網戸を閉めても蚊が入る家の共通点3つ
画像出典: パブリックドメイン(Wikimedia Commons)
家に入り込む蚊の主な経路は、網戸まわりの隙間・玄関の開閉・ベランダや窓の近くからの持ち込みの3つです。とくに窓を半分開けて網戸だけを閉めた状態は、窓枠と網戸枠がずれて隙間ができやすく、網が破れていなくても蚊が通ります。網戸を外側の窓枠に完全に重ねる、ベランダの受け皿の水を捨てる、この2つだけでも家の中の蚊はかなり減ります。
「網戸を閉めているのに蚊が入る」家は、たいてい網が破れていません。破れていないのに入るからこそ、原因が見つからないまま毎晩刺されることになります。
蚊が家に入る経路は、じつはそれほど多くありません。網戸まわり、玄関、そして人や洗濯物にくっついての持ち込み。エアコンの配管を通した穴のすき間から入ることもあります。逆に言えば、この数か所を順番に潰していけば、家の中で蚊を見る回数は目に見えて減ります。
正直なところ、殺虫剤を買い足すより先にやることがあります。まずは網戸の「閉め方」を一度だけ見直すところから始めましょう。ここが一番よく見落とされていて、しかもお金がかかりません。
網戸を閉めているのに蚊が入るのはなぜ?
原因は、網ではなく枠の位置関係にあることがほとんどです。
引き違い窓(左右にスライドする一般的な窓)を思い浮かべてください。窓を半分だけ開けて風を入れるとき、多くの人は網戸を「なんとなく反対側」に寄せます。このとき、網戸の枠と、開けたガラス戸の枠がぴったり重なっていないと、その間に縦一本のすき間ができます。網は無傷でも、この一本道から蚊は素通りします。
同じ「網戸を閉めた状態」に見えても、枠が重なっているかどうかで結果が変わります。窓を開けた側と反対に網戸を寄せると、ガラスのない側にも網戸のない縦一本の通り道が残り、そこが蚊の入口になります。網戸は「閉める」ものではなく「重ねる」ものと覚えておくと、迷いません。
引き違い窓を正面から見た図。網戸とガラス戸の重なり方の違い。
上の図の左のように、網戸の枠を「開けたガラス戸と同じ側」へ突き当てるのが正解の位置です。手順にすると3つだけです。
- 窓をどちら側に開けるか決める風を入れたい側のガラス戸を開けます。左右どちらでも構いません。
- 網戸を開けた側いっぱいまで寄せる網戸の枠を、外側の窓枠(サッシの縦枠)にぴたりと突き当てます。カタカタ動く遊びがなくなる位置が正解です。
- 内側から光のすき間を確認する昼間、室内側から枠のつなぎ目を見て、細い光の線が見えたらまだずれています。数センチ動かして光が消える位置を探します。
| 窓を開ける側 | 網戸を寄せる位置(すき間なし) | やりがちな位置(すき間あり) |
|---|---|---|
| 右のガラス戸を開ける | 網戸も右いっぱい(右の窓枠に重ねる) | 網戸を左に寄せる |
| 左のガラス戸を開ける | 網戸も左いっぱい(左の窓枠に重ねる) | 網戸を右に寄せる |
上の表のとおり、正解は「開けたガラス戸と同じ側へ網戸を寄せる」の一点だけです。逆側に寄せた右列の状態が、枠と枠の間に縦のすき間を作ります。この3ステップは1か所あたり10秒ほどなので、寝室とリビングの窓だけでも試してみてください。
逆側に寄せる癖がついている家はとても多いです。窓を開ける向きを固定してしまうと、家族全員が同じ位置で閉められるので確実になります。「この窓は右を開ける」と決めるだけでいいので、家族に一度共有しておくと定着します。
網の目の細かさは足りている?
網戸そのものが古い場合は、別の入口ができていることがあります。網戸は一般的に5〜6年で劣化し、網を枠に押さえているゴムパッキンが緩むと、網目の縁に隙間ができてそこから蚊が入ります。網に穴がなくても、縁のゴムが浮いていないかを一度見ておいてください。より細かい網目に薬剤成分を併用した機能性網戸に替える方法もありますが、まずは今ある網戸のゴムの浮きと閉め方の確認が先です。
- 網戸の枠と外側の窓枠がぴたりと重なっているか
- 網に穴・ほつれ、ゴム(押さえゴム)の浮きがないか
- 網戸の下側とレールの間に指が入るすき間がないか
- エアコンの配管を通した壁の穴が、パテでふさがれているか
網戸の閉まり具合が悪いときは、サッシのレールにたまったゴミや砂ぼこりが原因のこともあります。窓を滑らせる戸車の動きが悪くなり、建て付けがずれて隙間ができるためです。レールを掃除するだけで閉まりが改善する場合があるので、張り替えを考える前に試してみてください。
最後のエアコンの配管穴は、意外な侵入口です。配管を通した後の穴が粘土状のパテでふさがれていないと、そこが屋外への直通路になります。エアコン用パテはホームセンターで手に入る消耗品で、指で押し込むだけで埋まります。室外機側・室内側の両方を確認してください。
玄関やベランダからの侵入はどう防ぐ?
