英検二次試験、10秒の沈黙で不合格になる理由
画像出典: 写真: Amtec Photos(CC BY-SA 2.0 / Wikimedia Commons)
英検の二次試験で減点が大きいのは「10秒以上の沈黙」で、これは採点不能扱いになります。逆に、公式の採点観点には「積極的にコミュニケーションを図ろうとする意欲や態度」が含まれるため、完璧な文法より、つなぎフレーズを使ってでも声を出し続けるほうが有利です。試験は級ごとに問題の順番が決まっているので、流れを体に覚えさせてしまえば緊張しても手が動きます。
面接で固まるのは、英語力よりも「型を知らないこと」が原因になっている場合が多いです。準2級の不合格は、英語力不足ではなく試験の進み方を知らない、あるいは緊張でコミュニケーション自体をやめてしまうことが原因と解説されています。
正直なところ、本番で緊張をゼロにするのは無理です。だから狙うのは「緊張したままでも口が動く状態」。そのために必要なのは、自由に話す力ではなく、決まった順番に決まった形で返す準備です。
英検の面接では何が採点されているの?
英検の二次試験の採点観点は、公式に「応答内容、発音、語い、文法、語法、情報量、積極的にコミュニケーションを図ろうとする意欲や態度」と明記されています。つまり、話そうとする姿勢そのものが採点対象に含まれています。
ここが緊張対策の出発点です。文法を1つ間違えることより、黙ってしまって何も評価材料を出せないことのほうが痛い、という構造になっています。
採点観点に「意欲や態度」があることは、元気に振る舞えば内容が薄くても受かる、という意味ではありません。応答内容も情報量も同じ観点に並んでいます。声を出し続けることは前提条件であって、それだけで合格が決まるものではない、と考えてください。
面接の流れはどうなっている?
級によって問題数と時間が決まっています。まずは2級と準2級の形式を並べます。
| 2級 | 準2級 | |
|---|---|---|
| 形式 | 面接委員1人との英語での個人面接 | 面接委員1人との英語での個人面接 |
| 所要時間の目安 | 約7分 | 約6分 |
| 音読するパッセージ | 60語程度 | 50語程度 |
| 問題数 | 4問 | 6問 |
日本英語検定協会の公表データをもとに作成
上の表のとおり、面接そのものは2級で約7分、準2級で約6分と短時間です。緊張が続く時間はこの範囲に収まる、と先に知っておくだけでも構え方が変わります。
2級の場合、入室して着席し、氏名確認と簡単な挨拶をしたあと問題カードを受け取り、20秒の黙読を経て音読に入ります。そのあとは音読内容についての質問が1問、3コマイラストの展開説明、カードのトピックについての自分の意見(20秒の考慮時間あり)、そして日常生活の一般的な事柄についての追加質問、という順です。
準2級は50語程度のパッセージの音読から始まり、パッセージについての質問、イラストの描写・説明が2問、最後に受験者自身の意見や日常生活についての質問が2問、という6問構成になっています。入室から退室までは13のステップで進みます。
この順番は毎回同じです。本番で予測できない部分はトピックの中身だけで、進行そのものは事前に完全に把握できます。ここを知っているかどうかで、緊張の量がまったく変わります。
沈黙はどのくらい不利になるの?
10秒以上の長い沈黙は「採点不能」扱いとなり、大幅な減点につながるとされています。考えている時間と、面接委員から見た「無反応」は区別されません。頭の中でどれだけ英文を組み立てていても、外に出ていなければ評価する材料がないためです。
もう一つ、声の大きさも同じ理由で重要です。聞き取れないほどの小声では内容が採点されません。文法が完璧でなくても、ハキハキと大きな声で話すこと自体が「伝えようとする意欲」として評価されると解説されています。
- 10秒以上、何も言わずに黙り込む
- 面接委員に届かない声量で話す
- Yes / No や単語だけで答えを終える(3級の不合格例に多い)
- 不自然な聞き返しを繰り返す(自然な範囲の聞き返しは減点対象外)
沈黙をつなぐフレーズはどう使う?
答えが浮かばない瞬間に必要なのは、正解ではなく「音」です。考えている最中でも口から出せる定型句をいくつか持っておくと、無言の時間をゼロに近づけられます。
- Well, ...
- Let me see, ...
- That's a good question.
- Actually, ...
使い方のコツは、フレーズを言い終わるまでに答えを完成させようとしないことです。「Well,」と声を出した時点で沈黙は途切れています。そのまま2〜3秒使って主語と動詞だけ決め、あとは短い文で言い切る。長い一文を組み立てようとすると、また止まります。
ただし、同じフレーズを毎問の頭で連発すると不自然です。3〜4種類を口に覚えさせて、順番に使い回せるようにしておくと安心です。
短すぎる回答から抜け出す型は?
3級の不合格者に多いのが、Yes / No や単語だけで終わる短すぎる回答です。ここは考え方の問題ではなく、型を1つ足すだけで解決します。
- 結論を先に言うYes, I do. / No, I don't. で立場をはっきりさせます。ここで止まらないのが前提です。
- because を足す理由を1つだけ付け足します。Because I can study at home. のような短文で構いません。理由が1つ足されるだけで、単語回答からは抜け出せます。
- 具体を1文足す余裕があれば、For example, I use my phone every morning. のように例を1文。ここまで出せれば情報量として十分です。
この「結論→理由→例」は、意見を述べる問題でもそのまま使えます。3ステップを固定しておくと、トピックが何であっても組み立ての枠だけは決まっている状態になります。緊張しているときほど、枠が決まっていることの効果は大きいです。
本番までの練習はどう組み立てる?
