半自炊とは?自炊が続かない人の主菜だけ作る方法
画像出典: 写真: jmettraux(CC BY 2.0 / Wikimedia Commons)
自炊が続かない原因の多くは料理の腕ではなく、買い物・調理・片付けという工程の多さにあります。主菜1品だけ手作りし、副菜は市販の惣菜やカット野菜、ご飯は多めに炊いて冷凍する「半自炊」なら工程が半分以下に減ります。外食中心の食費は月3万〜4.5万円程度、自炊中心なら月2万〜3万円程度が目安とされており、その中間を狙う形になります。
自炊が続かない理由を「自分は面倒くさがりだから」で片付けてしまうと、次も同じところでつまずきます。実際に止まっているのは、たいてい料理そのものではありません。献立を決める・買い物に行く・下ごしらえする・作る・盛る・洗う、この六つ全部を毎回やろうとしていることが原因です。
ある試算では、1食あたり買い物・調理・片付けを合わせて平均40分、月90食なら60時間という参考値もあります。仕事から帰って毎晩これを丸ごと引き受けるのは、正直なところ現実的ではありません。
そこで提案したいのが、全部やらずに一部だけやる「半自炊」という型です。以下は編集部の実践的な提案で、公的な統計にもとづく手法ではありませんが、続かなかった人が最初に立てる型としては効きます。
半自炊とは? 全部作らないという前提の自炊
半自炊は、料理の工程を意図的に三つに分け、そのうち一つだけを自分でやる考え方です。具体的にはこう分担します。
- 主菜(メインのおかず)…自分で作る。焼く・炒めるだけの1品でよい
- 副菜(サラダ・小鉢)…市販の惣菜、カット野菜、冷凍野菜、豆腐、納豆で済ませる
- 主食(ご飯)…週末に炊飯器でまとめて炊き、1食分ずつ冷凍する
この分け方の要点は、やる工程を減らすことではなく、やらない工程をあらかじめ決めておくことです。「今日は疲れたから副菜も作らない」と毎回その場で判断していると、判断そのものが負担になって結局外食に流れます。最初から作らないと決めておけば、迷う場面が消えます。
なぜ主菜だけを残すのか
主菜は、外で買うと最も高くつく部分だからです。惣菜コーナーでも、サラダや煮物といった副菜より、肉や魚を使ったメインのほうが値段は高くなります。逆に言えば、副菜を市販に頼っても金額へのダメージは小さく、主菜を自分で作るだけで支出の大きい部分を押さえられます。
また主菜は「肉か魚を焼いて味付けする」だけで成立するため、レシピを覚える負担も軽いのが利点です。
食費はどれくらい変わる? 外食中心との差の目安
金額の感覚をつかんでおくと、続ける動機になります。総務省統計局の家計調査(2025年平均)では、単身世帯の1か月あたりの食費の平均は44,659円、消費支出全体は173,042円で、食費の割合は25.8%でした。
| 世帯人数 | 1か月あたり食費の平均 |
|---|---|
| 1人 | 44,659円 |
| 2人 | 79,340円 |
| 3人 | 92,240円 |
| 4人 | 103,384円 |
| 5人 | 112,019円 |
総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年平均」の公表データをもとに作成
上の表は世帯全体の平均で、自炊しているかどうかは区別されていません。自炊の有無で見た場合の目安としては、外食中心の生活で1日3食1,000〜1,500円程度、月3万〜4.5万円程度、自炊中心なら月2万〜3万円程度という試算が各所で示されています。1食あたりに直すと外食が約333〜500円、自炊が約250〜333円という概算です。
これらは各メディアの独自試算であって公的な公表値ではないため、あくまで幅のある目安として見てください。半自炊はこの中間、つまり月2万円台後半あたりに着地しやすい形になります。全部自炊するより数千円高くつく代わりに、続く確率が上がります。続かない完璧な自炊より、続く半分の自炊のほうが年間では安く済みます。
すでに自炊が習慣になっていて食費を限界まで削りたい人には、半自炊は逆に割高です。市販の惣菜やカット野菜には加工の手間賃が乗っているためです。この記事の型が効くのは「今は外食・コンビニ中心で、自炊が三日で終わってしまう」段階の人です。
また、週末にまとめてご飯を炊く前提なので、冷凍庫にほとんど空きがない場合は先に整理が必要になります。
今日から始める半自炊の手順は?
