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電気代の託送料金改定で11月値上げ、相殺できる3カ所

2026年10月27日|いろは堂くらし編集部
住宅の分電盤に取り付けられた日本語表記のブレーカーを接写した写真。

画像出典: ぱくたそ(©すしぱく)

この記事の要点
2026年11月1日以降に使った電力から、送配電網の利用料である託送料金の改定を反映した新しい単価が適用されます。上がり幅は地域・契約・使用量で差がありますが、関西407円、東北485円、東邦ガス525円、沖縄590円など各社の公表値を踏まえると、標準的な家庭で月200〜600円程度が目安です。冬の電気使用量は暖房・冷蔵庫・給湯で約6割を占めるため、この3カ所を数%減らせば上乗せ分は相殺できる規模になります。
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また電気代が上がるって聞いたんですけど、うちは何がどれだけ上がるんでしょう…

2026年11月1日以降に使った電力から、新しい単価が適用されます。理由は託送料金の改定です。託送料金とは、各地域の送配電事業者が持つ送配電網を使うための利用料で、電気料金の中に組み込まれています。送配電設備の維持・更新費用が増えたことを理由に引き上げられ、これを受けて大手電力各社と新電力各社(電力自由化後に参入した電力会社)が、規制料金(国の認可が必要で誰でも契約できる従量電灯などのメニュー)・自由料金(各社が独自に設定するメニュー)ともに単価を改定しました。

大事なのは「11月の請求分」ではなく「11月1日以降に使った分」が対象という点です。10月31日までの使用分は旧単価のままなので、11月請求の明細には両方の単価が混ざります。正直なところ、明細を見ただけでは値上げの影響がいくらなのか分かりにくい月になります。

ただ、上がる額の目安と、冬の電気をどこが食っているかが分かれば、相殺する的は絞れます。

11月からいくら上がる? 金額の目安

上がり幅は電力会社・地域・契約・使用量で差があります。各社が公表しているモデル家庭の数字を並べると、こうなります。

対象モデル条件値上がり幅の目安
東京電力エナジーパートナー管内従量電灯B・30A・月260kWh月9,307円→9,561円(月254円増)
東邦ガスの電気(中部電力パワーグリッド管内)モデル家庭・月320kWh月525円増の見通し
楽天でんき プランS地域による単価改定北陸±0円/中部で最大1.87円/kWh上昇

各社が公表した2026年11月使用分からの料金改定内容(2026年10月時点)をもとに作成

上の表の「従量電灯B」は一般家庭向けの標準的な契約メニューの名称、「30A(アンペア)」は同時に使える電気の量の上限で、契約時に選ぶ数値です。どちらも検針票やマイページの契約内容欄に書かれています。

金額は電力量単価と基本料金を含む総額ベースのモデル値で、再生可能エネルギー発電促進賦課金や燃料費調整額の変動、国の補助の有無はこの差額には含まれていません。全国一律で同額上がるわけではなく、関西407円、東北485円、東邦ガス525円、沖縄590円といった公表値もあり、標準的な家庭で月200〜600円程度の増加というのが実情に近い幅です。

単価が円/kWhで上がる仕組みなので、使用量が多い世帯ほど増え方も大きくなります。共働きで在宅時間が分散している家庭や、子どもがいて暖房を使う部屋が複数ある家庭は、モデル家庭の月260〜320kWhより使用量が多くなりがちです。その場合、上の目安より増える前提で考えたほうが安全です。

もうひとつ、冬の電気代が重く感じる背景として再エネ賦課金があります。2026年度の単価は4.18円/kWhで、制度が始まった2012年度以降で最も高い水準です。月400kWh使う世帯だと負担は月額約1,672円、年額では約2万円に達する見通しです。これは4月時点で決まっている別建ての上乗せで、今回の11月の託送料金改定とは制度もタイミングも別ですが、合算されて請求に乗ってくる点は同じです。

どこを削れば効くのか? 冬の電気の内訳

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こまめに消すくらいしか思いつかないけれど、それで足りるのかな

節電の効き方は、使用量の大きいところを削ったかどうかでほぼ決まります。資源エネルギー庁の調査(平成30年度電力需給対策広報調査事業)による冬季の家庭の電気使用割合は、次のとおりです。

用途冬季の電気使用割合
暖房全体32.7%
(うちエアコン)17.0%
(うち電気ストーブ)3.8%
(うちこたつ)2.1%
冷蔵庫14.9%
給湯12.6%
照明9.2%

資源エネルギー庁「平成30年度電力需給対策広報調査事業」の公表データをもとに作成

上の表で見ると、暖房・冷蔵庫・給湯の3つで冬の電気使用量の約6割を占めます。照明をこまめに消す努力が無駄だという話ではありませんが、9.2%の一部を削るのと、60%の数%を削るのとでは、同じ手間に対する戻りが違います。

年間平均で見ると冷蔵庫19.0%、エアコン(暖房)13.5%、給湯12.1%が上位です。季節が変わっても、エアコンと冷蔵庫が最重点という結論は変わりません。だから見直す場所は3カ所に絞って構いません。

今日からできる3カ所の見直し手順

経済産業省の節電メニューに載っている削減率の目安を使って、順番に手を入れます。やることは設定の変更と置き方の変更だけで、買い物は発生しません。

  1. エアコンの暖房設定を1℃下げる設定温度を1℃下げると、電力消費は約10%減るのが目安です。22℃で使っているなら21℃にして、寒ければ厚手の靴下やひざ掛けで足元から補います。暖房は冬の使用量の3割超なので、ここが一番大きく動きます。
  2. 冷蔵庫の設定を「強」から「中」にする設定温度を「中」に変え、扉の開閉時間を減らし、詰め込みすぎを避けると約2%の節電になります。割合は小さく見えますが、冷蔵庫は24時間動き続ける家電で、一度設定を変えればその後の手間はゼロです。
  3. 給湯の使い方を1つ決める給湯は冬季で12.6%。家族の入浴時間を続けて並べて追い焚きの回数を減らす、シャワーの出しっぱなしをやめる、といった運用の約束を1つだけ決めます。3つ決めると続かないので1つにします。

