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値上げ対策の買い物、総額が下がる3つの工夫

2026年7月2日|いろは堂くらし編集部
日本のスーパーマーケット店内、パン・洋菓子売り場の様子

画像出典: 写真: chia ying Yang from Taichung,Taiwan 台灣 台中, Taiwan(CC BY 2.0 / Wikimedia Commons)

この記事の要点
値上げ局面の食費は、節約の根性より「買い方の設計」で決まります。買う店を2〜3か所に分散し、PB(小売が自社ブランドで出す商品)と冷凍を軸に据え、卵や肉は豆腐・納豆など近い栄養の食材へ部分的に置き換えます。この3つを回すだけで、我慢の量を増やさずに1回の買い物の総額が下がります。
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同じものをカゴに入れてるだけなのに、レジの金額だけ毎月上がっていくんですけど…

金額が上がっているのは、買い方が下手になったからではありません。帝国データバンクの調査では、2026年7月の1か月だけで飲食料品2,566品目が値上げされ、月平均の値上げ率は約11%でした。内訳は加工食品1,084品目、パン製品1,078品目。つまり、毎週カゴに入るような日常品ほど直撃しています。

この規模になると、「安いものを探す」だけでは追いつきません。効くのは、買う場所・買う形・買う中身という3つのつまみを少しずつ回すことです。1つで劇的に下がるものはありませんが、重ねると1回の買い物の総額が静かに落ちます。順番に見ていきます。

そもそも、いま何がどれくらい上がっているの?

体感を数字と合わせておくと、対策を選びやすくなります。帝国データバンクの集計では、2026年通年の値上げは約2万品目ペースで推移する見通しで、前年(2025年見込み2万609品目)を上回る可能性があるとされています。2022年以降、5年連続で年間1万品目超えという状況です。

要因も一時的なものではありません。中東情勢の悪化による原油高が値上げ理由全体の24.7%を占め、包装資材費は前年同月比で10.5ポイント上昇しています。中身より先に、運ぶ・包む・作るコストが上がっているので、特定の商品を避ければ済む話ではないのです。

個別の品目では、卵が2026年3月時点で地域により330〜380円と高値圏が続いています。2026年後半から2027年にかけて緩やかに下がる見込みという予測はあるものの、鳥インフルエンザの流行で卵が品薄になり価格が急騰した、いわゆるエッグショックの前の水準までは戻りにくいとみられています。小麦粉も2026年5月時点で1袋の平均348円。ほかに酒類・飲料、調味料、菓子類の値上がりが目立ちます。要するに、毎日買うものほど上がっているということです。

工夫1:買う店はどう分散すればいい?

いちばん効くのに、いちばん手をつけていない人が多いのがこれです。1軒ですべてをそろえると、その店が苦手な分野の価格をそのまま受け入れることになります。店ごとに強いカテゴリがはっきり違うので、そこだけ拾いに行きます。

店ごとの得意分野(分散の目安)
  • 業務スーパー:調味料・乾物・缶詰・冷凍食品。広告費を抑え自社生産している分、5kgパスタや冷凍野菜が極端に安い。1kg単位の冷凍品が強い。会員費は不要
  • コストコ:肉・日用品の大容量パック。単価は下がるが年会費が必要なので、使う頻度と量が合う人向け
  • 総合スーパー:イオン感謝デー(20日・30日)などの割引日にまとめる
  • ドラッグストア:特売日・ポイントデーに飲料や日用品を寄せる

おすすめは、コストコで肉と日用品、業務スーパーで冷凍食品・調味料・缶詰を補完するという併用です。ただし全部を回ると時間と交通費で相殺されます。分散は「週1軒+月1軒」くらいが現実的です。普段は近所のスーパー、月に一度だけ大容量の店、という形です。

向いていないケースもあります

車がない、冷凍庫が小さい、単身で消費量が少ない場合、大容量店の併用は逆効果になりがちです。1kgの冷凍野菜を使い切れずに捨てるなら、割高でも近所で少量を買うほうが安く済みます。冷凍庫の空きスペースを先に確認してから決めてください。

工夫2:PBはどう試せば失敗しない?

