証券口座の開設、最短翌営業日で完了する4段階
画像出典: パブリックドメイン(Wikimedia Commons)
証券口座の開設は「申込→本人確認書類の提出→完了通知の受取→初期設定」の4段階で進みます。スマホでマイナンバーカードのICチップを読み取る方法や、書類と顔写真を撮影して送る方法なら最短翌営業日、書類のアップロードや郵送では約5営業日〜1週間程度かかります。申込が終わっても、勤務先情報や出金先銀行口座などの初期設定を済ませるまで取引は始められません。
証券口座の開設は、途中の画面で急に「本人確認書類の組み合わせを選んでください」と聞かれたり、提出方法によって完了までの日数が変わったりします。全体が4段階だと分かっていれば、いま自分がどこにいるのかを見失わずに進められます。
ここでは各社に共通する開設の流れと、提出方法ごとの所要日数、そして差し戻しの原因になりやすい入力項目を、事実として確認できる範囲で順に整理します。
証券口座の開設はどんな流れで進む?
ネット証券の口座開設は、会社が違っても大枠は共通しています。SBI証券や楽天証券が案内している手順をならべると、次の4段階です。
- 口座開設の申込メールアドレスを登録し、届いた認証コードを入力してから、住所・氏名などの顧客情報を入力します。規約を確認し、口座の種類や開設方法(ネット完結か郵送か)を選びます。
- 本人確認書類の提出マイナンバーの確認と本人確認を行います。ここで選んだ方法が、完了までの日数をいちばん大きく左右します。
- 完了通知の受取審査が通ると、ログインIDと初期パスワードが通知されます。
- 初期設定取引暗証番号、勤務先情報、出金先の銀行口座などを登録します。ここまで終えて、はじめて取引ができる状態になります。
見落としやすいのは4段階目です。申込が完了しても、初期設定が終わっていなければ実際の取引には進めません。「申込完了=取引開始」ではない、と覚えておくと、通知が届いた後にあわてずに済みます。
本人確認の方法で日数はどのくらい変わる?
提出方法は大きく3通りあり、最短翌営業日のものと1週間程度かかるものが混在します。楽天証券・マネックス証券・GMOクリック証券が公表している目安をならべると、次のようになります。
| 提出方法 | やること | 目安 |
|---|---|---|
| ICチップの読み取り | スマホでマイナンバーカードのICチップをNFC読み取り(アプリの事前インストールが必要・顔写真の撮影は不要) | 最短翌営業日 |
| 書類+顔写真の撮影 | マイナンバーカードまたは運転免許証と、自分の顔写真をスマホで撮影してその場でアップロード(AIが自動審査) | 最短翌営業日 |
| 書類のアップロード・郵送 | マイナンバーカード両面のコピー、または通知カード+本人確認書類2種などを送付 | 約5営業日〜1週間程度 |
楽天証券・マネックス証券・GMOクリック証券の公表データをもとに作成
上の表で差が出ているのは、審査の重さではなく人の手が入るかどうかです。ICチップ読み取りや顔写真撮影はその場でデータが届いて自動的に照合されますが、郵送は書類が届いてから確認が始まるため、どうしても日数が積み上がります。
ICチップの読み取りには、証券会社のアプリを先に入れておく必要があります。カードを読み取るのはアプリの画面上なので、申込を始める前にインストールと、手元にマイナンバーカードがあるかどうかを確認しておくと、途中で中断せずに進められます。
本人確認書類は何を組み合わせればいい?
SBI証券がネット開設で案内している組み合わせは、次の3パターンです。
- マイナンバーカードのみ(NFC対応スマホを利用する場合)
- マイナンバーカード+運転免許証
- 通知カード+本人確認書類2種類
この一覧で分かるとおり、マイナンバーカードを持っているかどうかで、用意する書類の数が変わります。通知カード(マイナンバーが記載された紙のカード)しか手元にない場合は、本人確認書類をもう1種類そろえる必要があり、その分だけ手間が増えます。
本人確認書類として使えるものには、マイナンバーカード、運転免許証、住民票の写し、パスポート、在留カードなどがあります。いずれも有効期限内であることが前提です。
審査で差し戻されやすいのはどこ?
