ガス代値上げと補助終了、11月請求から上がる分の抑え方
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東京ガスは2026年10月1日(11月検針分)から都市ガス料金を改定し、標準家庭(月30㎥)の一般料金は月5,734円→5,884円、月150円ほどの増加見込みです。あわせて政府の電気・ガス料金支援は9月使用分までで終わり、10月使用分=11月請求から値引きが消えます。家庭のガスは給湯が最大の用途(約28〜30%)なので、シャワー1分短縮(年間約1,825〜2,070円)や給湯温度42℃→40℃(1日約6.6円)など湯の使い方から手を付けるのが効果が大きい順になります。
今回の負担増は、別々の2つの出来事が重なっています。ひとつは東京ガスの料金改定。もうひとつは政府の電気・ガス料金負担軽減支援(補助金)の終了です。原因が2つあるので、請求書を見て「なぜこの額なのか」が分かりにくくなります。
正直なところ、どちらも家庭の側で止められるものではありません。できるのは、使う量のほうを少し減らすことだけです。そして減らす場所には明確な優先順位があります。家庭のガスは給湯が最大の用途で、お風呂とシャワーの使い方を変えるのが一番効きます。
何が変わった? 値上げと補助終了を分けて読む
まず料金改定のほうです。東京ガスは2026年10月1日(11月検針分)から、都市ガスの基本料金と単位料金を改定しました。1980年以来46年ぶりの値上げで、人件費や資機材価格の高騰、ガス販売量の減少が理由として示されています。
金額としては、基本料金が月150円、従量料金が0.02円/㎥の引き上げ。標準家庭(月30㎥使用)の一般料金で見ると、月5,734円から5,884円へ、月150円ほど(約2.6%)の増加見込みです。対象は東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・栃木県・茨城県の東京ガス供給区域です。
もうひとつが補助の終了です。2026年夏の政府による電気・ガス料金支援は、7〜9月使用分までが対象でした。値引き額は7月・9月使用分が電気3.5円/kWh・都市ガス14.0円/㎥、酷暑対策の上乗せがあった8月使用分は電気4.5円/kWh・都市ガス18.0円/㎥です。
大事なのは時期のずれです。補助の値引きが入るのは9月使用分=10月検針分まで。値引きが消えた請求が届くのは10月使用分=11月請求からです。経済産業大臣は10月以降の支援継続について、現時点で必要ないとの見解を示しています(中東情勢などは注視するとされています)。
つまり11月の請求書は、料金改定の分と補助が抜けた分が同時に乗ります。10月の請求書と比べて「使い方は変えていないのに増えた」と感じるのは、この2つが重なっているためです。
自分の家のガス使用量はどのくらい?
対策の効果を見積もるには、まず自分の家が月に何㎥使っているかを知るところから始まります。検針票やマイページに「使用量 ○○㎥」と書かれている数字がそれです。
一般家庭の都市ガス使用量は年間約308㎥、月平均で約25.6㎥。世帯人数別の月使用量の目安は次のとおりです。
| 一人暮らし | 月13㎥ |
|---|---|
| 二人暮らし | 月23㎥ |
| 3人世帯 | 月31㎥ |
| 4人世帯 | 月39㎥ |
Selectraの公表データをもとに作成
上の表の使用量に、補助の値引き額14.0円/㎥(7月・9月使用分の都市ガス分)を掛ければ、補助が抜けることで月いくら分の値引きが消えるかの目安が出ます。二人暮らしの月23㎥なら約320円、4人世帯の月39㎥なら約550円といった規模です。ここに料金改定の月150円ほどが加わる、という読み方になります。
家庭のエネルギー使用の用途別割合では、給湯(お風呂・シャワー・洗い物の湯)が約28〜30%で最大、暖房が約25〜30%、調理(厨房)は約7〜10%程度です。節約の効果が大きい順は、給湯 → 暖房 → 調理。調理の工夫は意味がありますが、金額としては補助的な位置づけになります。
シャワーの使い方で年間いくら変わる?
