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FOMC利上げで銀行株・不動産株はどう動く?確認手順

2026年9月17日|いろは堂投資編集部
屋外、日本の三菱UFJ銀行の店舗入口を正面から撮影した写真

画像出典: 写真: Suikotei(CC BY 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の要点
FRBは2026年9月16日、FF金利誘導目標を0.25%引き上げ3.75~4.00%としました(賛成12・反対0、2023年以来初の利上げ)。日銀の金融政策決定会合は9月17~18日に開かれ、政策金利1.00%から1.25%への追加利上げが報道ベースで有力視されていますが、結果公表は9月18日で決定事項ではありません。金利上昇局面では銀行株にプラス・不動産株にマイナスが出やすいとされ、確認は個別銘柄より東証の業種別株価指数(銀行業・不動産業)から入ると差が読み取りやすくなります。
😟
アメリカが利上げして、日本も上げそうって聞きました。持っている株、どこを見ればいいんでしょう…

まず起きたことから。FRB(米連邦準備制度理事会)は2026年9月16日、FF金利(米国の政策金利)の誘導目標を0.25%引き上げ、3.75%~4.00%とすることを決めました。この決定を行う会議体がFOMC(米連邦公開市場委員会)で、FRBの理事と地区連銀総裁が集まって政策金利を話し合う場です。組織がFRB、その金融政策を決める会合がFOMC、という関係になります。投票は賛成12・反対0で、2023年以来初めての利上げです。

そして日本側は、日銀の金融政策決定会合が9月17日(木)・18日(金)の日程で開かれます。結果の公表は18日の11時30分~12時30分頃、15時30分から植田総裁(日本銀行のトップ)の記者会見が予定されています。

正直なところ、この2つが近い日程で並ぶと、保有株の値動きが何に反応しているのか分からなくなります。そこで、金利に反応しやすい業種の動きを自分の目で確かめる順番を用意しました。値動きの理由を自分で説明できるようになると、あわてて売買する回数が減ります。

FOMCは何を決めたのか?

決まったのは政策金利の0.25%引き上げで、誘導目標は3.75%~4.00%になりました。直前は3.50%~3.75%で、2026年7月の会合まで5会合連続の据え置きが続いていました。その7月会合ではハマック(クリーブランド)、ローガン(ダラス)、カシュカリ(ミネアポリス)の3地区連銀総裁が利上げを主張して据え置きに反対票を投じており、内部の意見は割れていました。今回はその流れが多数へ転じた形です。

声明文は「インフレは依然として高水準にある」とし、「本日の政策措置は2%目標への時宜を得た回帰を支える」と説明しています。ウォーシュ議長(FRBのトップ)は記者会見で「インフレは長期間にわたり高すぎる状態が続いている」「基調的なインフレが目標に向け明確かつ十分な速度で動いていることを確認する必要がある」と述べました。

時期FF金利誘導目標
2026年7月会合3.50%~3.75%(据え置き)
2026年9月16日3.75%~4.00%(0.25%引き上げ)

CNBCの報道をもとに作成

ここで大事なのは、「利上げが続くかどうか」はFRBの中でも一致していないということです。同時に公表されたSEP(経済見通し)のドット・プロット(委員それぞれが考える将来の金利水準を点で示した図)では、2027年の金利について8人が追加利上げ、6人が据え置き、4人が利下げを想定しており、僅差で分かれています。今回の利上げを「これから連続して上がる前提」として読むのは行き過ぎです。

日銀会合の「1.25%」はどこまで確定しているのか?

🤔
日銀も上げるって記事で見たけど、もう決まった話なんでしょうか

日銀の政策金利は現在1.00%です。市場・報道では1.25%への追加利上げが有力視されており、実現すれば2026年6月会合以来3カ月ぶり、2024年3月以降の利上げ局面では最短の利上げ間隔になります(日本経済新聞、2026年9月)。観測の背景として挙げられているのは、原油高や円安に起因する物価の上振れリスクを抑える狙いです。

これは予想であって、決定ではありません

会合は9月17~18日の開催で、結果の公表は18日です。つまりこの時点で1.25%は報道ベースの観測にとどまります。市場予想や織り込み確率は日々動き、報道機関や機関投資家の間で見方が割れることもあります。数字を見かけたときは「どこが、いつ時点で出した見方か」を必ず確認し、その1つの数字を前提に保有株の売買を組み立てないでください。結果が出たら日銀の公式発表で裏を取るのが確実です。

なぜ銀行株と不動産株で明暗が分かれるのか?

金利が動いたとき、業種によって損得の向きが逆になります。仕組みを一度おさえると、値動きの理由が推測できるようになります。

銀行は「金利差」で稼ぐ商売です。集めた預金を元手に貸し出したり債券を運用したりして、受け取る利息と支払う利息の差で収益を得ています。この差を利ざや(NIM)と呼びます。長期金利が上昇する局面では貸出や債券運用の利回りが上がり、利ざやが広がりやすくなるため、収益改善の期待が株価にプラスへ働きやすいとされます(野村證券)。

不動産は「借りて建てて、買ってもらう」商売です。物件の取得や開発は借入に依存し、買い手の多くも住宅ローンを使います。利上げは借入コストの増加と、住宅ローン金利上昇による住宅需要の減少という両方のマイナスに働きやすく、不動産・建設は利上げで株価が下がりやすい代表業種とされます。

実例として、2025年7月には「銀行株買い・不動産株売り」の物色が広がったと日本経済新聞が報じています。金利上昇局面での明暗パターンが実際に相場に出た場面です。

業種金利上昇時に効く経路株価に出やすい向き
銀行貸出・債券運用の利回り上昇で利ざや(NIM)が拡大プラスに働きやすい
不動産・建設借入コスト増、住宅ローン金利上昇で住宅需要が減少マイナスに働きやすい

野村證券およびMoneyBitsの公表情報をもとに作成

ただし、この向きが常にそのまま出るわけではありません。野村證券のストラテジストは、利上げが進んだ局面では銀行株への注目度を引き下げ、不動産株を「見直し買い」候補として注目セクターに切り替える視点を示しています。すでに株価に織り込まれた分がどれだけあるかで、セクターの選好は変わります。「利上げ=銀行が上がる」と固定して覚えると、織り込みが進んだ後に判断を誤ります。

保有株の値動きはどの順番で確認する?

