シャドーイングのやり方、1日15〜30分の進め方
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シャドーイングは、流れてくる英語音声を0.5〜1秒遅れで追いかけて声に出す学習法です。手順は「ワンランク下の教材を選ぶ→意味を確認しながら聞く→スクリプトを見ながら声に出す→スクリプトなしで声に出す」の順で、学習メディアでは1〜3分の音声を5〜10回繰り返し、1日15〜30分を目安とする例が多く紹介されています。教材は入門書1冊にTOEIC公式問題集などを足して、おおよそ2,000〜5,000円のレンジで始められます。
「話す」ための練習として、まず1つに絞るならシャドーイングが候補になります。シャドーイングは、流れてくる英語音声を「影(shadow)」のように0.5〜1秒遅れで追いかけて声に出す学習法で、プロの同時通訳者の訓練法としても知られています。
聞くだけの勉強と違い、口を動かすところまでが1セットです。リスニング力・発音・スピーキング力を同時に鍛えられるとされ、ネイティブのリズムや抑揚を声に出して真似ることが自然な発音の習得につながるとされています。
ここから先は、手順・1日の時間配分・教材費の3つを順番に見ていきます。なお、以下の進め方は社会人・学生のどちらでも同じ手順でかまいません。違ってくるのは確保できる時間と使える費用なので、その前提は時間配分と費用の章でそれぞれ分けて書きます。
シャドーイングとは? 聞き流しとは何が違う?
まず前提をそろえておきます。リスニング教材を流しておく「聞き流し」は、耳に英語を入れることが目的です。シャドーイングはそこから一歩進んで、聞こえた音を0.5〜1秒遅れで自分の口から出すところまでをやります。
音を聞き取れていないと声に出せないので、「なんとなく分かったつもり」が通用しません。聞き取れなかった箇所が、そのまま声の詰まりとして自分に分かる——これが聞き流しとの一番大きな違いです。
学習法としての歴史も浅くはありません。JALT Publications掲載の論文では、シャドーイングは過去20年にわたり日本の英語教育で広く認知されている学習法で、リスニング力向上や発音指導への応用可能性が指摘されています。授業内でシャドーイングを実施したところ生徒の発音がCD音声に近づいたとする実践研究(科研費)や、リスニング・ディクテーションと比較してリスニングテストの得点向上に有意差が見られたとする報告もあります。
ただし、研究ごとに実施期間も頻度も条件が異なります。「◯週間で◯点上がる」と言える統一された基準はありませんので、効果の出方には個人差があるものとして読んでください。
教材はどう選ぶ? レベル選びで9割決まる
レベル選びについては、背伸びは逆効果とされています。シャドーイング用の教材は「自分と同じレベル」でも「一つ上のレベル」でもなく、ワンランク下を選ぶのが定説です。
目安はひとつだけ覚えておけば足ります。スクリプトを見れば8〜9割の文章を理解できるレベルかどうか。ここが合っていないと、音を追うことに精一杯で声が出ず、シャドーイング自体が成立しません。初心者のうちは、ゆっくりで発音が明瞭な音声から始めるのが推奨されています。
- スクリプト(音声の文字起こし)が付いているか — 段階2以降で必ず使う
- スクリプトを黙読して8〜9割意味が取れるか
- 1本の音声が1〜3分程度に区切られているか
- 音声がゆっくりで、発音が明瞭か(最初の1冊なら特に)
市販の入門教材としては、『決定版 英語シャドーイング[超入門]【CD付】』『TOEICリスニング満点コーチが教える 3ヶ月で英語耳を作るシャドーイング』『絶対「英語の口」になる!中学英語で基礎から鍛えるシャドーイング大特訓50』『話せる!英語シャドーイング(CD付)』『CD付 耳と口が「英語モード」になる 同時通訳者のシャドーイング』などがあります。新しいところでは、アルクから『はじめての英語シャドーイング』が2026年4月16日に発売されています。
シャドーイングの正しいやり方は? 4つの段階
複数の学習メディアで共通して紹介されている進め方は、次の順序です。いきなり段階4から始めないことが大事で、順番を飛ばすと「音は追えているが意味は分かっていない」状態になりやすくなります。
- 教材レベルを見極めるスクリプトを黙読して8〜9割理解できるかを確認します。9割を大きく超えて簡単すぎる場合を除き、迷ったら易しいほうを取ります。
- 意味を確認しながら聞くまずは普通にリスニングします。スクリプトで意味を確認し、知らない単語はここで片付けておきます。
- スクリプトを見ながら音声を追って発音する文字を見ながら音声に合わせて声を出します。音と文字が結びつかない箇所——聞こえ方が想像と違った単語——がここで見つかります。
- スクリプトを見ずに声に出すここが本来のシャドーイングです。耳だけを頼りに0.5〜1秒遅れで追いかけます。詰まった箇所は段階3に戻ってかまいません。
段階3と段階4を行き来するのが実際の練習です。最初から最後までなめらかに言えるようになったら、その音声は卒業して次へ進みます。
声を出す前提の練習なので、声を出せる環境が毎日確保できない人には続けにくい方法です。また、中学レベルの文法や基礎単語がまだ固まっていない段階では、段階1の「8〜9割理解できる教材」自体が見つかりにくくなります。その場合は文法と単語を先に一周してから戻るほうが近道です。文法のやり直しは中学英語の文法から、単語は単語暗記アプリの記事も合わせてどうぞ。
1日どれくらいやればいい? 時間配分の目安
