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電気代値上げで在宅ワークとコワーキング、どっちが安い?

2026年11月1日|いろは堂副業編集部
室内のテーブルでノートパソコンを見つめる日本人女性一人の様子

画像出典: ぱくたそ

この記事の要点
2026年11月1日使用分から東京電力エナジーパートナーが電気料金単価を改定し、標準モデル(従量電灯B・30A・月260kWh)で月9,307円→9,561円と254円増えます。自宅作業の電気代増分は暖房を使う時期で月3,000〜5,000円程度が目安で、コワーキングのドロップイン相場(1日1,000〜3,000円、都心部2,000〜3,500円)と比べると、月の作業日数が増えるほど月額会員プラン(月1万円台〜)が1日あたり単価で有利になります。差額は月数千円規模なので、小さな案件を1本増やせば吸収できる幅でもあり、経費計上はコワーキング利用料が全額、自宅の電気代は家事按分が必要という差も効きます。
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自宅だと暖房つけっぱなしで、電気代が怖い。かといってコワーキングは1日2,000円くらいするし、どっちが安いのか分からない…

自宅作業は「無料」ではありません。家にいる時間が長くなるぶん、暖房もPCも照明も動き続けます。その増分を一度計算してしまえば、コワーキングの料金と同じ土俵に並べられます。

2026年11月1日使用分から、東京電力エナジーパートナーが従量電灯B・Cや低圧電力の単価を改定しました。標準モデル(従量電灯B・30A契約・月260kWh)で月9,307円から9,561円へ、254円の増額です(東電EP試算)。東北電力や東邦ガスなど他地域でも同時期に料金改定があり、金額は契約先によって違います。

正直なところ、254円そのものは生活を揺るがす額ではありません。問題は、在宅で仕事をする人の場合、この値上げが「もともと大きい自宅作業コスト」の上に乗ってくることです。そして副業を始めたばかりなら、削る話と同時に「この数千円を案件で埋める」道も選べます。順番に計算していきましょう。

11月の電気代値上げで、実際いくら上がった?

値上げの中身は3つが重なっています。ひとつは政府の電気・ガス料金補助が9月使用分で終わったこと。ふたつめは11月1日から北陸電力を除く大手9社が託送料金(送配電網を使うために電力会社が支払う料金)を見直して値上げしたこと。みっつめは中東情勢の悪化によるLNG輸入価格の上昇です。

比較のしかた月額の差
単価改定の前後(標準モデル・従量電灯B・30A・月260kWh)9,307円 → 9,561円(+254円)
補助があった9月使用分との比較(一人暮らし)+約990円
補助があった9月使用分との比較(4人世帯)+約2,380円

東京電力エナジーパートナーの公表データをもとに作成(2026年11月1日使用分からの改定)

上の表のとおり、補助終了を含めた実感に近い数字は、一人暮らしで月約990円、4人世帯で月約2,380円です。単価改定分の254円だけを見ると、上がり幅を小さく見積もることになります。

金額は契約先によって違います

上の数字は東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bが前提です。東北電力・東邦ガスなど他社も同時期に改定していますが、改定幅は地域と契約プランで異なります。自分の契約先から届く11月改定の案内を確認してください。

自宅作業の電気代は、月いくら増えている?

比較の出発点は「自宅で仕事をしていなければ発生しなかった分」です。家賃や基本料金は仕事をしてもしなくてもかかるので、ここでは除きます。増えるのは主に3つ、空調・PC・照明です。

機器1日8時間・月20日の電気代の目安
エアコン(6〜10畳用)1日100〜250円 → 月2,000〜5,000円
エアコン(6〜8畳・別試算)1時間14〜18円、1日8時間で112〜144円
ノートPC(40〜70W)月数百円程度
デスクトップPC+モニター(100〜300W)ノートPCよりやや高め
LEDシーリングライト月20日利用で約148.8円

アシストオールおよびファイナンシャルフィールドの公表データをもとに作成(いずれも1日8時間稼働の試算)

上の表で分かるのは、金額を左右しているのはほぼエアコンひとつだということです。PCと照明を足しても月1,000円に届きません。仕事用のデスク回り(PC・モニター・照明)だけなら1日61.3円、月16日の在宅で約981円という試算もあります。一方で10畳用エアコンの暖房運転は1日約182円です。

過去の在宅勤務世帯の調査では、約6割の世帯で電気代が増え、使用量は平均36%増、金額では月1,700円〜3,493円程度の増加という結果が出ています。これはコロナ禍初期のデータなので金額をそのまま今に当てはめることはできませんが、在宅作業が電気代を押し上げる構造は変わっていません。

自宅コスト増分の目安(1か月)
  • 暖房・冷房を使う季節(冬・夏): 月3,000〜5,000円程度
  • 空調が要らない季節: PCと照明だけで月1,000円未満
  • 11月の値上げ分: 上の金額に数%上乗せされるイメージ

コワーキングの料金相場はいくら?