PB(プライベートブランド)は、小売チェーンが自社ブランドとして企画・販売する商品のことです。広告費や流通の手間が抑えられている分、同じカテゴリのメーカー品(ナショナルブランド)より割安な傾向があります。

PB食品の市場は主要小売の売上で2024年度に約1.1兆円規模まで拡大しており、物価高が進むほど受け皿として伸びています。すでに多くの人が移っている、というのがいまの状況です。

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でも味が落ちたら結局買い直しになりません?

買い直しは、全部を一度に切り替えたときに起きます。現実的なのは「毎回の買い物で1品だけPBを試す」という枠を作ることです。合格ならその品目は今後PB固定、だめならメーカー品に戻すだけ。判定が1品ずつなので家族の反発も出にくく、数か月でカゴの中身が自然に入れ替わります。

  1. 失敗しても痛くない品目からまず調味料・乾物・缶詰・冷凍野菜など、味の個性が出にくいものでPBを試す
  2. 1回1品に絞る同時に複数替えると、何が合わなかったのか分からなくなる
  3. 合格品はリスト化スマホのメモに「PBでいい物リスト」を作り、次から迷わず手に取れるようにする
  4. 好みが強い物は無理に替えないコーヒー、マヨネーズなど嗜好が出る品はメーカー品のままでよい

工夫3:冷凍はなぜ防衛策になるの?

冷凍食品自体も、2025〜2026年にかけて主要メーカーが2〜34%の値上げを実施しています。原材料費に加えて物流費・人件費が乗っているためです。それでも冷凍が防衛策になるのは、賞味期限が長く「安い日に買う」という選択が取れるからです。生鮮はその日の値段で買うしかありませんが、冷凍は買う日をこちらが選べます。

冷凍を軸にする3つの動き
  • 価格追跡アプリで値下がりアラートを設定し、下がったタイミングで買う
  • スーパーの特売日・セールに合わせてまとめ買いする(期限が長いので在庫にできる)
  • 業務スーパーやコストコの大容量パックを使い、単価を落とす

実践例として、月1回だけ肉・魚を約8,000円分まとめ買いして小分け冷凍し、週1回の買い物を1,000円以内に抑えることで年間約18万円の節約につなげた、という個人の体験談が紹介されています。あくまで一人の体験なので金額はそのまま当てはまりませんが、「買う回数を減らし、1回あたりを大きくする」という設計そのものは真似できます。食費節約の基本として1週間分のまとめ買いが有効とされるのも、買い物回数が減るほど無駄買いの機会が減るからです。

小分けは買ってきた日にやり切るのがコツです。1回分ずつラップで包んで平らにし、冷凍用袋にまとめて日付を書く。ここを翌日に回すと、結局そのまま塊で凍って使いづらくなります。

工夫4:値上がりが激しい食材は何に置き換える?

卵が330〜380円という水準だと、これまでどおりの使い方は財布に響きます。ここで効くのが代替食材です。全面的にやめるのではなく、「あってもなくても成立する用途」だけ入れ替えます。

置き換え元置き換え先価格の目安
卵(タンパク源として)豆腐1丁 50〜80円
卵(タンパク源として)納豆3パック 80〜100円
大豆ミート
生クリーム豆乳

くらしコストラボおよびセゾンのくらし大研究の掲載情報をもとに作成

上の表のうち、豆腐と納豆は卵と同じくタンパク質が豊富で、しかも1食あたりの単価がはっきり低い。おからやチーズも卵高騰下で代用タンパク質として注目されています。肉を大豆ミートへ、生クリームを豆乳へ置き換える考え方も同じ線上にあり、価格が上がった素材ほど「近い役割の安い素材」が用意されていると考えると探しやすくなります。カレーやそぼろのようにひき肉が細かくなる料理は大豆ミートに替えやすく、シチューやコーヒーに使う生クリームは豆乳でも成立します。