いきなり自分の保有銘柄のチャートを開くと、その銘柄固有の材料(決算、受注、需給)と金利の影響が混ざって切り分けられません。金利の影響を見たいときは、業種全体から入るのが順番として楽です。

  1. 政策金利の変更があったかを確認する日銀会合なら9月18日の公表内容を見て、政策金利が1.00%から動いたかどうか、事実として確かめます。動いていなければ「利上げを前提にした値動き」という読み方自体が成り立ちません。
  2. 長期金利(10年国債利回り)の変化を見る政策金利そのものより、銀行の利ざやや住宅ローン金利に効くのは長期金利です。会合の前後で水準がどちら向きに動いたかを確認します。
  3. 業種別株価指数で銀行業・不動産業を比べる東証の業種別株価指数(33業種)には「銀行業」「不動産業」が独立した区分として算出されており、リアルタイム値はJPX(日本取引所グループ)の公式サイトで確認できます。業種をまとめて見られるTOPIX-17シリーズにも銀行・不動産の指数が含まれ、こちらは2002年12月30日を基準日(基準値100)として算出されています。
  4. 個別の決算で利ざやと預金コストを確かめる銀行株なら、金利上昇が実際に収益へ届いたかは決算の利ざや(NIM)や預金コストの動向に出ます。期待だけで動いた株価が、後から数字で裏づけられるかを見る段階です。
  5. 景気指標と突き合わせる金利が上がっても景気が弱れば貸し倒れや需要減の懸念が乗ります。ここまで見て、はじめて「自分の保有株の値動きは金利で説明できるか」を判断します。
会合後の30分でやること
  • 日銀の公式発表で政策金利の数字そのものを確認する
  • 10年国債利回りが会合前と比べてどちら向きに動いたかメモする
  • JPXの業種別株価指数で「銀行業」と「不動産業」の騰落率を並べて見る
  • 自分の保有株の騰落率が、その業種の動きと同じ向きか確かめる
  • 違う向きなら、金利ではなく別の材料を探す

業種と自分の保有株の向きがそろっていれば金利の影響で説明がつき、そろっていなければ他の材料が効いていると切り分けられます。この確認を記録に残しておくと、次の会合のときに同じ手順を短時間でなぞれます。

この局面でやらないほうがいいことは?

😮‍💨
結果が出る前に、動きそうな業種へ移しておいたほうがいいのかな…

会合の結果が出る前の入れ替えは、予想が当たるかどうかに成果を委ねる行為になります。今回のFOMCでも2027年の見通しは委員8人・6人・4人と分かれており、専門家の間でも先行きの一致はありません。日銀の1.25%も9月17日時点では観測です。

この確認手順が向かないケースもあります

ここで説明した見方は、金利という1つの要因で業種の値動きを説明する枠組みです。決算の大きなサプライズ、個別企業の不祥事、為替の急変などが同時に起きている局面では、金利以外の要因が上回り、業種と保有株の向きがそろわないことがあります。手順どおり見ても説明がつかないときは「金利では説明できない」と結論づけて、材料を別に探すのが正しい使い方です。また、短期の値動きを当てるための手順ではありません。

数字が出てから確かめて、そのうえで自分の考えを決めれば間に合います。まずは9月18日の公表内容と、銀行業・不動産業の指数を並べて見るところから始めてみてください。

投資は自己責任です。この記事は制度や値動きの仕組みを理解するための教育目的の解説であり、個別銘柄の推奨や投資助言ではありません。株式投資に元本保証はなく、金利や業種の一般的な傾向が将来も同じように現れるとは限りません。最終的な判断はご自身で行ってください。

よくある質問

2026年9月のFOMCで政策金利はいくらになりましたか?

FOMC(米連邦公開市場委員会)は2026年9月16日、FF金利の誘導目標を0.25%引き上げ、3.75%~4.00%とすることを賛成12・反対0で決定しました。2023年以来初の利上げです。

2026年9月の日銀金融政策決定会合はいつ結果が出ますか?

会合は2026年9月17日(木)・18日(金)の2日間で開催され、結果は9月18日の日本時間11時30分~12時30分頃に公表される予定です。15時30分から植田総裁(日本銀行のトップ)の記者会見が予定されています。

金利が上がると銀行株と不動産株はどう動きやすいのですか?

銀行株は長期金利の上昇で貸出や債券運用の利回りが上がり、利ざや(NIM)の拡大による収益改善期待からプラスに働きやすいとされます。不動産・建設株は借入コストの増加と住宅ローン金利上昇による住宅需要の減少から、マイナスに働きやすい代表業種とされます。ただし株価にすでに織り込まれている度合いによって、この向きが変わることもあります。

業種全体の値動きはどこで確認できますか?

東証の業種別株価指数(33業種)に「銀行業」「不動産業」が独立した区分として算出されており、リアルタイム値はJPX(日本取引所グループ)の公式サイトで確認できます。業種をまとめて見たい場合はTOPIX-17シリーズにも銀行・不動産の指数が含まれ、2002年12月30日を基準日(基準値100)として算出されています。

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