玄関の浸水対策、水のうを1,000円以内で作る方法
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玄関からの浸水は、ゴミ袋2〜3枚を重ねて半分ほど水を入れた「水のう」を段ボールに詰め、ブルーシートで包んで並べるだけで応急的に食い止められます。材料はほとんど自宅にあるもので足り、買い足してもブルーシート代の1,000円前後で済みます。ただし高さ30cm未満は浸水を遅らせる程度の効果で、しっかりした止水には概ね45cmが必要とされます。外出・通勤の判断は、警戒レベル4「避難指示」までに危険な場所から避難を終えるのが基本です。
玄関前の段差が低い家や半地下の駐車場がある家では、道路にあふれた水がそのまま三和土(たたき。玄関で靴を脱ぐ前の、コンクリートやタイルの土間部分)へ流れ込みます。土のうを取りに行く時間はなくても、ゴミ袋と段ボールとブルーシートがあれば、今夜のうちに応急の壁が作れます。
正直なところ、これは大水を完全に止める方法ではありません。それでも、床上まで届くかどうかの数センチを稼ぐ意味は大きいです。作り方と、どこまで効くのかの限界、そして「そもそも家を出るべきか」の線引きまで順に見ていきます。
玄関の浸水を防ぐ「水のう」はどう作る?
水のうは、ビニール袋に水を入れて重しにする簡易的な浸水対策で、国土交通省や各自治体が土のうの代用として案内している手法です。特別な材料は要りません。
- 袋を重ねる大きめのビニール袋(45Lのゴミ袋など)を用意し、破れ防止のため2〜3枚重ねます。
- 水を入れる目安は袋の半分程度。持ち上げて運べない重さになるなら、3分の1程度でも構いません。
- 口を縛る空気をなるべく抜いて、口をしっかり縛ります。これで水のう1個の完成です。
玄関に置くときは、そのまま並べるより「防水壁」に組み立てたほうが効きます。福島県塙町が案内している手順が分かりやすく、重ねる順番は次のとおりです。
- ブルーシートを敷く玄関など水の侵入を防ぎたい場所に、道路側から家側へ広げて敷きます。
- 段ボール箱を並べる敷いたシートの上に、止めたい幅いっぱいに箱を並べます。
- 箱に水のうを入れる重し代わりに、箱の中へ水のうを入れていきます。
- シートで包む最後に段ボールごとブルーシートで覆うように包み、隙間を埋めます。
水を止めているのはブルーシートで、段ボールと水のうはそれを支える骨組みです。シートの端は家側に長めに残し、上から水のうで踏み押さえておくと、水圧でめくれ上がりにくくなります。
材料はどれも身近なもので、45Lのゴミ袋、ブルーシート、通販の空き箱の3点があれば組めます。買い足すとしてもブルーシート1枚(1.8×1.8m程度で500〜1,500円ほど)と、45Lゴミ袋1パック(200〜400円ほど)で、合計1,000〜2,000円程度に収まることがほとんどです。玄関に据える止水板は数万円規模になるため、その検討の前の応急策として現実的です。
ゴミ袋の水のうで、どのくらいの水が止まる?
効果の限界は先に知っておいたほうが、判断を誤りません。水のうと段ボールを2段積みするとおよそ20cm、3段でそれを少し超える高さになり、軽度な浸水であれば対応できる目安とされています。
一方、国土交通省の水防の考え方では、しっかりした止水効果を得るには最低45cm(概ね4〜5段)が必要とされ、高さ30cm未満は「浸水を遅らせる」程度の位置づけです。つまりゴミ袋の水のうは、道路から流れ込む数センチ〜十数センチの水を食い止めて、床上浸水までの時間を稼ぐための道具だと考えてください。
それでも数センチを止める価値は大きく、床上まで水が入れば床材や壁の復旧が必要になることを思えば、手持ちの材料で食い止められる範囲を作っておく意味はあります。
河川の氾濫や、周囲一帯が冠水するような状況では、玄関の水のうでは太刀打ちできません。膝の高さまで水が来ている、あるいは来る見込みの地域では、玄関の作業に時間を使わず避難を優先してください。半地下・地下室のある住宅も、水が入り始めると急激に危険になるため、防水壁より早めの垂直避難(建物の上の階へ移ること)や避難所への移動が先です。
それから見落としがちなのが、玄関以外の入口です。浴室や洗濯機の排水口、トイレからの逆流も浸水の経路になります。水のうをもう1〜2個作って、排水口の上に置いておくと逆流を抑えられます。土のうの代用としては、ゴミ袋のほかにプランター、水を入れたポリタンク、レジャーシートなども自治体が案内しています。
朝の出勤、どこで「行かない」と決める?
