灯油 暖房費は1時間いくら?11月補助で変わる目安
画像出典: 写真: Douglas P Perkins (Douglaspperkins (talk))(CC BY 3.0 / Wikimedia Commons)
石油ストーブの灯油代は1時間あたり約28〜46円が目安です(消費量0.2〜0.3L/時、灯油1Lあたり142〜153円換算)。灯油18Lの全国平均は店頭2,563円・配達2,749円で1年前より約340円上がりましたが、2026年11月分からは輸入灯油に国の補填が入ります。一方で電気は11月から送電網の利用料(託送料金)の見直しで上がり、1kWhあたり3.5円の補助も2026年9月使用分を最後に終了しているため、灯油とエアコンのコスト差は縮まります。
灯油18Lの全国平均は、店頭2,563円・配達2,749円です(2026年10月13日調査時点・税込)。1年前の店頭価格2,223円と比べると約340円、割合でいえば約15%上がっています。缶を持ち上げたときの「重さ」はそのままなのに、値段だけが変わっているわけです。
ただ、2026年の冬は灯油だけが不利になる年ではありません。11月分からは輸入灯油に国のお金が入り、逆に電気のほうは値上がりします。正直なところ、どちらが安いかは1時間あたりで計算してみないと見えてきません。まずは自分の家の数字を出してから決めれば十分です。
灯油ストーブの暖房費は1時間いくら?
計算式はひとつだけ覚えれば足ります。灯油代(円)=燃料消費量(L/時)× 使用時間 × 灯油1Lあたりの単価です。燃料消費量は取扱説明書か本体の仕様表に「燃料消費量」として書かれている数字で、小型〜中型の石油ストーブならおおむね1時間あたり0.064〜0.243Lの範囲に収まります。実際によく使われる強さだと0.2〜0.3L/時あたりが目安になります。
単価は、18Lの価格を18で割って出します。全国平均の店頭2,563円なら約142円/L、配達2,749円なら約153円/Lです(この割り算は本記事での換算で、資源エネルギー庁の公表値そのものではありません)。これを当てはめると、1時間あたり約28〜46円という幅になります。
| 灯油の買い方(18L・全国平均) | 1Lあたり換算 | 0.2L/時のとき | 0.3L/時のとき |
|---|---|---|---|
| 店頭 2,563円 | 約142円 | 約28円/時 | 約43円/時 |
| 配達 2,749円 | 約153円 | 約31円/時 | 約46円/時 |
Selectraの公表データ(灯油全国平均価格・2026年10月13日調査・18L税込)をもとに作成(18で割って1Lあたりに換算し、燃料消費量を掛けて算出)
上の表で効いているのは、買い方の差です。配達は店頭より18Lあたり186円高く、1時間あたりでは数円の違いに見えますが、1日6時間・30日使えば180時間分になります。自分で缶を運べる世帯なら、セルフ給油所などの店頭価格で買うほうが安く済みます。
地域差もあります。店頭価格が最も安いのは福岡県の2,471円、最も高いのは沖縄県の2,938円で、18Lで467円ひらいています。全国平均はあくまで中心の値なので、最終的には自分が買った缶の値段を18で割った数字で計算し直してください。
11月から始まる灯油の補助で何が変わる?
経済産業省は2026年10月16日、「輸入灯油調整単価」の導入を発表しました。中東情勢の影響で、輸入された灯油が国内で精製された灯油より1Lあたり約20円ほど高くついている状態があり、その差額を国が補填するという仕組みです。対象は2026年11月分から2027年3月分の輸入灯油で、冬のあいだをまるごとカバーする期間になっています。
財源は新しく作られたものではなく、ガソリン・灯油向けにすでにある「中東情勢を踏まえた緊急的激変緩和措置」の基金を活用・拡充する形です。つまりこれまでの抑制に、輸入灯油の分が上乗せされるという組み立てです。
この措置は、消費者が申請して受け取るものではありません。元売の段階で単価が調整され、流通を通じて店頭価格に反映されていく形です。手続きは要らない代わりに、値札を見ても「何円補助された価格か」は分かりません。
既存の激変緩和措置による抑制効果は18L缶1缶あたり約774円相当とされ、11月からの上乗せは輸入灯油の流通が多い地域(北海道など)で最大1Lあたり20円程度が目安と伝えられています。ただし、1L・1缶あたり最終的にいくら下がるのか、対象地域をどう線引きするのかは、経済産業省の燃料油価格の激変緩和に関する公式サイトで確定値を確認するのが確実です。この記事の数字は目安として扱ってください。
エアコン暖房の電気代とどちらが安い?
