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保険の掛けすぎ、判定する3つの観点とは?

2026年5月26日|いろは堂くらし編集部
電卓と財務書類で家計を確認する様子

画像出典: 写真: Dave Dugdale from Superior, USA(CC BY-SA 2.0 / Wikimedia Commons)

この記事の要点
2人以上世帯が1年に払う保険料は平均35.3万円です(生命保険文化センター2024年度調査)。掛けすぎかどうかは、①年間の合計額 ②保障の重複 ③世帯タイプに対する保障額の3点で判断できます。必要保障額は「家族に必要な費用-入ってくる見込み額」で計算し、独身なら200万〜1,500万円、子どもがいる世帯なら1,000万〜5,000万円がひとつの目安です。
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毎月の引き落としを見て「保険、こんなに払ってたっけ」って思うんだけど、高いのか普通なのか分からなくて放置してる…

保険料は一度契約すると引き落としが自動で続くので、家計の中でいちばん見直されないまま残りやすい項目です。しかも「万一のため」という性質上、削ることに後ろめたさもあります。

ただ、掛けすぎかどうかは感覚ではなく、いくつかの数字を並べれば判断できます。今日やるのは解約の決断ではなく、自分が年間いくら払っていて、それが何をカバーしているのかを1枚に書き出すことだけ。そこまで分かれば、続ける・減らすはあとから落ち着いて決められます。

まず何をすればいい? 年間の合計額を出す

最初の一歩は、加入している保険をすべて並べて年間の払込額を合計することです。月払い・年払い・給与天引きが混ざっていると、合計額を把握していない人がかなりいます。

  1. 証券を集める保険証券、または保険会社アプリ・マイページのお客さま情報画面を開きます。紙が見つからなければアプリだけで十分です。
  2. 4項目だけ書き出す「保険会社名」「保険の種類(死亡・医療・がん・学資など)」「保障額」「月または年の保険料」。これだけをメモかスプレッドシートに1行ずつ。
  3. 年額に揃える月払いのものは12倍します。ここで初めて総額が見えます。
  4. 特約も1行ずつ書く主契約に付いている特約(入院日額の上乗せ、通院、就業不能など)は、名前だけでも分けて書き出します。重複はほぼここで見つかります。

クレジットカード払いにしている保険や、勤務先の団体保険は見落としやすいので、通帳と給与明細も一度見ておくと漏れが減ります。

年間いくらなら払いすぎ? 全国平均と比べる

合計が出たら、まず平均と並べてみます。生命保険文化センターの2024年度「生命保険に関する全国実態調査」では、2人以上世帯が1年に払い込む保険料(個人年金保険料を含む)の平均は35.3万円でした。月に直すとおよそ2.9万円という水準です。

年間払込保険料該当した世帯の割合
12万円未満17.8%
12万〜24万円未満19.3%
24万〜36万円未満15.7%
36万〜48万円未満9.9%

生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」(2024年度)の公表データをもとに作成

上の分布で目を引くのは、最も多い層が「12万〜24万円未満」=月1万〜2万円台だという点です。平均の35.3万円は一部の高額世帯に引き上げられた数字で、実際のボリュームゾーンはもっと下にあります。

ですから、平均と同じくらいだから安心、とは言えません。自分の年額がどのブロックに入るかを見て、ボリュームゾーンより明らかに上にいるなら中身を点検する価値がある、という読み方をしてください。

平均より高い=ムダ、ではありません

この平均には貯蓄性のある個人年金保険料も含まれています。学資保険や個人年金で「保険料」として積み立てている分が多い世帯は、支出というより貯蓄に近い性質です。掛け捨ての保障料と、戻ってくる積立分は分けて考えてください。

どこがムダになりやすい? 重複しやすい保障

複数の保険に入っている世帯では、保障が重なって必要以上の金額になっているケースがあります。過剰な保障を削ったり、使わない特約を外したりすれば、保障の芯を残したまま保険料を下げられます。

重複していないか確認したい5か所
  • 医療保険の入院給付が二重:単体の医療保険と、死亡保険に付けた医療特約の両方で入院日額が出る状態
  • がん保障が複数:がん保険と、医療保険のがん特約が別々に付いている
  • 勤務先の団体保険と個人契約:会社の団体定期保険と自分で入った死亡保険が同じ役割をしている
  • 県民共済・club共済と民間保険:安いので入ったまま、後から入った民間保険と守備範囲が同じ
  • クレジットカードや住宅ローンの付帯保障:団体信用生命保険で住居費が消える前提が、死亡保障額に反映されていない

特に見落とされやすいのが最後の団体信用生命保険です。住宅ローンを組んでいる人は、契約者が亡くなればローン残債がゼロになります。その分だけ遺された家族の必要生活費は下がるのに、住宅購入前に入った死亡保険をそのまま維持している——これは典型的な掛けすぎのパターンです。

いくら必要? 世帯タイプ別の考え方

🤔
重複は分かったけど、そもそも死亡保障っていくら必要なの?

