いろは堂まなび
← 戻る

英検一次試験の直前復習、優先順位は4つの順で決まる

2026年10月3日|いろは堂まなび編集部
室内の学習机で参考書を開きノートに書き込む男性1人

画像出典: パブリックドメイン(Wikimedia Commons)

この記事の要点
英検一次試験の前日は、新しい単語帳や未見の長文に手を出さないほうが得点は安定します。優先順位は「ライティングの型の最終確認 → 解いた過去問で間違えた語彙・文法 → リスニングの耳慣らし → 長文は時間配分の確認のみ」の順になります。CSEスコアは技能ごとに均等配分されるため、どれか一技能を捨てる作戦は成り立ちません。
😟
明日が本番。何から手をつければいいのか決められないまま、参考書を積んだまま夜になってしまった……

前日に手が止まるのは、勉強が足りないからではありません。残り時間が短いほど「どれも大事に見える」ため、優先順位をつける判断そのものが難しくなるからです。実際、前日に新しい単語帳を開いて数十語だけ覚え、そのぶん既習範囲の取りこぼしを放置してしまう——という時間の使い方は起こりがちです。

ここで渡すのは、社会人・学生どちらでも同じように使える順番です。前日に確保できる時間が2時間の人も、半日使える人も、着手する順番は変えなくて大丈夫。上から順に、時間が尽きたところで切り上げられる形に並べています。費用もかかりません(手元にある教材と過去問だけで完結します)。

なぜ前日に「新しい教材」を開くと損なのか?

英検の合否は、素点の合計ではなくCSEスコア(英検協会が算出する、技能ごとのスコア)で判定されます。しかもこのスコアは技能ごとに均等に配分される仕組みで、たとえば準1級ではリーディング・ライティング・リスニングがそれぞれ750点ずつ、合計2250点です。問題数が多い技能ほど配点が重い、という構造にはなっていません。

この均等配分がもたらす結論は一つです。「リーディングは問題数が多いから、ここだけ詰めよう」という前日の作戦は成り立ちません。どの技能も同じ重みで効くので、伸びしろがあって、かつ短時間で形になるところから順に触るのが合理的になります。

新しい教材が不利なのは、ここに噛み合わないからです。初見の単語帳や未見の長文は、覚える・解く・答え合わせをするまでに時間を使うのに、明日その語がそのまま出る保証がありません。いっぽう一度解いた過去問の間違いは、すでに自分が落としたと分かっている穴です。埋めれば素点がそのまま動きます。

前日の復習、優先順位はどの順番?

以下の4段は、複数の受験対策サイト・英語塾が共通して挙げている考え方を整理したものです。英検協会が公式に推奨する学習法ではありません(協会公式の「前日の勉強法」を解説した資料は公開されていません)。そのうえで、CSEスコアの均等配分という構造とは矛盾しない順番になっています。

  1. ライティングの型を最終確認する答案の骨格(主張 → 理由2つ → 結論)と、自分が過去に減点された書き方を見直します。準1級は2024年度から要約1題+意見論述1題の2題構成なので、要約のほうも字数と「自分の意見を混ぜない」点を確認しておきます。型の再確認は短時間で済み、しかも本番で毎回使うので、最初に置く価値があります。
  2. 解いた過去問・模試で間違えた語彙と文法を潰す新しい単語帳は開かず、答え合わせ済みのページだけを見返します。語句空所補充で落とした語、長文で意味を取り違えた語が中心です。ここは「覚え直し」ではなく「思い出せるかの確認」なので、1問に時間をかけません。
  3. リスニングは耳を慣らすだけにする一度聞いた音声を軽く流し直す程度にとどめます。目的は得点の上積みではなく、明日の朝に英語の音がいきなり始まる状態を避けること。新教材のスクリプトを精読し始めると、ここで時間が溶けます。
  4. 長文は時間配分の確認だけ新しい長文は解きません。やるのは「各大問に何分使うか」を数字で決めること。準1級なら筆記90分でライティング2題を含む構成、2級ならリーディング38問・リスニング30問・英作文1問という問題数を踏まえて、持ち時間を割り振ります。
この順番が合わないケースもあります

ライティングを一度も書いたことがない場合は、1段目が「型の確認」ではなく「1本書いてみる」になります。確認する型が手元にないからです。逆に、過去問を一度も解いていない人は2段目に材料がないので、過去問1回分の時間配分だけを確かめて早く寝るほうが現実的です。前日にできることは、積み上げたものの整え直しが中心で、ゼロからの積み増しには向きません。

自分が「あと何点」なのかはどう把握する?

