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定額自動送金とは?給料日に自動で貯まる仕組み

2026年6月11日|いろは堂くらし編集部
貯金箱と硬貨

画像出典: 写真: Ken Teegardin from Boulder, Boulder(CC BY-SA 2.0 / Wikimedia Commons)

この記事の要点
貯金が残らない原因は意思の弱さではなく「余ったら貯める」という順番にあります。生活費用と貯金用の口座を分け、給料日の翌営業日に一定額が自動で移る「定額自動送金」を設定すれば、あとは何もしなくても貯まっていきます。金額は手取りの5〜10%から始め、生活が回ることを確認してから10〜15%へ引き上げるのが続けやすいやり方です。
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毎月「今月こそ余ったら貯金しよう」と思ってるのに、給料日前にはいつも口座が空っぽ…。

月末に残高を見て、今月も貯金ゼロだったと気づく。翌月こそはと思うのに、また同じことが起きる。多くの人が同じ場所でつまずいています。

ただ、これは我慢が足りないから起きているわけではありません。お金は「使える状態で口座にある限り、たいてい使われる」もので、意思の力で毎日それに抗い続けるほうが無理があります。だから順番を入れ替えます。余ったら貯めるのではなく、先に貯めて残りで暮らす。これが先取り貯金です。

正直なところ、やること自体は地味です。口座をもう1つ用意して、自動で移る設定を1回するだけ。ただ、一度組んでしまえば来月からは何も考えなくてよくなります。

先取り貯金とは?なぜ「残ったら貯金」は失敗するのか

先取り貯金とは、給料が入ったらまず決めた金額を貯金用の口座へ移し、残ったお金で1か月を暮らす方法です。順番が逆になっているだけで、やっていることは「貯金」と同じです。

「残ったら貯金」がうまくいかないのは、生活費と貯金が同じ口座に同居しているからです。同じ口座にある10万円は、残高を見た瞬間には全部「使えるお金」に見えます。そこから飲み会や急な買い物が引かれていって、月末に残るのは意図した金額ではなく、単なる引き算の結果です。

先取りにすると、この引き算の順番が変わります。貯金は最初に確定した固定費のような扱いになり、変動するのは生活費のほうになります。家賃が月末の残高次第で変わらないのと同じで、貯金額を「変動しない側」に置くのがこの方法の要点です。

先取り貯金がうまく回る理由
  • 貯めるかどうかを毎月判断しなくてよくなる
  • 使ってよい金額が残高としてはっきり見える
  • 自動振替にすれば、忘れても実行される

口座はどう分ける?生活費用と貯金用の2つが基本

最初にやるのは口座を分けることです。最低限、「生活費が出入りする口座」と「貯金がたまるだけの口座」の2つがあれば仕組みは成立します。

ここで効くのが、貯金用の口座をあえて使いにくくしておくことです。キャッシュカードは財布に入れず自宅に置く、スマホの銀行アプリのホーム画面から外す、デビットカード機能を付けない。引き出すまでにひと手間かかる状態にしておくと、「ちょっとだけ崩す」が起きにくくなります。

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わざわざ新しい銀行に口座を作らないとダメ?

既に持っている口座を貯金用に切り替えるだけでも十分です。給与振込に使っていない銀行の口座が眠っているなら、それを貯金専用に指定するのがいちばん早いやり方になります。

1つの銀行の中で仕分けたい場合

銀行によっては、1つの口座の中に目的別の小さな箱を作れるサービスがあります。住信SBIネット銀行の「目的別口座」は代表口座の中に最大10個まで箱を作れて、それぞれに名前を付けて管理できます。目的別口座からは直接出金できない設計なので、いったん代表口座に戻す手間が使い込みのブレーキになります。GMOあおぞらネット銀行にも同様の「つかいわけ口座」があり、最大10個まで作成できます。

「車の買い替え」「帰省費」「純粋な貯金」のように目的で分けたい人には、口座を何行も増やすよりこちらのほうが管理が楽です。

自動化はどうやる?定額自動送金の設定手順

口座を分けても、毎月自分で振り込む運用だと、忙しい月にうっかり飛ばして終わります。ここを機械に任せます。

多くの銀行が「定額自動送金」「定額自動振替」という名前で、毎月決まった日に決まった金額を指定口座へ自動で送るサービスを用意しています。ネット銀行では無料〜低手数料で使えるものが多く、住信SBIネット銀行には他行の口座から自動で資金を引いてくる「定額自動入金サービス」もあります。給与が地方銀行に入る人でも、そこから貯金用のネット銀行へ自動で流す形が組めます。

  1. 貯金用口座を決める新規に作るか、使っていない既存口座を指定します。キャッシュカードは持ち歩かない前提にしておきます。
  2. 金額を決める後述の目安をもとに、手取りの5〜10%など「これなら生活が回る」額にします。最初は少なめで構いません。
  3. 実行日を給料日の翌営業日にする給料日当日だと入金反映のタイミングによっては残高不足で失敗することがあります。1日ずらしておくのが安全です。
  4. 銀行アプリで定額自動送金を設定する「定額自動送金」「自動振替」「振込予約」などのメニューから、送金先・金額・実行日を登録します。ここまでで設定作業は終わりです。
  5. 翌月、実行されたことだけ確認する初回だけ、指定日に貯金用口座へ入っているかを見ます。以降は放置で問題ありません。