必要保障額の計算式はシンプルで、「家族に必要な費用」-「入ってくる見込み額」です。費用側には残された家族の生活費・子どもの学費・葬儀費用を入れ、収入側には配偶者の収入・遺族年金・預貯金を入れます。この差額が保険で埋めるべき金額です。

世帯タイプ死亡保障の目安考え方の軸
独身200万〜1,500万円(平均1,000万円程度)扶養する人がいないため中心は葬儀費用。貯蓄で足りるなら優先度は低い
子どもがいる世帯1,000万〜5,000万円(平均2,200万円程度)配偶者と子の生活費に加え、養育費・教育費が上乗せされる

保険相談窓口の解説をもとに作成

独身の人が真っ先に見るところ

扶養している家族がいないなら、自分が亡くなったあとに困る人がいません。必要になるのは主に葬儀費用で、貯蓄があればそれで代替できます。独身で高額な死亡保障に入っているなら、そこが最初の見直し候補です。逆に、働けなくなったときの収入を支える医療保障や就業不能の備えは、独身のほうが重要度が上がります。

夫婦のみの世帯

共働きで互いに収入があるなら、片方が欠けても生活が即座に破綻するとは限りません。相手の収入だけで暮らせるかを確認し、足りない分だけを保障額にします。一方の収入に大きく依存している世帯は、依存している側の保障を厚くするのが自然です。

子育て世帯

いちばん保障が必要な時期ですが、必要額は子どもの成長とともに下がっていきます。教育費が残り18年分ある0歳のときと、大学卒業が近い時期とでは、必要な金額がまったく違うからです。子どもが小さいうちに設定した保障額をそのまま20年維持していれば、後半は掛けすぎになります。

いつ見直せばいい? タイミングの目安

見直しの節目は、人生の変化があったときです。結婚・出産・子どもの独立・住宅購入・定年——ここで必要保障額そのものが変わります。年代ではなくライフステージが動いたときに点検するのが、いちばんムダが出にくい進め方です。

この出来事があったら一度見る
  • 結婚した/子どもが生まれた(必要額が上がる方向)
  • 住宅ローンを組んだ(団信の分だけ死亡保障を下げられる可能性)
  • 末子が独立した(必要額が大きく下がる)
  • 転職・独立で収入や勤務先の団体保険が変わった
  • 定年が近づいた(保障より医療・介護へ重心が移る)

削る方向が決まったら、掛け捨て型やネット申込型など保険料の割安な商品に切り替える方法もあります。基本の姿勢は「家計の状況に合わせ、無理のない保険料で必要十分な保障額にする」こと。安さだけで選ぶのではなく、必要額を出したうえで、その額をいちばん安く用意できる形を探す順番です。

すぐに解約しないほうがいいケースもあります

健康状態によっては、いま入っている保険を解約すると同じ条件で入り直せないことがあります。持病がある方、通院中の方は、新しい契約が成立してから古い契約を解約する順番を守ってください。また、貯蓄性のある保険の途中解約は元本割れすることがあります。解約返戻金の額を必ず確認してから判断してください。

今日できるところまでで十分

年間の合計額を出して、重複しやすい5か所を確認し、自分の世帯タイプの目安と並べる。ここまでで「掛けすぎかどうか」の見当はつきます。

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全部見直さなくても、書き出すだけならできそう

書き出した紙が残っていれば、家族と相談するときも、専門家に相談するときも話が早く進みます。減らすかどうかは、中身が見えてから決めれば間に合います。

よくある質問

世帯の保険料は年間いくらが平均ですか?

生命保険文化センターの2024年度「生命保険に関する全国実態調査」によると、2人以上世帯の1世帯あたり年間払込保険料は個人年金保険料を含めて平均35.3万円です。ただし分布では「12万〜24万円未満」が19.3%で最も多く、平均値より低い層が中心になっています。

保険が掛けすぎかどうかは何で判断できますか?

年間の払込合計額、保障の重複、世帯タイプに対する保障額の3点で判断します。特に医療保険と医療特約、がん保険とがん特約、勤務先の団体保険と個人契約は重複しやすく、住宅ローンの団体信用生命保険に加入していれば必要な死亡保障額はその分下がります。

必要な死亡保障額はどう計算しますか?

「家族が必要な費用-収入見込み額」で計算します。費用側には生活費・学費・葬儀費用を、収入側には配偶者の収入・遺族年金・預貯金を入れ、その差額が保険で用意すべき金額になります。目安は独身で200万〜1,500万円、子どもがいる世帯で1,000万〜5,000万円です。

保険の見直しはいつ行うのがよいですか?

結婚・出産・子どもの独立・定年といった人生の節目が目安です。これらのタイミングで必要保障額そのものが変わるためで、年代を問わずライフステージの変化時に点検するのが推奨されています。住宅ローンを組んだときも団体信用生命保険の分だけ死亡保障を減らせる可能性があります。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。