基本情報技術者試験のシラバス改定、現行で受けられる最後の日
画像出典: ぱくたそ (大川竜弥)
基本情報技術者試験は2026年12月28日以降、現行制度でのCBT実施を休止する予定で、現行シラバスで受験できる最終日は2026年12月27日です(会場によってはそれより前に休止する場合あり)。2027年度春頃から新制度で再開予定ですが、IPAは基本情報について「試験で問う知識・技能の範囲そのものに変更はない」と説明しており、科目A(90分60問)・科目B(100分20問)の構成も維持される見込みです。すでに学習が進んでいる人は2026年内の受験、これから始める人は新シラバスのサンプル問題を待つ判断が取りやすくなります。
基本情報技術者試験は、2027年度から始まる新しい試験制度の対象に入っています。経済産業省とIPA(情報処理推進機構)が2026年3月31日に「情報処理技術者試験における試験区分体系などの見直し(案)」を公表し、現行の試験制度は2026年度の実施をもって終了する予定とされました。変わるのはシラバス(IPAが公表している、試験で問う知識・技能の範囲を項目ごとに一覧にした文書。市販の参考書はこれに沿って作られています)です。
手元の参考書が使えなくなるのではと不安になるところですが、判断のカギは「範囲がどう変わるか」より「いつまで現行制度で受けられるか」です。日付のほうが先に決まっているためです。社会人も学生も、まずこの区切りの日を押さえてから学習計画を考えると迷いが減ります。
現行シラバスで基本情報を受けられるのはいつまで?
IPAは「CBT方式で実施するITパスポート試験、情報セキュリティマネジメント試験及び基本情報技術者試験における2026年5月以降の試験実施について」というページで、2026年12月28日以降、基本情報技術者試験のCBT実施を休止する予定としています。CBT(Computer Based Testing)とは、試験会場のパソコンで受ける方式のことです。
つまり現行シラバスで受験できる最後の機会は2026年12月27日。ただし会場ごとに開催日が異なるため、同ページには会場によってはそれより前に休止する場合があるとも書かれています。自分の受けたい会場の空き状況は、申込サイトで必ず確認してください。
2027年1月以降の実施については、2026年秋頃に案内予定とされています。再開後のシラバスがどちらになるかは、2026年10月時点で公式に明言されていません。
申込のタイミングで選べる試験日が変わります
同じ案内ページには、申込日によって選択できる試験日が変わることも書かれています。基本情報技術者試験と情報セキュリティマネジメント試験は、8月31日までの申込なら申込日から3ヶ月先の月末までの試験日を選べますが、9月1日以降の申込は12月27日までの試験開催日しか選べません。ITパスポート試験は区切りが異なり、9月27日までの申込は申込日から3ヶ月先の同日まで、9月28日以降は12月27日までとなっています。
ここに書いた日程は、IPAの「2026年5月以降の試験実施について」のページで公表されている予定です。受験料や会場ごとの開催日は申込サイト側の情報で、変更の可能性もあります。申し込む前に、IPA公式サイトの該当ページを一度のぞいてみてください。
新シラバスで基本情報はどう変わる?
ここがいちばん気になるところだと思います。IPA自身の説明では、基本情報技術者試験について「試験で問う知識・技能の範囲そのものに変更はない」とされています。予定されているのは「科目Aの出題範囲体系の変更」と「科目Bの出題範囲の一部変更」で、範囲の全面的な拡大ではなく、出題範囲の整理・体系の組み替えが中心という位置づけです。
試験の形そのものも変わりません。科目A(90分・60問)、科目B(100分・20問)という構成は、新制度でも維持される予定とされています。
| 区分 | 試験時間 | 問題数 | 出題形式 | 合格基準 |
|---|---|---|---|---|
| 科目A | 90分 | 60問 | 四肢択一 | 1000点満点中600点以上 |
| 科目B | 100分 | 20問 | 多肢選択式 | 1000点満点中600点以上 |
情報処理推進機構(IPA)公表内容をもとにしたまとめの内容をもとに作成
上の表は現行制度の構成です。新制度でも同じ試験時間・問題数が維持される予定とされているため、「時間配分の練習が無駄になる」という心配はしなくてよさそうです。
なお「新シラバスになると急に難化する」「範囲が激増する」といった話を見かけることがありますが、IPAの公表内容にそう読める記述はありません。根拠の確認できない見方として扱うのが安全です。一方で、新シラバスの詳細な出題範囲や、科目Bのどこがどう変わるかという細部は、2026年10月時点でまだ全容が確定していない部分もあります。
基本情報の周りで新しくできる試験もあります
今回の見直しの柱は5つあります。「データマネジメント試験」(仮称)の新設、ITパスポート試験の出題構成変更、「プロフェッショナルデジタルスキル試験」(仮称・3区分)の新設、情報セキュリティマネジメント試験・基本情報技術者試験の一部変更、情報処理安全確保支援士試験の一部変更です。
基本情報技術者試験は、この新設される試験への橋渡し的な位置づけの整理が入る見込みとされています。試験区分の地図が描き替わるなかで、基本情報は引き続き入口の位置に置かれる形です。
新制度はいつから始まる?
