親のスマホ詐欺対策、帰省中の5分点検で防げること
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親のスマホの詐欺対策は、①迷惑メッセージのフィルタをオンにする ②iPhoneなら不明な差出人のフィルタ、AndroidならGoogle Play プロテクトを確認する ③使っていないアプリを消す、の3点を押さえれば主要な入口はふさげます。特殊詐欺の被害額は2025年に1,414億2,000万円と過去最高を更新しており、電話とSMSの入口対策が最優先です。
親のスマホを預かって、何から確認すればいいのか迷う場面は多いはずです。設定画面は機種ごとに違い、時間をかけて全部見るのは現実的ではありません。
優先すべきなのは「詐欺が入ってくる入口」を3つふさぐことだけです。入口とは、迷惑SMS・危険なアプリ・放置されたアプリの3つ。ここを押さえれば、短い滞在時間でも意味のある点検になります。
なぜ「電話とSMSの入口」を最優先にするのか?
まず、いまどんな手口が多いのかを数字で見ておきます。対策の順番は、被害の多い順に決めるのが合理的だからです。
| 区分 | 認知件数 | 前年比 | 被害額 | 前年比 |
|---|---|---|---|---|
| 特殊詐欺全体 | 27,758件 | +31.9% | 1,414億2,000万円 | +96.7% |
| SNS型投資詐欺 | 9,538件 | +48.7% | 約1,274億7,000万円 | - |
| SNS型ロマンス詐欺 | 5,604件 | +46.5% | 552億2,000万円 | - |
nippon.com(警察庁データに基づく)の公表データをもとに作成
2025年(令和7年)の特殊詐欺は、件数・被害額ともに前年をさらに上回りました。SNSを入口とする投資詐欺・ロマンス詐欺も、それぞれ前年から4割以上増えています。
上の表には内訳までは出ていませんが、同じ集計では手口別にオレオレ詐欺が最多で、件数の約半分・被害額の約8割を占めます。加えて、警察官などを名乗る「ニセ警察詐欺」が認知件数全体の約4割を占め、顕著に増えています。
つまり、入口の大半は電話とメッセージです。フィッシング(実在の企業になりすまして偽サイトへ誘導する手口)の報告件数も、2025年3月には249,936件と過去最高を記録した月がありました。2025年12月の報告ではAmazonをかたるものが約12.6%、Appleをかたるものが約6.1%を占めています。
宅配や決済サービスの通知に見せかけたSMSが届く、という形が身近な例です。だからこそ、最初に手をつけるのは迷惑メッセージのフィルタリングになります。
5分でできる点検の順番は?
手順は4つです。上から順に進めれば、機種を問わず同じ流れで終わります。
- 迷惑メッセージのフィルタを確認するiPhoneとAndroidそれぞれの設定と、キャリア側のフィルタを見ます。
- 端末の保護機能がオンか確認するAndroidならGoogle Play プロテクト、iPhoneなら不明な差出人のフィルタです。
- 使っていないアプリを整理する心当たりのないアプリが入っていないかを、この機会に一覧で見ます。
- 相談先を一緒に決めておく設定より効くことがあります。後述します。
進め方のコツは、親の隣に座って画面を一緒に見ながら操作することです。設定を代行して終わりにすると、次に困ったときに親が自分で戻せません。「どこを触ったか」を口に出しながら操作すると、それだけで復習になります。
迷惑メッセージはどこで止められる?
止め方は3か所あります。iPhoneの設定、Androidの保護機能、そして通信会社側のフィルタです。順番に見ていきます。
iPhoneの迷惑メッセージ設定はどこ?
iPhoneには、連絡先に登録していない相手からのメッセージを別のリストにまとめる機能があります。
- メッセージアプリを開く右上のボタンをタップします。
- 「フィルタリングを管理」を開くここに設定項目が並びます。
- 「迷惑メッセージをフィルタ」をオンにするこれで不明な差出人のメッセージが分けられます。
誤って分けられてしまったメッセージは、そのメッセージをタップして「迷惑メッセージではない」を選べば元に戻せます。戻せる、という点を先に伝えておくと、親も安心してオンのままにしてくれます。
フィルタをオンにしても、迷惑メッセージが消えるわけではなく、別のリストに振り分けられるだけです。届いた本人が偽サイトのリンクを開いてしまえば被害は起きます。設定はあくまで数を減らす手段で、最後は「リンクを開かない」という判断が必要になります。
AndroidのGoogle Play プロテクトは何をしてくれる?
Google Play プロテクトは、Google Playからダウンロードしたアプリの安全性を継続的にスキャンする機能です。有害な可能性のあるアプリを検出すると、削除の提案・アプリの無効化・自動削除などを行います。
これは初期状態でオンになっています。ですので点検では「オンのままか」を確認するだけで十分です。何かのはずみでオフになっていた場合だけ、戻してください。常時有効にしておくことが推奨されています。
- Google Play プロテクトがオンになっているか
- Google Play以外の経路で入れたアプリに心当たりがあるか
- ホーム画面に見慣れないアイコンが増えていないか
キャリア側の迷惑SMS対策も使える?
