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読書週間に教養書を読む時間がない人の週75分の作り方

2026年10月18日|いろは堂まなび編集部
木製の机に開いた本と赤い表紙の本の束が置かれた室内の様子

画像出典: ぱくたそ (すしぱく)

この記事の要点
資格学習と教養読書を両立させる現実的な目安は、1日15分×週5日の週75分、またはスキマ時間10〜20分×週3〜4回の週30〜80分です。選書は「資格分野と地続き」「15分で区切れる薄さ」の2点を軸にすると、教材の勉強時間を削らずに続けられます。2026年の読書週間は10月27日から11月9日までの2週間です。
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参考書とテキストで机がいっぱい。教養書も読みたいけど、試験が終わってからかな……

資格の勉強をしていると、本棚の優先順位は自然とテキストと過去問で埋まります。教養書は「落ち着いたら読む」側に置かれ、そのまま年単位で動かない——これはかなり多くの人に起きていることです。

文化庁の「令和5年度 国語に関する世論調査」では、1か月に読む本の冊数を「読まない」と答えた人が62.6%で最多でした。読書量が「減っている」と答えた人は69.1%で、その理由の上位には「仕事や勉強が忙しくて読む時間がない」が挙がっています。つまり、教材で手一杯という感覚は例外ではなく多数派です。

そこでこの先は、資格学習の時間を削らずに教養書を読む枠を作る方法を、週あたりの数値と選書の基準に分けて整理します。社会人と学生で確保できる時間が違うので、目安はそれぞれに分けて書きます。

そもそも読書週間はいつ?何をする期間?

読書週間は1947年に始まった行事で、2026年は10月27日の「読書の日」から11月9日までの2週間です。2026年の標語は公益社団法人読書推進運動協議会が制定した「静かだけど、冒険中。」です。

特別な参加手続きがある行事ではありません。だからこそ、「2週間だけ試す期限付きの実験」として使うのに向いています。資格学習と並行して読書習慣を足せるかどうかは、やってみないと分かりません。10月27日から11月9日という区切りがあると、合わない時にやめる判断もしやすくなります。

資格学習と並行するなら週にどれくらいが現実的?

最初に結論から言うと、週1時間台です。多くの人がつまずくのは、読書時間を「まとまった1〜2時間」で考えてしまうところです。資格学習が入っている人の生活に、そのサイズの空き枠はほとんど残っていません。

学習法の解説では、集中力には15分・45分・90分という周期があり、高い集中力を保てる限界は15分程度という考え方が紹介されています(一次の学術研究ではなく、学習法の解説として広く紹介されている一般的な考え方です)。この15分を単位にすると、次のような目安が立ちます。

組み立て方1回の長さ週の回数週の合計
15分を1日1回15分週5日75分
スキマ時間に差し込む10〜20分週3〜4回30〜80分
休日にまとめる15分×4回週1日60分

上の表の3つは、どれを選んでもかまいません。資格学習におけるスキマ時間の代表例は通勤電車やバス、待ち合わせの空き時間、休憩時間で、1回あたり10〜20分程度が目安とされます。すでに教材をスキマ時間に入れている人は、そのうち週2〜3回を教養書に振り替えるだけで足ります。

60分を4分割して読む方が、60分続けて読むよりも「集中力の高い状態での読書時間」の合計は長くなる——という考え方も紹介されています。15分の読書では開始直後と終了直前に集中力が高まりやすく、短く区切ると山が増えるという説明です。細切れを妥協と考えなくてよい、という点だけ受け取っておけば十分です(効果の大きさには個人差があります)。

社会人の場合:平日の「移動1本分」を枠にする

社会人はまとまった時間を増やせない代わりに、書籍代の制約は比較的ゆるい立場です。枠は新しく作らず、すでに毎日発生している移動や休憩に紐づけます。片道の電車15分、昼休みの終わり10分といった既存の時間に乗せると、「今日やるかどうか」を毎回決める必要がなくなります。費用は新書1冊1,000円前後を月1冊、年間1万円強を上限に見ておけば、資格教材の予算を圧迫しません。

学生の場合:まず「0分の日」をなくす

学生は時間の自由度が高い一方、書籍費には上限があります。全国大学生活協同組合連合会の「学生生活実態調査」では、大学生の1日の平均読書時間(電子書籍を含む)は26.9分〜30分前後で推移してきました。ただし読書時間が「0分」の学生の割合は第49回調査(2014年2月公表時点)で40.5%、第53回調査で53.1%に達し、その後も45〜50%台で推移しています(調査年により変動)。一方で「0分ではない学生」に限った平均は51.1分/日という報告もあり、読む人と読まない人の二極化が指摘されています。

第61回調査(2025年発表分)では、学生の書籍費が2016年以降初めて月1,000円を下回ったことが報告されています。だからこそ学生は、買う冊数を増やす前に「0分の日を作らない」ほうを先に取りに行くのが効率的です。大学図書館・公共図書館で借りれば費用は0円、1日15分なら週75分です。これは平均値の26.9分〜30分には届きませんが、0分の側から抜けるには十分な量です。

教材と両立できる本はどう選ぶ?