| 試験区分 | 新制度での開始予定時期 | 備考 |
|---|---|---|
| ITパスポート試験 | 2027年度春頃 | 通年実施を継続、出題構成を変更 |
| 情報セキュリティマネジメント試験 | 2027年度春頃 | 通年実施を継続、一部変更 |
| 基本情報技術者試験 | 2027年度春頃 | 通年実施を継続、科目Aの出題範囲体系変更・科目Bの一部変更 |
| データマネジメント試験(仮称) | 2027年度夏頃〜秋頃 | 新設 |
| プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称・3区分) | 2027年度夏頃〜秋頃 | 新設 |
| 情報処理安全確保支援士試験 | 2027年度夏頃〜秋頃 | 一部変更 |
情報処理推進機構(IPA)の公表データをもとに作成
上の表のとおり、基本情報技術者試験は2027年度春頃に新制度で開始予定です。これは2026年3月31日公表の見直し(案)に基づく予定で、確定情報はIPA公式サイトのシラバス変更ページで随時更新されます。
全試験区分をCBT方式に統一する方針も示されています。これまで年1〜2回の筆記で実施されてきた応用情報技術者試験や高度試験も、2027年度からはCBT化され随時受験に移行する見込みで、論述式は廃止され全問選択式になる方向とされています。基本情報はもともとCBTの通年実施なので、この点での変化はありません。
今受けるか待つか、どう判断する?
判断材料は出そろいました。学習の進み具合と、2026年12月27日までに確保できる時間の2つで決まります。
- すでに現行シラバス(Ver.9.1)対応の教材で学習を進めている
- 過去問演習に入っていて、合格ラインが見えてきている
- 年内に受験できる会場の日程を確保できる
- 就職活動や社内の資格手当など、取得時期に締め切りがある
- これから学習を始める段階で、年内の受験はスケジュール的に厳しい
- 科目Bのアルゴリズム・プログラミングに時間をかけたい
- 新設のデータマネジメント試験など、他の区分も視野に入れている
年内受験を目指す場合の進め方
- 受験料と日程を確認する受験料は7,500円(税込)。IPAの「2026年5月以降の試験実施について」のページで休止日を確認し、申込サイトで希望会場の開催日を見ます。
- 先に受験日を押さえるCBTは会場ごとに枠が限られます。学習が仕上がってから申し込むのではなく、日付を決めて逆算するほうが年内に間に合います。
- 現行シラバスVer.9.1の範囲で教材をそろえるVer.9.0(2023年12月改訂)でDX推進に必要な知識(ビジネス変革、デザイン、データ利活用、AI・生成AI利活用など)が追加され、2024年10月のCBT試験から反映済みです。これに対応した版かを確認してください。
- 科目A・科目Bを並行で進めるどちらも1000点満点中600点以上が合格基準です。片方だけ仕上げても合格にならないため、早い段階から両方に触れておきます。
学習時間は、ITの実務経験や前提知識によって大きく変わります。目安の立て方としては、2026年12月27日までの残り日数に、平日に確保できる時間を掛けて総時間を出すのが実際的です。たとえば今から約10週間あるなら、平日1時間・休日3時間で約110時間、平日2時間・休日4時間なら約180時間が確保できる計算になります。この数字を先に出してから、科目Aの60問と科目Bの20問に割り振る順番で考えると、年内に間に合うかどうかの判断がつきます。基本情報の独学の進め方も合わせてのぞいてみてください。
新シラバスを待つ場合にやっておけること
待つ判断をしても、手が止まる必要はありません。新試験制度のシラバス案やサンプル問題は、準備が整ったものから順次公開されています。IPAは2026年にITパスポート、情報セキュリティマネジメント、基本情報、プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)、情報処理安全確保支援士の科目A-1などの案を公開してきました。
範囲そのものに変更はないとされている以上、現行教材で基礎を固める時間は新シラバスでも無駄になりません。公開される新旧対応表を見てから、差分だけを追加で埋める進め方が取れます。
2025年度の基本情報技術者試験の合格率は38.3%でした。1回で決めなければならない試験ではなく、現行制度では通年・随時で受験できます。年内に一度受けてみて、結果を見てから新シラバスで再挑戦するという順番も選べます。
現行シラバスでの受験を考えるなら、確認する場所は決まっています。IPA公式サイトの「2026年5月以降の試験実施について」のページで休止日を見て、申込サイトで会場の空き状況を見る。この2つだけです。制度の全体像を追いかける前に、自分が受けられる日付を知ってから決めればいいと思います。
よくある質問
現行シラバスで基本情報技術者試験を受けられるのはいつまでですか?
IPAは2026年12月28日以降、基本情報技術者試験(および情報セキュリティマネジメント試験、ITパスポート試験)のCBT実施を休止する予定としています。したがって現行シラバスで受験できる最後の機会は2026年12月27日です。ただし会場によってはそれより前に休止する場合があるため、希望する会場の開催日は申込サイトで確認が必要です。
新シラバスになると基本情報技術者試験は難しくなりますか?
IPAは基本情報技術者試験について「試験で問う知識・技能の範囲そのものに変更はない」と説明しており、予定されているのは科目Aの出題範囲体系の変更と科目Bの出題範囲の一部変更です。科目A(90分・60問)、科目B(100分・20問)の構成も維持される予定です。難化や範囲の激増を示す公表情報はありません。
2027年度の新制度では何が変わるのですか?
見直しの柱は5つで、データマネジメント試験(仮称)の新設、ITパスポート試験の出題構成変更、プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称・3区分)の新設、情報セキュリティマネジメント試験・基本情報技術者試験の一部変更、情報処理安全確保支援士試験の一部変更です。全試験区分をCBT方式に統一する方針も示され、応用情報技術者試験や高度試験は論述式が廃止され随時受験に移行する見込みです。
2027年1月以降に基本情報技術者試験は受けられますか?
2027年1月以降の実施について、IPAは2026年秋頃に案内する予定としており、2026年10月時点では再開時期は未定です。新制度での基本情報技術者試験は2027年度春頃の開始が予定されています。
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