転職の満足度、仕事内容で分かれる確認ポイント7つ
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厚生労働省「令和7(2025)年転職者実態調査」(2026年9月25日公表)では、転職者の満足度D.I.は「仕事内容・職種」が57.8ポイント、「賃金」が22.2ポイントでした。一方で自己都合離職の理由には「満足のいく仕事内容でなかったから」が24.7%で上位に入っており、入社前に仕事内容を具体的に確かめられたかどうかが分かれ目になります。求人票の読み方と面接での質問を具体的な言い回しまで落として用意しました。
求人票の仕事内容欄には、どこも似た言葉が並びます。「企画から運用まで幅広く」「裁量を持って」——読んでも、月曜の朝に自分が何をしているのかは浮かびません。入社後に一番効いてくるのは、その浮かばなかった部分です。
厚生労働省の「令和7(2025)年転職者実態調査」は、転職した人が今の勤め先に何をどれくらい満足しているかを項目別に出しています。賃金よりも仕事内容のほうが満足を生みやすい、というはっきりした差が出ました。正直なところ、求人票だけでは埋まらない情報があります。だからこそ、面接で何を聞くかで差がつきます。
転職者の満足度は、どの項目で高く・低く出ているのか?
まず数字の前提をそろえます。厚生労働省「令和7(2025)年転職者実態調査」は、2026年9月25日に結果が公表されました。個人調査は転職者13,975人を対象に7,310人が回答(有効回答率52.3%)し、状況は2025年10月1日時点のものです。ここでいう転職者は、雇用期間の定めが無いか1年以上の期間を定めて雇用される一般労働者(短時間労働者を除く)のうち、雇用される前の1年間に他企業で雇用された経験がある人を指します。
満足度は「満足度D.I.」という形で示されています。これは「満足」「やや満足」と答えた人の割合から、「不満」「やや不満」と答えた人の割合を引いた数字です。プラスが大きいほど、不満の人より満足の人が多い状態だと読めます。
| 満足度項目 | 満足度D.I.(ポイント) | 満足+やや満足(%) | 不満+やや不満(%) |
|---|---|---|---|
| 仕事内容・職種 | 57.8 | 68.7 | 10.9 |
| 通勤の便 | 58.0 | 70.0 | 12.0 |
| 会社の規模・知名度 | 52.3 | 56.5 | 4.2 |
| 人間関係 | 48.7 | 62.1 | 13.4 |
| 安全や衛生等の職場環境 | 48.5 | 60.0 | 11.5 |
| 労働時間・休日・休暇 | 47.9 | 65.6 | 17.7 |
| 職業生活全体 | 44.0 | 54.7 | 10.7 |
| 福利厚生 | 38.1 | 53.2 | 15.1 |
| 会社の将来性 | 35.3 | 49.1 | 13.8 |
| 役職 | 32.6 | 39.7 | 7.1 |
| 賃金 | 22.2 | 49.8 | 27.6 |
厚生労働省の公表データをもとに作成
上の表で目を引くのは、「仕事内容・職種」の57.8ポイントと「賃金」の22.2ポイントの開きです。仕事内容は賃金の2.5倍以上の水準にあります。賃金は「満足+やや満足」が49.8%で半分近くいるのに、「不満+やや不満」も27.6%と最も多く、評価が割れて数字が伸びません。
職業生活全体では44.0ポイント。性別でみると男45.8ポイント、女42.2ポイント、就業形態別では正社員43.3ポイント、正社員以外50.5ポイントでした。
仕事内容への納得感が、なぜ賃金より効くのか?