端末の設定とは別に、通信会社側でも迷惑SMSを止める仕組みがあります。docomo・au・SoftBankの大手3社は、迷惑メール/迷惑SMSのフィルター機能を提供しています。
たとえばauの「迷惑SMSブロック」は、疑わしいSMSを自動で判定してブロックするもので、申込不要・無料で提供されています(希望しない場合は無効化もできます)。端末側とキャリア側は二重に効くので、両方確認しておくと取りこぼしが減ります。
総務省も電気通信事業者に対し、電話やSMS・メールを悪用した特殊詐欺等への対応(フィルタリング強化や注意喚起)を要請しています。フィッシングメール対策の強化についても、同様に事業者への要請が行われています。
不要アプリの整理はどうやる?
判断の基準はシンプルで、親自身が「何のアプリか説明できないもの」が整理の候補です。心当たりのないアプリが入っている場合、いつどこで入れたのかを一緒に確認する価値があります。
iPhoneでは「設定」→「一般」→「iPhoneストレージ」を開くと、アプリが一覧で表示されます。対象のアプリを選び「アプリを取り除く」でアンインストールできます。
Androidでは、Googleの公式案内で「クリーン」機能や「使用していないアプリの削除」から未使用アプリを一覧化し、チェックしてまとめてアンインストールする手順が紹介されています。使っていないアプリはストレージを圧迫し、バックグラウンド動作でバッテリーを消耗させる原因にもなります。
親にとって必要なアプリを、子ども側が「使わなそう」と判断して消してしまうトラブルはよく起きます。銀行・交通系・病院の予約など、見た目が地味でも生活に必要なものがあります。必ず一つずつ本人に確認してから消してください。
設定以外にできることは?
設定をどれだけ固めても、電話で「今すぐ振り込んで」と言われた瞬間の判断までは守れません。ここは仕組みではなく、事前の取り決めでカバーします。
- お金の話が出たら、必ず一度切って家族にかけ直す
- 警察・銀行・役所を名乗る電話でも、その場で番号を教えない
- 迷ったら「息子/娘に聞いてから」と答えていい、と伝えておく
「その場で決めなくていい」と親に許可を渡しておくことが、いちばん効きます。ニセ警察詐欺が認知件数全体の約4割を占める状況では、名乗った相手が本物かどうかを電話中に見分けるのは現実的ではないからです。
学ぶ材料も公開されています。2026年3月5日には、特殊詐欺の被害防止に有効と警察庁が認めた「警察庁推奨」の防犯アプリ2種の運用が始まりました。不審な電話の警告表示やブロック機能を持ち、開発企業が無償で提供しています。
警視庁の「特殊詐欺根絶アクションプログラム・東京」(action.digipolice.jp)は、スマホで手口を動画で学べて、効果測定コーナーで理解度も確認できます。埼玉県警察も、アプリを使った特殊詐欺対策の案内ページを公開しています。
警視庁は高齢者向けの「スマホ防犯教室」なども実施しています。こうした講習会や自治体の教室に参加してもらう手もあります。家族が全部やってあげるより、親自身が手口を知っている状態のほうが長く効きます。
点検チェックリスト
- iPhone: メッセージ→フィルタリングを管理→「迷惑メッセージをフィルタ」がオン
- Android: Google Play プロテクトがオン
- キャリアの迷惑SMSフィルタが有効(auの迷惑SMSブロックは申込不要・無料)
- ホーム画面に見慣れないアプリがないか、本人と一緒に確認
- 使っていないアプリを、本人の確認を取ってから削除
- 「お金の話は一度切ってかけ直す」を口約束する
全部やっても、手を動かす時間は数分です。完璧を目指すより、入口を3つふさいで帰るほうが確実に効きます。次の帰省でまた同じリストを上から見れば、それで維持できます。
よくある質問
親のスマホで最初に確認すべき設定はどれですか?
迷惑メッセージのフィルタリングです。iPhoneはメッセージアプリ右上のボタンから「フィルタリングを管理」→「迷惑メッセージをフィルタ」をオンにします。AndroidはGoogle Play プロテクトがオンのままかを確認します。加えて、docomo・au・SoftBankが提供する迷惑メール/迷惑SMSフィルターも有効にしておくと二重に効きます。
特殊詐欺の被害はどのくらい増えていますか?
2025年(令和7年)の特殊詐欺の認知件数は27,758件(前年比31.9%増)、被害額は1,414億2,000万円(同96.7%増)で、過去最高を更新した前年をさらに上回りました。手口別ではオレオレ詐欺が最多で、件数の約半分・被害額の約8割を占めます。警察官などを名乗る「ニセ警察詐欺」も認知件数全体の約4割を占めています。
Google Play プロテクトは自分でオンにする必要がありますか?
デフォルトでオンになっているため、通常は設定変更の必要はありません。Google Playからダウンロードしたアプリの安全性を継続的にスキャンし、有害な可能性のあるアプリを検出すると削除の提案・アプリの無効化・自動削除などを行います。常時有効にしておくことが推奨されているので、点検ではオンのままかを確認するだけで十分です。
迷惑メッセージのフィルタで必要な連絡が届かなくなりませんか?
iPhoneのフィルタは、不明な差出人のメッセージを削除するのではなく別のリストに振り分ける仕組みです。誤って振り分けられた場合は、そのメッセージをタップして「迷惑メッセージではない」を選べば元に戻せます。届かなくなるわけではないので、まずオンにして様子を見る形で問題ありません。
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