時間の目安については、公的な統一基準は確認できていません。以下は複数の英語学習メディアが紹介している推奨であり、到達を約束するものではない点を先にお伝えしておきます。
その前提で、よく挙げられている形は次のとおりです。1〜3分程度の同じ音声を5〜10回繰り返し、1日の総学習時間は15〜30分程度。新しい音声を次々に流すのではなく、同じ素材を繰り返すのがポイントです。
そして、回数や分数より効くとされているのが頻度です。リスニング・スピーキングは習慣化によって効率的に伸びる技能とされ、「ほぼ毎日」取り組むことが効果的とされています。週末に90分まとめてやるより、平日15分を5日続けるほうが設計としては理にかなっています。
社会人の場合: 15分を固定枠で取る
平日に自由に使える時間が細切れになりやすいので、総量を欲張らず15分に固定するほうが続きます。通勤で車を使う人なら車内、電車通勤なら帰宅後の洗面所や入浴中など、声を出せる場所を先に決めておきます。音声は同じ1本でよいので、朝に聞いて夜に声を出す、と分けても成立します。
学生の場合: 30分まで伸ばしやすい
まとまった時間を取りやすいぶん、15〜30分の上限側に寄せられます。ただし一度に長くやるより、同じ音声を5〜10回繰り返す枠を2回に分けるほうが集中が切れにくくなります。授業や部活で潰れる日がある前提で、「できなかった日の翌日に倍やる」設計にはしないでおくと途切れにくいです。
続かない日をゼロにする必要はありません。できなかった日があっても、翌日にまた15分戻ればそれで習慣は切れていない、くらいの扱いで十分です。
教材費はいくらかかる? 2,000〜5,000円が現実的なライン
必要なものは、音声とスクリプトが揃った教材が1つだけです。入門用のシャドーイング教材(CD付き書籍)を1冊買い、必要に応じてTOEIC公式問題集などの音声素材を足す——この組み合わせで、おおよそ合計2,000〜5,000円程度が最初のレンジになります。
入門書の個別価格は版や販売店で変わるため、購入前に書店サイトで確認してください。音声素材として使われることの多いTOEIC公式問題集シリーズの価格は次のとおりです。
| 教材名 | 価格(税込) |
|---|---|
| 公式TOEIC L&R 問題集12 | ¥3,980 |
| 公式TOEIC Listening & Reading 問題集12 | ¥3,630 |
| 公式TOEIC® L&R 問題集10 | ¥3,300 |
| 公式TOEIC L&R Part 5完成60問 | ¥1,650 |
| 公式TOEIC L&R Part 3完成45問 | ¥1,650 |
| 公式TOEIC L&R Part 2完成45問 | ¥1,320 |
| 公式TOEIC Listening & Reading 英単語(2026年1月発売予定) | ¥1,650 |
English Hubの公表データをもとに作成。価格は変動する可能性があるため、購入時にIIBC公式サイトでの再確認をおすすめします
上の表のとおり、問題集1冊は3,000円台、パート別の薄い教材なら1,000円台です。学生で費用を抑えたい場合は、まず1,000円台のパート別教材か、学校で配られた教科書付属の音声から始めても手順は変わりません。社会人で月の教材予算を取れるなら、入門書1冊(1,500〜2,500円程度の帯が多い)+問題集1冊で5,000円前後を見ておけば足ります。
月額課金のアプリやオンライン英会話を足すかどうかは、まず紙の教材1冊で1か月続いてから判断して問題ありません。続くかどうかが分からない段階で固定費を増やす必要はありません。
やってみて続かないときは、どこを疑う?
うまくいかないときの原因は、だいたい3つのどれかに絞られます。
- 声が出ない → 教材が難しすぎる。スクリプトの理解度が8〜9割を下回っていないか
- 口は動くが意味が頭に入らない → 段階2(意味の確認)を飛ばしている
- そもそも時間が取れない → 15分に減らし、声を出せる場所を先に決める
どれも教材か手順の問題で、才能の話ではありません。特に1つ目は多く、「簡単すぎて意味があるのか」と感じるくらいの教材が、シャドーイングではちょうどよい水準です。
学習の記録を残しておくと、どの音声を何回やったかが見えて迷いが減ります。記録のつけ方は学習記録の習慣化の記事もどうぞ。
よくある質問
シャドーイングとは何ですか?
流れてくる英語音声を「影(shadow)」のように0.5〜1秒遅れで追いかけて声に出す学習法です。プロの同時通訳者の訓練法としても知られ、リスニング力・発音・スピーキング力を同時に鍛えられるとされています。
シャドーイングは1日何分やればいいですか?
公的な統一基準はありませんが、複数の英語学習メディアでは1〜3分程度の同じ音声を5〜10回繰り返し、1日の総学習時間を15〜30分程度とする目安が紹介されています。効果の出方には個人差があります。
シャドーイングの教材はどのレベルを選べばいいですか?
自分のレベルよりワンランク下が推奨されています。具体的な目安は、スクリプトを見れば8〜9割程度の文章を理解できるレベルです。レベルが高すぎるとシャドーイング自体が成立しません。
シャドーイングを始めるのにいくらかかりますか?
音声とスクリプトが揃った教材が1つあれば始められます。入門用のCD付き書籍1冊に、必要に応じてTOEIC公式問題集などを足す想定で、合計2,000〜5,000円程度が目安です。個別の価格は購入時に書店サイトで確認してください。
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