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J:COM通信障害の原因はDNS、9時間で何が起きたか

2026年9月26日|いろは堂テック編集部
屋内で青い布の上に置かれた赤色のWi-Fiルーターと自作アンテナ

画像出典: パブリックドメイン(Wikimedia Commons)

この記事の要点
2026年9月23日8時55分頃から18時頃まで、J:COM NETのインターネット接続が最大約408万件の規模でつながりにくくなりました。J:COMの発表によると、外部から大量のアクセスが発生してDNSサーバが高負荷になり、名前解決ができなくなったことが原因です。回線そのものが切れていなくても、この名前解決が止まると利用者からは「全部つながらない」ように見えます。
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テレビは映ってるのに、ネットだけ丸一日ダメだった。あれって結局なんだったの?

テレビは正常、ネットだけ不通という状態は、実は障害の原因を言い当てるヒントになっています。2026年9月23日のJ:COMの障害は、まさにその形で起きました。

正直なところ、9時間つながらないと「自分の家の機械が壊れたのかも」と疑い始めます。ルーターを何度も抜き差しした人も多かったはずです。ここでは公表された原因と、同じことが起きたときに何分で切り分けられるかを整理します。

9月23日のJ:COM障害では何が起きたのか?

J:COMの発表によると、障害は2026年9月23日(水)8時55分頃に始まり、18時頃に復旧、20時に全サービスの復旧を確認しています。継続時間は約9時間です。影響件数は最大で約408万件(世帯・回線)と報じられています。

影響エリアはJ:COM NETの提供エリア(北海道・九州を除く)と、J:COMがインターネットサービスを提供するケーブルテレビ事業者エリアの一部でした。

止まったものJ:COM NETのインターネット接続、J:COM TVの双方向サービスとネット動画配信、J:COM MOBILEのインターネット接続、パーソナルIDでのログインが必要な一部サービス
止まらなかったものテレビ放送の視聴そのもの、「J:COM NET 光 on auひかり」

J:COMの公表データをもとに作成

テレビ放送は映るのに、ネットと「ログインが必要なもの」だけが止まった——この並びが、後で説明するDNSという仕組みの障害とよく一致します。

原因のDNSサーバとは何をしているのか?

DNS(ドメインネームシステム)は、「example.com」のような名前を、通信に使う番号であるIPアドレスに変換する仕組みです。インターネットの通信は番号でしか相手に届かないので、名前から番号を引く作業が毎回必要になります。この変換を名前解決と呼びます。

電話帳に近い役目だと考えると位置がつかめます。電話回線が生きていても、相手の番号を調べる手段がなければ電話はかけられません。DNSサーバが止まると、光ファイバーや基地局は正常に動いているのに、ブラウザには「サイトが見つかりません」と出ます。

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回線は切れてないのに、全部つながらなく見えるの?

利用者の体感と実際の故障箇所がずれるのが、DNS障害の厄介なところです。スマホの画面に出るのはアプリごとの「接続できません」表示だけなので、原因が自宅か事業者かの区別がつきません。J:COMの今回の障害でも、テレビ放送という名前解決を必要としない経路だけが影響を受けずに残りました。

なぜDNSサーバが高負荷になるのか?

J:COMは原因について、外部から大量のアクセスが発生し、同社が提供するDNSサーバに高負荷がかかったことで名前解決処理が正常に行えなくなったと説明しています。その大量アクセスが不正アクセスや攻撃によるものかについては調査中とされ、明言されていません。

DNSサーバが処理しきれなくなる要因は、一般にいくつかあります。

DNSが高負荷になりうる主な要因
  • 悪意ある攻撃者による意図的なDDoS(大量アクセスで妨害する攻撃)
  • キャンペーンやニュースなど、正規の利用者によるアクセス集中
  • システム側の設定ミスや処理能力不足が重なる

これらは単独でなく複合して起きることもあります。今回どれに当たるのかは公表されていないため、「サイバー攻撃だった」と決めて読むのは早すぎます。

一部の設備の不調が全国に広がるのはなぜ?

過去の大規模障害を見ると、共通する構造が見えてきます。2022年7月のKDDIの大規模通信障害は61時間25分に及び、過去最大級とされました。引き金は、通信網の中心で大量の通信を振り分ける大型装置であるコアルーターの、メンテナンス作業での設定誤り(通信の行き先を指定するルーティング設定の誤り)です。そこから輻輳(ふくそう=トラフィックが集中してパンクした状態)が、携帯の音声通話をインターネット回線側で処理する設備であるVoLTE交換機や、契約者の情報を管理する加入者データベースへ全国規模で連鎖し、長期化しました。

原因はDNSではありませんが、ごく一部の設備のトラブルが連鎖して全国規模になるという形は今回と共通です。通信網は多くの利用者が同じ設備を共有して効率を出しているため、共有部分の一点が詰まると影響が一気に広がります。

これは行政への報告対象になる規模なのか?