優先順位は、進行の暗記 → 音読 → つなぎフレーズ → 意見の型、の順です。理由は、前のほうほど本番で確実に出題され、かつ準備で確実に固められるからです。
- 進行を紙に書き出す(30分)受験する級の問題の順番を、公式サイトの試験内容ページを見ながら自分の手で書き出します。読むだけより頭に残ります。
- 音読を毎日5分(1日5分)過去問や教材のパッセージを声に出して読みます。2級なら60語程度、準2級なら50語程度が目安です。最初の問題を落ち着いてこなせると、その後の質問に入る心理的な負担が下がります。
- つなぎフレーズを口に覚えさせる(1日3分)Well, / Let me see, などを、質問を聞いた直後に反射で出せるまで声に出します。頭で選ぶのではなく、口が勝手に出る状態が目標です。
- 意見問題を1日1テーマ(1日10分)身近なテーマを1つ決め、結論→理由→例の3ステップで話します。時間を計り、20秒考えて話し始める練習にすると本番の考慮時間に合います。
- 通し練習を週1回(20分)入室から退室まで、家族や友人に面接委員役を頼むか、スマホで自分の音声を録って通します。詰まった場所が、本番で詰まる場所です。
費用の面では、ここまでの5ステップにかかる追加コストは0円です。使うのは公式サイトの試験内容ページ(無料)、手持ちの過去問や教材、録音用のスマホだけで、有料の面接対策講座や教材を買い足さなくても組み立てられます。かかるお金は受験料だけで、その金額は級・申込方法・年度によって変わるため、申し込み前に英検公式サイトで最新の検定料を確認してください。
1日20分弱でも、進行の暗記と音読が入っていれば効果はあります。社会人で平日にまとまった時間が取れない場合は、通し練習だけ週末に寄せて、平日は音読とつなぎフレーズに絞る形が現実的です。学生で平日に練習時間を確保しやすい人は、通し練習の回数を増やすのが一番効きます。通し練習は自宅で完結し追加の費用もかからないので、可処分時間が多い人ほど有利になる部分です。
ここで挙げた時間はあくまで一例で、必要量には個人差があります。音読の段階でパッセージの単語がほとんど読めない場合は、面接の型より先に語彙と発音に時間を割いたほうが伸びます。逆に、模擬面接で内容は言えているのに緊張で止まるだけの人は、型の練習より通し練習の回数を増やすほうが効果的です。自分がどちらで詰まっているかを、まず1回通してから決めてください。
当日の緊張はどう扱えばいい?
緊張そのものを消そうとするより、体に働きかけるほうが現実的です。よく紹介されるのが「4・7・8呼吸法」(4秒吸う、7秒止める、8秒吐く)で、深い呼吸は副交感神経を優位にしてリラックスにつながるとして、面接やプレゼン前の対策に挙げられています。待機中に2〜3回試すくらいがちょうどよい使い方です。
胸を張る、体を大きく広げるといった「パワーポーズ」も、面接前の待合室で行う方法として紹介されています。ただしこの効果については再現性への疑義も指摘されているので、確実な手段というより試す価値のある一手といった位置づけで考えてください。面接室に入ってから急に大きな姿勢をとると不自然になるので、行うなら入室前です。
- 面接中はメモ・写真撮影・録音が禁止されている(手元に頼れるものはない前提で臨む)
- やり取りはすべて英語で行われる
- 詰まったら、まず声を出す。正しさより無言を避けることを優先する
- 聞き取れなかったときの聞き返しは、自然な範囲なら減点対象ではない
合否はどう決まるの?
英検はCSEスコアという級ごとに固定された絶対評価のスコアで合否を判定します。二次試験の合格基準スコアは級ごとに定められていて、回によって基準点が変動することはありません。
公表されている例では、2級の二次試験は650点満点中460点、準2級は600点満点中406点、準2級プラスは625点満点中427点、準1級は750点満点中512点が合格基準スコアとされています。ただしこれらの数値は解説記事を経由した情報のため、英検公式サイトの合否・スコアのページで最新の数値を確認してから計画を立ててください。
基準が回ごとに動かないということは、周囲の出来にかかわらず、自分の答案だけで結果が決まるということです。隣の受験者が流暢に見えても、それはあなたのスコアに影響しません。待機室で気持ちが揺れたときは、ここを思い出すと少し楽になります。
よくある質問
英検の面接で黙ってしまうと、どのくらい不利になりますか?
10秒以上の長い沈黙は「採点不能」扱いとなり、大幅な減点につながるとされています。答えを考えている間もWell, / Let me see, のようなつなぎフレーズを使い、何らかの反応を返し続けることが推奨されています。
英検の二次試験では、話す姿勢も採点されますか?
採点されます。公式の採点観点は「応答内容、発音、語い、文法、語法、情報量、積極的にコミュニケーションを図ろうとする意欲や態度」と明記されており、伝えようとする態度自体が観点に含まれています。
英検2級と準2級の面接は、どのくらいの時間で何問出ますか?
2級は面接委員1人との個人面接で所要時間は約7分、問題は4問構成です。準2級は約6分で6問構成となっており、いずれも英語でやり取りが行われます。
面接中に聞き取れなかったとき、聞き返しても減点されますか?
自然な範囲の聞き返しは減点対象ではないとされています。ただし不自然な聞き返しや繰り返しの聞き返しは減点対象になりうるため、1問につき1回程度にとどめるのが安全です。
※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。