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食品ロス削減月間、冷蔵庫の使い切りで浮く食費の目安

2026年10月14日|いろは堂くらし編集部
木目調の棚と水色の冷蔵庫が並ぶ、人のいない室内キッチンの様子

画像出典: ぱくたそ (PAKUTASO)

この記事の要点
10月は農林水産省などが啓発する「食品ロス削減月間」で、10月30日は「食品ロス削減の日」です。冷蔵庫は収納量7割を目安に、期限が近いものを手前へ置く「先入れ先出し」にすると、買ったのに忘れて捨てる分が減ります。浮く食費は、公的推計の損失額(1人年約6,000円相当)を下限、暮らし系メディアの体感値(月5,000〜10,000円)を上限寄りとして、月2,000〜10,000円程度のレンジが目安です。
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奥から未開封の豆腐が出てきました……賞味期限、3日前。

買ったことを忘れていた食材が期限切れで出てくるのは、だらしないからではありません。共働きだと買い物のタイミングがまとまりがちで、冷蔵庫の中身を把握する時間のほうが先に無くなります。

埼玉県が公開している事例集では、冷蔵庫の食材整理をした人のうち約8割が「期限切れの食材」を見つけた経験があるとされています。使い切れない理由も「まとめ買いをするから」「冷蔵庫にあることを忘れて再度買ってしまうから」などが、それぞれ約3割ずつ。つまり、原因は意志ではなく庫内の置き方と買い物の手順のほうにあります。

10月は「食品ロス削減月間」。きっかけとして使うにはちょうどいい時期なので、今日の帰宅後30分でできるところから並べます。

食品ロス削減月間とは?いつ何がある?

10月は食品ロス削減月間で、10月30日が食品ロス削減の日です。農林水産省が消費者庁・環境省と連携して集中的に啓発を行う期間で、10月30日には東京都千代田区で「食品ロス削減全国大会」が開かれ、「食品産業もったいない大賞」の表彰があります。

家庭向けの呼びかけとしては、小売店で手前の商品から取る「てまえどり」、外食店での「食べきり」が中心です。食品ロス削減月間アンバサダーにはお笑いトリオ「ロバート」の馬場裕之氏が起用され、啓発ポスターが作られています(啓発資材は消費者庁サイトから使用申請できます)。

「てまえどり」は店の棚の話ですが、同じ考え方を自宅の冷蔵庫に持ち込むのが、この後の先入れ先出しです。期限が近いものから先に手に取る、という一点だけ揃っています。

家庭の食品ロスは、どこで出ているのか?

2023年度の食品ロス推計量は464万トンで、推計開始以来の最小値を更新しました。国民1人当たりでは年間約37kgを廃棄している計算になります。このうち家庭から出ている分が233万トンです。

区分量(万トン)割合説明
直接廃棄10043%未開封のまま期限切れ等で食べずに捨てること
食べ残し9741%調理・提供されたが食べ切れずに捨てられた分
過剰除去3616%野菜の皮を厚くむきすぎるなど、食べられる部分を捨てること

神戸市(農林水産省・環境省・消費者庁の推計データに基づく)の公表データをもとに作成

上の表で一番大きいのは、未開封のまま捨てる直接廃棄の100万トン・43%です。料理の失敗でも食べ過ぎの残りでもなく、「買ったのに登場しなかった食材」が家庭ロスの最大区分ということになります。

ここが大きいのは、裏を返せば手を打ちやすいという意味でもあります。献立の腕を上げる話ではなく、冷蔵庫を開けたときに何が見えるかの問題だからです。

先入れ先出しの冷蔵庫、どう作る?

先入れ先出しは、期限が近いもの・先に買ったものを手前に置き、そこから優先して使う収納ルールです。意識するだけで廃棄量が大きく減るとされています。難しいのは仕組みより最初の1回なので、順番を決めて片づけます。

  1. 全部出す(10分)冷蔵室の中身をテーブルに出します。この時点で期限切れが出てきますが、それが今回の成果なので気にしないでください。
  2. 7割に減らす(5分)戻すのは庫内の7割程度まで。詰め込みすぎると冷気の通り道がなくなって庫内温度が不均一になり、食材が傷みやすくなるほか電気代も余計にかかります。入り切らない分は冷凍室へ回します。
  3. 期限表示を上に向けて戻す(10分)パッケージの期限表示を上向き=手前に引けば一目で見える向きにして戻します。向きを揃えるだけで、在庫確認が「探す」から「見る」に変わります。
  4. 手前1列を「今週使う」枠にする(5分)期限が近いものだけを手前の1列に集め、ここから使います。買い物から帰ったら、新しいものは必ず奥へ。これが先入れ先出しの維持動作です。
  5. 残り物は透明容器に(随時)使いかけ食材や残り物は透明な保存容器へ。重ねても横から中身が見えるので、奥で忘れられることがなくなります。

どこに何を置くかの配置図

冷蔵室を正面から見て、手前と奥で役割を分けます。段ごとに置く中身を決めた図が下です。

段(上から)手前の列(先に使う)奥の列(買ってきたもの)空けておく余白
1段目残り物の透明容器(横から中身が見える向き)予備の透明容器を重ねて置く段の奥上に3割
2段目期限3日以内の食材(期限表示を上向き)同じ食材の新しい分(期限表示を上向き)段の奥上に3割
3段目開封済みの調味料・使いかけ食材未開封の調味料・ストック段の奥上に3割
ドアポケット飲みかけの飲料未開封の飲料1本ぶん

上の配置図で揃えているのは、どの段でも手前=先に使う/奥=後から来たものという向きです。段ごとに中身は違っても、取り出す手の動きは同じになります。奥上に3割の余白を残すのが、収納量7割の目安を保つ具体的な形です。

維持できているかの目印
  • 冷蔵室に見えない奥行きがない(手前を動かさずに全部見える)
  • 手前1列に入っているものが、3日以内に消えている
  • 買い物前に冷蔵庫を1回開けている
  • 同じ食材が2つ以上ダブっていない
🤔
毎週これをやる自信はないです。

全部出すのは最初の1回だけで足りて、以降は手前1列を見るだけです。むしろ週末にまとめて整理する運用にすると、整理するまで中身が分からない期間が生まれます。手前に寄せる動作を買い物から帰ったタイミングに結びつけてしまうほうが続きます。

使い切りレシピはどう組む?

