電気代値上げ後の暖房、1時間いくら?新単価で計算
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2026年11月1日使用分から、北陸電力を除く大手電力9社が送配電網の利用料(託送料金)の見直しで単価を引き上げました。東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bなら、120kWh超〜300kWhの段階は36円45銭/kWhで、ここに燃料費調整額▲5円33銭と再エネ賦課金4円18銭を足した約35円30銭/kWhが1kWhの実質単価です。暖房器具1時間の電気代は「消費電力(kW)×1時間×この実質単価」で出せます。
暖房器具の電気代は、わざわざ検索しなくても手元の数字だけで計算できます。必要なのは、器具の消費電力と、契約している電力会社の単価の2つだけです。
ただし、よく見かける「1時間○円」という目安は、たいてい1kWhあたり27円前後という少し前の単価で計算されたものです。11月から単価が変わったので、そこを自分の家の数字に置き換えると、見える金額がけっこう変わります。
2026年11月の電気料金は何が変わった?
2026年11月1日使用分から、北陸電力を除く大手電力9社が、送配電網の利用料である「託送料金」の見直しを反映して料金単価を引き上げました。加えて、政府の電気・ガス補助は9月使用分で終了しています。中東情勢の悪化によるLNG(液化天然ガス)の輸入価格上昇も重なり、11月使用分の電気代は一人暮らしで月約990円、4人世帯で月約2,380円の値上がりが見込まれています(契約や使用量によって差が出ます)。
東京電力エナジーパートナー(以下、東京電力EP)の場合、11月1日使用分から低圧契約の基本料金と電力量料金の単価を改定し、家庭向けで約2.5%の値上げとなりました。ここで出てくる「30A(アンペア)」は、同時にどれだけの電気を使えるかを決める契約の大きさで、検針票やブレーカーのつまみに書かれています。数字が大きいほど基本料金も高くなり、一戸建てや家族世帯では30A〜40Aが多く使われます。この契約30A・月260kWhの平均的な家庭の11月使用分の試算は9,738円で、10月使用分の試算9,561円から177円上がっています。
| 区分 | 10月31日までの単価 | 11月1日以降の単価 |
|---|---|---|
| 基本料金(30A) | 935円25銭 | 1,176円18銭 |
| 第1段階料金(〜120kWh) | 29円80銭/kWh | 29円85銭/kWh |
| 第2段階料金(120kWh超〜300kWh) | 36円40銭/kWh | 36円45銭/kWh |
| 第3段階料金(300kWh超) | 40円49銭/kWh | 40円54銭/kWh |
エネジェントの公表データをもとに作成(東京電力EP 従量電灯B・税込、2026年11月時点)
上の表で目を引くのは基本料金で、30A契約なら月240円93銭の増加です。電力量料金のほうは1kWhあたり5銭の改定なので、こちらは「単価が跳ね上がった」というより、もともと段階によって単価が大きく違うことのほうが、電気代への影響は大きいと言えます。120kWhまでは29円85銭、300kWhを超えた分は40円54銭。暖房を使う月は使用量が増えるので、追加で使う1kWhは高い段階の単価で計算されます。
暖房器具1時間の電気代はどう計算する?
