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求人倍率2.89倍、転職活動で動く前に見る自分の職種の数字

2026年10月28日|いろは堂キャリア編集部
室内のテーブルでスーツ姿の男性1人がノートパソコンを操作しこちらを見ている写真

画像出典: ぱくたそ

この記事の要点
dodaが2026年10月22日に発表した2026年9月の転職求人倍率は2.89倍で、前年同月の2.43倍から0.46ポイント上昇しました。ただし職種別ではエンジニア(IT・通信)12.04倍、事務・アシスタント0.66倍と大きく偏っており、全体の数字より自分の職種・業種・地域の倍率を確認するほうが実際の判断に使えます。確認は無料で数分、在職中のまま進められます。
🤔
求人倍率が上がってるってニュースで見たけど、それって自分にも関係ある話なの?

求人倍率は「転職希望者1人あたり何件の求人があるか」を表す数字です。dodaが発表した2026年9月の転職求人倍率は2.89倍。登録者1人に対して約2.9件の求人がある計算になります。

ただ、この数字をそのまま自分に当てはめると判断を誤ります。正直なところ、全体倍率は職種によって10倍以上の差が隠れた平均値です。先に見るべきは、自分が働いている職種・業種・地域の数字のほうです。

転職求人倍率2.89倍とは、どういう状態?

doda転職求人倍率は、パーソルキャリアが運営する転職サービス「doda」が毎月発表している指標です。計算式は「求人数(採用予定人員)÷ 転職希望者数」。2.89倍なら、dodaに登録している転職希望者1人あたり、約2.89件の求人が存在することを意味します。

前月の2026年8月は2.86倍だったので、1か月で+0.03ポイント。ここだけ見ると小さな動きですが、前年同月(2025年9月)の2.43倍と比べると+0.46ポイントの上昇です。1年かけてじわじわ上がってきた数字、という見え方になります。

倍率が上がった理由は「求人増」と「希望者減」の両方

2026年9月の内訳はこうなっています。求人数は前月比+0.3%、前年同月比+16.8%。一方で転職希望者(登録者)数は前月比-0.7%、前年同月比-1.7%です。

つまり企業側の求人は1年で2割近く増えているのに、転職しようと登録する人はわずかに減っている。この非対称な動きが倍率を押し上げています。採用意欲は高いのに、動く人が増えていないという状態です。ここから言えるのは、いま動いた人のほうが選択肢を得やすい局面だということです。

直近1年でどう推移してきた?

月求人倍率
2025年10月2.50
2025年11月2.70
2025年12月2.96
2026年1月2.57
2026年2月2.40
2026年3月2.39
2026年4月2.38
2026年5月2.44
2026年6月2.55
2026年7月2.71
2026年8月2.86
2026年9月2.89

パーソルキャリア株式会社(doda)の公表データをもとに作成

上の表を縦に追うと、2つのことが読めます。ひとつは12月に2.96倍まで跳ね上がり、年明けの1〜4月に2.4倍前後まで落ちる動き。もうひとつは、2026年4月の2.38倍を底にして、5月以降は一度も下がらず9月まで上がり続けている点です(この推移の読み方は編集部の整理です)。

年末に倍率が上がるのは、次年度の採用枠が動き出す時期と重なるためと説明されることが多い動きです。注意したいのは、12月の高い数字を「売り手市場のピーク」と受け取って焦る必要はないこと。2026年は春以降の上昇が続いているので、季節の山谷だけで判断材料にはなりません。

自分の職種の倍率はどこを見ればいい?

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全体が2.89倍なら、自分の応募先も3件くらいあるってこと?

