いろは堂くらし ← 戻る

エアコンつけっぱなしと消す、分かれ目は30分

2026年7月1日|いろは堂くらし編集部
壁掛けエアコン室内機

画像出典: 写真: Dinkun Chen(CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の要点
外出が30分以内ならつけっぱなし、1時間以上なら消したほうが電気代を抑えられます。エアコンは設定温度に到達するまでの起動直後がいちばん電力を使うためです。設定温度は1℃上げるごとに消費電力量が約10〜13%減り、風量は「弱」固定より「自動」のほうが安くなります。
😟
ちょっとコンビニ行くだけなんだけど、エアコン消したほうがいいのかな。つけっぱなしのほうが安いって聞いたこともあるし…

エアコンの「つけっぱなし論争」は、どちらか一方が正解というものではありません。分かれ目は外出時間で、目安は30分です。ダイキン工業が外気温35℃・6畳相当の条件で行った実験では、30分以内の外出ならつけっぱなしのほうが消費電力を抑えられるという結果が出ています。

理由はシンプルで、エアコンがいちばん電力を使うのは「部屋を設定温度まで冷やしている最中」だからです。冷え切った部屋を保つ運転は、そこまで電気を食いません。短い外出のたびに消すと、帰るたびにいちばん高い運転をやり直すことになります。

逆に1時間以上の外出や、誰もいない日中まるごとなら話は別です。安定運転でも電力は使い続けるので、消したほうがムダが出ません。あとは設定温度と風量をどうするかで、月の請求はさらに変わります。順番に見ていきます。

つけっぱなしと消すの分かれ目は?

判断の軸は「部屋がどれだけ暖まってしまうか」の一点です。締め切った部屋を空けている時間が短いほど室温はあまり上がらず、戻ってからの冷やし直しも軽くて済みます。30分という目安は、そのバランスが逆転するあたりだと考えてください。

迷ったときの判断基準
  • ゴミ出し・近所のコンビニ・子どもの送り迎えなど30分以内 → つけっぱなし
  • 買い物・外食・帰宅まで1時間以上 → 消す
  • 出勤で丸1日不在 → 消す
  • 就寝時に朝までつける → 長時間の連続運転になるため、タイマーなどで区切る前提で考える

ただしこの30分はあくまで実験条件(外気温35℃・6畳相当)での目安です。日当たりの良い最上階の部屋と、日陰でよく断熱された部屋では、室温の上がり方がまるで違います。自分の部屋が「30分でどれくらい暑くなるか」を一度体感しておくと、以後の判断が早くなります。

つけっぱなしが向かないケースもあります

ここまでの話は「電気代」だけの比較です。長時間の連続運転は、それ自体で電力を消費し続けます。1時間以上の外出でつけっぱなしにすると、誰もいない部屋を冷やし続けることになり、電気代のうえでは確実にムダです。「つけっぱなしのほうが安い」という言葉だけを覚えて24時間つけ続けるのは、実験結果の読み違いになります。

設定温度は何度にすればいい?

電気代にいちばん効くのは、実は設定温度です。冷房の設定温度を1℃変えるだけで、消費電力量は約10〜13%変わるとされています。1℃という小さな操作で1割前後動くのは、他の節約手段と比べてもかなり大きい部類です。

実際の金額でどれくらい違うのか、試算例を並べます。エアコンの消費電力や電力量料金の単価によって変わるので、あくまで目安として見てください。

設定温度1時間あたりの電気代(試算例)
24℃約18.2円
28℃約12.1円

しろくま電力の公表データをもとに作成

上の表では4℃の差で1時間あたり約6円ですから、1日8時間なら約48円、30日で約1,400円ほどの差になります。24℃で固定している人が26℃に上げるだけでも効果があるということです。一般的に推奨されている設定温度は26〜28℃です。今24℃前後で使っているなら、まず1℃だけ上げてみて、暑ければ戻す。この試し方なら失敗しません。

「環境省の28℃」を設定温度と勘違いしない

夏の目安としてよく聞く28℃は、エアコンの設定温度ではなく「室温」の目安です。ここは混同されやすいところで、部屋の断熱や日当たりによっては、設定を28℃にしても室温が28℃まで下がらないことも、逆に26℃設定で室温がちょうど28℃になることもあります。

やるべきことは1つで、温度計を1つ部屋に置くことです。高価なものである必要はありません。設定温度の数字ではなく、実際の室温を見て設定を決める。これだけで、暑すぎる我慢もムダな冷やしすぎも避けられます。

風量は「弱」にすれば節約になる?

