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暖房の使い始め準備、フィルター清掃で年いくら変わる?

2026年10月3日|いろは堂くらし編集部
カバーを外し灰色に汚れたフィルターが見える壁掛けエアコンの室内写真

画像出典: ぱくたそ

この記事の要点
暖房の使い始めにやることは、①室内機のエアフィルター清掃、②室外機まわりの点検、③試運転の3つです。フィルターを月1〜2回清掃すると年間31.95kWh(資源エネルギー庁の公表値で約860円、現行の全国目安単価約31円/kWhでの換算では約990円)、暖房の設定温度を21℃から20℃に下げると年間53.08kWh(同換算で約1,645円)の節電目安になります。準備は週末の30分程度で終わります。
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朝起きると足元が冷たい。でも暖房を入れると電気代が怖いんだよね…

暖房は、冷房よりも電気を使う時間が長くなりがちです。朝の身支度の30分、帰宅後から寝るまでの数時間と、共働きの家庭だと「つけたい時間」が朝晩に分かれるぶん、立ち上げの回数も増えます。

そこで効くのが、使い始める前の準備です。半年ぶんのホコリが詰まったフィルターのままスイッチを入れると、同じ室温にするために余分な電気を使い続けることになります。最初の30分をかけるかどうかで、冬のあいだずっと差がつく部分です。

この順番で進めます。フィルターを洗う、室外機のまわりを片づける、暖房を試運転する。金額の目安も一緒に見ていきましょう。

暖房の使い始めに必要な準備は?

エアコンの使い始めにやることは3つです。①室内機のエアフィルターの清掃、②室外機周辺の点検とお手入れ、③動作確認(試運転)。この3点が推奨されています。

  1. エアフィルターを洗う室内機のカバーを開けてフィルターを外し、ホコリを落として水洗いします。乾燥まで含めて、ここがいちばん時間のかかる工程です。
  2. 室外機のまわりを片づける前面と背面に物を置かず、落ち葉やホコリを払います。ベランダや庭にある場合は、夏のあいだに物が寄っていることが多い場所です。
  3. 暖房を試運転する実際に暖房を動かして、温風が出るか・異音やにおいがないかを確かめます。寒くなってから故障に気づくと、修理の依頼が立て込む時期に重なります。

秋は季節の変わり目でエアコン内部がカビの温床になりやすく、暖房の試運転と合わせた清掃が推奨されています。内部クリーン機能や送風運転があれば、それも合わせて使うと内部の湿気対策になります。

フィルター清掃の正しい手順は?

水洗いの手順は4ステップです。順番を守ると、ホコリが目に詰まらずきれいに落ちます。

  1. 掃除機でホコリを吸うまず乾いた状態で、掃除機でフィルター表面のホコリを吸い取ります。濡らす前に吸うのがポイントです。
  2. 裏側からシャワーで水洗いするフィルターの裏側から水をあてます。ホコリは吹き出し側と逆の裏側から洗うのが基本で、表から洗うとホコリを目に押し込んでしまいます。
  3. タオルで水気を取る乾いたタオルでフィルターを挟み、水気を取ります。
  4. しっかり陰干しする日陰で完全に乾かしてから本体に戻します。濡れたまま付けると内部のカビの原因になります。
工程フィルターのどちら側から当てるか避けたいやり方
①掃除機表側(部屋に向いていた面)から吸う濡らしてから吸う
②水洗い裏側(吹き出し側と逆の面)から当てる表側から水を当てる
③水気取り両面をタオルで挟むこすって目を傷める
④乾燥両面を日陰で完全に乾かす直射日光・半乾きで装着

おそうじ本舗の公表データをもとに作成

上の表のとおり、迷いやすいのは②の向きです。表と裏を取り違えると、せっかく洗ってもホコリが目の内側に残ります。

汚れが落ちないときは、薄めた中性洗剤を使います。台所用の中性洗剤を水で薄めれば十分で、専用品を買う必要はありません。

清掃の前に用意するもの(家にあるもので足りる)
  • 掃除機(ノズルは細口があればなお良い)
  • 浴室か屋外の水道(シャワーがあると楽)
  • 乾いたバスタオル1枚
  • 中性洗剤(汚れが残るときだけ)
🤔
乾くまで待つ時間がもったいない気がする…

陰干しの時間は、ほかの家事と並行させると気になりません。洗濯を回すタイミングでフィルターを洗って干し、そのあいだに室外機のまわりを片づける。この順で動くと、待ち時間がそのまま次の工程になります。

フィルター清掃と室温管理で、年間いくら変わる?

ここからは金額の話です。公表されている省エネ量を、現在の電気料金の目安単価で換算すると次のようになります。

対策年間省エネ量単価換算の節約額目安(約31円/kWh)出典
フィルター清掃(月1〜2回)年間31.95kWh約860円(経産省公表値)/現行単価換算で約990円資源エネルギー庁 省エネポータル
暖房設定温度 21℃→20℃(2.2kW機・9時間/日使用、外気温6℃)年間53.08kWh約1,645円(現行単価換算)東京電力パワーグリッド(資源エネルギー庁データ引用)
サーキュレーター併用で設定温度1℃緩和―約1,650円コツコツCD(でんき/電気代コラム)

資源エネルギー庁 省エネポータルの公表データをもとに作成

上の表の金額は、1kWhあたり約31円(2026年9月時点の全国目安単価)で計算した目安です。電気の単価は地域によって約26円〜41円の幅があるため、お住まいの地域の単価によって金額は上下します。使用時間や住まいの断熱性でも変わるので、「この額が必ず戻る」ものではなく、効果の大きさを比べるための目安として見てください。

比率で見ると、暖房の設定温度を1℃下げると消費電力量は約10%削減されると見込まれています。フィルター清掃より、設定温度のほうが効き幅は大きいということです。ただし清掃は年に数回の作業で済み、温度設定は毎日の我慢につながりやすい。この性質の違いが、次の章の話につながります。

設定温度は何℃にすればいい?