同じ調査には、転職した人が「今の勤め先を選んだ理由」と「前の勤め先を辞めた理由」の両方が載っています。この2つを並べると、仕事内容がどちらの側にも顔を出すことが見えてきます。
| 区分 | 項目 | 割合(%) |
|---|---|---|
| 選んだ理由 | 仕事の内容・職種に満足がいくから | 40.2 |
| 選んだ理由 | 自分の技能・能力が活かせるから | 38.4 |
| 選んだ理由 | 労働条件(賃金以外)がよいから | 23.1 |
| 選んだ理由 | 会社に将来性があるから | 17.1 |
| 選んだ理由 | 賃金が高いから | 16.6 |
| 離職理由(自己都合) | 賃金が低かったから | 25.5 |
| 離職理由(自己都合) | 会社の将来に不安を感じたから | 25.2 |
| 離職理由(自己都合) | 満足のいく仕事内容でなかったから | 24.7 |
| 離職理由(自己都合) | 労働条件(賃金以外)がよくなかったから | 23.4 |
| 離職理由(自己都合) | 安全や衛生等の職場環境がよくなかったから | 22.2 |
厚生労働省の公表データをもとに作成(いずれも3つまでの複数回答、2025年10月時点)
上の表の上半分、勤め先を選んだ理由では「仕事の内容・職種に満足がいくから」が40.2%で最多でした。「賃金が高いから」は16.6%にとどまります。前回の令和2年調査では41.0%で、ほぼ横ばいです。
下半分の離職理由を見ると、「満足のいく仕事内容でなかったから」が24.7%で上位3つに入っています。つまり仕事内容は、転職先を選ぶ最大の理由でありながら、前職を離れる理由の上位でもあるということです。入る前に見込んだ仕事内容と、入ってからの実際がずれたとき、その差が辞める理由になります。
男女で傾向が少し違うのも押さえておくと役立ちます。男は離職理由で「賃金が低かったから」29.6%が最多ですが、女は「満足のいく仕事内容でなかったから」23.5%が最多で、賃金の21.1%を上回ります。
求人票の仕事内容欄は、どこを読めばいいのか?
求人票を見る段階でできることがあります。調査では転職活動の方法として「求人サイト・求人情報専門誌・新聞・チラシ等」が45.1%で最多、次いでハローワーク等の公的機関29.6%、縁故(知人、友人等)22.2%、民間の職業紹介機関20.9%、企業のホームページ13.5%でした。多くの人が、まず求人票から入ります。
読むときのコツは、書いてあることを評価するのではなく、書いていないことに印を付けることです。「企画から運用まで」と書かれていたら、企画と運用のどちらに時間の大半を使うのかは書かれていません。そこが面接で聞く材料になります。
- 仕事内容が動詞で書かれているか(「◯◯を担当」だけだと中身が不明)
- 一日・一週間の時間配分がわかるか(主担当と付随業務の比率)
- 誰と働くかが書かれているか(チーム人数・報告先・社外とのやりとりの有無)
- その仕事が何で評価されるか(数値目標か、品質か、期限か)
4か所のうち空欄だったものを、そのまま質問に変えます。印を付ける作業は5分で終わりますし、応募先が複数あるときは同じ4点で比べると違いが見えます。
面接で仕事内容を確かめる質問リスト7つ
ここからは具体的な言い回しです。「仕事内容を教えてください」と聞くと、求人票と同じ答えが返ってきます。時間・頻度・直近の実例を尋ねると、相手は具体的に答えるしかなくなります。
- 時間の配分を聞く「この職種の方が1週間のうち、もっとも時間を使っている業務はどれでしょうか。割合の感覚でも教えていただけますか」
- 直近の実例を聞く「先月この役割の方が実際に取り組んだ案件を、1つ差し支えない範囲で伺えますか」
- 最初の3か月を聞く「入社して3か月目までに、どの業務をお任せいただく想定でしょうか」
- 関わる人を聞く「日常的にやりとりする相手は、社内のどの部署と、社外ではどなたになりますか」
- 評価の基準を聞く「この役割では、どんな状態になっていれば1年目として期待どおりと判断されますか」
- 前任者の動きを聞く「この募集は増員でしょうか、後任でしょうか。後任の場合、前の方はどういった動きをされましたか」
- 大変な部分を聞く「この仕事でいちばん負荷が高い時期や業務は、どのあたりになりますか」
7つすべてを聞く必要はありません。求人票で空欄だった箇所に対応するものを2〜3問選べば十分です。面接の逆質問の時間はだいたい5分前後で、3問が現実的な上限です。
7番目の「大変な部分」は聞きにくく感じるかもしれませんが、負荷の所在を答えられる面接官は現場を把握しています。答えが曖昧なときは、その曖昧さ自体が情報です。
実例を1つ挙げてもらうと、求人票の抽象的な言葉が自分の予定表に変換されます。「新規開拓を担当」が「月に何件、どんな規模の相手に、どういう手段で」まで降りてくれば、自分がその動きを続けられるかを判断できます。
答えを聞いたあと、どう判断すればいいのか?