全体倍率は、すべての職種・業種をまとめた平均値です。実際の数字は職種ごとに大きく離れています。2026年9月の職種別を抜き出すと、次のようになります。

職種求人倍率
エンジニア(IT・通信)12.04
エンジニア(機械・電気)6.77
専門職(コンサル・金融)6.57
事務・アシスタント0.66
専門職(メディカル)0.55
その他0.07

パーソルキャリア株式会社(doda)の公表データをもとに作成(上位・下位の職種を抜粋)

上の表のとおり、最高のエンジニア(IT・通信)は12.04倍で、1人あたり12件の求人がある計算です。一方、事務・アシスタントは0.66倍、専門職(メディカル)は0.55倍。1倍を下回るので、希望者のほうが求人より多いことになります。

同じ月の同じ指標で、12.04倍と0.55倍が同居している。「全体が2.89倍だから自分も有利」は成り立たないのは、この幅があるからです。

職種別doda転職求人倍率の推移を示す折れ線グラフ。エンジニア(IT・通信)が10倍超で最上位に推移している
職種別 doda転職求人倍率の推移(2019年2月以降、エンジニア(IT・通信)が10倍超で最も高い)(出典: パーソルキャリア株式会社(doda))

業種と地域でも数字は変わる

勤め先の業種でも開きがあります。2026年9月は人材サービスが10.93倍、コンサルティングが9.96倍、IT・通信が7.59倍、建設・不動産が5.55倍。下のほうを見ると、レジャー・外食が0.86倍、小売・流通が0.85倍です。金融は2.86倍で、ほぼ全体平均と同じ水準でした。

業種別doda転職求人倍率の推移を示す折れ線グラフ。コンサルティングと人材サービスが10倍前後で最上位にある
業種別 doda転職求人倍率の推移(2019年2月以降、コンサルティングと人材サービスが10倍前後で最上位)(出典: パーソルキャリア株式会社(doda))

地域別は関東3.66倍、中部3.06倍、関西2.41倍。住んでいる場所によって、全体平均より高い人も低い人もいます。

自分の数字を出すために確認する3つ
  • 職種別倍率 — いま自分がやっている仕事の職種
  • 業種別倍率 — 応募したい業種(いまの業種ではなく行き先)
  • 地域別倍率 — 通勤できる、または住みたいエリア

この3つは、doda公式の求人倍率データページで毎月更新・無料公開されています。会員登録なしで閲覧でき、見るだけなら数分で終わります。

IT・通信の求人が伸びているのはなぜ?

doda発表によれば、2026年9月はその他を除く12業種のうち8業種で求人数が前月比増加しました。増加率のトップは商社(前月比102.3%)、次に小売・流通(102.1%)です。職種別でも、その他を除く11職種のうち7職種で前月比増加し、増加率トップは営業と専門職(建設・不動産)(いずれも前月比101.2%)でした。

伸びが目立つのはIT・通信で、四半期ベースの前期比が106.2%。背景として挙げられているのは、AI活用・DX推進・基幹システム更新の動きです。具体的には、データ基盤構築、クラウド環境構築、半導体関連開発といった専門人材の需要が続いているとされています。

この並びを見ると、求人が増えているのは「IT業界の会社」だけではないことがわかります。基幹システムの更新やデータ基盤の整備は、小売でもメーカーでも起きている仕事です。いまの業種がIT以外でも、職種としてシステム側に関わっていれば倍率の高い側に入る可能性があります。

倍率が高い今、在職中に何から始める?

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数字はわかったけど、辞める決心がついてないのに動くのは気が重い…

転職活動の進め方として各転職媒体のガイドで共通して案内されているのは、在職中に応募・面接を進め、内定が出てから退職交渉に入る順番です。収入の空白期間を作らずに済むためです。会社に申し出るのは最後で、それまでは自分の側だけで完結します。