環境省は、快適性を損なわない範囲での省エネとして、冬季の室温を20℃とすることを推奨しています。ここで言う20℃は部屋の実際の温度(室温)で、エアコンのリモコンに表示される設定温度とは別のものです。

暖かい空気は上にたまるため、設定温度を20℃にしても足元は20℃に届かないことがよくあります。「20℃だと寒い」と感じて22℃、23℃へ上げてしまうのは、この上下の温度差が原因です。

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足元だけ寒いのを何とかすれば、温度を上げなくて済むってこと?

空気を循環させるという方法があります。サーキュレーターを併用して設定温度を1℃下げた場合、年間約1,650円の節約効果が見込まれるという目安が出ています。天井付近にたまった暖かい空気を動かして足元の冷えを感じにくくすることで、設定温度を下げやすくするという考え方です。

夏に使っていたサーキュレーターや扇風機が家にあるなら、しまう前に冬もそのまま使えます。上向きに回して天井の空気を動かす使い方が一般的です。

温度を上げる前に試せること
  • サーキュレーターか扇風機で空気を回す
  • カーテンを閉める(窓から熱が逃げやすい)
  • 厚手の靴下・スリッパで足元を直接温める
  • 室温計を置いて、体感ではなく数字で確認する

室外機のまわりは何を見ればいい?

室外機は、暖房のときに外の空気から熱を取り込む役割をしています。吸排気が妨げられていると、その働きが落ちます。

室外機の場所あるべき状態片づけるもの
前面(風の吹き出し側)物を置かず空けておくプランター・物置・自転車など
背面(空気の吸い込み側)物を置かず空けておく壁際に寄せた荷物・伸びた雑草
上面ホコリ・落ち葉がない落ち葉・ホコリ(ホウキで払う)
本体の表面汚れがない泥汚れ(雑巾で拭き取る)

ダイキンの公表データをもとに作成

上の表で見ると、作業の大半は「どかす」ことです。夏のあいだにベランダへ物を寄せていた家庭では、ここで物の位置を戻すだけで終わります。作業としては5分ほどです。

共働き世帯は、いつ・どの順でやるのが現実的?

平日の夜に全部やろうとすると、フィルターの乾燥が間に合いません。週末の午前中に始めるのがいちばん無理がありません。

  1. 朝いちにフィルターを外して洗う(15分)掃除機→裏から水洗い→タオルで水気取り。そのまま陰干しに回します。
  2. 乾燥待ちのあいだに室外機(5分)物をどかして落ち葉を払います。
  3. 乾いたらフィルターを戻して試運転(10分)温風が出るか、異音やにおいがないかを確認します。

合計で作業時間は30分ほど、間に乾燥の待ち時間が入ります。あとはシーズン中、月1〜2回のフィルター清掃を続ける形です。表のとおり、この頻度が節約額の前提になっています。

これで解決しないケースもあります

フィルターを洗って試運転しても、温風が弱い・においが取れない・水漏れがあるという場合は、フィルターより奥の熱交換器(取り込んだ空気を温める、室内機の内側にある金属のフィンの部分)や内部に原因があることがあります。ここは市販のスプレーで無理に触ると故障につながるため、メーカーや専門業者に相談するのが無難です。

また、ここで示した金額はあくまで公表データをもとにした目安です。古い機種・広い部屋・断熱の弱い住まいでは、清掃と室温管理だけでは体感できるほど請求額が下がらないこともあります。その場合に効くのは運転のしかたより住まいの側の対策(窓の断熱など)で、対策の種類が変わります。

それでも、使い始めの30分は誰でも今日からできて、お金がかかりません。フィルター清掃と設定温度1℃の2つを合わせれば、公表データの換算で年間2,500円前後の目安になります。まずはフィルターを1枚外して、ホコリの量を見てみるところからで十分です。

よくある質問

エアコンの暖房を使い始める前に、何をすればいいですか?

室内機のエアフィルターの清掃、室外機周辺の点検・お手入れ、動作確認(試運転)の3点が推奨されています。フィルターは掃除機でホコリを吸ってから裏側から水洗いし、陰干しで完全に乾かしてから本体に戻します。室外機は前面・背面に物を置かず、落ち葉やホコリを払います。

エアコンのフィルター清掃で、電気代はどれくらい安くなりますか?

フィルターを月1〜2回清掃すると年間31.95kWhの省エネになり、資源エネルギー庁の公表値では年間約860円の節約とされています。現行の全国目安単価(約31円/kWh、2026年9月時点)で換算すると約990円相当です。使用時間や住まいの条件で変わる目安の金額です。

冬の暖房の設定温度は何℃がいいですか?

環境省は、快適性を損なわない範囲での省エネとして冬季の室温を20℃とすることを推奨しています。暖房の設定温度を1℃下げると消費電力量は約10%削減されると見込まれ、2.2kWクラスのエアコンを9時間/日・外気温6℃の条件で21℃から20℃にした場合、年間53.08kWhの省エネになるという試算があります。

フィルターは表側から洗ってはいけないのですか?

ホコリは吹き出し側と逆の裏側から洗うのが基本です。表側から水をあてるとホコリをフィルターの目に押し込んでしまうため、先に掃除機で表面のホコリを吸い取り、そのあと裏側からシャワーなどで水洗いします。汚れが落ちない場合は薄めた中性洗剤を使います。

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