質問して回答を得たら、そこで満足せずに照らし合わせます。やることは2つです。
1つは、自分が前職で不満だった点と同じ構造になっていないかを確かめること。調査の離職理由では、仕事内容24.7%のほかに労働条件(賃金以外)23.4%、安全や衛生等の職場環境22.2%、能力・実績が正当に評価されない18.9%、人間関係17.1%が並びます。自分が辞めたい理由がどれなのかを言葉にしてから回答を読むと、同じ落とし穴かどうかが見えます。
もう1つは、入社後に修正できる前提で見ることです。転職者がいる事業所のうち82.6%が転職者に教育訓練を実施しており、内訳は計画的OJT(実際の業務を通じて先輩や上司が教える訓練)79.8%、OFF-JT(業務から離れて受ける研修や講習)64.5%、入職時ガイダンス53.9%でした。未経験寄りの業務が含まれていても、受け入れの仕組みがあるかを聞けば判断材料になります。
面接で聞けるのは、その時点で面接官が把握している範囲までです。組織変更や事業方針の変更で仕事内容が変わることは起こりますし、厚労省の調査にも「仕事内容の満足度を職種別・産業別に分けた数字」は概況には載っていません。確認は後悔の確率を下げる作業であって、ゼロにはできません。それでも、聞かずに入るより判断の材料は増えます。
今すぐ転職しない人にも、この質問リストは使えるのか?
使えます。同じ調査では、転職者の今後の希望は「今の職場で今後も働きたい」55.1%、「わからない」22.9%、「機会があれば転職したい」20.6%でした。半数以上が今の場所に留まる意向です。
7つの質問は、自分の現在の仕事に向けても答えが出ます。1週間でもっとも時間を使っている業務は何か、1年目として期待どおりと判断される基準は何か——書き出してみると、満足している部分と不満な部分が項目に分かれます。分かれた時点で、転職以外の選択肢(異動の応募、担当範囲の相談)も検討の対象に入ります。
採用側の動きも参考になります。今後3年間に転職者を採用する予定がある事業所は63.6%で、令和2年調査の53.3%から10.3ポイント上がりました。転職者がいる事業所の割合も33.0%から38.2%へ上昇しています。急いで決める必要はありませんが、求人票を4か所の視点で読む習慣だけは今日から始められます。
賃金についても一言。転職者の賃金決定で最も重視される要素は「これまでの経験・能力・知識」が38.4%でした。仕事内容を具体的に確かめる作業は、自分の経験をどう説明するかの整理にもつながります。
よくある質問
厚生労働省の令和7年転職者実態調査は、いつ公表されたどんな調査ですか?
厚生労働省「令和7(2025)年転職者実態調査」の結果は2026年9月25日に公表されました。全国の16大産業で5人以上の常用労働者を雇用する事業所を対象に、2025年10月1日現在の状況を調べたもので、個人調査は13,975人を対象に7,310人が回答(有効回答率52.3%)、事業所調査は17,354事業所を対象に9,154事業所が回答(有効回答率52.7%)しています。前回調査は令和2(2020)年でした。
満足度D.I.とは何を表す数字ですか?
満足度D.I.は、ある項目について「満足」「やや満足」と答えた人の割合から、「不満」「やや不満」と答えた人の割合を引いた数字です。令和7年転職者実態調査では、職業生活全体の満足度D.I.が44.0ポイント(満足+やや満足54.7%、不満+やや不満10.7%)でした。
転職者の満足度がもっとも低い項目は何ですか?
令和7年転職者実態調査の項目別満足度D.I.で最も低いのは「賃金」の22.2ポイントです。「満足+やや満足」は49.8%ですが「不満+やや不満」も27.6%と全項目で最も高く、評価が割れています。次に低いのは「役職」32.6ポイント、「会社の将来性」35.3ポイントでした。
面接の逆質問で、仕事内容について何問くらい聞くのが現実的ですか?
2〜3問が現実的です。面接の終盤に与えられる逆質問の時間は5分前後が多く、1問ごとに回答と追加の確認を挟むと3問程度で終わります。求人票を読んだ段階で情報が足りなかった点に絞り、「1週間でもっとも時間を使う業務」「入社3か月目までに任される業務」のように時間と期間を含めた聞き方にすると具体的な回答が返りやすくなります。
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