エクセル関数を覚える順番、実務で使う20個を4段階で習得
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Excelには400以上の関数がありますが、実務で使うのは20個程度で足ります。覚える順番は「SUM・COUNTA・AVERAGE」→「IF」→「SUMIF・COUNTIF」→「VLOOKUP/XLOOKUP」の順が習得が速く、各段階で自分の手元にある表を題材に手を動かすのが最短ルートです。
Excelの関数は400以上あります。全部を眺めてから始めようとすると、たいてい最初の30分で力尽きます。
ただ、実務で使う関数は20個程度で足りるというのが、複数の解説で共通している見方です。しかもその20個には、先に覚えると後が楽になる順番があります。合計を出す関数を知らないまま条件付き合計に手を出すと、二段階分からないことが重なって止まってしまう——逆に言えば、順番どおりに進めば「前に覚えたものの応用」として次が入ってきます。
ここから、事務仕事で効く関数を6段階に分けて、それぞれ何を覚え、どんな表で練習すればいいかを並べます。
なぜ「順番」で覚えると速いのか?
関数には親子関係のようなものがあります。SUMが分かっていればSUMIFは「合計に条件が付いただけ」ですし、IFが分かっていればCOUNTIFの条件式はそのまま読めます。
逆の順で入ると、覚えることが一気に2つになります。SUMIFをいきなり見た人は、合計の仕組みと条件指定の書き方を同時に飲み込むことになり、式の中のどこが何をしているのか切り分けられません。我流でExcelを使ってきた人が「関数は苦手」と感じる原因の多くは、才能ではなく入った順番のほうにあります。
だから覚える順番は、単独で意味が分かるものから、それを部品として使うものへという一本の流れになります。
- 覚える対象は20個程度に絞る(400個は追わない)
- 1段階ごとに、自分の手元の表で必ず1回使う
- 使わないまま次に進まない(読んだだけの関数は残らない)
最初に覚える3つの関数は?
段階1:合計・個数・平均をセットで覚える
最初に押さえるのはSUM(合計)・COUNTA(個数)・AVERAGE(平均)の3つです。この組み合わせを最初のセットにするのは、多くの入門解説で共通している定番の始点です。
3つをまとめて覚える理由は、書き方がそっくりだからです。どれも「関数名(範囲)」という同じ形をしていて、範囲の指定さえ身につけば3つ同時に使えるようになります。1つ覚える労力で3つ手に入る、いちばん効率のいい入り口です。
| 関数 | 働き |
|---|---|
| SUM | 指定した範囲の数値を合計する |
| COUNTA | 空欄でないセルの個数を数える |
| AVERAGE | 指定した範囲の数値の平均を出す |
COUNTAは「数値だけでなく文字が入ったセルも数える」点がポイントです。名簿の人数や、提出済み欄の埋まり具合を数えるときに効きます。
練習題材:手元の一覧表を1枚使う
- 表を1つ用意する売上一覧でも名簿でも、20行くらいある実際の表が理想です。無ければ商品名・担当者・金額の3列を20行手入力します。
- 合計欄を作る金額列の下にSUMで合計を出します。
- 件数と平均を並べる同じ場所にCOUNTAで件数、AVERAGEで平均単価を出します。
- 行を1行足してみるデータを1行追加して、3つの数字が正しく変わるか確認します。範囲指定を間違えていると、ここで気づけます。
段階2:IFで「条件で結果を変える」を体に入れる
次はIF関数です。応用系の「◯◯IF」に進む前にIF単体を固めておくほうが習得が速い、というのが複数の解説で共通する順序です。
IFがやっているのは、条件を1つ書いて、当てはまるときの表示と当てはまらないときの表示を決める、それだけです。「80点以上なら合格、そうでなければ不合格」——この形が読めるようになると、後で出てくるSUMIFやCOUNTIFの条件部分が、まったく新しいものに見えなくなります。
記号は3種類覚えれば当面足ります。「以上(>=)」「以下(<=)」「等しい(=)」です。文字を条件にするときは前後をダブルクォーテーションで囲む、という約束もここで一緒に体験しておくと、次の段階でつまずきません。
練習題材:判定列を1列足す
段階1で使った表の右端に、判定用の列を1列足します。金額が一定額以上なら「重点」、それ以外は空欄——という具合に、自分の仕事で意味のある基準を条件にするのがコツです。意味のある基準で作ると、その式は練習で終わらず、そのまま業務で使い続けられます。
条件付きの集計と別表からの参照はどう進める?
