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証券口座の手数料、比較すべき3つのポイント

2026年9月6日|いろは堂投資編集部
屋内、丸テーブル上のノートPCとスマートフォンを操作する人物

画像出典: Joshua Mayo / Pexels

この記事の要点
国内株式の売買手数料はSBI証券・楽天証券・GMOクリック証券が無料ですが、取引報告書を郵送でなく画面で受け取る「電子交付」への切り替えなどの条件が付きます。比較すべきは「売買手数料の無料条件」「クレカ積立の還元率(カードのランクで0.5%〜3.1%と差が出る)」「NISA口座を移す手間」の3点で、年間の差額が移管の手間に見合うかで判断します。
🤔
口座を開いたときのまま何年も使ってるけど、手数料って結局いくら払ってるんだろう…

証券口座は、最初に開いたところをそのまま使い続けている人がとても多い分野です。開設のときは比較したはずなのに、そのあと一度も見直していない。正直なところ、それ自体は珍しいことではありません。

ただ、この数年で各社の手数料体系は大きく変わりました。国内株式の売買手数料が「無料」になった会社がある一方で、その無料には条件が付いています。そして毎月の積立をクレジットカードで行っているなら、還元率の差が年単位でじわじわ効いてきます。

下期に入る前は、この見直しに向いたタイミングです。年内の積立設定を変えるにも、口座を移すにも、手続きに数週間かかるからです。

証券口座の手数料は、どこを比べればいい?

比較サイトを開くと項目が並びすぎて、どこを見ればいいのか分からなくなります。実際に家計へ効いてくるのは、次の3点に絞れます。

比較する3点
  • 国内株式の売買手数料と、その「無料」に付いている条件
  • クレカ積立の還元率(自分が持っているカードのランク込みで)
  • 口座を移す手間とコスト(NISA口座・特定口座を別の会社へ移す「移管」の手続き)

この3点以外、たとえば取扱銘柄数やアプリの画面の好みは、手数料の判断とは切り離して考えたほうが結論が出ます。混ぜると「なんとなく今のままでいいか」で終わってしまうためです。

国内株の売買手数料が無料の証券会社は?

2026年時点で、国内株式の売買手数料が無料になっている主な証券会社は次のとおりです。

SBI証券国内株式(現物・信用とも)の売買手数料が金額にかかわらず無料。取引をネット中心で行う「インターネットコース」の選択や、書類を郵送でなく画面で受け取る「電子交付」などの条件あり。口座数は約1,500万口座で国内最大手
楽天証券国内株式(現物・信用とも)の売買手数料が金額にかかわらず無料。同様に条件あり
GMOクリック証券手数料無料の主要3社の一つ
松井証券1日の約定代金合計50万円以下なら無料。1日に複数回取引する人向けの体系

Yahoo!ファイナンスおよびSOICOの公表情報をもとに作成(2026年時点)

上の表で注意したいのは、無料の横に書いた「条件あり」のほうです。手数料無料は自動で適用されるとは限らず、電子交付への切り替えや特定のコース選択といった設定が前提になっているケースがあります。すでにその会社に口座を持っている人ほど、開設当時の古い設定のままになっていないか確認する価値があります。

自分がいくら払っているかを確認する手順

  1. 取引報告書か取引履歴を開く使っている証券会社のサイトにログインし、直近1年分の取引履歴を表示します。
  2. 手数料の列を合計する1回あたりは数百円でも、年間の回数を掛けると実感が変わります。
  3. 手数料コースの設定画面を開く手数料の体系(1約定ごと/1日定額など)と、電子交付の設定状態を確認します。
  4. 無料条件を満たしているか照合する満たしていなければ、まず設定変更で解決するかもしれません。口座を移す前に、ここを確認するのが先です。
😲
設定を変えるだけで無料になる場合もあるってこと…?

口座の乗り換えは移管手続きを伴いますが、同じ会社の中の設定変更なら数分で終わります。順番としては、こちらを先に潰しておくほうが手間が少なくて済みます。

クレカ積立のポイント還元率は、どのくらい差がある?

毎月の積立をクレジットカードで決済している場合、還元率の差は売買手数料より大きな金額になることがあります。カードのランクで差が開く点が特徴です。

マネックス証券×dカード月5万円以下の積立で1.1%。dカードGOLDは1.1%、dカードPLATINUMは最大3.1%
SBI証券×三井住友カード(NL)0.5%。前年のカード利用額(積立を除く)が10万円未満だと、翌年の積立分はポイント付与なし
楽天証券×楽天カード一般カード0.5%、ゴールド0.75%、プレミアム1.0%、ブラック2.0%
三菱UFJ eスマート証券×au PAYカード0.5%(カード年会費無料)

for-itおよび経済圏比較の公表情報をもとに作成(2026年時点)

上の表を見ると、同じ「クレカ積立」でも0.5%から3.1%まで幅があります。ただし高い還元率は上位ランクのカードに紐づいており、そのカードには年会費がかかります。還元率だけを比べると、年会費を払った結果ポイントが目減りするという逆転が起きます。

年会費込みで損益分岐を出す

計算はとても単純です。月々の積立額 × 12 × 還元率の差 − 年会費の差 を出すだけです。

  1. 年間の積立額を出す月5万円なら年60万円です。
  2. 還元率の差を掛ける0.5%と1.1%なら差は0.6%。60万円×0.6%=3,600円です。
  3. 年会費の差を引く上位カードの年会費が3,600円を超えるなら、その時点で逆転します。
  4. 他の用途での利用も含めるか決めるそのカードを日常の買い物でも使うなら、年会費の負担はそちらの還元でも回収できます。積立分だけで判断するか、家計全体で判断するかを先に決めておきます。

なお、SBI証券×三井住友カード(NL)のように「前年のカード利用額が一定に届かないと付与されない」条件が付く組み合わせもあります。還元率の数字だけでなく、その数字が適用される条件まで読むと判断を間違えにくくなります。

口座を乗り換えるとき、どんな手続きが必要?