置き換えの線引きはシンプルです。目玉焼きやオムライスのように卵が主役の料理はそのまま残し、「タンパク質を足したいだけ」の場面を豆腐・納豆に回します。朝の一品、味噌汁の具、丼の付け合わせ。ここだけ替えても、食卓の満足度はほとんど変わりません。肉や生クリームも同じで、ステーキや誕生日のケーキまで置き換えると不満が出ます。逆に主役の料理まで取り上げると、外食が増えて総額が上がることがあります。

工夫5:週の買い物を「1回の本番+補充」に組み替える

ここまでの工夫は、買い物の回数が多いと効きません。行くたびに目に入った値引き品を拾ってしまい、分散もPBも冷凍も設計として機能しなくなるからです。

  1. 本番を週1回に決める1週間分の主菜・冷凍・PB試し1品をここでまとめて買う
  2. 補充は生鮮だけ途中で行く日は、牛乳・野菜など足りないものだけを買うと決めてから家を出る
  3. 月1回の大容量デー肉・日用品・大袋の冷凍はここに寄せ、小分けまでその日に終わらせる
  4. 買う前に冷凍庫を開ける在庫を見ずに出かけると、同じものが二重に増える
全部やろうとしないほうがうまくいきます

店の分散、PBの入れ替え、冷凍の小分け、代替食材。これを同じ週に始めると、たいてい2週間で疲れて元に戻ります。まずは「週1回のまとめ買い」と「毎回PBを1品試す」の2つだけを1か月続けてください。この2つは手間がほぼ増えないのに、カゴの中身が変わっていきます。分散と小分け冷凍は、それが習慣になってからで十分間に合います。

結局、何から始めればいい?

値上げは一時的な波ではなく、原油高と資材費という土台の部分で起きています。だからこそ、単発の我慢ではなく買い方の型を持っているかどうかで差がつきます。

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とりあえず今週の買い物から、PB1品だけ試してみます。

PBを1品だけ試すのは、いちばん軽くて、いちばん続く一歩です。合格したPBが5品たまるころには、同じ献立のまま総額が下がっているはずです。数字を先に眺めて気が重くなるより、次にレジへ持っていくカゴの中身を1つ変えるほうが早く効きます。

よくある質問

2026年の食品値上げはどれくらいの規模ですか?

帝国データバンクの集計では、2026年7月の1か月だけで飲食料品2,566品目が値上げされ、月平均の値上げ率は約11%でした。2026年通年では約2万品目ペースで推移する見通しで、前年(2025年見込み2万609品目)を上回る可能性があります。2022年以降5年連続で年間1万品目超えとなる見込みです。

卵の価格は今後下がりますか?

卵は2026年3月時点で地域により330〜380円と高値圏が続いています。2026年後半から2027年にかけて緩やかに下がる見込みという予測はありますが、鳥インフルエンザの流行で卵が品薄になり価格が急騰した、いわゆるエッグショックの前の水準までは戻りにくいとみられています。タンパク源としての用途は豆腐(1丁50〜80円)や納豆(3パック80〜100円)へ部分的に置き換えるのが現実的です。

業務スーパーとコストコはどちらを使うべきですか?

得意分野が違うため、併用が有効です。業務スーパーは調味料・乾物・缶詰・冷凍食品に強く、自社生産と広告費削減により5kgパスタや冷凍野菜が特に安く、会員費も不要です。コストコは肉や日用品の大容量パックで単価が下がりますが年会費が必要です。コストコで肉・日用品、業務スーパーで冷凍・調味料・缶詰を補う形が使いやすい組み合わせです。

冷凍食品も値上げしているのに節約になりますか?

冷凍食品も2025〜2026年にかけて主要メーカーが2〜34%の値上げを実施しています。それでも有利なのは賞味期限が長く、買うタイミングを自分で選べるためです。価格追跡アプリの値下がりアラート、特売日に合わせたまとめ買い、大容量パックの活用を組み合わせると、生鮮をその日の価格で買い続けるより単価を下げやすくなります。

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