設定にかかる時間は、口座がすでにあるなら15分ほどです。この15分の作業が、以後の毎月の判断をまるごと肩代わりしてくれます。

いくら貯めるべき?手取りの何%が現実的か

金額の決め方でつまずく人は多いところです。目安として使えるデータがあります。

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)」では、金融資産を保有する世帯の平均貯蓄率は約11%で、貯蓄をした世帯の回答で最も多かったのは「10〜15%未満」の19.2%でした。年間手取り収入からの貯蓄割合の平均を17%とする紹介もあります。

つまり、手取りの1割前後が実際に多くの世帯が着地している水準ということです。いきなりここを狙う必要はありません。実務的には、手取りの5〜10%から始めて、生活が回ることを確認してから10〜15%、余裕が出てきたら15〜20%へ段階的に引き上げる進め方が勧められています。

手取り20万円の場合5%=1万円 / 10%=2万円 / 15%=3万円
手取り25万円の場合5%=1.25万円 / 10%=2.5万円 / 15%=3.75万円
手取り30万円の場合5%=1.5万円 / 10%=3万円 / 15%=4.5万円

上の表は割合を金額に置き換えたものです。手取り25万円で10%なら月2.5万円、1年で30万円が自動で積み上がる計算になります。

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最初から2万円は正直きつい…。5千円とかでも意味ある?

金額の大小より、仕組みが回り続けるかどうかが先に来ます。月5千円でも半年続けば3万円になり、何より「引かれた状態で生活できた」という実績が残ります。この実績があると、次に金額を上げるときの不安が小さくなります。逆に、背伸びした額を設定して2か月目に取り崩すと、仕組みごと信用できなくなってしまいます。

引き上げるタイミングの決め方

金額を上げる判断は、感覚ではなく事実で決めます。3か月連続で貯金用口座に一度も手をつけずに済んだら、次の段階へ1〜2%だけ上げる。これくらいの刻みなら生活実感がほとんど変わらないまま水準が上がっていきます。昇給やボーナスのタイミングも、生活費を据え置いたまま上げやすい機会です。

向いていないケースもあります

クレジットカードの返済が残っていたり、リボ払いを使っている状態なら、先取り貯金より返済を優先したほうが結果的にお金は残ります。貯金の利息より支払う利息のほうがはるかに大きいためです。

また、生活費が毎月ぎりぎりで、引き落とし残高不足が起きている状況でいきなり大きな額を先取りすると、口座が足りずに手数料や延滞が発生します。この場合はまず固定費の見直しが先で、先取りは千円単位からで構いません。

貯金用口座に移したお金を、月末にほぼ毎回戻している状態が続くなら、それは金額設定が生活に合っていないサインです。意思の問題として頑張るのではなく、金額を下げてください。

崩さずに続けるには?運用のコツ

仕組みを組んだ後に効いてくる工夫をいくつか挙げます。

続けるための小さな工夫
  • 貯金用口座の残高を毎日見ない(見ると使い道を考え始めます)
  • ボーナス月だけ増額する設定は最初は入れない(通常月の仕組みを安定させるのが先)
  • 「急な出費用」の枠を生活費口座側に少しだけ持つ(貯金を崩さずに済む逃げ道になります)
  • 年に1回、手取りが変わったタイミングで金額を見直す

特に効くのが3つ目です。冠婚葬祭や家電の故障のような突発的な出費に対して逃げ道がないと、唯一まとまった残高がある貯金用口座に手が伸びます。生活費口座に数万円の緩衝を持たせておくだけで、貯金側を守りやすくなります。

それでもどうしても崩す月は出てきます。そのときは仕組みを止めず、翌月も同じように自動振替を走らせてください。一度崩したから失敗、と考えて設定ごと解除してしまうのがいちばんもったいないところです。

今日やることは3つだけ

最後に、今日中に終わる作業だけをまとめます。

  1. 貯金用にする口座を決める新規でも、眠っている既存口座でも構いません。
  2. 金額を決める手取りの5〜10%。迷ったら少ないほうにします。
  3. 定額自動送金を設定する実行日は給料日の翌営業日。銀行アプリから10分ほどで登録できます。

これで来月の給料日から、あなたが何もしなくてもお金は貯まり始めます。無理して節約する前に、まず順番を変えてみてください。

よくある質問

先取り貯金は手取りの何%から始めるのがよいですか?

手取りの5〜10%から始めるのが現実的です。金融広報中央委員会の世論調査(令和5年)では金融資産を保有する世帯の平均貯蓄率は約11%で、貯蓄をした世帯の最多回答は10〜15%未満(19.2%)でした。まず5〜10%で生活が回ることを確認し、3か月続けられたら10〜15%へ段階的に引き上げるのが続けやすい進め方です。

自動振替の実行日はいつに設定すべきですか?

給料日の翌営業日がおすすめです。給料日当日に設定すると、入金の反映タイミングによっては残高不足で送金が失敗することがあります。1日ずらしておけば入金後に確実に実行されます。

貯金用の口座は新しく作る必要がありますか?

必須ではありません。給与振込に使っていない既存の口座があれば、それを貯金専用に切り替えるだけで十分です。重要なのは口座の新しさではなく、キャッシュカードを持ち歩かないなど「引き出しにくい状態」にしておくことです。

銀行を増やさずに1つの口座内で貯金を分けられますか?

できます。住信SBIネット銀行の「目的別口座」やGMOあおぞらネット銀行の「つかいわけ口座」は、1つの口座の中に最大10個の箱を作り、目的別に資金を仕分けできます。住信SBIネット銀行の目的別口座は直接出金できない設計のため、使い込み防止にも役立ちます。

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