段階3:SUMIF・COUNTIFで条件付き集計に進む
IFが入ったら、条件付きの集計に進みます。SUMIF(条件に合うものだけ合計)とCOUNTIF(条件に合うものだけ数える)です。COUNTIFとSUMIFは、IT系メディアが「必ず覚えておくべき関数」として挙げる14関数にも入っている定番です。
この段階で急に実務の役に立ち始めます。担当者別の売上、月別の件数、商品カテゴリごとの合計——事務仕事で聞かれる集計の多くは、この2つで答えが出ます。手作業でフィルタをかけて電卓を叩いていた作業が、式1本に置き換わります。
SUMIFは「どの範囲を見て条件判定するか」と「どの範囲を合計するか」を別々に指定します。同じ範囲を2回書くつもりでいると噛み合いません。条件を探す列と、足したい数字の列は別物——ここだけ意識して1回書ければ、以降は迷いません。
練習題材:担当者別・月別の集計表
- 集計欄を別の場所に作る元の表の右か下に、担当者名を縦に並べた小さな表を作ります。
- SUMIFで担当者別合計担当者名を条件に、金額列を合計します。
- COUNTIFで件数も並べる同じ条件で件数を数え、合計と件数を横に並べます。
- 元表を1行増やして検算する追加した1件が、正しい担当者の行だけに反映されるか確かめます。
段階4:VLOOKUP/XLOOKUPで別表からデータを引く
ここまで来たら検索・照合系に進みます。VLOOKUPと、その後継にあたるXLOOKUPです。学習ロードマップとしても、集計系の後に検索系を置く順序が一般的に紹介されています。
やっていることは単純で、商品コードから商品名を引く、社員番号から所属を引く、というように、別の表から対応する1件を持ってくる働きです。手作業でいえば、マスタ表を開いて目で探して転記する作業に当たります。事務仕事で最も時間を吸い取っていた工程がここに当たる人は多いはずです。
XLOOKUPが使える環境なら、そちらのほうが指定が素直で書きやすくなっています。ただし配布先のExcelのバージョンによっては動かないため、社内で共有するファイルではVLOOKUPで書いておくという判断も現役では普通にあります。両方の存在を知ったうえで、共有先に合わせて選ぶのが実務的です。
練習題材:単価マスタから単価を引く
商品名と単価だけの小さなマスタ表を別シートに作り、売上一覧の商品名から単価を引いてくる——これが定番の練習題材です。引いてきた単価に数量を掛ければ金額列も自動になり、転記作業が式に置き換わる感覚がはっきり分かります。
VLOOKUPとSUMIF、どちらを使えばいい?