比べる相手の相場も押さえておきます。料金は大きくドロップイン(1日ごとの都度払い)と月額会員プランの2つです。

全国のドロップイン(フリータイム)1日1,000〜3,000円
東京都心部のドロップイン1日2,000〜3,500円
東京駅周辺など主要ターミナル駅近辺1日2,500〜5,000円(他地域の1.2〜1.5倍の傾向)
大都市中心部のハイクラス施設1日3,000〜5,000円
月額会員プラン(都心郊外・サテライト型)月1万円台から

atsohoの公表データをもとに作成(2026年時点の相場)

上の相場は施設の立地で倍近く開きます。全国では全拠点にアクセスできる月額3〜4万円帯のプランも存在しますが、こうしたプランの現行料金は変動するため、検討する施設の公式サイトで最終確認してください。

どちらが安いか、どう計算すればいい?

比較を間違えやすいのは、コワーキング代と自宅の電気代「全額」を並べてしまうことです。コワーキングに行った日は自宅の空調が止まるので、コワーキングの実質コストは「利用料金 − その日に浮いた自宅の電気代」になります。この引き算をしないと、コワーキングが実際より高く見えます。

  1. 自宅の1日あたり増分を出す 暖房を使う時期なら、エアコン1日100〜250円+PC・照明で60円前後。合わせて1日160〜310円程度が目安です。自分のエアコンの畳数と稼働時間で上の表から拾ってください。
  2. 月の作業日数を決める 月16日なのか20日なのかで結論が変わります。実際にカレンダーを見て数えます。
  3. 自宅だけで働いた場合の月額増分を計算する 1日あたり増分 × 作業日数。例えば1日250円×20日なら月5,000円です。
  4. コワーキングの実質月額を計算する ドロップインなら(日額 − 自宅で浮く1日分)× 通う日数。1日2,000円の施設に10日通い、1日250円浮くなら(2,000−250)×10で月17,500円です。月額会員なら会員費 −(浮く1日分 × 通う日数)。
  5. 経費になる割合を差し引く 確定申告をするなら、同じ1万円でも手元に残る額が違います(後の章)。

手順4の計算を月額会員でやり直すと景色が変わります。月額15,000円のプランに20日通い、1日250円浮くとすると、15,000−(250×20)で実質10,000円。同じ20日をドロップイン2,000円で通えば(2,000−250)×20で35,000円です。通う日数が増えるほど月額会員の1日あたり単価が下がり、都度払いとの差が開きます。逆に、月に数日しか外に出ない月はドロップインのほうが無駄が出ません。

🤔
自宅のほうが安く出たんだけど、それで決めていいのかな

金額だけで決まらない要素もあります。自宅の家賃按分、集中できずに作業が伸びた時間、来客や宅配で中断する回数。これらは金額に換算しにくいぶん、計算表には乗りません。同じ作業が自宅だと3時間、コワーキングだと2時間で終わるなら、1時間ぶんの単価が差額を上回ることもあります。

差額は削るより、案件1本で埋められる?

ここまでの計算で出てくる差額は、多くても月数千円から1〜2万円の幅です。月5,000円の差なら、報酬5,000円の小さな案件を月に1本増やすだけで帳消しになります。固定費を削る努力は上限が決まっていますが、受けられる案件の数と単価には上限がありません。

しかも、作業場所の選択は収入側にも効きます。同じ作業が自宅3時間・コワーキング2時間で終わるなら、浮いた1時間を次の案件の提案文や納品物の見直しに回せます。場所代を「支出」ではなく「空いた時間でもう1本受ける仕組み」として見ると、月額会員費のような固定費にも意味が出てきます。

副業を始めたばかりで、まだ継続案件が無い段階なら、判断はシンプルです。まず自宅で始めて、受注が月に数本を超えて作業日数が増えてきたら、コワーキングの月額会員を計算し直す。この順番なら、収入が無い時期に固定費だけが増えることを避けられます。

最初の1案件を取るまで、何をすればいい?

まだ受注がゼロなら、電気代の比較より先に動かすのはこちらです。作業場所の損得は、案件が入ってはじめて現実の数字になります。

  1. 出せるものを1つ決める 文章・資料作成・データ入力・画像編集など、いま仕事で日常的にやっていることから選びます。新しく学ぶ必要はありません。
  2. クラウドソーシングに登録する 登録と案件の閲覧は無料です。まずどんな仕事がいくらで募集されているかを見るだけでも、自分の相場感がつきます。
  3. 小さい案件に3件応募する 報酬の大きい案件は競争も実績の要求も高くなります。最初は単価より「完了実績を1つ作ること」を目的にします。
  4. 納品して評価をもらう 評価が1つ付くと、次の応募の通過率が変わります。ここが最初の壁で、越えると案件は探しやすくなります。
  5. 作業日数が増えたら場所を計算し直す 月の作業日数が二桁に乗ったら、前半の手順で自宅とコワーキングを比べます。
最初の1件で用意しておくもの
  • 過去に作ったもののサンプル(仕事の成果物が出せないなら、自分で作った練習作で十分)
  • 対応できる曜日・時間帯を書いた一文
  • 連絡の返信が可能な時間帯(本業がある人ほど先に伝えておくと揉めません)

経費にできる割合は、どこが違う?