玄関は、どれだけ気をつけても開閉のたびに数秒は開きます。ここは「入れない」より「入りたくなる状況を作らない」方向で考えるほうが現実的です。
蚊はドアの前でじっと待っているわけではなく、ドア周辺の日陰や植え込み、たまり水のそばに潜んでいます。そこから人の動きに合わせて舞い上がり、開いたドアの流れに乗って入ります。だからドアの前の環境を変えると、入る数そのものが減ります。
- ドア前の傘立て・植木鉢の受け皿に水を残さない
- 玄関まわりの雑草を刈って風通しを良くする(蚊は茂みで休むため)
- 荷物の出し入れでドアを開けっぱなしにしない(一度閉めてから運ぶ)
- 吊り下げ式・据え置き式の玄関用虫よけプレートを設置する(有効期間は製品表示を確認)
- 玄関用の蚊よけスプレーを扉付近に常備し、出入りの前後で使う
- 帰宅時、玄関前で服や荷物を軽く払ってから入る
ベランダはもっと直接的です。蚊はスプーン1杯ほどのごくわずかな溜め水でも卵を産み、そこで幼虫(ボウフラ)が育ちます。プランターの受け皿、空き瓶、バケツ、雨どいの詰まり。厚生労働省の周知でも、幼虫対策として週に1回程度、家の周囲の溜まり水をなくすことが具体的な目安として挙げられています。
効果の理屈は単純で、家のすぐそばで蚊が増えなくなれば、窓や玄関に来る蚊の絶対数が減るからです。近所から飛んでくる分はゼロにできませんが、自宅産の蚊は自分の手で止められます。気温25℃前後だと卵から成虫まで約10〜14日で育つので、週1回のペースなら羽化する前に断ち切れます。
- ベランダの容器を全部ひっくり返す受け皿・バケツ・じょうろ・空きプランターを伏せて置きます。週1回、水やりのついででかまいません。
- 雨どいと排水口の落ち葉を取る詰まって水が残ると、そこが発生源になります。
- どうしても水を溜める容器はフタか網をかける非常用の水やメダカの容器などは、産卵させない工夫を。
集合住宅では、隣家や共用部、近所の側溝が発生源になっていることもあります。自宅のベランダを完全に片づけても蚊が減らない場合、原因は敷地の外です。その場合は屋内での対策(網戸の見直し、寝室での蚊取り製品の併用)に切り替えるほうが、労力に対して効果が出ます。共用部の水たまりが明らかなら、管理会社に伝えると対応してもらえることがあります。
洗濯物や人にくっついて入ることもある?
あります。蚊は網戸のすき間だけでなく、取り込む洗濯物、帰宅した人の身体や服、宅配の荷物に付いて室内へ運ばれます。夕方に洗濯物を取り込んだ直後から蚊が飛び始めるなら、この経路を疑ってください。
対策はごく簡単で、取り込む前にベランダで一度、大きく振って払うだけです。とくに黒っぽい服や、ベランダの奥・日陰側に干していたものは念入りに。帰宅時も同じで、玄関の外で肩や背中を軽く払う習慣をつけると、持ち込みは減ります。
蚊の種類によって活動時間が違います。刺してくる相手が昼と夜で別なので、活動の違いを並べておきます。
| 比べる点 | ヤブ蚊(ヒトスジシマカ) | アカイエカなどのイエカ |
|---|---|---|
| 主に吸血する時間 | 日中(昼行性) | 夜(夜行性) |
| よくいる場所 | 公園・草地・植え込みなど屋外(屋内にも侵入) | 室内、とくに夜の寝室 |
上の表のとおり、ヤブ蚊は昼に屋外で刺し、夜の寝室で耳元を飛ぶのはイエカの仲間であることが多くなります。ヤブ蚊の活動時期はおおむね5月中旬から10月下旬までで、都市部を含む本州以南に広く分布しています。つまり、日中の窓開けと夜の窓開けは、それぞれ別の種類の蚊のリスクがあるということです。「夜だけ気をつければいい」は成り立ちません。網戸の重ね方を直すのが効くのは、この両方に同時に効くからです。
公園や庭で遊ぶときの備えは?