  1. 自分の職種・業種・地域の倍率を見るdoda公式の求人倍率データページで3つの数字を確認します。登録不要・無料で、ここまでは誰にも知られません。1倍を下回っていたら、売り手市場の前提は自分には当てはまらないと判断できます。
  2. 求人票を5件だけ読む応募ではなく、条件と求められる経験を読むだけ。いまの自分との差が、必要なスキルの具体名で見えてきます。「年収いくらの求人がどんな経験を求めているか」がわかると、迷いの中身が整理されます。
  3. 職務経歴書を1枚、現在の内容に更新する応募予定がなくても書けます。この1枚がないと次の段階に進めないので、先に済ませておくと動きたくなった月にすぐ動けます。
  4. 転職サイト・エージェントを2〜3社併用して比較する複数のサービスを併用して選択肢を比べることは、doda・リクルートなど各転職サービスのガイダンスで共通して案内されている基本手順です。紹介される求人の幅が1社だけとは変わり、条件を比べる材料が増えます。
  5. 応募は在職中のまま進める面接日程は有給や始業前後で調整します。内定が出てから退職交渉に入れば、断る選択も残ります。

「動くかどうか」を決める前に見る基準

倍率の数字を、自分の判断にどう使うか。目安として整理すると、次のような切り分けができます(この基準は編集部の整理で、dodaの公表見解ではありません)。

自分の職種の倍率をどう受け取るか
  • 5倍以上(エンジニア・コンサル系など)— 求人側の選択肢が多い。条件の比較に時間をかける価値がある
  • 2〜5倍— 全体平均の前後。応募先の絞り込みと書類の作り込みが効く
  • 1倍未満(事務・アシスタント、専門職(メディカル)など)— 求人より希望者が多い。職種を変える選択肢も含めて検討したほうが現実的
倍率だけで決めないほうがいいケースもあります

求人倍率は「件数の比」であって、求人の質や、自分が通るかどうかを表す数字ではありません。12倍の職種でも、求められる経験が合わなければ応募先は12件にはなりません。逆に1倍未満の職種でも、経験が合う1社に出会えれば転職は成立します。

また、この倍率はdodaの登録者と掲載求人をもとにした数字です。dodaに求人を出していない企業や、dodaを使っていない転職希望者は含まれません。全体の労働市場をそのまま表したものではない点は踏まえて見るほうが安全です。

来月以降の数字は、どう追えばいい?

doda転職求人倍率は毎月発表されます。2026年9月分のレポートは2026年10月22日の発表で、前月分が翌月下旬に出る形です。

毎月追う必要はありませんが、自分の職種の倍率が3か月続けて下がっているか、上がっているかだけ見ておくと、動くタイミングの判断材料になります。単月の±0.03ポイントのような動きは、季節要因と区別がつかないためです。

そして数字を見た結果、今は動かないと決めるのも立派な判断です。倍率を確認して、求人票を何件か読んで、職務経歴書を1枚持っている。それだけで、動きたくなった時のスタート地点が変わります。

よくある質問

2026年9月のdoda転職求人倍率は何倍ですか?

2026年9月のdoda転職求人倍率は2.89倍です。前月(2026年8月)の2.86倍から+0.03ポイント、前年同月(2025年9月)の2.43倍から+0.46ポイント上昇しました。このレポートは2026年10月22日に発表されています。

転職求人倍率2.89倍はどういう意味ですか?

doda転職求人倍率は「求人数(採用予定人員)÷ 転職希望者数」で算出されます。2.89倍は、dodaに登録している転職希望者1人あたり約2.89件の求人が存在する状態を意味し、求人の選択肢が転職希望者の数を上回っていることを示します。

求人倍率が最も高い職種と低い職種はどこですか?

2026年9月の職種別では、エンジニア(IT・通信)が12.04倍で最も高く、エンジニア(機械・電気)6.77倍、専門職(コンサル・金融)6.57倍が続きます。低いのは事務・アシスタント0.66倍、専門職(メディカル)0.55倍で、1倍を下回っています。

求人倍率が上がっているのはなぜですか?

2026年9月は求人数が前年同月比+16.8%増えた一方、転職希望者数は前年同月比-1.7%減少しました。企業の採用意欲が高まる一方で転職を希望して登録する人は増えていないため、求人数を希望者数で割った倍率が上昇しています。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。