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ドコモ5G SA障害、音声まで止まったしくみと4G切替

2026年11月8日|いろは堂テック編集部
屋外で手がスマートフォンを持ち、緊急SOS画面が表示されている

画像出典: ぱくたそ (pakutaso.com)

この記事の要点
2026年11月5日午前11時18分頃から、NTTドコモの5G SA契約者で音声通話・データ通信・SMSが利用しづらい状況が全国で発生し、翌6日午前1時20分頃に復旧しました。原因は5G SA契約者を収容する交換機の輻輳で、ドコモ回線を利用するMVNOや通常の5G・4G利用者、緊急通報には影響がありませんでした。ドコモは対処として、端末のネットワーク設定で「4G」を選び、再起動または機内モードのON/OFFを行う方法を案内しています。
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電話もつながらないし、ネットも開かない。スマホが壊れたのかと思った

2026年11月5日(木)の午前11時18分頃から、NTTドコモの「5G SA」契約者で音声通話・データ通信・SMSが利用しづらい状況が全国に広がりました。復旧は翌6日の午前1時20分頃。発生から約14時間、手元のスマホだけでは何が起きているのかも確かめにくい時間が続きました。

通信障害でデータ通信が止まるのは、残念ながら珍しくありません。ただ今回は電話までまとめて止まった点が、これまでの「ネットがつながらない」とは少し違います。ここには、5Gの新しい方式特有の理由があります。

11月5日のドコモ5G SA障害では何が起きた?

まず、起きたことを時間の順に並べます。公式に発表されている範囲だけを並べると、こうなります。

時刻(2026年)状況
11月5日 11:18頃音声通話・データ通信・SMSが利用しづらい状況が発生(全国)
11月5日 日中約1時間おきに続報が更新される
11月6日 1:20頃復旧

NTTドコモの公表データをもとに作成

原因は「5G SA契約者を収容する交換機における輻輳(ふくそう)」と説明されています。輻輳とは、処理の求めが設備の能力を超えて詰まってしまう状態のことです。調査の結果、不正アクセスの形跡やサイバー攻撃を示す事象は確認されていません。

影響を受けたのは誰だった?

影響範囲は途中で絞り込まれました。当初の案内は「ドコモ回線およびドコモ回線を利用するMVNO(ドコモなどの回線を借りてサービスを提供する事業者。いわゆる格安SIM)」と広めでしたが、続報で「5G SA(Standalone)サービスを契約しているお客さま」に限定されました。

最終的に発表された影響範囲
  • 影響あり: 5G SA契約の利用者(音声通話・データ通信・SMS)
  • 影響なし: ドコモ回線を利用するMVNO
  • 影響なし: 通常の5G・4Gサービスの利用者
  • 影響なし: 緊急通報(110番・119番など)

影響を受けた人数や契約者数は、公表されていません。

5G SAとNSAはどう違う?

ここが今回の話の土台です。ひとくちに5Gといっても、裏側の組み立て方が2種類あります。

いま広く使われているのはNSA(ノンスタンドアローン)方式です。これは4G向けに作られた中枢設備(コアネットワークと呼ばれる、通信を束ねて制御する装置群)をそのまま使い、電波を出す基地局の部分だけ5Gのものを足した構成です。たとえるなら、建物の土台と配電盤は4G時代のものを使い続けて、アンテナだけ新しくした状態です。制御の役目は4G側のコアが担います。

対してSA(スタンドアローン)方式は、基地局からコアネットワークまで5Gの技術だけで一式を組んだ構成です。4Gのコア設備には頼りません。土台から建て直した家、というイメージになります。

SAでは1つの物理的な回線網を仮想的に分割し、用途ごとに通信品質を確保する「ネットワークスライシング」が使えます。工場の機械制御には遅れの小さい区画、動画配信には太い区画、といった形で同じ網を切り分けられるのがSAの持ち味です。5Gのコアはコンテナと呼ばれる軽量な単位でソフトを動かす構成を採っており、NSAで使うLTEコアとは内部の造りそのものが異なります。

なぜ5G SAだと音声通話まで止まるのか?

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ネットが止まるのはわかるけど、電話は別の通り道だと思っていた

これまでの5Gでは、音声通話は実際に別の通り道を通っていました。現在主流の音声通話は4GのVoLTE(Voice over LTE)という方式で、5Gでつながっている端末でも、通話の瞬間は一時的に4Gへ切り替わって声を運ぶしくみになっています。つまりデータ通信が5G側で詰まっても、通話は4G側の道を通っていたわけです。

5G SAで使われるのがVoNR(Voice over New Radio)です。これは5G SAのネットワーク上でそのまま音声データをやり取りする技術で、5Gの接続を維持したまま発着信と通話ができます。4Gへ降りる必要がないため、発信してから通話がつながるまでの時間が短くなり、通話しながら5G SAの高速なデータ通信も併用できます。

VoNRを使うのに申し込みや追加料金は要りません。対応端末であれば自動的に動作し、利用者が手で設定する必要は基本的にありません。便利さは意識しなくても手に入る代わり、音声の通り道も5G系に一本化されます。

ここから先は公式発表に書かれていません

「5G SA収容設備の輻輳が、音声通話まで含めて止めた」という直接の因果関係は、ドコモの発表には明記されていません。SA方式とVoNRのしくみから考えるとそう理解できる、という範囲の話です。障害の技術的な詳細として公表されているのは、交換機の輻輳が原因であることまでです。

なお、5G SAを使ったVoNRによる音声通話はドコモだけのものではありません。ソフトバンクも2026年に提供を開始しており、国内で広がりつつある方式です。

障害のとき手動で4Gに切り替える手順は?