家の対策をしても、外で刺されて帰ってくれば同じことです。とくに子どもと公園へ行くなら、日中に活動するヤブ蚊への備えが要ります。
ヤブ蚊は植え込みの下や樹木の陰など、日陰で風の弱い場所に潜んでいます。遊具の周りより、木陰のベンチや草むらのほうが刺されやすい、と覚えておくと立ち回りが変わります。
- 虫よけは肌が出ている部分に、ムラなく。塗り忘れやすいのは足首・首の後ろ・耳のうしろ
- 汗をかいたら効果が落ちるので、製品の表示にある間隔で塗り直す
- 薄手の長袖・長ズボンがあれば一枚で広い面積を守れる
- スプレーは直接顔にかけず、一度手のひらに取ってから塗る
- 休憩は木陰の草むらではなく、風の通る開けた場所で
虫よけ剤の主な成分は「ディート」と「イカリジン」の2種類です。パッケージの濃度は効き目の強さではなく持続時間の目安で、ディートなら30%で約6時間、15%で約5時間、10%で約3時間とされています。長時間の外遊びかどうかで選べばよく、濃ければ強いというものではありません。
子どもに使うときは年齢の制限があります。ディート12%以下の製品は生後6か月未満には使えず、生後6か月〜2歳未満は1日1回まで、2歳以上12歳未満は1日1〜3回までという上限があります。ディート30%の製品は12歳未満には使用できません。一方のイカリジンは年齢・回数の制限が定められておらず乳幼児にも使いやすい成分ですが、対象は蚊・ブユ・アブ・マダニに限られます。買うときにパッケージの成分と対象年齢、1日の使用回数を必ず確認してください。塗るのは大人が行い、子ども自身に塗らせないことも大切です。
刺された箇所が大きく腫れて熱を持つ、水ぶくれになる、数日たっても引かない——こうした場合は自己判断で市販薬を重ねず、皮膚科で相談してください。とくに小さな子どもは掻き壊して悪化しやすく、早めに見てもらったほうが結局は早く治ります。
結局、どの順番でやればいい?
お金と手間の少ない順に並べると、優先順位ははっきりします。
| やること(手間の少ない順) | 費用と手間・位置づけ |
|---|---|
| 1. 網戸を窓枠に重ねる | 0円・1か所10秒。効果が最も大きい |
| 2. ベランダの受け皿の水を捨てる | 0円・週1回5分。自宅発生分を止める |
| 3. 洗濯物を払ってから入れる | 0円・毎日数秒。持ち込みを減らす |
| 4. エアコン配管穴をパテで埋める | パテ代のみ・一度きり。見落とされがちな穴 |
| 5. 蚊取り製品を寝室で併用 | 本体と詰め替えの消耗品費がかかり続ける。1〜4をやったうえで補助的に |
上の表は5項目を手間の少ない順に並べたものです。順番が大事なのは、5から始めても入口が開いたままだと消耗品を買い続けることになるからです。1〜3は0円でできるので、まずそこをやってから買い足すか判断すれば、無駄が出ません。4と5にかかる費用は製品や店によって変わるため、購入時に実際の価格を確認してください。
今晩できるのは、寝室の窓の網戸を一度あけて、枠にぴたりと重ね直すこと。それだけで耳元のプーンが減ったなら、原因はそこだったということです。
よくある質問
網戸を閉めているのに蚊が入るのはなぜですか?
網が破れていなくても、網戸の枠と外側の窓枠がずれていると、その間に縦のすき間ができて蚊が通ります。窓を半分だけ開けて網戸を反対側に寄せた状態で起きやすく、網戸の枠を開けた側の窓枠にぴたりと重ねると解消します。
網戸が古いと蚊が入りやすくなりますか?
なりやすくなります。網戸は一般的に5〜6年で劣化し、網を枠に押さえているゴムパッキンが緩むと網目の縁に隙間ができ、網に穴がなくても蚊が入ります。またサッシのレールにゴミや砂ぼこりがたまると戸車の動きが悪くなり、建て付けがずれて隙間ができることもあるため、レールの掃除で改善する場合があります。
ベランダで蚊が増えないようにするには何をすればいいですか?
プランターの受け皿、バケツ、空き瓶、雨どいなどに溜まった水をなくすことが最も効果的です。蚊はスプーン1杯ほどのわずかな水でも産卵し、そこで幼虫(ボウフラ)が育ちます。厚生労働省の周知でも、週に1回程度、家の周囲の溜まり水をなくすことが目安として挙げられています。
昼間に刺す蚊と夜に刺す蚊は違うのですか?
違います。ヤブ蚊(ヒトスジシマカ)は主に日中に吸血する昼行性で、公園や草地など屋外で活動します。一方、アカイエカなどイエカの仲間は主に夜間に室内で活動します。そのため昼の外遊びと夜の室内、どちらにも対策が必要になります。
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