提出後に止まる原因は、意外なところにあるわけではありません。各社が共通して注意事項に挙げているのは、次の2点です。
ひとつは、本人確認書類の有効期限が切れているケース。もうひとつは、書類に記載された住所が申込内容と一致していないケースです。引っ越しの後に運転免許証の住所変更をしていない、といった状況で起きます。差し戻されると提出からやり直しになり、翌営業日で終わるはずだった開設が数日延びます。
提出ボタンを押す前に、書類の期限と、書類に印字されている住所・氏名の表記が、入力した内容とそろっているかを見ておくと確実です。マンション名や番地の書き方も、書類の表記に合わせておくと安心できます。
口座の種類はどう選べばいい?
申込の途中で「特定口座(源泉徴収あり/なし)」「一般口座」の選択画面が出てきます。ここは税金の扱いと、確定申告が必要になるかどうかが変わる部分です。
| 口座区分 | 損益計算 | 納税 | 確定申告 |
|---|---|---|---|
| 特定口座(源泉徴収あり) | 証券会社が計算 | 証券会社が自動で源泉徴収・納税(損失時は還付) | 原則不要 |
| 特定口座(源泉徴収なし) | 証券会社が計算し年間取引報告書を発行 | 投資家自身が納税手続き | 必要(特定口座内のみなら簡易申告可) |
| 一般口座 | 投資家自身が計算 | 投資家自身が納税手続き | 必要 |
楽天証券の公表データをもとに作成
上の表のとおり、手続きの負担がいちばん軽いのは特定口座(源泉徴収あり)です。損益の計算も納税も証券会社側で行われ、確定申告は原則不要になります。
なお、源泉徴収の区分(あり⇔なし)を後から変えることはできますが、変更できるのはその年の最初の譲渡または配当等の受け入れまでです。一度でも取引があると、その年は変更できず翌年分からの変更になります。また、特定口座から一般口座への振替は電話などで依頼できますが、一般口座から特定口座への振替は法令上できません(特定口座を新規に開設する必要があります)。迷ったときは、後から動かしにくい方向があることを踏まえて選ぶことになります。
開設後、取引を始めるまでに何をする?
ログインIDと初期パスワードが届いたら、残りは初期設定と入金です。
- 初期パスワードの変更と、取引用の暗証番号の設定
- 勤務先情報の登録(インサイダー取引の管理などに使われます)
- 出金先となる銀行口座の登録
- 証券口座への入金
勤務先情報や銀行口座の登録は、後回しにすると取引画面まで進めないことがあります。通知が届いた日のうちにまとめて入力してしまうのが、いちばん引っかかりが少ない進め方です。
開設そのものは、書類さえそろっていれば手続きとして淡々と進むものです。用意するものと日数の見込みを先に把握しておけば、途中で止まる場面はかなり減らせます。
もう少し詳しく知りたいときは
口座区分の選び方で手が止まった場合や、開設後に何から見ていくかを整理したい場合は、それぞれの論点を個別に扱った内容も参考になります。取得単価と評価損益の見方、記録のつけ方あたりは、口座を使い始めてすぐに必要になる知識です。
この内容は制度・手続きの解説を目的としたもので、特定の金融機関や商品を推奨するものではありません。手続きの詳細や所要日数は各社・時期によって異なるため、実際の申込時には各社の最新の案内を確認してください。投資は自己責任であり、元本は保証されません。
よくある質問
証券口座の開設は最短で何日かかりますか?
スマホでマイナンバーカードのICチップをNFC読み取りする方法、または本人確認書類と顔写真を撮影してアップロードする方法であれば、最短翌営業日で取引可能になるとされています。書類をアップロードまたは郵送で提出する場合は、約5営業日〜1週間程度が目安です。
マイナンバーカードがなくても証券口座は開設できますか?
開設できます。マイナンバーカードがない場合は、通知カードに加えて本人確認書類を2種類提出する組み合わせが用意されています。ただしマイナンバーカード単独で提出する場合より必要書類が増えるため、手間と日数はかかりやすくなります。
申込が完了すればすぐ株を買えますか?
買えません。ログインIDと初期パスワードを受け取った後、取引暗証番号の設定、勤務先情報の登録、出金先銀行口座の登録といった初期設定を済ませ、さらに入金する必要があります。申込完了と取引開始は別の段階です。
特定口座(源泉徴収あり/なし)は後から変更できますか?
変更はその年の最初の譲渡または配当等の受け入れまでに行う必要があり、一度でも取引があるとその年は変更できず、翌年分からの変更になります。また特定口座から一般口座への振替は依頼できますが、一般口座から特定口座への振替は法令上できません。
※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。