使い切りは、レシピを増やす方向より「余りを受け止める器を1つ決めておく」方向のほうが楽です。手前1列に残ったものを、曜日ごとに決めた同じ料理へ流し込みます。

  1. 水曜=汁物の日しなびかけた葉物・きのこ・豆腐・半端な肉を、味噌汁かスープに集約。切り方が揃っていなくても成立します。
  2. 木曜=炒めの日中途半端な野菜と残った肉を1皿へ。味付けを1種類に固定しておくと迷いません。
  3. 金曜=粉物の日野菜の端切れは、ホットケーキミックスに混ぜ込んで一品にする活用法がよく紹介されています。使いかけ野菜の消費先として覚えておくと、冷蔵庫の底が見えます。
  4. 土曜=買い物前の空っぽ確認手前1列を空にしてから買い物へ。ここで残ったものが、翌週に持ち越すリストになります。

レシピそのものを探したいときは、大阪府が食品ロス削減のために使い切りレシピ集を公式サイトで公開しています。野菜の皮やへた、余り食材を活用するレシピが載っているので、過剰除去(食べられる部分を捨てること)を減らす側にも効きます。

向いていないケースもあります

食材を使い切れない理由には「ちょうど良い量が売っていなくて使い切れないから」も約3割含まれます。1〜2人暮らしで業務用サイズしか選べない食材は、収納を工夫しても余ります。この場合は買う量を変えるか、買った日に小分け冷凍する側で手を打つほうが現実的です。皮やへたの活用も、下処理の手間が増えるぶん、平日の夜にまで広げると続きません。

浮く食費はいくらが目安?

金額は、性質の違う2つの数字を上下の幅として持っておくのが安全です。

下限は公的な推計から出ます。神戸市の推計では、1人当たり年間約6,000円相当の食品を消費せず廃棄しているとされ、4人家族なら年間約24,000円相当=月2,000円相当です。全国では食品ロスによる経済損失が年間約4兆円、国民1人当たり換算で年3万1,814円相当とされています(これは家庭だけでなく事業系も含む全体の数字です)。

上限寄りは、家計・暮らし系メディアで紹介されている体感値で、冷蔵庫の中身の見直しによって月5,000〜10,000円程度の節約が可能という目安が示されています。公的統計ではなくメディア側の推計なので、そのまま期待値にはできません。

両者を合わせると、月あたり2,000〜10,000円程度が現実的なレンジです。世帯人数が多いほど上に寄り、1人暮らしなら下限側に寄ります。2人世帯で「冷蔵庫見直しで月いくら浮く」という一次統計は見当たらないため、断定できる数字ではありません。

自分の家の数字を知りたい場合は、最初の1回で出てきた期限切れ食材のレシートの値段を足してみてください。その月の廃棄額が、そのまま削れる上限です。

続けるために何を記録する?

記録は1つだけで足ります。捨てた食材の名前を冷蔵庫の扉にメモすること。金額も日付も要りません。

同じ食材が2回並んだら、それは買い方を変える対象です。もやしが2回出たら買う頻度を半分にする、牛乳が2回出たら小さいパックに替える。先入れ先出しは庫内の順番を直す仕組みですが、このメモは買う量そのものを直します。直接廃棄が家庭ロスの43%を占めている以上、効くのは結局この二段構えです。

よくある質問

食品ロス削減月間はいつですか?

毎年10月が食品ロス削減月間で、10月30日が食品ロス削減の日です。農林水産省が消費者庁・環境省と連携して集中的に啓発を行い、10月30日には東京都千代田区で食品ロス削減全国大会が開催され、「食品産業もったいない大賞」の表彰が行われます。

冷蔵庫の「先入れ先出し」とは何ですか?

期限が近いもの・先に買ったものを手前に置き、そこから優先的に使う収納ルールです。パッケージの期限表示を上向き(手前に引けば一目で見える向き)にして戻し、買い物から帰ったら新しいものを奥へ入れることで維持できます。これを意識するだけで廃棄量が大きく減るとされています。

家庭の食品ロスで一番多いのは何ですか?

2023年度の家庭系食品ロス233万トンのうち、未開封のまま期限切れ等で捨てる「直接廃棄」が100万トン・43%で最大です。次に「食べ残し」97万トン・41%、「過剰除去」36万トン・16%と続きます(神戸市が農林水産省・環境省・消費者庁の推計データに基づき公表)。

冷蔵庫の中身を見直すと食費はいくら浮きますか?

月2,000〜10,000円程度がひとつの目安です。下限は神戸市の推計(1人当たり年間約6,000円相当、4人家族で年約24,000円相当=月2,000円相当)、上限寄りは家計・暮らし系メディアが紹介する月5,000〜10,000円という体感値です。後者は公的統計ではなくメディア側の推計で、世帯人数や元の買い方によって変わります。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。