😲
風量って弱にしておけば電気代下がるものだと思ってた…

風量の設定は、多くの人の直感と結果が逆になるところです。電気代を抑えやすいのは「自動」で、「弱」に固定するとかえって高くなる場合があります

理由は設定温度の話と同じ構造です。エアコンが電力を使うのは設定温度に到達するまでの間なので、弱い風でだらだら冷やすと、その「いちばん高い時間帯」が長く続きます。自動なら最初に強めの風で一気に目標室温まで持っていき、あとは省エネな安定運転に移ります。

風量設定1日11時間使用時の電気代(試算例)
弱(固定)約119円
自動約86円

らくらくサービスの公表データをもとに作成

上の表では1日あたり約33円の差がついています。ひと月続ければ約1,000円です。リモコンを1回押すだけで済む操作としては、費用対効果が高い部類でしょう。今の設定が「弱」や「静音」で固定されていないか、一度リモコンの表示を確認してみてください。

今日からできる手順は?

ここまでの内容を、実際にリモコンを持って動く順番に並べます。全部やっても5分かかりません。

  1. 風量を「自動」にするリモコンの風量ボタンを押して「自動」に。弱・静音で固定していたなら、これだけで試算上は1日約33円の差が出ます。
  2. 温度計を部屋に置く設定温度ではなく室温を見るための準備です。エアコンの風が直接当たらない、人がいる高さの場所に置きます。
  3. 設定温度を1℃上げてみる24℃で使っているなら25℃へ。1時間過ごしてみて問題なければ、翌日もう1℃。暑ければ戻します。
  4. 外出時は30分で判断する30分以内で戻るならそのまま、1時間以上空けるなら消す。迷ったら消す側で構いません。
  5. 1か月後に請求額を比べる前年同月の明細と見比べます。気温が違うので厳密な比較にはなりませんが、方向性はつかめます。

電気代の目安はどれくらい?

参考として、6畳用エアコンを1日8時間使った場合、電力量料金の単価を31円/kWhとして試算すると月額約4,300円が目安とされています。

この数字は、機種の年式や消費電力、住まいの断熱性能、その年の外気温、契約している電力プランの単価によって大きく上下します。自分の家の数字を知りたいときは、電力会社の会員ページで時間帯別の使用量を見るのが確実です。エアコンをつけた時間帯だけ使用量が跳ね上がっているのが、グラフで直接見えます。

この記事の数字はすべて「目安」です

ここに挙げた電気代はいずれも、特定の条件(外気温・畳数・電力量料金の単価)を前提にした試算例です。同じ設定でも、木造の最上階と鉄筋の中部屋では消費する電力がまったく違います。金額そのものを覚えるのではなく、「設定温度を上げるほど安い」「風量は自動が有利」「短い外出なら消さない」という方向性を持ち帰ってください。

フィルター掃除は電気代に効く?

設定を見直したうえで、もう一段効かせたいならフィルターです。ホコリが詰まったフィルターは空気の通り道をふさぐので、エアコンは同じ温度にするためによけいに働くことになります。設定温度や風量の話と原理は同じで、「目標に届くまでの負担」を減らす作業です。

5分でできる手順
  • 運転を止めて、前面パネルを開ける
  • フィルターを外して、掃除機でホコリを吸う(外側から吸うと目に詰まりにくい)
  • 汚れがひどければ、ぬるま湯で洗って完全に乾かしてから戻す
  • 濡れたまま戻すとカビの原因になるので、ここだけは急がない

掃除の間隔は、お使いの機種の取扱説明書に書かれた目安に従ってください。冷房を毎日つける夏場は汚れがたまりやすいので、曜日を決めて習慣にしてしまうと忘れません。

よくある質問

エアコンは何分の外出までつけっぱなしにしていいですか?

目安は30分です。ダイキン工業が外気温35℃・6畳相当の条件で行った実験では、30分以内の外出ならつけっぱなしのほうが消費電力を抑えられるという結果が出ています。エアコンは設定温度に到達するまでの起動直後がもっとも電力を使うため、短い外出のたびに消すと、そのたびにいちばん電力を使う運転をやり直すことになります。1時間以上の外出なら消したほうが電気代のムダを防げます。

冷房の設定温度を1℃上げると電気代はどれくらい変わりますか?

冷房時、設定温度を1℃変えると消費電力量が約10〜13%変化するとされています。試算例では設定温度24℃で1時間あたり約18.2円、28℃で約12.1円となり、4℃の差で1時間あたり約6円の差が生まれます。実際の金額は電力量料金の単価や機種、住宅の断熱性能によって変わるため目安として扱ってください。

エアコンの風量は「弱」と「自動」のどちらが電気代を抑えられますか?

「自動」のほうが抑えられます。冷房を1日11時間使用した試算例では、風量「弱」で約119円、風量「自動」で約86円と、自動のほうが1日あたり約33円安くなっています。弱い風で長時間かけて冷やすより、自動で一気に設定温度へ到達させて安定運転に移るほうが効率的なためです。

夏の室温28℃という目安は、エアコンの設定温度を28℃にするという意味ですか?

違います。環境省が示す28℃は「室温」の目安であり、エアコンの設定温度そのものの推奨値ではありません。部屋の断熱性能や日当たりによって、設定温度と実際の室温はずれます。温度計を部屋に置いて実際の室温を確認しながら設定を決めるのが確実です。一般的に推奨される設定温度の目安は26〜28℃とされています。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。