前日に優先順位を決めるとき、目標までの距離が分かっていると判断が速くなります。一次試験の合格基準スコアは級ごとに公表されています。

級一次試験合格基準スコア満点
準1級1792点2250点
2級1520点2050点
準2級1322点1700点
3級1103点1400点

ESLクラブの公表データをもとに作成

上の表の基準スコアは協会が公表している値ですが、素点をCSEスコアへ換算する比率は公開されていません。つまり「あと何問正解すれば1520点」という計算は、受験者側ではできません。各予備校・英語塾の分析では素点の正答率でおおむね6〜7割が一次合格の目安とされていますが、これは協会の公式数値ではなく推計です。

なので前日の使い方としては、「過去問で6〜7割に届いていない技能はどれか」だけを見て、2段目の語彙・文法復習をその技能に寄せるのが現実的です。点数を予測しようとするより、落とした問題の偏りを見るほうが行動に変わります。

🤔
単語をあと何語か詰め込んだほうが、得点は上がるんじゃないかな

語彙量の目安は級ごとにありますが、前日に動かせる幅ではありません。準2級の合格に必要な語彙はおよそ2,600〜3,600語、頻出語彙でおよそ1,480語、2級はおよそ5,000語とされています(いずれも対策塾・予備校の分析による目安で、英検協会の公表値ではありません)。

この規模に対して、前日に新しく覚えられるのは数十語です。しかも出題されるかは分かりません。それなら同じ時間を、一度間違えて「意味を取り違えると設問も落とす」と確認済みの語に使ったほうが、当たる確率は高くなります。語彙の総量を増やす作業は、試験が終わって次の級に向かうときの仕事です。

当日の持ち物と到着時間は何を確認する?

前日の夜に勉強以外でやることは、ここだけです。忘れ物や遅刻は、復習で積んだ分をまるごと無効にしてしまいます。

前日に手元で揃えておくもの
  • 受験票(マイページからダウンロードし、A4サイズで印刷。スマートフォンの画面提示は不可)
  • 顔写真付きの身分証明書の原本(学生証・運転免許証・パスポート・マイナンバーカード・社員証など)
  • HBの黒鉛筆(シャープペンシルも可)と消しゴム
  • 腕時計(携帯電話での代用は不可)
  • 会場までの経路と、集合時間の30分前に着く電車の時刻

受験票の印刷は、前日の夜に気づくと詰みやすい項目です。自宅にプリンターがない場合はコンビニのプリントサービスを使うことになるので、営業時間のあるうちに確認しておきます。スマートフォンの画面では受験票として認められません。

会場へは公共交通機関で向かう必要があり、送迎を含めて車での来場は認められていません。集合時間の30分前に着く想定で経路を決めておくと、乗り換えを一本落としても間に合います。

試験が終わったあとの日程も先に知っておく

2026年度第2回の一次試験(本会場・従来型)は2026年10月4日の実施です。ウェブでの一次合否結果の発表は10月26日、成績表の必着日は11月4日。二次試験はA日程が11月8日、B日程が11月15日です。

この日付を前日に見ておく理由は一つあります。一次の自己採点に一喜一憂して、二次までの時間を空白にしないためです。一次の結果が出る10月26日から二次のA日程までは2週間ほどしかありません。明日の試験が終わったら、面接の形式を一度だけ見ておく——それくらいの構えで十分です。

今日できるのは、積み上げたものを取り出しやすい形に整えることだけです。新しい教材を開かなかったぶんの時間は、睡眠に回してかまいません。

よくある質問

英検一次試験の前日に新しい参考書を始めてもいいですか?

前日に新しい参考書や単語帳を始めるのは効率が良くありません。初見の教材は覚える・解く・答え合わせに時間がかかるうえ、その内容が出題される保証がないためです。すでに解いた過去問や模試で間違えた語彙・文法を見直すほうが、落とすと分かっている箇所を埋められるため得点につながりやすくなります。

英検の前日は、苦手な技能だけに絞って勉強してもいいですか?

一技能を捨てる作戦は成り立ちません。英検CSEスコアは技能ごとに均等配分される仕組みで、たとえば準1級はリーディング・ライティング・リスニングがそれぞれ750点ずつ(合計2250点)です。問題数の多い技能ほど配点が重いわけではないため、短時間で得点に直結する順(ライティングの型 → 間違えた語彙・文法 → リスニングの耳慣らし → 時間配分の確認)に触れるのが現実的です。

英検一次試験の合格ラインは何問正解すればいいのですか?

受験者側で問題数から合格ラインを計算することはできません。一次試験の合格基準スコアは準1級1792点(満点2250点)、2級1520点(満点2050点)、準2級1322点、3級1103点と公表されていますが、素点をCSEスコアに換算する比率は公開されていないためです。各予備校・英語塾の分析では素点の正答率でおおむね6〜7割が目安とされますが、これは英検協会の公式数値ではありません。

英検の一次試験に受験票のスマートフォン画面を持って行ってもいいですか?

スマートフォンの画面での提示は認められていません。受験票は受験者マイページからダウンロードし、A4サイズで印刷して持参する必要があります。あわせて顔写真付き身分証明書の原本(学生証・運転免許証・パスポート・マイナンバーカード・社員証など)、HBの黒鉛筆、消しゴム、腕時計(携帯電話での代用は不可)が必要です。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。