段階5:1件を引くか、まとめて足すかで分ける
関数を単体で覚えた人が実務で最初にぶつかるのが、この使い分けです。やりたいことごとに担当する関数を並べると、こうなります。
| やりたいこと | 使う関数 |
|---|---|
| 該当する1件の情報を持ってくる | VLOOKUP/XLOOKUP |
| 該当するもの全部の金額を足す | SUMIF |
| 該当するものの件数を数える | COUNTIF |
上の表のとおり、VLOOKUPで合計は出せません。VLOOKUPは条件に一致する1件のデータを探して抜き出す関数なので、該当する行が複数あっても最初の1件しか返ってきません。複数条件に合うものを足したいときはSUMIFの出番——これは複数の解説記事で繰り返し注意点として挙げられている、典型的な誤解ポイントです。
実務では、VLOOKUP(またはXLOOKUP)で該当データを引き、SUMIFで条件付き合計を出す、という組み合わせが販売管理やデータ集計でよく使われるパターンです。1件を特定する仕事と、まとめて足す仕事は別の関数が担当する——この線引きが頭に入っていれば、「なぜか合計が合わない」の大半は起きなくなります。
段階6:あと数個を足して打ち止めにする
ここまでで、事務仕事の集計・転記のかなりの部分がカバーできます。残りは自分の業務に出てくるものだけを、必要になったタイミングで足していけば十分です。
候補になるのは、複数の条件を順番に判定するIFS、日付から年月を取り出す関数、文字列を切り出す関数あたりです。ただし「使う場面が思い浮かばない関数は覚えない」を徹底してください。使わない関数は必ず忘れますし、忘れた関数の数は自信を削るだけで、何の役にも立ちません。
- 1. SUM・COUNTA・AVERAGE(合計・個数・平均)
- 2. IF(条件で結果を変える)
- 3. SUMIF・COUNTIF(条件付きの集計)
- 4. VLOOKUP/XLOOKUP(別表から引く)
- 5. 使い分け(1件を引くか、まとめて足すか)
- 6. 業務で必要になったものだけ追加
どのくらいのペースで進めればいい?
時間の総量を決めるより、1段階につき「自分の表で1回使い切る」までを一区切りにするほうが現実的です。かかる時間は、扱う表の大きさや普段のExcelの触り方でかなり変わります。
まとまった時間が取れる状況なら、頭が繋がっているうちに段階4まで一気に走り抜けても構いません。一方、仕事の合間に進める場合は1日1段階までに区切るほうが確実です。段階を1つ終えるたびに実務で使う機会が挟まり、その使用そのものが復習になるからです。
特定の1つの作業だけを今すぐ自動化したい、という場合は順番を守る意味が薄くなります。その作業に必要な関数を直接調べて、それだけ覚えるほうが速いです。この6段階は「関数全般に苦手意識があり、土台から作り直したい人」向けの道筋です。また、扱うデータが数万行あってPCが重くなるような規模になると、関数よりもピボットテーブル(表のデータをドラッグ操作で集計する機能)やPower Query(複数の表を取り込んで整形・結合する機能)を覚えたほうが効率がいい局面が出てきます。
関数を3つ、実際の表で1回ずつ打つ——最初の一歩はこの分量がちょうどいいです。読んで理解した関数は数日で消えますが、自分の仕事の表で1回打った関数は残ります。今日の分は、手元の表を1枚開くところまでで完了です。
よくある質問
エクセルの関数は何個覚えれば実務で困りませんか?
20個程度で足りるという見方が複数の解説で共通しています。Excelには400以上の関数がありますが、事務職の集計・転記作業はSUM、COUNTA、AVERAGE、IF、SUMIF、COUNTIF、VLOOKUP/XLOOKUPを中心とした少数の関数でほぼカバーできます。
エクセル関数を覚える順番でいちばん最初は何ですか?
SUM(合計)、COUNTA(個数)、AVERAGE(平均)の3つをセットで覚えるのが定番の始点です。3つとも「関数名(範囲)」という同じ書き方なので、範囲指定を1回覚えれば3つ同時に使えるようになります。
VLOOKUPで合計を出すことはできますか?
できません。VLOOKUPは条件に一致する1件のデータを検索して抽出する関数のため、複数の該当行があっても最初の1件しか返しません。条件に合うものの合計を出したい場合はSUMIF関数を使います。
関数を覚えるとき、どのくらいのペースで進めればいいですか?
時間の総量で区切るのではなく、1段階につき「自分の手元の表で実際に1回使い切る」までを一区切りにするのが確実です。仕事の合間に進めるなら1日1段階に留めると、実務で使う機会がそのまま復習になります。
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