手数料と還元率で差が出たとして、次は「移す手間に見合うか」です。ここで見落とされやすいのが、口座の種類によって手続きの重さが違うことです。

移す対象ごとの手間
  • 新しい積立だけ移すもっとも軽い。新しい証券会社で口座を開き、積立設定を始めるだけです
  • NISA口座を移す金融機関を変更したいと申し出るための書類(届出書)を、今の会社と新しい会社の間でやり取りする必要があり、数週間かかります
  • 特定口座の保有株を移す保有している株を別の会社の口座へ引っ越す「移管」の手続きが必要。取得単価などの情報を引き継ぐ形になります

全部を一度に動かす必要はありません。今の口座はそのまま残し、新しい積立だけを別の会社で始めるという分け方もできます。乗り換えは「全移管」か「現状維持」の二択ではありません。

下期入り前に組むスケジュール

  1. 今週: 現状の確認手数料コースと電子交付の設定、直近1年の手数料合計、積立のカード還元率を書き出します。
  2. 今週中: 差額の計算年間の還元差額から年会費差を引き、金額を出します。
  3. 判断その金額が、書類のやり取りと数週間の待ちに見合うかを決めます。金額が小さいなら「動かさない」も正しい結論です。
  4. 動かす場合: 早めに着手NISA口座の金融機関変更は手続きに時間がかかるため、余裕を持って始めます。
乗り換えないほうがいいケースもあります

積立額が月1万円程度なら、還元率が0.5%違っても年間の差は600円です。書類を取り寄せて記入し、数週間待つ手間に見合うとは限りません。また、複数の口座に資産が散らばると、確定申告や資産全体の把握が煩雑になります。手数料の最適化そのものが目的化していないか、一度立ち止まる価値はあります。

さらに、NISA口座は年単位で1つの金融機関しか使えません。年の途中で変更すると、その年の枠の扱いが分かりにくくなることがあります。制度上の扱いは各社の案内で必ず確認してください。

手数料の見直しで、どこまで効果があると考えればいい?

期待値を正しく持っておくことも大切です。手数料と還元率の見直しは、確実に効きますが、劇的ではありません。

月5万円の積立で還元率が0.6%上がれば年3,600円。売買手数料が1回500円で年20回なら年1万円。合わせて年1万数千円という規模感です。これは相場の上下で1日に動く金額より小さいことも多い一方、確実に手元に残る点が違います。運用成績と違い、事前に金額が計算できる数少ない要素です。

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大きくは変わらないけど、計算できる分だけ確実、ってことなんだ

だからこそ、一度決めたら当分は放置していい項目でもあります。毎月チェックするようなものではなく、下期入りや年度替わりのような区切りで年に1〜2回見直せば十分です。

見直しのときに一緒に確認しておきたいこと

口座の設定画面を開くタイミングは、他の項目もまとめて確認できる機会です。

ついでに見ておく項目
  • 特定口座(源泉徴収あり/なし)の設定が意図どおりか
  • 配当金の受取方式が、NISAの非課税を活かせる設定になっているか
  • 投資信託の信託報酬など、保有中にかかるコスト
  • 連絡先メールアドレスが現在使っているものか

売買手数料が無料になった分、保有中にかかるコストの比重が相対的に大きくなっています。とくに投資信託を長く持つ予定なら、購入時の手数料より信託報酬のほうが総額への影響は大きくなります。

最後に、この記事の内容は制度と各社サービスの仕組みを説明するものです。数値は2026年時点の公表情報にもとづいており、手数料体系や還元率は変更されることがあります。申し込みの前には必ず各社の公式サイトで最新の条件を確認してください。投資は自己責任であり、元本は保証されていません。

よくある質問

国内株式の売買手数料が無料の証券会社はどこですか?

2026年時点で、SBI証券・楽天証券・GMOクリック証券が国内株式の売買手数料無料の主要3社とされています。SBI証券と楽天証券は現物・信用とも金額にかかわらず無料ですが、ネット中心で取引する「インターネットコース」の選択や、書類を郵送でなく画面で受け取る「電子交付」への切り替えといった条件が付きます。松井証券は1日の約定代金合計50万円以下であれば無料です。

クレカ積立の還元率はどのくらい差がありますか?

2026年時点で0.5%から3.1%程度まで幅があります。マネックス証券×dカードは月5万円以下の積立で1.1%(dカードPLATINUMは最大3.1%)、楽天証券×楽天カードは一般0.5%からブラック2.0%、SBI証券×三井住友カード(NL)は0.5%です。高還元率のカードには年会費がかかるため、年間の積立額に還元率差を掛けた金額から年会費差を引いて比較する必要があります。

NISA口座を別の証券会社に移すのにどのくらいかかりますか?

金融機関を変更するための書類(届出書)を現在の金融機関と新しい金融機関の間でやり取りする必要があり、数週間かかります。また、NISA口座は年単位で1つの金融機関しか利用できないため、変更のタイミングによってその年の枠の扱いが変わります。手続きの詳細と期限は各社の案内で確認してください。

証券口座は全部まとめて移さないといけませんか?

いいえ。現在の口座を残したまま、新しい積立だけを別の証券会社で始めることもできます。もっとも手間が軽いのはこの方法で、新しい口座を開いて積立設定をするだけで済みます。NISA口座の変更や、保有している株を別の会社の口座へ引っ越す移管の手続きは重くなるため、必要性を分けて考えると判断しやすくなります。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。