英単語が覚えられないのは復習間隔のせい、目安3回
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英単語が定着しないのは記憶力ではなく復習の間隔が設計されていないことが原因になりやすく、翌日・3日後・1週間後の3回を軸に、間隔を少しずつ広げていく分散反復が有効とされています。アプリは通勤や待ち時間の高速な出題に、紙カードは書く・並べる動作を伴うじっくりした学習に向きます。1日10分を「新規3分・復習7分」に割り、復習を先に済ませる形が続きやすい配分です。
覚えた単語が消えるのは、覚え方が悪いからではなく、思い出す機会が足りていないからです。1回で完璧に頭へ入れようとして長時間ながめる——このやり方は、実は最も抜けやすい形をしています。
記憶の研究でよく引用されるエビングハウスの実験では、覚えた内容を再学習したときにどれだけ手間が減るかを示す「節約率」が、20分後で58%、1日後で34%、1ヶ月後で21%まで下がっていったと紹介されています。無意味な綴りを使った古典的な実験なので英単語にそのまま当てはまる数字ではありませんが、放っておけば落ちる、しかしゼロにはならないという形は学習の設計にそのまま使えます。
落ちきる前にもう一度触る。この「もう一度」をいつ置くかを決めてしまえば、1日10分でも単語は積み上がっていきます。
なぜ何周しても覚えられないのか?
多くの人がやっているのは、単語帳を上から下へ何度も読み返す方法です。目は動いていますし、時間もかかっているので、勉強した感覚はしっかり残ります。ただ、この作業で行っているのは「見る」であって「思い出す」ではありません。
記憶は、引き出そうとしたときに強くなります。英語の学び直しの文脈でも、覚える作業より思い出す作業のほうが定着に効くとされ、1回1分程度の超短時間テストを1日に何度も挟む方法が紹介されています。単語を見ながら意味を確認するのではなく、単語だけを見て意味が出てくるかを毎回試す。この一手間があるかどうかで、同じ10分の中身が変わります。
もう一つの落とし穴が、間隔です。1日に集中して同じ50語を5周しても、そのあと1週間放置すればほとんど残りません。学習の間隔をあけて繰り返す方法は分散学習と呼ばれ、復習の間隔を少しずつ広げていく「拡大間隔法」が記憶の定着に有効だとされています。
紹介されている間隔にはいくつかのパターンがあります。もっとも簡単なのは、翌日・3日後・1週間後の3回を軸にする形です。月曜に覚えた単語なら、火曜に1回目、木曜に2回目、翌週に3回目。より細かくするなら、1日後・3日後・7日後・2週間後・1ヶ月後の5回という例も挙げられています。
| 回数 | タイミング | そこでやること |
|---|---|---|
| 1回目 | 翌日 | 単語→意味が出るか |
| 2回目 | 3日後 | 意味→単語が書けるか |
| 3回目 | 1週間後 | 例文の中で使えるか |
上の表は、まず取り組みやすい翌日・3日後・1週間後の3回パターンを具体化したものです。回ごとに確認方法を変えているのは意図的で、復習のたびに問い方を変える工夫が推奨されています。意味を思い出せるか、次は例文の中で使えるか、と角度をずらすことで、単語帳の並び順ごと丸暗記してしまう状態を避けられます。5回パターンへ広げる場合も考え方は同じで、2週間後・1ヶ月後の回は取りこぼしの確認にあてます。
1日10分をどう割ればいいのか?
10分あるとつい新しい単語を詰め込みたくなりますが、配分は逆にします。新規3分・復習7分。しかも復習を先に済ませます。新規から始めると、時間が押したときに削られるのはいつも復習側で、積み上がるはずのものが積み上がりません。
- 今日の復習を先に(7分)翌日・3日後・1週間後の枠に入っている単語を、単語だけ見て意味が出るか試します。出てこなかったものだけ、明日の枠へ戻します。
- 新規を少しだけ(3分)1回の新規は10語前後で十分です。多く入れるほど翌日の復習が重くなり、翌日の枠が崩れると全体が崩れます。
- やった日に印だけ残す手帳でもアプリの記録でも構いません。連続日数が見えると、量ではなく継続のほうを守る意識が働きます。
スキマ時間に分割しても効果は変わりません。通勤の10分にまとめてもいいですし、朝5分・寝る前5分の二回に割っても構いません。日常のどこに置くかを固定してしまうほうが、時間を作ろうとするより続きます。
分散学習の解説では、最初から完璧なスケジュールを作る必要はなく、細かく管理しすぎるとかえって続かなくなるとも言われています。日付を1日ずらした程度で効果が消えることはありません。木曜にできなければ金曜にやる、それで十分です。守るべきは間隔の精度ではなく、「一度覚えた単語に必ずもう一度触る」という原則のほうです。
アプリと紙カード、どちらを使うべき?