給湯のなかでも手を付けやすいのがシャワーです。40℃のシャワーを1分間使うガス代は約5円、使うお湯は約12L。浴槽1杯分がシャワー約16分に相当します。
ここから計算すると、シャワー時間を1分短くすると1回約5円、年間では約1,825〜2,070円の節約になります(資源エネルギー庁の調査に基づく数値を引用した試算。1人が毎日1回使う前提で、円換算は上記の1分約5円を用いています)。共働きで2人が毎日使うなら、単純には倍の規模です。
給湯温度の設定も効きます。給湯器のリモコンで42℃を40℃に下げると、シャワー利用で1日あたり約6.6円の節約。年間なら2,400円前後の目安です。温度を下げるのは一度操作すれば終わりなので、続けるための努力がいりません。
- 給湯器のリモコンの設定温度を42℃→40℃にする(1日約6.6円)
- シャワーを1分短くする(1人あたり年間約1,825〜2,070円)
- 髪や体を洗っている間は出し続けない(止めた分がそのまま1分約5円)
節水シャワーヘッドへの交換は約20%の節水効果が示されています。使うお湯が減ればガス代と水道代の両方に効きますが、購入が必要なので「今日ゼロ円でできること」を先に試して、物足りなければ検討する順番でいいと思います。
追い焚き・足し湯・入れ替えはどれが安い?
共働き世帯で判断が分かれるのが、帰宅時間がずれたときの浴槽の扱いです。お湯を抜いて入れ直すか、追い焚きするか、足し湯で済ませるか。都市ガスの目安額に、帰宅がずれる日が週4回あった場合の1ヶ月分(目安額×4回×4週)を並べると、差の大きさが見えます。
| 足し湯 | ガス約36.3円+水道約24円=約60.3円 | 週4回で月約960円 |
|---|---|---|
| 追い焚き1回 | 約72.7〜80円(水道代はかからない) | 週4回で月約1,160〜1,280円 |
| 入れ替えて沸かし直し | ガス約72.7円+水道約48円=約120.7円 | 週4回で月約1,930円 |
| 風呂自動(自動湯はり)1回 | 約120円 | 週4回で月約1,920円 |
中部電力ミライズおよびENEOS電気の公表データをもとに作成(右列は1回あたりの目安額から週4回・4週で換算)
上の表を見ると、お湯を抜かずに追い焚きや足し湯で回すほうが、入れ替えや風呂自動より1回あたり60〜70円ほど安く済みます。右列のように月単位に換算すると、入れ替えを足し湯に置き換えるだけで月1,000円近い差になり、値上げ分と補助が抜ける分(月500〜700円規模)をこれ一つで上回る計算です。風呂自動と追い焚きの差は、年間で約14,200円になるという試算もあります。
参考までに、シャワー15分は約75〜120円、お風呂1回(水道代込み)は約130〜180円です。一人だけならシャワーのほうが安いこともありますが、家族全員が別々に15分浴びるなら浴槽を使って追い焚きで回すほうが安くなるケースが出てきます。
- 先に入る人が栓を抜かないこれを決めるだけで選択肢が追い焚き・足し湯に残ります。
- 浴槽に蓋をする湯温の下がり方が緩やかになり、追い焚きの回数そのものが減ります。
- ぬるくなった分は足し湯で足す量が減っているだけなら、沸かし直しより足し湯のほうが安く収まります。
ここに挙げた金額はすべて目安です。ガス会社・料金プラン・設定温度・給湯器の種類(排気の熱を再利用して効率を高めたタイプの給湯器「エコジョーズ」など)で変わります。帰宅が深夜まで空いて湯が冷めきった場合、追い焚きで温め直すより入れ替えたほうが結果的に安いこともあります。「お湯がまだ温かいうちなら追い焚き、冷めきったら入れ替え」と線を引いておくほうが現実的です。
調理のガス代はどこまで下げられる?
