5月の暑さ対策、猛暑日にも効く3つの方法
画像出典: 写真: Basile Morin(CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)
5月17日に東京都心で30.2℃、全国200地点が真夏日となり、大分県日田市では35.3℃の猛暑日を観測しました。まだ体が汗をかき慣れていない時期は同じ気温でも熱中症になりやすいため、窓の外側の遮熱、こまめな水分・塩分補給、そして2週間かけた暑熱順化の3つを5月のうちに始めるのが有効です。すだれの遮蔽率は50〜60%、グリーンカーテンは約80%と、対策ごとに効果の差もはっきりしています。
5月の暑さは、真夏の暑さとは別物として構えたほうがいい理由があります。2026年5月17日、東京都心・名古屋・福岡などで今年初めての真夏日を観測し、全国の真夏日地点数は200地点に達しました。東京都心の最高気温は30.2℃、大分県日田市では35.3℃という、今年初の猛暑日まで出ています。
気温の異常さは数字にも出ています。5月中旬の10日間の平均気温を、例年の同じ時期と比べた差(旬平均気温の平年差)は、東日本で+2.3℃、西日本で+2.1℃。これは1946年の統計開始以降、5月中旬として最も高い値です。つまり「体感がおかしい」のは気のせいではありません。
そして厄介なのは、気温以上に体のほうがまだ暑さに追いついていないことです。ここでは、5月のうちに手をつけておくと夏本番まで効いてくる初動を、費用や時間の目安つきで並べます。
なぜ5月の暑さは真夏より危ないと言われるの?
同じ30℃でも、5月と8月では体の反応が違います。汗をかいて体温を下げる機能は、暑い日を繰り返すことで少しずつ育つもの。5月はその訓練期間が終わっていない状態で、いきなり真夏並みの気温がやってくる形になります。
実際、総務省消防庁は2026年5月8日から熱中症による救急搬送状況の週次公表を始めています。5月1日〜3日の速報値では、全国の搬送人員は102人。前年同時期の117人からは15人減っていますが、5月の頭からすでに搬送が起きているという事実は変わりません。
| 年齢区分 | 搬送人員 | 構成比 |
|---|---|---|
| 乳幼児 | 2人 | 2.0% |
| 少年 | 19人 | 18.6% |
| 成人 | 17人 | 16.7% |
| 高齢者 | 64人 | 62.7% |
総務省消防庁の公表データ(2026年5月1日〜3日速報値)をもとに作成
上の内訳で目を引くのが、5月の時点ですでに搬送された人の6割超が高齢者だという点です。離れて暮らす親がいるなら、この時期に一度「もうエアコンつけていいからね」と伝えておく価値があります。暑さの自覚が遅れやすいので、本人の体感待ちにしないほうが安全です。
今日からできる初動は? 優先順に7つ
- 窓の外側に日よけを付けるカーテンは室内側なので、熱が部屋に入ってから遮ることになります。外側で日射を止めるほうが効きます。
- のどが渇く前に飲む習慣に切り替える渇きを感じた時点で、すでに水分は不足しています。時間で区切って飲むほうが確実です。
- 塩分も一緒に補う汗と一緒に塩分が出ていくため、水だけだと足りません。
- 暑熱順化を始める後述の方法で、2週間かけて汗をかける体に戻します。
- 衣替えを前倒しする5月に真夏日が出る前提で、半袖と通気性のよい服を手前に出しておきます。
- エアコンを試運転しておく本格的な暑さが来てから故障に気づくと、修理の順番待ちになります。
- 暑さ指数を毎朝チェックする気温だけでは湿度の影響が拾えません。
この順番には理由があります。1〜3は今日中に終わる上に効果が即日出るもの、4は時間がかかるので早く始めるほど有利なもの、5〜7は「困ってから慌てないための準備」です。全部やる必要はありませんが、1と4だけは5月のうちに手をつけておくと差が出ます。
遮熱グッズはどれを選べばいい? 効果と費用の目安
窓の外で日射を止める方法には、手軽さと効果の違いがあります。
| 方法 | 日射の遮蔽率 | 準備にかかる時間 |
|---|---|---|
| すだれ | 50〜60% | 買ってきた日に設置できる |
| グリーンカーテン | 約80%(十分に葉が茂った状態) | 植えてから茂るまで数週間〜 |
ウェザーニュースの公表データをもとに作成
上の比較のとおり、遮熱性能だけを見ればグリーンカーテンが上です。環境省も、日射熱エネルギーの約80%をカットするとしています。ただし葉が茂るまでの時間が必要なので、5月に植えて夏本番に間に合わせる、という逆算になります。
金額面も確認しておきましょう。ウェザーニューズの試算では、プランター2個ぶん(窓の片面を覆う規模)のグリーンカーテンで、7〜9月の節電額は約506円。プランターを4〜6個に増やすと、節電効果は2〜3倍程度に広がるとされています。電気代だけで元を取る発想だと物足りない金額ですが、部屋の暑さそのものが下がる分を含めて考えるものです。
すだれは遮蔽率で劣るものの、思い立った日に設置できるのが強みです。5月中旬にいきなり30℃が来るような年は、この「今日できる」が効きます。環境省もクールビズの一環として、軽装のほかに西側の窓のブラインド・日よけ、緑のカーテンを挙げています。
ベランダのない窓、共用部の規約で外側に物を吊るせない集合住宅では、すだれもグリーンカーテンも設置できません。その場合は室内側の遮光カーテンや窓に貼る断熱シートに切り替えることになりますが、熱が部屋に入ってから遮る形になるため、外側に付けるより効果は落ちます。期待値を下げたうえで選んでください。
暑熱順化って何をすればいいの?