どちらが優れているかという問いにはあまり意味がなく、得意な場面が違うので両方を場面で使い分けるのが現実的です。以下は一般的に言われている強みの整理です。
- 通勤・待ち時間など、両手が使えない数分間
- 忘れそうなタイミングを自動で判定して出題してほしいとき
- 発音を音声で確認したいとき
- 語数が多く、手作業では管理しきれないとき
- 机に向かえる時間があり、書いて覚えたいとき
- 通知や他のアプリに集中を削られたくないとき
- 覚えられない単語だけを抜き出して、何度も並べ替えたいとき
- 似た単語を机に並べて、意味の違いを見比べたいとき
紙カードの強みとされているのは、手で書く・並べ替えるという動作が伴う点です。カードを何枚も机に広げて、覚えたもの・怪しいもの・全然だめなものに仕分ける作業は、画面のスクロールでは再現しにくい形をしています。この比較そのものを検証した実験データが手元にあるわけではなく、あくまで一般に語られている経験則ですが、使い分けの目安としては十分に機能します。
おすすめの組み合わせは、アプリを本隊、紙カードを「落ちこぼれ専用」にする形です。単語の大部分はアプリの出題に任せ、何度出題されても間違える20〜30語だけを紙に書き出す。この方法なら紙カードの枚数が増えすぎず、書く手間も最小で済みます。
アプリを選ぶときの3つの基準
比較記事で挙げられている選定基準は、テスト機能があるか・短時間で学習できるか・料金の3点です。とくに1つ目は外せません。眺めるだけのアプリでは、先ほどの「思い出す」作業が発生しないためです。
実際に紹介されているものとしては、英検対策向けで出る順パス単の5級〜1級に対応したmikan、フラッシュカード形式で複数言語に対応し間隔反復の機能を持つDuoCards、忘却曲線にもとづいて忘れそうなタイミングで自動的に出題するつながる英単語などがあります。料金は変更されることがあるので、入れる前に各アプリのストアページで最新の条件を確認してください。
紙カードの作り方は、ここだけ守ればいい
- 表は英単語だけ発音記号や品詞を表に書くとヒントになってしまい、思い出す負荷が下がります。
- 裏は意味と例文を1つ例文があると、3回目の復習で「使えるか」を試せます。長い例文は不要で、5〜8語程度で十分です。
- 1日の終わりに3つの山へ分ける「即答できた」「詰まった」「無理だった」。翌日触るのは下2つの山だけです。
- 即答の山は1週間後にもう一度だけ見るここで通過したものは外して構いません。カードは減らしていく前提で運用します。
時間が取れる人はどこまで伸ばせる?
学生と社会人では、使える時間の条件がかなり違います。長期休みや試験前など、まとまった時間を確保できる時期があるなら、1日10分の枠を単純に3倍にするより、回数を増やすほうが効きます。
朝10分・昼10分・夜10分に分ければ、1日の中でも間隔が生まれます。1回1分程度の超短時間テストを1日に10回ほど入れる方法が紹介されているのも同じ考え方で、同じ30分でも、連続した30分より刻んだ30分のほうが思い出す回数が多くなります。
逆に、仕事や授業の都合で日によって時間がまちまちな場合は、「新規はゼロでもいいが、復習だけは必ずやる」という下限を決めておくと崩れません。忙しい日は復習の7分だけ、余裕のある日に新規をまとめて入れる。この形なら、1週間単位では帳尻が合います。
今日から始めるなら、どこからやる?
- テスト機能のあるアプリを1つだけ入れる(比較で悩む時間がいちばんもったいない)
- 1回の新規を10語に固定する
- 復習を先、新規を後という順番だけ守る
- 3日連続で間違えた単語を紙に書き出す
- やった日に印をつける
1週間続けば、翌日・3日後・1週間後の枠に単語が入り始めます。この状態になると、毎日やることが自動的に決まるので、何を勉強するか考える時間がなくなります。続かない原因の多くは意志ではなく、毎回メニューを決め直している負荷のほうにあります。
覚えられなかったのは能力の問題ではなく、間隔が設計されていなかっただけです。今日10語入れて、明日それを思い出す。その2日分から始めれば十分です。
よくある質問
英単語の復習は何回すれば覚えられますか?
学習当日から24時間以内、翌日、数日後、1週間後、2週間後、1ヶ月後という形で4〜6回に分けて復習すると長期記憶に定着しやすいとされています。簡易版としては翌日・3日後・1週間後の3回を軸にする方法が広く紹介されており、まずはこの3回から始めれば十分です。
1日に何語ずつ覚えるのが適切ですか?
1日10分の学習時間なら、新規は10語前後が現実的です。新規を増やすほど翌日以降の復習量が積み上がり、復習の枠が崩れると結局どちらも定着しません。時間に余裕がある場合も語数を一気に増やすより、朝・昼・夜のように学習回数を分けるほうが思い出す機会が増えて効果的です。
英単語アプリはどう選べばいいですか?
選定基準として挙げられているのはテスト機能があるか、短時間で学習できるか、料金の3点です。とくにテスト機能は必須で、眺めるだけのアプリでは記憶の定着に効く「思い出す」作業が発生しません。紹介されているものにはmikan、DuoCards、つながる英単語などがあり、料金は変更されることがあるため各ストアページで最新の条件を確認してください。
紙の単語カードはもう必要ないのでしょうか?
用途が違うため併用が有効です。アプリは通勤や待ち時間での高速な反復と自動出題に向き、紙カードは手で書く・並べ替えるといった動作を伴う学習や、覚えられない単語だけを抜き出して見比べる作業に向くと一般的に言われています。アプリを本体にして、何度も間違える20〜30語だけを紙に書き出す使い分けが管理しやすい形です。
※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。