調理は家庭のガス用途の7〜10%程度なので、金額のインパクトは給湯より小さくなります。それでも操作の手間がゼロの工夫がいくつかあります。
まず火力です。都市ガスの1時間あたりのガス代目安は、弱火が約4.5円、中火が約20円、強火が約35円。中火を1日30分使った場合は1ヶ月で約270円の試算になります。強火のまま使っているところを中火に落とすだけで、年間約390円の節約です。
金額が大きいのは鍋の蓋です。蓋をして調理すると熱効率が上がって加熱時間が短くなるため、年間で約3,000円程度の節約が見込めます。調理の工夫のなかではこれが最も効き、しかも覚えることが一つで済みます。
- 湯を沸かす・煮る工程では必ず蓋をする(年間約3,000円の目安)
- 鍋底からはみ出す炎は熱として使われていないので中火に落とす
- 鍋のサイズを中身の量に合わせる(大きすぎる鍋は温めるのに時間がかかる)
どれから手を付ける? 効果の大きい順に並べる
最後に、ここまでの工夫を目安額と「今日できるか」で並べます。年間の目安額を12で割った月あたりの換算も添えました。11月以降に増える分(値上げ月150円ほど+補助が抜ける月数百円)と同じ単位になるので、どれをいくつ続ければ釣り合うかが見えます。
| 工夫 | 目安の節約額 | 月あたり換算 | 今日からできる度 |
|---|---|---|---|
| 鍋に蓋をする | 年間約3,000円 | 月約250円 | ◎ |
| 給湯温度42℃→40℃ | 1日約6.6円(年間2,400円前後) | 月約200円 | ◎ |
| シャワー1分短縮 | 1人あたり年間約1,825〜2,070円 | 1人あたり月約150〜170円 | ◎ |
| 追い焚き・足し湯の活用(湯を抜かない) | 入れ替えと比べ1回60〜70円程度安い | 週4回なら月約1,000円 | ◎ |
| 強火→中火 | 年間約390円 | 月約33円 | ◎ |
| 節水シャワーヘッド導入 | 節水率約20% | 使用量に応じて変動 | △(購入が必要) |
エネチェンジ、中部電力ミライズ、おいくらの公表データをもとに作成(月あたり換算は年間の目安額を12で割った参考値)
上の表のうち、設定温度の変更と鍋の蓋は一度決めれば勝手に続きます。月あたりではこの2つだけで約450円分、増える分の大半に届く計算です。シャワー時間や浴槽の扱いは毎日の判断になるので、同居する人と「湯は抜かない」だけ共有しておくと揃いやすくなります。
値上げ分の月150円ほどと、補助が抜ける月数百円分。合わせて月500〜700円規模の増加に対して、上の表の上3つを続けるだけでも年間の目安では十分に釣り合います。全部を一度に始める必要はなく、効果の大きいものから順に試して、自分の検針票の数字がどう動くかを見るのが確実です。
なお2026年10月以降の支援について、経済産業大臣は現時点で必要ないとの見解を示しているものの、中東情勢などの状況は注視するとされており、今後の方針は確定していません。本記事の金額はすべて目安であり、ガス会社・料金プラン・使用環境によって変わります。
よくある質問
ガス代の値上げと補助終了は、いつの請求から反映されますか?
東京ガスの料金改定は2026年10月1日(11月検針分)から適用されます。政府の電気・ガス料金支援は7〜9月使用分までが対象で、9月使用分=10月検針分までは値引きがあり、値引きが消えるのは10月使用分=11月請求分からです。11月の請求書で、料金改定分と補助が抜けた分が同時に乗ることになります。
値上げで月いくら増えますか?
東京ガスの標準家庭(月30㎥使用)の一般料金では、月5,734円から5,884円へ、月150円ほど(約2.6%)の増加見込みです。内訳は基本料金が月150円、従量料金が0.02円/㎥の引き上げです。これに加えて補助の値引き(都市ガス14.0円/㎥)が消えるため、月23㎥の二人暮らしなら約320円、月39㎥の4人世帯なら約550円程度の値引き分がなくなる計算になります。
ガス代を減らすなら、お風呂と調理のどちらを見直すべきですか?
お風呂(給湯)が先です。家庭のエネルギー使用の用途別割合では給湯が約28〜30%で最大、調理(厨房)は約7〜10%程度にとどまります。給湯ではシャワー1分の短縮で1人あたり年間約1,825〜2,070円、給湯温度を42℃から40℃に下げると1日約6.6円の節約目安です。調理側で最も効果が大きいのは鍋に蓋をすることで、年間約3,000円程度の目安です。
追い焚きと、お湯を入れ替えるのではどちらが安いですか?
都市ガスの目安では、追い焚き1回が約72.7〜80円で水道代はかからず、お湯を全部入れ替えて沸かし直すとガス約72.7円+水道約48円で合計約120.7円です。足し湯ならガス約36.3円+水道約24円の約60.3円。湯がまだ温かいうちなら追い焚きや足し湯のほうが安く済みます。ただし金額はガス会社・設定温度・給湯器の種類によって変わる目安です。
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