暑熱順化とは、体が少しずつ暑さに慣れて強くなっていくことです。本格的な猛暑が来る前、5月頃から準備するのが有効とされ、要点は「汗をかける体にすること」にあります。
やり方は2つあり、どちらか一方を2週間ほど続ければ大丈夫です。
- 「ややきつい」と感じる早足ウォーキング、または軽いジョギングを毎日30分程度
- 40℃程度の湯温で10〜15分、汗が出るまで浴槽に浸かる
入浴のほうを選べる点が現実的です。5月から炎天下で運動しろという話ではなく、湯船で汗をかくだけでも成立します。シャワーで済ませている人は、この2週間だけ湯船に切り替える、という形でも取り組めます。
この2週間で体に起きる変化は4つあります。発汗量が増える、汗の塩分濃度が下がる、皮膚の血管が広がる、循環する血液量が増える。ざっくり言えば「早く汗が出て、出ても塩分を失いにくく、熱を逃がしやすい体」になるということです。夏本番に同じ気温を浴びても、体の負担が変わってきます。
気温だけ見ていて大丈夫? 暑さ指数の使い方
天気予報の最高気温だけでは、その日の危険度は測りきれません。同じ30℃でも、湿度が高い日は汗が蒸発せず、体温が下がりにくくなるためです。
ここで使えるのが、環境省の熱中症予防情報サイトが出している暑さ指数(WBGT・湿球黒球温度)です。気温だけでなく湿度や日射の影響を含めた指標で、予測値と実況値の両方が公開されています。令和8年度の情報提供期間は4月22日から10月21日までで、5月の時点ですでに動いています。
| 暑さ指数 | レベル | 目安 |
|---|---|---|
| 28以上 | 厳重警戒 | 熱中症による救急搬送の発生率が増加するとされる水準 |
| 31以上 | 危険 | 外出は控えたい水準 |
政府広報オンラインの公表内容をもとに作成
毎朝サイトを見に行くのが面倒なら、メール配信サービスやLINE公式アカウントで暑さ指数の予測・実況を受け取る仕組みがあります。登録は一度きりなので、5月のうちに済ませておくと夏のあいだずっと効きます。子どもの外遊びや部活、高齢の家族の外出予定を判断するときの基準として、体感より確かです。
水分と服装、具体的にはどうする?
水分補給で最も外しやすいのが、タイミングです。のどの渇きは、水分が足りなくなってから遅れて出てくる信号なので、渇いてから飲むと常に後追いになります。
- 起床直後・出かける前・帰宅直後の3回を「渇いていなくても飲む」時間に固定する
- 汗をかいた日は水だけでなく塩分も補う(汗とともに塩分が失われるため)
- デスクや台所など、長く過ごす場所にコップや水筒を置いて視界に入れる
- 高齢の家族には、時間で区切って飲む形を伝える(体感待ちにしない)
服装は、5月の難しさがそのまま出るところです。朝は肌寒く昼は真夏日、という日が5月には普通に起こります。半袖に薄い羽織りを重ねて、暑くなったら脱げる形にしておくのが無難です。衣替えを「6月に入ってから」と決めている場合は、半袖と通気性のよい服だけでも先に手前へ出しておくと、いきなり30℃が来た日に困りません。
日よけの設置と湯船での暑熱順化は、5月にやる意味が最も大きい2つです。日よけは付けたその日から部屋の温度に効き、暑熱順化は2週間後の自分の体を変えます。残りは夏が近づいてからでも間に合います。気象庁の3か月予報(2026年4月発表)でも5〜7月は全国的に平年より気温が高いとされ、5月の真夏日発生の可能性が言及されていました。前倒しで動いておくほど、夏本番が楽になります。
よくある質問
5月なのに30℃を超えるのは異常なことですか?
2026年5月17日には東京都心で30.2℃、全国200地点で真夏日、大分県日田市では35.3℃の猛暑日を観測しました。5月中旬の10日間の平均気温を例年の同時期と比べた差は東日本+2.3℃・西日本+2.1℃で、1946年の統計開始以降、5月中旬としては最も高い値です。
暑熱順化は何日くらいで効果が出ますか?
「ややきつい」と感じる早足ウォーキングか軽いジョギングを毎日30分程度、または40℃程度の湯温で10〜15分汗が出るまで入浴する方法を、2週間ほど続けるのが目安です。発汗量の増加、汗の塩分濃度の低下、皮膚血管の拡張、循環血液量の増加という4つの変化が起こります。
すだれとグリーンカーテンでは効果がどれくらい違いますか?
一般的なすだれの日射遮蔽率は50〜60%、十分に葉が茂ったグリーンカーテンは日射熱エネルギーの約80%をカットするとされています。グリーンカーテンのほうが遮熱性能は高い一方、葉が茂るまで時間がかかるため、すぐ設置したい場合はすだれが向いています。
暑さ指数(WBGT)はどこで確認できますか?
環境省の熱中症予防情報サイト(wbgt.env.go.jp)で予測値と実況値が公開されており、2026年度の提供期間は4月22日から10月21日までです。メール配信サービスやLINE公式アカウントでの通知にも対応しています。指数28以上は厳重警戒、31以上は危険とされます。
※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。