消費電力は、器具の背面や側面に貼られた銘板シールか、取扱説明書の仕様欄に「W(ワット)」で書かれています。1,000Wなら1.0kW、800Wなら0.8kWです。エアコンは「暖房 消費電力」の欄に最小〜定格〜最大の幅で書かれていることが多く、実際の運転はその間を上下します。
計算式はこれだけです。
- 消費電力をkWに直す銘板の「W」を1,000で割る。1,200W → 1.2kW。
- 自分の家の実質単価を出す電力量料金単価+燃料費調整額+再エネ賦課金単価。東京電力EPの11月で120kWh超〜300kWhの段階なら、36円45銭 − 5円33銭 + 4円18銭 = 約35円30銭/kWh。
- かけ算する消費電力(kW) × 使用時間(h) × 実質単価(円/kWh)。1.2kW × 1時間 × 35.30円 = 約42円。
2段目の引き算で戸惑うかもしれませんが、東京電力EPの2026年11月分の燃料費調整額は▲5円33銭/kWh、つまり電気代を押し下げる向きのマイナス調整です。燃料費調整額は毎月変わるので、電力会社の「燃料費調整単価のお知らせ」で当月分を確認してください。再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金、全国一律で電気の使用量に応じてかかる負担金)は2026年5月検針分から4円18銭/kWhです。こちらは毎年3月下旬に経済産業省が公表し、5月検針分から1年間適用されます。
- 暖房器具の銘板に書かれた消費電力(W)
- 検針票か電力会社のマイページに出ている今月の使用量(kWh)
- 電力会社サイトの当月の燃料費調整単価
使用量を確認するのは、自分がどの段階の単価で計算すべきかを決めるためです。月260kWh使う家庭なら、追加で使う分は120kWh超〜300kWhの段階、つまり36円45銭のほうで考えます。月320kWhまで伸びる月は、300kWhを超えた分は40円54銭です。同じ暖房器具でも、たくさん使う月ほど1時間あたりの単価が上がります。
器具ごとに1時間いくら?新単価で出してみる
よく見かける暖房器具の比較は、1kWhあたり27円前後という目安単価で計算されています。まずその一般的な試算を見てから、新しい単価に置き換えます。
| 暖房器具 | 消費電力の目安 | 1時間あたりの電気代目安(単価27円/kWh換算) |
|---|---|---|
| エアコン暖房 | 0.5〜2.0kW | 14〜54円 |
| 電気ストーブ(電気ヒーター) | 0.8〜1.2kW | 22〜32円 |
| こたつ | 0.1〜0.2kW | 2.7〜5.4円 |
| 電気毛布 | 約0.05kW | 約1.4〜2円 |
アシストの公表データをもとに作成(単価27円/kWhで換算した概算、確認日2026年11月6日)
上の表の消費電力をそのまま使い、単価だけを東京電力EPの11月の実質単価約35円30銭/kWhに差し替えると、こうなります。
- エアコン暖房を1.0kWで運転: 1.0 × 1 × 35.30 = 約35円(0.5kWなら約18円、2.0kWなら約71円)
- 電気ストーブ1.0kW: 1.0 × 1 × 35.30 = 約35円
- こたつ0.15kW: 0.15 × 1 × 35.30 = 約5円
- 電気毛布0.05kW: 0.05 × 1 × 35.30 = 約2円
27円換算のときと比べて、だいたい1.3倍です。エアコンと電気ストーブは数字の上では同じに見えますが、中身はまったく違います。エアコンはヒートポンプ方式といって、外の空気から熱を集めて室内に運ぶ仕組みなので、消費電力の3〜6倍の暖房能力が出ます。電気ストーブは電気をそのまま熱に変えるため、1kWの電気からは1kW分の熱しか出ません。部屋全体を暖めるなら、電気代あたりの暖かさではエアコンが最も有利です。
使い方を変えると月いくら浮く?