月260kWh使う世帯で考えると、エアコンが使用量の17%ですから、そのうち10%を削ると全体では1.7%前後。冷蔵庫の2%を足し、給湯の使い方を見直せば、合計で数%の削減になります。今回の月254〜525円という上乗せ幅は、この数%の削減で届く規模です。逆に言えば、1カ所だけの見直しでは足りないことが多く、3カ所そろえるのが前提になります。

今週やっておくこと
  • エアコンのリモコンの設定温度を1℃下げて固定する
  • 冷蔵庫の温度設定を「中」に変える(庫内の操作パネルかダイヤル)
  • 冷蔵庫の詰め込みすぎを解消する(詰まっている棚を1段整理)
  • 給湯の約束を1つ決めて家族に共有する
  • 10月分の使用量(kWh)を明細で控えておく

効果を確かめるには何を見ればいい?

電気代は単価が変わった月に比較しても、値上げ分と節電分が混ざって判断できません。見るのは金額ではなく使用量(kWh)です。

明細やマイページには毎月の使用量がkWhで載っています。10月分の数字を控えておき、12月分(11月1日以降の使用が丸ごと入る月)と比べます。kWhが減っていれば、見直しは効いています。金額が増えていてもkWhが減っていれば、それは単価の上昇分で、自分の運用は正しい方向です。

比べるときの注意として、冬は気温が下がるほど暖房の使用量が増えます。前年同月のkWhも並べておくと、気温による増加と自分の削減を切り分けやすくなります。

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金額じゃなくてkWhを見ればいいなら、判断がはっきりしますね

使用量が減っていないなら、設定を戻してしまっているか、暖房を使う部屋が増えている可能性があります。使っていない部屋の暖房が入っていないか、エアコンと電気ストーブを同じ部屋で併用していないかを確認します。電気ストーブは冬季の使用割合で3.8%を占めていて、補助的に使う前提の機器です。主暖房として長時間つけると使用量が伸びます。

この方法が効きにくいケースもあります

オール電化や電気温水器を使っていない、ガス給湯の世帯では、給湯の見直しで減るのはガス代のほうで、電気のkWhはあまり動きません。その場合は暖房と冷蔵庫の2カ所で削る前提になります。また、在宅ワークで日中ずっと暖房が必要な世帯、乳幼児や高齢の家族がいて室温を下げられない世帯では、設定温度を1℃下げる前提自体が取れません。暖房の温度は動かさず、使う部屋を1つに集める・契約プランの時間帯単価を確認する、といった別の手で考えたほうが現実的です。健康や体調に関わる室温は、無理に下げる対象にしないでください。

契約の見直しはいつ考える?

今回の改定は託送料金という共通の原価が上がったことによるもので、大手電力も新電力も横並びで単価を上げています。そのため「値上げしない会社へ移る」という考え方は今回は当てはまりにくく、上がり幅の差を比べる話になります。

比べるなら、自分の使用量での比較が必要です。楽天でんきのプランSのように、改定幅が北陸で±0円、中部で最大1.87円/kWhと地域で大きく違う例もあり、同じプランでも住んでいる地域で結論が変わります。手順としては、明細で直近12か月のkWhを確認してから、各社の改定後単価を自分のkWhに当てて比べます。先に使用量を減らしてから比較すると、必要なプランの条件も変わります。順番としては、今週3カ所を見直し、12月分のkWhを見てから契約の話に進めば十分です。

アンペア数を下げて基本料金を減らす方法もありますが、冬は暖房と調理が重なってブレーカーが落ちやすい季節です。アンペアの変更は、同時に使う家電を把握してから判断してください。

よくある質問

11月の電気料金の値上げは、いつ使った分から対象になりますか

2026年11月1日以降に使用した電力が新しい単価の対象です。請求月を基準にした切り替えではないため、10月31日までの使用分は旧単価のまま計算されます。11月請求分の明細には旧単価と新単価の両方が混ざって記載されます。

今回の値上げはいくらぐらい上がりますか

地域・契約・使用量で差があり、関西407円、東北485円、東邦ガス525円、沖縄590円など各社の公表値を踏まえると、標準的な家庭で月200〜600円程度の増加が目安です。東京電力エナジーパートナー管内の一般家庭向け契約メニュー「従量電灯B」で、同時に使える電気の上限が30アンペア・月260kWh使用のモデルでは月9,307円から9,561円へ月254円増、東邦ガスの電気(月320kWh使用のモデル家庭)では月525円増の見通しが公表されています。

託送料金とは何ですか

各地域の送配電事業者が持つ送配電網を利用するための料金で、電気料金の中に含まれています。2026年11月使用分からの改定は、送配電設備の維持・更新費用の増加を理由とするものです。大手電力会社でも、電力自由化後に参入した電力会社(新電力)でも、共通の原価として反映されます。

節電の効果は電気代の金額で確認できますか

単価が変わった月は値上げ分と節電分が混ざるため、金額ではなく使用量(kWh)で確認します。明細やマイページに記載された10月分のkWhを控え、11月の使用が丸ごと入る12月分のkWhと比べます。前年同月のkWhも並べると、気温による増加と自分の削減を切り分けられます。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。