確定申告をするフリーランス・副業者にとって、ここが実質コストを一番動かします。

コワーキングの利用料は、仕事のために使っている以上、全額を必要経費にできる場合が多いのに対して、自宅の電気代は家事按分が必要です。家事按分とは、生活と仕事で共用している費用を、使用面積や作業時間などの合理的な基準で分けて、仕事の割合だけを経費にする考え方です。つまり自宅の電気代は、払った額の一部しか経費に落ちません。

同じ「月1万円の支出」でも、全額が経費になるものと3割しか経費にならないものでは、課税所得の減り方が違います。計算の最後に、この差を加味してください。按分の比率は実態に即して説明できる根拠が必要なので、作業部屋の面積比や1日の作業時間比など、自分で説明できる基準で決めます。

自宅のほうが向いているケースもあります

月の作業日数が少ない人、空調をあまり使わない季節、近くに手頃なコワーキングがない地域では、移動時間も含めて自宅のほうが合理的です。コワーキングに通うことそのものが目的化すると、月額会員費だけが固定費として残ります。まずは1か月、ドロップインで実際の作業効率を試してから月額に切り替えるほうが失敗しません。

今月、何から手を付ければいい?

今週できる3つ
  • 契約先の電力会社から届いた11月改定の案内を開き、自分の契約プランの改定幅を確認する
  • 先月の検針票と、仕事を始める前の同じ月の検針票を並べて、増えている分を見る
  • クラウドソーシングをのぞいて、自分が今できることが月にいくらで募集されているかを3件分メモする

冬は自宅の電気代が一年で最も膨らむ時期で、コワーキングとの差が縮まります。11月の値上げはその差をさらに縮める方向に働きます。つまり今は、これまで「自宅のほうが安いから」で選んでいた判断が、計算し直すと逆になりうるタイミングです。

決めてしまう必要はありません。検針票を一枚見て自分の1日あたりの増分を知り、募集中の案件の相場を眺めるところまでで十分です。削る側と増やす側、両方の数字が手元にあれば、次に迷ったときの判断が速くなります。

作業場所を決める前に、自分ができることが今いくらで募集されているかを見てみると、判断の材料が増えます。

案件の相場をのぞいてみる

登録・閲覧は無料。応募しなくても相場だけ見られます

よくある質問

2026年11月の電気代はいくら上がりましたか?

東京電力エナジーパートナーは2026年11月1日使用分から従量電灯B・Cや低圧電力の単価を改定し、標準モデル(従量電灯B・30A契約・月使用量260kWh)で月9,307円から9,561円へ254円の増額となりました(東電EP試算)。政府の電気・ガス料金補助があった9月使用分と比べると、一人暮らしで月約990円、4人世帯で月約2,380円の値上がりです。金額は契約先と地域で異なります。

在宅で仕事をすると電気代は月いくら増えますか?

暖房や冷房を使う季節は月3,000〜5,000円程度、空調が不要な季節はPCと照明だけなので月1,000円未満が目安です。増加分のほとんどはエアコンで、6〜10畳用を1日8時間稼働させると1日100〜250円かかります。ノートPCは消費電力40〜70Wで1日8時間・月20日でも月数百円程度にとどまります。

コワーキングスペースのドロップイン料金の相場はいくらですか?

全国の目安では1日1,000〜3,000円、東京都心部では1日2,000〜3,500円が相場です。東京駅周辺など主要ターミナル駅近辺は1日2,500〜5,000円程度と他地域の1.2〜1.5倍の傾向があり、大都市中心部のハイクラス施設は1日3,000〜5,000円です。月額会員プランは都心郊外やサテライト型の拠点で月1万円台から選べます。個別施設の料金は公式サイトで確認してください。

副業を始めたばかりの人は、コワーキングを借りるべきですか?

受注がまだ少ないうちは自宅で始めるほうが安全です。月額会員費は収入の有無にかかわらず固定費として毎月かかるため、作業日数が月に二桁に乗ってから、自宅の電気代増分(暖房期で月3,000〜5,000円程度)と比べて計算し直すのが合理的です。月5,000円程度の差額なら、小さな案件を月1本増やすことでも吸収できます。

コワーキング利用料と自宅の電気代は、経費の扱いが違いますか?

違います。コワーキングの利用料は仕事のために使っている以上、全額を必要経費にできる場合が多い一方、自宅の電気代は生活と共用しているため家事按分が必要で、合理的な基準で算定した仕事分の割合しか経費にできません。同じ支出額でも課税所得の減り方が変わるため、どちらが得かを計算するときはこの差も加味してください。

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