金額が大きく動くのは、器具の買い替えより「どの範囲を暖めるか」を変えたときです。リビング全体をエアコン1.0kWで1日6時間つけている家庭が、こたつ0.15kWと電気毛布0.05kWの併用に切り替えた場合を、同じ式で追ってみます。
- エアコンの場合1.0kW × 6時間 × 35.30円 = 211.8円/日 → 30日で約6,354円
- こたつ+電気毛布の場合(0.15+0.05)kW × 6時間 × 35.30円 = 42.4円/日 → 30日で約1,272円
- 差額6,354円 − 1,272円 = 月約5,082円
とはいえ、この5,000円という数字は「エアコンを一切使わない」前提の計算です。現実には、朝の着替えや子どもの入浴前後など、部屋全体を暖めたい時間は残ります。エアコンの稼働を6時間から3時間に減らし、残りをこたつと電気毛布でしのぐなら、1.0×3×35.30=105.9円に(0.2×3×35.30=21.2円)を足して1日約127円、30日で約3,810円。月約2,540円の差です。
使用量が少ない家庭では、効果はこれより小さくなります。月の使用量が120kWhに収まる世帯なら、実質単価は29円85銭 − 5円33銭 + 4円18銭 = 約28円70銭/kWh。同じエアコン1.0kWを3時間分減らしても、1.0 × 3 × 28.70 × 30日 = 約2,583円で、35円30銭で計算したときの約3,177円より600円ほど少ない計算になります。暖房を使う部屋がもともと1室だけという場合も、減らせる余地そのものが小さくなります。
こたつや電気毛布は、体に触れている部分を暖める器具なので、部屋の空気の温度は上がりません。乳幼児がいる部屋、朝に着替えや身支度をする時間帯、来客があるときなど、室温そのものを上げたい場面ではエアコンのほうが適しています。電気毛布を就寝中に使う場合は、製品の取扱説明書に書かれた使用方法と温度設定の範囲を守ってください。
- 暖房器具の銘板を見て、消費電力をメモに書き出す
- 検針票で今月の使用量(kWh)と、電力会社サイトで当月の燃料費調整単価を確認する
- 「消費電力 × 時間 × 実質単価」で、よく使う器具の1時間あたりを計算して家族に共有する
金額が数字で見えると、「このヒーターは足元だけにして、部屋はエアコンに任せよう」といった判断が家族の間で共有しやすくなります。節約のために我慢する順番を決めるのではなく、どこにお金がかかっているかを知ってから決めればいい話です。
よくある質問
暖房器具1時間あたりの電気代はどう計算しますか?
「消費電力(kW) × 使用時間(h) × 電力量料金単価(円/kWh)」で計算します。より実態に近づけるなら、単価は電力量料金単価に燃料費調整額と再エネ賦課金単価を合算した金額を使います。東京電力エナジーパートナーの2026年11月・120kWh超〜300kWhの段階なら、36円45銭 − 5円33銭 + 4円18銭 = 約35円30銭/kWhです。
2026年11月の電気料金はどれくらい上がりましたか?
2026年11月1日使用分から、北陸電力を除く大手電力9社が託送料金の見直しを反映して単価を引き上げました。東京電力エナジーパートナーの家庭向けは約2.5%の値上げで、同時に使える電気の大きさを決める契約が30A(アンペア)で月260kWhを使う平均的な家庭の試算は9,738円、10月使用分の試算9,561円から177円の上昇です。平均的な世帯の値上がり額は一人暮らしで月約990円、4人世帯で月約2,380円と見込まれています。
エアコンと電気ストーブはどちらが電気代が安いですか?
部屋全体を暖める用途ではエアコンのほうが電気代あたりの暖かさで有利です。エアコンはヒートポンプ方式で外の空気から熱を運ぶため消費電力の3〜6倍の暖房能力が出ますが、電気ストーブは電気をそのまま熱に変えるため1kWの電気から1kW分の熱しか得られません。消費電力が同じ1.0kWなら1時間あたりの電気代はどちらも約35円(単価35円30銭/kWhで計算)ですが、得られる暖かさが違います。
こたつと電気毛布に切り替えると電気代はいくら変わりますか?
エアコン1.0kWを1日6時間使う場合は1.0×6×35.30円=211.8円/日、30日で約6,354円です。こたつ0.15kWと電気毛布0.05kWの併用に替えると0.2×6×35.30円=42.4円/日、30日で約1,272円となり、差額は月約5,082円になります。ただしこの計算はエアコンを使わない前提で、月の使用量が120kWh以下の世帯は実質単価が約28円70銭/kWhになるため差額は小さくなります。
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