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停電でWi-Fiは使える?光回線とスマホ回線の違い

2026年8月1日|いろは堂テック編集部
室内のソファに座り、スマートフォンを両手で操作する男性

画像出典: https://kaboompics.com/ / Pexels

この記事の要点
停電するとWi-Fiは使えなくなります。ただし止まっているのは光回線そのものではなく、自宅のONUとWi-Fiルーターの電源です。スマホの携帯電話回線は基地局の蓄電池で数時間程度は使えることが多く、停電時の通信手段としてはこちらが現実的です。
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台風で停電したら、家のWi-Fiってどうなるんだろう。スマホも一緒に圏外になったりする?

停電したとき、家のインターネットとスマホの電波は別の理由で動いたり止まったりします。だから「まとめて全部使えなくなる」わけでもないし、「電気が来ていないのに何かは繋がる」のも不思議なことではありません。

正直なところ、停電の最中に落ち着いて原因を切り分けるのはむずかしいです。だからこそ、明るいうちにどれが止まって、どれが残るのかを知っておくと、当日の判断が一気に楽になります。順に見ていきましょう。

停電するとWi-Fiが使えなくなるのはなぜ?

結論から言うと、停電で止まっているのは「光回線」ではなく、自宅に置いてある機械のほうです。

家の壁から入ってきた光ファイバーは、まずONU(光回線終端装置)という箱に繋がります。光の信号を、パソコンやルーターが読める電気の信号に変える装置です。その先にWi-Fiルーター(ホームゲートウェイ)があり、電波を飛ばして家中の機器を繋げています。

ネットの信号が自宅に届くまでの経路と、停電したときにどこが止まるのかを並べると、こうなります。

電柱・地下の光ファイバー光の信号が通る道。電気を必要としないので停電しても止まらない
自宅のONU(光回線終端装置)光の信号を電気の信号に変換する箱。コンセント式なので停電で止まる
Wi-Fiルーター電気の信号をWi-Fiの電波にして家中へ飛ばす。コンセント式なので停電で止まる
スマホ・パソコン本体の電池で動くが、上流が止まればWi-Fiには繋がらない

このONUとWi-Fiルーターは、どちらもコンセントから電気をもらって動いています。停電するとこの2台が真っ先に落ち、その瞬間に自宅のインターネットとIP電話(光回線を使って通話する固定電話)は使えなくなります。光ファイバー自体が切れたわけでも、契約が止まったわけでもありません。

一方で、通信事業者側の局舎(回線を集約する事業者の施設)や伝送設備(そこに置かれた通信機器)には、非常用発電機や大容量バッテリーといったバックアップ電源が備えられています。つまり、自宅が停電したという理由だけで光回線サービスそのものが即座に止まるわけではないのです。道路は通れるのに、自分の家の玄関のドアが開かない、という状態に近いイメージです。

停電したときに止まるもの・残るもの
  • 止まる: 自宅のONU、Wi-Fiルーター、IP電話
  • 止まらない: 光ファイバーの回線そのもの、事業者側の局舎設備
  • 条件付きで残る: スマホの携帯電話回線(基地局の蓄電池次第)

停電中でもスマホの電波は使えるの?

🤔
Wi-Fiがダメでも、スマホの4Gや5Gなら繋がるってこと?

スマホの携帯電話回線は、停電中でもしばらく使えることが多いです。スマホの電波を中継しているのは屋外の基地局で、基地局には蓄電池が備え付けられています。そのため停電が起きても、数時間程度は通信を継続できるとされています。

ただし、これは無条件ではありません。停電が長引けば蓄電池は尽き、基地局そのものが停波する可能性があります。実際、2024年1月の令和6年能登半島地震では、停電の長期化により発災後72時間以内に最大839局の基地局が一時的に停波しました。

この経験を踏まえ、大容量蓄電池やソーラーパネル付き発電機の設置による非常用電源の長時間化が進められています。また総務省の基準(令和2年総務省告示第188号)では、都道府県庁や災害拠点病院などをカバーする基地局設備は少なくとも24時間、大規模災害対策拠点となる都道府県庁舎・離島の市町村庁舎をカバーする設備は少なくとも72時間の停電を考慮した電源持続が求められています。この告示は2019年の台風15号・19号を受けて改正されたものです。

裏を返すと、こうした重要拠点以外をカバーする一般的な基地局には、これほど長い持続時間は求められていません。「停電直後の数時間はスマホ回線が頼りになるが、丸一日続く停電では当てにしきれない」——これが現実的な見立てです。

停電中もネットを使い続けるにはどうすればいい?