総務省は電気通信事業法に基づき、影響利用者数3万人以上または継続時間2時間以上の事故を「四半期報告事故」としています。さらに重大な基準(例えば重要無線通信に係る2時間以上の途絶など)を満たす場合は「重大な事故」として、速報と報告書の提出を義務付けています。

今回のJ:COM障害は約408万件・約9時間で、この基準を大きく上回る規模です。実際に報告が行われたかどうかは公表されていませんが、大規模障害が個社の問題で終わらず監督の対象になっていることは、読者にとって知っておいて損のない前提です。

つながらない時、自分で何を確認すればいい?

原因が自宅側か事業者側かを分けられれば、無駄な作業が減ります。上から順に試すと、だいたい数分で見当がつきます。

  1. 別の回線でつないでみるスマホのWi-Fiを切ってモバイルデータ通信(4G/5G)にし、同じサイトやアプリを開きます。開けるなら自宅回線側の問題です。他のスマホ・PC・タブレットでも同じか確かめると、機器1台の問題か全体かも分かります。
  2. 事業者の障害情報を見る契約している事業者の公式サイトや公式SNSで、障害・メンテナンス情報を確認します。大規模障害では告知が出ていることが多く、今回のJ:COMも公式ニュースリリースで告知していました。
  3. ルーターやONUを再起動するルーター・ONU(回線終端装置)・モデムの電源を切り、1分ほど待ってから入れ直します。電源・回線・Wi-Fiの各ランプが正常な色で点いているかも見ます。
  4. DNSの指定を変えてみる事業者側のDNS障害が疑われる場合、PCやスマホのネットワーク設定でDNSサーバを手動指定し、パブリックDNS(Google Public DNSの8.8.8.8 / 8.8.4.4、Cloudflareの1.1.1.1など)に切り替えると一時的に回復するケースがあります。
  5. それでも直らなければ問い合わせる障害情報ページやカスタマーセンターに連絡します。ただし大規模障害時はサポート電話も混みやすく、今回もJ:COMのカスタマーセンターが繋がりにくい状態が続きました(9月24日16時時点でも輻輳が残っていました)。
DNS変更は万能ではありません

ステップ4のパブリックDNSへの切り替えは、今回の障害でSNSやユーザー報告で「つながるようになった」と共有された方法で、J:COM公式が推奨した対処ではありません。効果は環境によって変わるため、有効だったケースがあるという位置付けにとどめてください。原因が回線断・停電・機器故障など DNS 以外にある場合は効果がありませんし、設定変更は自己責任で行い、復旧後は元に戻せるよう変更前の値を控えておくと安全です。

今回の障害で見えた課題は何か?

障害発生当初、原因は「調査中」と案内されていました。外部からの大量アクセスによるDNSサーバの高負荷という分析が公表されたのは9月24日以降の続報です。

J:COMは発生当日の情報開示が遅れたことを謝罪し、今後は障害時の情報提供を改善し、アクセス集中対策を強化すると表明しています。利用者側の立場では、事業者の告知が出るまでのあいだに自分で切り分けられる手順を持っておくことが、そのまま待ち時間の短縮になります。

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次に同じことがあっても、まずモバイル回線で試せばいいんだね

自宅の固定回線が1本だけの家庭では、スマホのモバイルデータ通信が事実上の予備回線になります。テザリングの手順を一度試しておくと、障害の日に慌てて調べる必要がなくなります。

よくある質問

2026年9月23日のJ:COM通信障害の原因は何ですか?

J:COMの発表によると、外部から大量のアクセスが発生してJ:COMが提供するDNSサーバに高負荷がかかり、インターネット接続に必要な名前解決処理が正常に行えなくなったことが原因です。その大量アクセスが不正アクセスや攻撃によるものかは調査中とされ、明言されていません。

J:COMの障害はどのくらいの規模でしたか?

2026年9月23日8時55分頃から18時頃までの約9時間で、20時に全サービスの復旧が確認されました。影響件数は最大で約408万件(世帯・回線)と報じられ、影響エリアは北海道・九州を除くJ:COM NET提供エリアと、J:COMがインターネットを提供する一部のケーブルテレビ事業者エリアでした。

DNS障害なのにテレビは映っていたのはなぜですか?

DNSは「example.com」のような名前をIPアドレスに変換する仕組みで、インターネット通信のたびに必要になります。テレビ放送の視聴はこの名前解決を経由しないため影響を受けず、一方でインターネット接続やログインが必要なサービスは止まりました。

通信障害のときDNSを8.8.8.8などに変えると直りますか?

事業者側のDNSサーバが原因の場合は、パブリックDNSへの手動指定で一時的に接続が回復したという利用者の報告があります。ただしJ:COM公式が推奨した対処ではなく効果は環境により異なり、回線断・停電・機器故障など原因がDNS以外の場合は効果がありません。

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