出勤の可否を天気予報の雨量で決めようとすると、毎回判断がぶれます。国が示している警戒レベルを基準にすると、家族で共有できる線引きになります。
| 警戒レベル | 情報 | とるべき行動 |
|---|---|---|
| レベル1 | 早期注意情報 | 災害への心構えを高める |
| レベル2 | 大雨・洪水注意報 | ハザードマップ等で避難行動を確認 |
| レベル3 | 高齢者等避難 | 避難に時間のかかる人・支援者は危険な場所から避難開始 |
| レベル4 | 避難指示 | 対象地域の全員が危険な場所から避難 |
| レベル5 | 緊急安全確保 | 既に災害が発生・切迫。直ちに命を守る行動 |
首相官邸の公表データをもとに作成
上の表で最も重要なのはレベル5の扱いです。レベル5は必ず発表されるとは限らず、レベル4までに危険な場所からの避難を終えておくのが基本とされています。レベル5を待って動くという考え方自体が危険、ということです。
共働き世帯なら、レベル3が出た時点で「学校・保育園の連絡を確認し、どちらが子どもを見るか決める」、レベル4なら「外出しない・帰宅を急がない」と、前もって決めておくと当日の判断が速くなります。玄関の水のう作りは、レベル2〜3のうちに終わらせておく作業です。
なお、2026年9月7日時点では、台風24号から変わった熱帯低気圧の影響で秋雨前線の活動が活発になっており、伊豆諸島北部で線状降水帯(次々と発生する積乱雲が列をなし、同じ場所に激しい雨を降らせ続ける状態)発生のおそれの情報、利島村には大雨(土砂災害)特別警報が発表されました。10日頃にかけて関東から四国を中心に再び広範囲で大雨のおそれがあり、地盤が緩んでいるため雨量が少なくても土砂災害のリスクが残ります。(出典: tenki.jp 2026年9月7日)
非常持ち出し袋、今夜どこを見直す?
すでに袋を用意している家庭こそ、中身が去年のまま止まっていることがあります。首相官邸は、避難時に持ち出す「非常用持ち出し品」と、自宅に置いておく「備蓄品」を分けて案内しています。分けて考えると、袋に何を入れるべきかがはっきりします。
- 飲料水/食料品(カップめん・缶詰・ビスケット・チョコレートなど)
- 貴重品(預金通帳・印鑑・現金・健康保険証)
- 救急用品(ばんそうこう・包帯・消毒液・常備薬)
- ヘルメット・防災ずきん、マスク、軍手
- 懐中電灯、携帯ラジオ、予備電池
- 衣類・下着・毛布・タオル、使い捨てカイロ
- ウェットティッシュ、洗面用具
家族構成による追加も案内されています。小さな子どもがいるならキューブタイプのミルクと子供用紙おむつ、女性には生理用品とサニタリーショーツ、高齢者がいる家庭には大人用紙おむつや介護食です。常備薬と食料の期限、電池のサイズ違いの3点は、今夜のうちに実際に袋を開けて確かめる価値があります。
自宅の備蓄側は、飲料水が1人1日3リットルで3日分が目安です。4人家族なら36リットル、2Lペットボトルで18本分になります。ほかに非常食(アルファ米・缶詰・干物・乾パンなど)、トイレットペーパーやティッシュ、携帯・簡易トイレ、マッチやろうそく、カセットコンロも挙げられています。断水するとトイレを流す生活用水も別に要るため、浴槽に水を張っておくのはこの用途に有効です。大規模災害では3日分ではなく1週間分の備蓄が望ましいとされています。
一度に完璧にする必要はありません。今夜は「玄関にブルーシートと段ボールを出しておく」「持ち出し袋の食料と薬の期限を見る」の2つだけでも、翌朝の判断がずいぶん楽になります。足りないものはメモしておいて、雨が上がってから買い足せば十分です。
よくある質問
ゴミ袋で作る水のうは、どのくらいの高さの浸水まで防げますか?
水のうを入れた段ボールを2段積みするとおよそ20cm、3段でそれを少し超える高さになり、軽度な浸水への対応が目安です。国土交通省の水防の考え方では、しっかりした止水効果には最低45cm(概ね4〜5段)が必要とされ、30cm未満は浸水を遅らせる程度の効果と位置づけられています。
水のうの防水壁をつくるには何が必要で、費用はどのくらいですか?
45Lのゴミ袋(破れ防止に2〜3枚重ね)、水のうを入れる段ボール箱、全体を包むブルーシートの3点があれば組めます。段ボールは通販の空き箱で足りるため、買い足すのはブルーシート1枚(1.8×1.8m程度で500〜1,500円ほど)とゴミ袋1パック(200〜400円ほど)で、合計1,000〜2,000円程度が目安です。
土のうが手に入らないとき、代わりに使えるものはありますか?
ゴミ袋やビニール袋に水を入れた「水のう」のほか、プランター、水を入れたポリタンク、レジャーシートなどが土のうの代用として各自治体で案内されています。ブルーシートで覆って隙間をふさぐと止水性が上がります。
外出や通勤をやめる判断は、どの情報を基準にすればいいですか?
国の警戒レベルが基準になります。レベル3「高齢者等避難」で避難に時間のかかる人が避難を始め、レベル4「避難指示」で対象地域の全員が危険な場所から避難します。レベル5は必ず発表されるとは限らないため、レベル4までに避難を終えるのが基本とされています。
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