今回ドコモが案内した対処は、5G SAから4Gへ自分で降りる操作です。公式の案内はこの2段階です。

  1. ネットワーク設定で「4G」を選ぶ端末の設定画面から、通信方式(優先ネットワークの種類)を選ぶ項目を開き、5Gではなく4Gを指定します。
  2. 再起動するか、機内モードをON/OFFする設定を変えたうえで端末を再起動します。再起動しづらい場面なら、機内モードをONにしてから少し待ってOFFに戻す方法でも構いません。

この操作で音声通話・データ通信・SMSが利用できる場合がある、というのがドコモの案内です。SAの設備で詰まっているなら、4Gという別の通り道へ移るという考え方で、しくみの話とそのままつながります。

設定の場所が見つからないときは

項目の名前は端末によって違います。iPhoneなら「設定」→「モバイル通信」→「通信のオプション」→「音声通話とデータ」、Androidなら「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」→「優先ネットワークの種類」のあたりに、4G/5Gを選ぶ項目が置かれていることが多いです。障害の最中に探すと焦るので、落ち着いているときに一度開いて場所を覚えておくと、次に困りません。

障害が起きたとき、手元で確認したいこと
  • Wi-Fiにつながる場所なら、まずWi-Fi経由で公式のネットワーク情報を見る
  • 自分の契約が5G SAかどうかを確認する(SA契約でなければ別の原因の可能性)
  • 4Gに切り替えてから再起動、または機内モードのON/OFF
  • 緊急通報(110番・119番など)は今回影響を受けていない

問い合わせ先

ドコモの問い合わせ窓口は、ドコモの携帯電話からは113、その他の電話からは0120-800-000です。オンラインではドコモサポートロボが24時間対応しています。ただ障害の最中は窓口も混み合うので、公式のネットワーク情報ページを見るのが早い場合もあります。

切り替えずに待つ、という選択もある?

あります。4Gへの手動切り替えは確実な解決策ではなく、「利用できる場合がある」という案内です。復旧すれば5Gに戻す手間も発生します。

手動切り替えが向かないケース

設定画面の操作に不安がある場合、無理に変える必要はありません。設定を戻し忘れると、復旧後も4Gのまま使い続けることになります。また、5G SAの通信品質を前提にした使い方(高速な上りを使う配信など)をしている場合、4Gでは同じようには動きません。急ぎの用がなければ、公式の復旧報を待つのも十分な判断です。

もう一つ、しくみから言えることがあります。通信の経路を一つに寄せないことが、こういう日の備えになります。自宅や職場のWi-Fi、別の通信会社の回線を使うデュアルSIM、家族の端末のテザリング。どれか一つでも別系統があれば、少なくとも連絡手段と情報収集の手は残ります。今回のように方式単位で止まる障害では、同じ会社の中でも4Gという別の道が残っていたことが、手動切り替えという対処が成り立った理由でもあります。

今回の障害から持ち帰れることは?

5G SAは、速さだけの話ではありません。ネットワークスライシングのように、用途ごとに品質を確保できる土台として作られています。その一方で、音声もデータもSMSも5G系の設備で完結させる構成のため、中枢の設備が詰まると影響の範囲が広がります。

読者の側でできることは、設備の中身を理解することではなく、自分の契約がどの方式か、4Gへ降りる設定がどこにあるかを一度確認しておくことです。それだけで、次に同じことが起きたときの14時間の過ごし方が変わります。

よくある質問

2026年11月5日のドコモの障害は、何が原因でしたか?

NTTドコモは、5G SA契約者を収容する交換機における輻輳が原因と説明しています。調査の結果、不正アクセスの形跡やサイバー攻撃を示す事象は確認されていません。発生は11月5日午前11時18分頃で、11月6日午前1時20分頃に復旧しました。

格安SIM(MVNO)のドコモ回線も影響を受けましたか?

影響はありませんでした。当初の案内ではドコモ回線を利用するMVNOも含まれていましたが、続報で影響範囲は5G SA(Standalone)サービスの契約者に絞り込まれ、MVNO、通常の5G・4Gサービス利用者、緊急通報には影響がないと発表されています。

5G SA方式で通話まで止まるのはなぜですか?

5G SAは4Gのコア設備を使わず、5Gの技術だけでネットワーク全体を構成する方式です。音声通話もVoNR(Voice over New Radio)という技術で5G SAのネットワーク上をそのまま流れるため、4Gへ切り替えて通話していた従来方式と違い、音声の通り道も5G系に一本化されます。ただし輻輳が音声不通に直結したという因果はドコモの発表には明記されていません。

障害のときに自分でできる対処はありますか?

ドコモは、端末のネットワーク設定で「4G」を選び、その状態で携帯電話を再起動するか機内モードのON/OFFを行う方法を案内しています。この操作により音声通話・データ通信・SMSが利用できる場合があります。復旧後は設定を元に戻してください。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。