます。どれも「必ず上がる」ものではなく、あくまで理屈のうえで追い風が吹きやすいという意味です。

金利上昇が追い風とされる主なタイプ
  • 銀行 — 貸出金利の上昇に対し預金金利の上昇が緩やかで、利ざやが拡大しやすい
  • 保険(特に生命保険) — 長期債での運用利回りが上がり、運用益の改善が期待される
  • 証券 — 債券販売や資産運用商品の需要増で、手数料収入が伸びる可能性がある
  • 無借金・現金保有比率の高い企業 — 利払い負担が軽く、手元資金の金利収入が増える

実際、ネット証券もこの切り口で企画を出しています。マネックス証券は2026年9月16日付で「金利上昇に強い財務健全株」というスクリーニング企画を実施しました。楽天証券のトウシルでも、金利上昇が追い風になるとしてPBRなどを基準に割安な銀行銘柄を紹介する記事が公開されています。こうした企画は条件の組み方の参考になりますが、掲載銘柄をそのまま買う材料にするのではなく、どんな条件で絞ったのかを見るのが実になります。

スクリーニングで絞り込む3条件の手順は?

ここからが実際の作業です。スクリーニングは、目的を決める→条件を設定する→結果を比較する→個別に深掘りする、という流れで進めます。条件はいきなり全部入れず、1つずつ足して残った件数の変化を見るのがコツです。

  1. 目的を1行で決める「金利上昇で利ざや改善が見込まれる業種のなかから、収益効率が高く株価が割安な水準にあるものを探す」のように、探す理由を先に言葉にします。これがないと条件をいじるだけで終わります。
  2. 条件1:業種で絞るスクリーニング画面の業種欄で、銀行業・保険業・証券商品先物業などにチェックを入れます。この時点で対象は数十〜百数十銘柄まで落ちます。
  3. 条件2:ROEを重ねるROE(自己資本利益率。株主のお金をどれだけ効率よく利益に変えたかの指標)を10%以上に設定します。高効率とみなす一つの目安です。件数が極端に減るなら8%など基準を下げ、どこで急に減るかを確かめます。
  4. 条件3:PBRを重ねるPBR(株価純資産倍率。株価が1株あたり純資産の何倍かを示す指標)を1倍前後、あるいは1倍以下に設定します。銀行業はPBRが低めの銘柄が多い業種なので、業種内での相対比較が重要です。
  5. 結果を並べて比較する残った銘柄を一覧で見て、なぜこの水準なのかを1社ずつ調べます。ここまでが絞り込みで、ここから先が調査です。

条件を重ねると件数がどう減るかは、実例を見るとつかみやすくなります。企業情報サイトのIRBANKが公式Xで紹介した絞り込み事例が次のとおりです。

重ねた条件残った銘柄数
ROE15%以上754銘柄
+PBR1倍以下30銘柄
+配当利回り3%以上17銘柄

IRBANKの公表データをもとに作成

上の表のとおり、3つ条件を重ねると、数百から十数へと一気に落ちます。最初から厳しい条件を全部入れると0件になり、何が原因か分からなくなるので、順番に足してください。

無料で使えるツールはどれか?

スクリーニングは有料ツールがなくても始められます。みんかぶの銘柄スクリーニング(条件検索)は口座がなくても使えますし、SBI証券や野村證券などのネット証券も口座保有者向けに同様の機能を提供しています。いずれも業種・PBR・ROE・配当利回り・時価総額・出来高といった条件で絞り込めます。銀行業のなかでの相対的な割安・割高を見たいときは、企業の開示情報を集計しているサイト「EDINET DB」の業種別PBRランキングのような業種単位のデータを併用すると比較しやすくなります。

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条件を1つずつ足して件数の減り方を見る、というのは自分でもできそう。

件数の変化そのものが情報になります。ROEを10%から12%に上げただけで対象が半分以下になるなら、その業種では10%台前半が一つの分かれ目だと分かります。数字を動かして反応を見る作業は、業種の性格を体で覚えるいちばん早い方法です。

絞り込んだあとに必ず確認したいことは?

スクリーニングの結果は「条件に合った銘柄の一覧」であって、「買っていい銘柄の一覧」ではありません。指標は過去や予想の数字にすぎず、その水準になっている理由までは教えてくれません。

絞り込み後に自分で調べること
  • PBRが低い理由は何か(業績の停滞か、業種全体の傾向か)
  • 直近の決算で利益がどう動いているか
  • 配当利回りが高い場合、株価下落が原因になっていないか
  • 金利が想定と逆方向に動いたとき、その企業の収益はどうなるか
この絞り込みが向かないケースもあります

金利上昇を前提にした絞り込みは、前提が外れたときに丸ごと逆風になります。市場の織り込みは日々変わり、経済指標ひとつで方向が反転することもあります。また、値動きの理由をひとつに決めつけるのも危険です。9月25日の上昇はAI・半導体関連が主導した面が大きく、銀行株だけで説明できる動きではありませんでした。特定のテーマに資金を集中させず、保有全体のバランスのなかで考えてください。

投資は自己責任であり、元本が保証されるものではありません。この記事は指標やスクリーニング機能の使い方を説明する教育目的の内容で、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。最終的な判断はご自身で行ってください。

よくある質問

2026年9月25日の日経平均はどう動きましたか?

2026年9月25日の日経平均株価は前日比850円21銭(1.30%)高の6万6364円20銭で取引を終え、5日続伸しました。東証株価指数(TOPIX)も3営業日ぶりに反発し、53.29ポイント(1.31%)高の4128.59となりました。東京エレクトロンなどAI・半導体関連株に加え、日米の金利上昇で利ざや改善が期待される銀行株も買われています。

金利が上がるとなぜ銀行株が買われるのですか?

市場金利が上昇すると貸出金利は比較的早く上がる一方、預金金利の引き上げは緩やかにとどまりやすいため、その差である利ざやが拡大し、銀行の収益改善が期待されるからです。生命保険は長期債の運用利回り上昇、証券は債券販売や資産運用商品の需要増が追い風とされます。ただし期待であって、確実な収益改善を意味するものではありません。

銘柄スクリーニングは無料で使えますか?

使えます。みんかぶの銘柄スクリーニング(条件検索)のほか、SBI証券や野村證券などのネット証券が口座保有者向けにスクリーニング機能を提供しており、業種・PBR・ROE・配当利回り・時価総額・出来高などの条件で絞り込めます。業種ごとの相対比較には、企業の開示情報を集計しているサイト「EDINET DB」の業種別PBRランキングのような業種単位のデータも併用できます。

報道される利上げ確率の数字はそのまま信じてよいですか?

算出時点と対象期間、算出主体を必ず確認してください。利上げ確率は金利先物やスワップの価格から逆算した推計値で、日々変動します。日銀の10月利上げ確率については、約3割、84%、12月までで9割超といった異なる数値が時点や手法の違いによって混在しています。単一の数字を前提に投資判断を組み立てないことが大切です。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。