比べるには、エアコン側も1時間あたりに直します。電気代(円)=消費電力(kW)× 使用時間 × 電気料金単価(円/kWh)です。家庭用エアコンの暖房時の消費電力はおおむね0.5〜2.0kWで、部屋が広いほど上がります。
1kWhあたり27円前後で試算した畳数別の目安は、6畳で約19円(別の試算では約12〜25円)、8畳で約22円、10畳で約18〜35円、14畳で約40円です。灯油側の約28〜46円と並べると、6畳〜8畳の部屋ではエアコンのほうが安く、14畳クラスになると差がほぼなくなるという形になります。
ここで前提をそろえておきます。27円/kWhという単価は基本料金を含まない電力量料金の目安で、検針票に別の行で載る2つの項目が乗る前の数字です。ひとつは燃料費調整額(発電用の燃料の輸入価格に応じて毎月プラスマイナスされる調整分)、もうひとつは再生可能エネルギー発電促進賦課金(太陽光などの普及費用を使用量に応じて全員で負担する分)です。そして重要なのが補助の扱いで、電気・ガス価格激変緩和対策の1kWhあたり3.5円引きは2026年9月使用分で終了しています。2026年10月〜12月使用分は補助なし、2027年1月〜3月使用分での再開は検討段階で確定していません。つまり11月に届く検針票は、補助ゼロの単価で計算された金額です。
加えて2026年11月1日から、一般送配電事業者の託送料金(電気を家庭まで届ける送電網の利用料で、電気料金に組み込まれています)の見直しにともない電気料金が上がります。月260kWh使用のモデル家庭では沖縄エリアが月590円増で最大、値上げ率では関西エリアの5.6%が最大です。値上がり幅は地域によってかなり違うため、全国で同じ額が増えると考えないほうが安全です。
この結果、2026年11月は「灯油は補助の強化で上昇が抑えられ、電気は託送料金の値上げと補助終了で割高になる」という組み合わせになります。去年の感覚で「灯油は高いからエアコンだけで」と決めてしまうと、判断材料が古いままになります。
使い分けでどう節約する?今日からの手順
石油ストーブとエアコンには、それぞれ得意な時間帯があります。石油ストーブは着火直後から高い暖房出力が出やすく、冷えきった部屋を立ち上げるのが得意です。エアコンは一定の温度を保つ持続運転で効率がよく、外の空気から熱を集めて室内に運ぶ仕組み(ヒートポンプ式)のため、外気温が低いと集められる熱が減って効率が下がる傾向があります。この違いをそのまま時間割に落とします。
- 自分の家の2つの数字を出すストーブの仕様表から燃料消費量(L/時)を、直近の検針票から電力量料金の単価(円/kWh)を書き写します。この2つがないと比較は始まりません。
- 1時間あたりに直して並べる灯油は「消費量×単価÷18Lの換算値」、エアコンは「暖房時の消費電力×単価」。紙に2つの金額を並べて書きます。
- 朝と帰宅直後はストーブ、落ち着いたらエアコン部屋が冷えきっている立ち上がりの30分前後をストーブで受け持ち、設定温度に届いたらエアコンの持続運転に切り替えます。
- 灯油は店頭でまとめ買いする配達は18Lあたり186円高い計算です。車で運べる量を決めて、セルフ給油所などの店頭で買います。
- 1週間使って金額を見直す使った灯油の缶数と電気の使用量を1週間分だけ記録し、思っていた配分とずれていたら時間割を直します。
- 6〜8畳の個室で長時間つけるなら、エアコン中心のほうが1時間あたりは安くなりやすい
- 12畳以上のリビングや、短時間でしっかり暖めたいときは石油ストーブの出番
- 外がとても寒い日は、エアコンの効率が落ちるぶんストーブの持ち時間を長くする
- 灯油の缶が残り少ない時期は、値段を確かめてから買い足す量を決める
子どもがいる家で気をつけることは?
石油ストーブは灯油を燃やすため、燃焼の過程で水蒸気と二酸化炭素、一酸化炭素が出ます。千葉市の消費生活相談の注意情報でも案内されているとおり、使用中は1〜2時間に1回程度の換気が必要です。暖房費を気にして窓を閉めきると、この前提が崩れます。
換気で逃げる熱の分は、使い分けの時間割に織り込んでおくほうが現実的です。換気するタイミングでストーブを止めてエアコンに戻す、といった段取りにしておけば、毎回「もったいない」と迷わずに済みます。
水蒸気が出るぶん、部屋の空気は乾きにくくなります。ただ、窓際で結露が増えることもあるので、朝に窓の水滴を拭く手間が増えるかどうかは置き場所で調整してください。
来年の冬に向けて今からできることは?
灯油価格は1年で店頭2,223円から2,563円へと約340円動きました。来年も同じ方向に動くとは言えませんが、買い方と使い方の2つは自分で選べます。
買い方では、店頭と配達の差(18Lあたり186円)を把握しておくこと。使い方では、立ち上がりと持続で機器を分ける時間割を作っておくこと。どちらも今シーズン中に一度やってしまえば、来年は数字を更新するだけで済みます。
国の補助は2027年3月分の輸入灯油までが対象です。その先どうなるかは決まっていないので、補助があるうちに、補助がなくても回る使い方を身につけておくほうが結果的に楽です。まずはストーブの仕様表と検針票を並べて、1時間あたりの金額を出してみるところから始めてみてください。
よくある質問
石油ストーブの灯油代は1時間あたりいくらですか?
燃料消費量0.2〜0.3L/時の石油ストーブなら、1時間あたり約28〜46円が目安です。灯油18Lの全国平均(2026年10月13日調査・店頭2,563円/配達2,749円)を1Lあたりに換算した142〜153円で計算した値で、実際の金額は機種の燃料消費量と購入した灯油の単価で変わります。
11月から始まる灯油の補助は申請が必要ですか?
申請は不要です。2026年10月16日に経済産業省が発表した「輸入灯油調整単価」は、輸入灯油の価格差を国が補填して流通段階の単価を調整する仕組みで、2026年11月分から2027年3月分の輸入灯油が対象です。消費者が手続きをして受け取るものではありません。
灯油とエアコン暖房はどちらが安いですか?
部屋の広さで変わります。電気料金単価27円/kWh前後で試算したエアコン暖房の目安は6畳で約19円、8畳で約22円、10畳で約18〜35円、14畳で約40円で、灯油ストーブの約28〜46円と比べると狭い部屋ではエアコンが安く、広い部屋では差が小さくなります。
電気代の補助は2026年11月もありますか?
ありません。電気・ガス価格激変緩和対策による1kWhあたり3.5円引きは2026年9月使用分で終了しており、2026年10月〜12月使用分は補助がない状態です。2027年1月〜3月使用分での再開が検討されていますが確定していません。
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