止まっているのが自宅の機器の電源だけなら、そこに電気を送り直せばインターネットは戻ってきます。やり方は大きく2つです。

  1. ポータブル電源(蓄電池)からONUとルーターに給電する停電中でも一定時間、インターネット接続を維持できます。回線とパソコン1台程度の負荷であれば、満充電の高容量ポータブル電源で最大約2日程度の連続稼働が可能とする情報もあります。
  2. ルーター・ONU用の小型UPS(無停電電源装置)を用意するUPSは内蔵バッテリーで機器へ電気を供給し続ける装置です。停電の瞬間に機器が落ちるのを防げます。

もう一つ、機材を買わずにできる備えがあります。スマホのテザリング設定を、普段のうちに一度確認しておくことです。テザリングはスマホの携帯電話回線を、パソコンやタブレットへ分け与える機能です。光回線が使えない間の代わりの経路になります。

停電の最中に初めて設定画面を探すのは、正直かなり大変です。明るいうちに一度オンにして、手元のパソコンが繋がることまで確かめておくだけで、当日の負担がまるで違います。

今日のうちにできる備え
  • モバイルバッテリー・ポータブル電源を用意する
  • スマホ本体の電池を日頃から満充電に近い状態で保つ
  • ルーター・ONU用の小型UPSを検討する
  • テザリングを一度試して、繋がることを確認しておく
  • 停電後にネットが戻らないときの復旧手順(次の章)を覚えておく

停電が復旧したのにネットが繋がらないときは?

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電気は戻ったのに、Wi-Fiだけ繋がらない!故障しちゃった?

停電復旧後にONUやルーターが正常に再起動しておらず、繋がらないケースがあります。電気が急に戻ったときに機器が中途半端な状態で立ち上がってしまう、という現象です。

この場合、機器の電源を入れ直す(再起動する)ことで復旧することが多いとされています。故障を疑って問い合わせる前に、まずここを試してみてください。

  1. ルーターとONUの電源を抜く両方のコンセントを抜きます。
  2. 1分ほど待つ内部に残った電気が抜けるのを待ちます。
  3. ONUから先に電源を入れるランプが安定するまで待ってから、次にルーターの電源を入れます。
  4. スマホやパソコンでWi-Fiに繋ぎ直すここで繋がれば復旧完了です。
この記事の方法で解決しないケースもあります

台風や地震で電柱や引き込み線そのものが損傷している場合、機器を再起動しても復旧しません。また、集合住宅では共用部の設備が停電の影響を受けていることもあります。再起動を2回試しても戻らないときは、契約している回線事業者の障害情報を確認してください。

ポータブル電源やUPSも万能ではありません。基地局が停波するほど長い停電では、給電しても外との接続そのものが失われます。停電時のネットは「数時間をしのぐための備え」と考えるのが現実的です。

停電時の通信、結局どれを頼ればいい?

優先順位をつけるなら、こうなります。

停電からの経過頼れる手段
直後〜数時間スマホの携帯電話回線(基地局の蓄電池が稼働)。ポータブル電源があればONU+ルーターへ給電し光回線も併用
数時間以降基地局の蓄電池が尽きる可能性がある。スマホ本体の電池も含め、通信量を絞って使う
電気復旧後まずONU・ルーターの再起動を試す

大事なのは、停電イコール全部使えない、ではないと知っておくことです。光回線は生きていて自宅の機器だけが落ちている。スマホは基地局の電池でしばらく動く。この2つを押さえておくだけで、停電したときに「まず何を確かめるか」が自分で判断できるようになります。

台風が来る前の晴れた日に、モバイルバッテリーを充電してテザリングを一度試す。それくらいの軽さから始めれば十分です。

よくある質問

停電すると光回線は解約されたり止まったりしますか?

停電しても光回線の契約やサービスそのものが止まるわけではありません。通信事業者側の局舎(回線を集約する事業者の施設)や伝送設備には非常用発電機や大容量バッテリーが備えられています。使えなくなるのは、自宅のONU(光回線終端装置)とWi-Fiルーターが電力で動いており、停電で電源が落ちるためです。

停電中、スマホの電波は何時間くらい使えますか?

スマホの携帯電話回線は基地局に備え付けられた蓄電池により、停電時でも数時間程度は利用可能とされています。ただし停電が長引くと蓄電池が尽き、基地局自体が停波する可能性があります。総務省の基準では、都道府県庁や災害拠点病院等をカバーする基地局設備には少なくとも24時間、大規模災害対策拠点をカバーする設備には少なくとも72時間の電源持続が求められています。

ポータブル電源があれば停電中もWi-Fiは使えますか?

ポータブル電源(蓄電池)からONUとWi-Fiルーターへ給電すれば、停電中でも一定時間インターネット接続を維持できます。回線とパソコン1台程度の負荷であれば、満充電の高容量ポータブル電源で最大約2日程度の連続稼働が可能とする情報もあります。ただし外の設備が停電の影響を受けている場合は給電しても繋がりません。

停電が復旧したのにネットが繋がりません。どうすればいいですか?

停電復旧後にONUやルーターが正常に再起動しておらず繋がらないケースがあり、その場合は機器の電源を入れ直すことで復旧することが多いとされています。ONUとルーターの電源を抜いて1分ほど待ち、ONUから先に電源を入れ、ランプが安定してからルーターの電源を入れてください。それでも戻らない場合は回線事業者の障害情報を確認します。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。