時間の枠より先に行き詰まるのは、たいてい選書です。「せっかく読むなら名著を」と重い1冊を選び、3日で止まる——この流れを避けるための基準を4つ挙げます。

15分単位で続く本の条件
  • 資格分野と地続き:簿記なら会計史や企業の決算、ITなら技術史や情報社会論。前提知識が共有されていて読む速度が落ちない
  • 15分で切れる構造:新書・短編集・エッセイ集・章ごとに独立した本。章の途中で中断しても戻れる
  • 200ページ台まで:1日15分で15分あたり10ページ進むなら、3〜4週間で1冊読み終わる計算になる
  • 読み返し前提でない:書き込み・付箋・暗記が要る本は資格教材と同じ脳の使い方になり、休憩にならない

4つの中で最も効くのは1つ目です。資格分野と地続きの教養書は、教材で覚えた用語がそのまま出てくるので、読む負荷が下がるうえに教材側の理解も深まります。簿記の勘定科目を覚えている人が企業の決算書解説を読むと、丸暗記していた科目が実際の数字と結びつきます。遠回りに見えて、資格学習の側にも戻ってくる選び方です。

読む本が決まらない時の決め方

  1. 資格の教材の「はじめに」を見る参考文献や推薦図書が載っていれば、それが地続きの候補です
  2. 図書館で3冊借りる買わずに借りると、合わない本を手放す心理的な負担がなくなります
  3. 最初の15分を1冊目に使う15分読んで進まない感覚があれば2冊目へ。選び直しは失敗ではなく手順の一部です
  4. 残った1冊を枠に固定する2週間、同じ本を同じ時間帯に持ち込みます

読めない日が続いたらどう戻す?

試験が近づけば、教養読書が止まる週は必ず出ます。ここで「習慣が崩れた」と判断してやめてしまうのが、いちばん多い終わり方です。

戻し方は量を減らすことではなく、枠の時刻を変えずに1回の長さだけ短くすることです。15分が無理なら5分、5分が無理なら1ページ。時刻と場所が同じであれば、試験が終わったあとに15分へ戻すのは簡単です。逆に時刻ごと手放すと、再開時にまた枠探しからやり直しになります。

向いていないケースもあります

試験日まで1か月を切っていて、過去問の演習時間が足りていない時期は、教養読書を足すタイミングではありません。読書は何週間後に始めても価値が変わらない一方、試験日は動きません。この場合は「試験の翌週から2週間、1日15分」と再開日を決めて手帳に書き、いったん離れるのが正しい判断です。

また、ここで挙げた時間の目安はいずれも一般的な考え方や調査の平均値をもとにした目安で、読む速度や理解度には個人差があります。何分で何ページ進むかは、最初の1週間の自分の実測に置き換えてください。

2週間でどこまで進む?

読書週間の10月27日から11月9日までに1日15分×週5日を実行すると、2週間で150分です。15分で10ページ進む人なら100ページ、新書なら半分前後です。

この量を物足りないと感じるかどうかが、実は分かれ目になります。足りないと感じたなら、それは枠が機能している証拠で、週の回数を増やす段階に来ています。逆に150分の確保すら苦しかった場合は、本の選び方か時刻の置き場所が合っていません。2週間後に見直すのは意志ではなく、この2点です。

よくある質問

2026年の読書週間はいつですか?

2026年の読書週間は10月27日の「読書の日」から11月9日までの2週間です。1947年に始まった行事で、2026年の標語は公益社団法人読書推進運動協議会が制定した「静かだけど、冒険中。」です。

社会人はどのくらい本を読まなくなっているのですか?

文化庁「令和5年度 国語に関する世論調査」(2024年9月17日公表、2024年1〜3月に全国16歳以上6,000人を対象に実施、有効回収3,559人)では、1か月に読む本の冊数を「読まない」と答えた人が62.6%で最多でした。過去の調査と比べて「読まない」が約15ポイント増えています。ただし調査主体や設問設計により数値には幅があり、社会人の約6割が月1冊以上読むとする別の調査結果もあります。

資格学習と並行する場合、週にどのくらい読書時間を取ればよいですか?

1日15分×週5日で週75分、またはスキマ時間10〜20分×週3〜4回で週30〜80分が、資格学習の時間を削らずに確保しやすい目安です。資格学習でスキマ時間として使われる通勤電車・待ち合わせ・休憩時間は1回10〜20分程度が目安とされており、そのうち数回を教養書に振り替える形で組めます。到達を保証するものではなく、読む速度には個人差があります。

資格の勉強中に読む教養書はどう選べばよいですか?

資格分野と地続きのテーマ(簿記なら会計史や決算書、ITなら技術史や情報社会論)で、新書や短編集のように15分で区切れる構造の、200ページ台までの本が続けやすいです。用語の前提が共有されているため読む速度が落ちにくく、資格教材側の理解にもつながります。書き込みや暗記が必要な本は教材と同じ負荷になるため、並行する1冊には向きません。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。