いきなり毎日やろうとせず、週の前半だけで組みます。
- ご飯を3合まとめて炊く炊きあがったら熱いうちに1食分(茶碗1杯・約150g)ずつラップで平たく包み、粗熱が取れてから冷凍します。平たくすると解凍が早く済みます。3合で約6食分です。
- 主菜の材料だけ3日分買う鶏もも肉、豚こま、鮭の切り身など、焼くだけで成立するものを3パック。ここで副菜の材料は買いません。買うと「使わなきゃ」という負債になります。
- 副菜は惣菜コーナーとカット野菜で確保サラダ、煮物、冷奴、納豆のいずれか。日持ちする納豆と豆腐を常備しておくと、惣菜を買い忘れた日も埋まります。
- 平日は肉を焼いて塩こしょう、ご飯を解凍、副菜を開ける実働は10〜15分程度。フライパン1枚とまな板1枚しか使わないので、片付けも数分で終わります。
- 週の後半は最初から外食・中食にするここを罪悪感なしで許可しておくのが要点です。5日連続でやろうとした瞬間に破綻します。
市販の惣菜が自作より割高なのは事実です。ただ比較対象は「自分で作った副菜」ではなく「自炊をやめて食べる外食1食」になります。副菜1パックの値段と、外食1食が約333〜500円という前述の概算を比べれば、どちらが家計に効くかは明らかです。半自炊で削るのは食費だけでなく、自炊をやめる確率そのものです。
続けるためのコツは? 工程を戻さないこと
半自炊が崩れるときは、たいてい「慣れてきたから副菜も作ろう」と工程を戻したタイミングです。うまくいくとつい欲が出ますが、そこで元の六工程に戻ると、また同じ場所でつまずきます。
- やらないと決めた工程は、余裕がある日でもやらない
- 主菜のレパートリーは3つまで。増やすと献立を考える時間が復活する
- 冷凍ご飯の残りが2食を切ったら炊く、と数で決める(曜日で決めると忘れる)
味付けも増やさないほうが続きます。塩こしょう、しょうゆとみりん、市販の焼肉のたれ。この3つがあれば主菜は回ります。飽きたら副菜のほうを変えると決めておけば、主菜の手間は一定のまま変化がつけられます。
買い物はどう変える?
半自炊にすると買い物リストがかなり短くなります。買うものが固定されるぶん、スーパーでの滞在時間も短くなり、ついで買いも減ります。
- 肉か魚 3パック(主菜用)
- 米(週末にまとめ炊き)
- 納豆・豆腐(常備の副菜)
- カット野菜または惣菜 2〜3点
- 調味料の補充があれば
買う品目が決まっていると、特売に釣られて余計な食材を抱えることも減ります。しなびさせて捨てる食材が減ること自体が、地味ですが確実な節約になります。
よくある質問
半自炊で食費はどのくらいになりますか?
外食中心の生活は月3万〜4.5万円程度、自炊中心なら月2万〜3万円程度という目安が各種試算で示されており、副菜を市販に頼る半自炊はその中間、月2万円台後半あたりに着地しやすい形になります。いずれも独自試算による概算のため、幅のある目安として捉えてください。
ご飯の冷凍はどのくらい手間がかかりますか?
3合を炊いて1食分(約150g)ずつラップで平たく包み、粗熱を取ってから冷凍庫に入れるだけで、作業時間は10分程度です。3合で約6食分になるため、週に1回炊けば平日3日分の主食が確保できます。
副菜を市販で済ませると割高になりませんか?
自分で作る副菜と比べれば割高ですが、比較すべきは自炊をやめて食べる外食1食です。外食は1食あたり約333〜500円という概算が示されており、副菜1パックを買っても半自炊を続けられるなら家計へのメリットは残ります。
作り置きとは何が違いますか?
作り置きは週末にまとめて複数品を調理して保存する方法で、休日にまとまった時間が必要です。半自炊はご飯だけをまとめて炊き、おかずは当日に主菜1品だけ焼く形なので、休日の負担が小さく、保存容器も増えません。
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