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フリーランス白書2022とは?人脈65.9%が仕事を生む理由

2026年7月13日|いろは堂副業編集部
日本の商店街

画像出典: 写真: Gryffindor(CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons)

この記事の要点
フリーランス協会「フリーランス白書2022」では、仕事の獲得経路として「人脈(知人からの紹介を含む)」を挙げた人が65.9%、最も収入が得られる経路としても32.9%で最多でした。ネットの応募合戦を避けたいなら、地元の商店や知人まわりの小さな困りごとを1件引き受け、成果を1枚の実績シートにまとめて「知り合いで困っている人がいたら」と添えるところから始められます。
😮‍💨
提案文を20件送って、返信は1件。しかも単価は下がる一方で…

応募型の案件は、同じ募集に何十人も集まります。発注側は横並びの提案文を見比べるので、判断材料はどうしても価格と実績数に寄っていきます。実績がまだ薄いうちは、そこで勝つのがいちばんつらい戦い方です。

正直なところ、この土俵から一歩ずれるだけで景色が変わることがあります。誰とも比較されない場所で、1件目を作るという進み方です。

フリーランスは実際どこから仕事を得ているのか?

フリーランス協会の「フリーランス白書2022」では、仕事の獲得経路(複数回答)の上位はこうなっています。

人脈(知人からの紹介を含む)65.9%
過去・現在の取引先58.3%
自分自身の広告宣伝活動(SNS等)26.2%

フリーランス協会「フリーランス白書2022」の公表データをもとに作成

さらに同じ調査で「最も収入が得られる」獲得経路を聞くと、人脈が32.9%、過去・現在の取引先が30.9%、エージェントサービスの利用が14.0%でした。件数だけでなく、稼ぎの主軸としても人脈が首位に来ているところが重要です。

ただし、これは「人脈が広い人だけが食べていける」という話ではありません。過去・現在の取引先が2位に入っていることが示すのは、一度きちんと納品した相手が、次の仕事の入口になっているという構造です。人脈は最初から持っているものではなく、1件目の納品から積み上がっていくものだと考えると、話が現実的になります。

なぜ紹介の仕事は価格が下がりにくいのか?

🤔
知り合いだと逆に値切られそうな気がするけど…

公募と紹介では、依頼主が見ている画面がまったく違います。公募では同じ募集ページに10人20人の提案が並び、依頼主は「この中でどれを選ぶか」を考えます。紹介では、依頼主の目の前にいるのは基本的にあなた1人です。判断は「頼むか、頼まないか」になり、他社より安いかどうかは論点から外れます。

もうひとつ、紹介には信用の前払いがあります。「あの人がいいと言っていた」という一言が、実績ページ何ページ分もの役割を果たします。だから初対面でも話が早く、条件の相談もしやすくなります。

そして紹介案件でしっかり結果を出すと、紹介してくれた人自身の面子が立ちます。その人はまた別の場面であなたの名前を出しやすくなり、次の紹介につながる、という循環が生まれやすいと実務系の解説では共通して指摘されています。

地元の商店にどんな仕事があるのか?

個人商店や小さな事業所は、専門家に頼むほどでもないと思っている作業を抱えたまま止めていることがよくあります。よく見かけるのは次のようなものです。

身近に転がっている小口ニーズ
  • 数年前に作ったホームページが、営業時間もメニューも古いまま
  • InstagramやLINE公式を始めたが、更新が止まっている
  • 手書きのチラシやPOPを作り直したいが、どこに頼めばいいかわからない
  • 店の写真がスマホ撮影のまま、暗くて料理がおいしそうに見えない
  • 予約の電話対応が忙しく、ネット予約の導線を作りたい

これらは金額が大きくないぶん、制作会社に見積もりを取るほどでもないと放置されがちです。裏を返せば、近所で顔が見える相手が「やりますよ」と言った瞬間に決まる種類の仕事だということです。ここには応募者の列がありません。

探し方も難しくありません。ふだん通っている店の名前で検索してみて、公式サイトが出てこない、あるいは出てきてもスマホで崩れている。それだけで、話しかける理由としては十分です。

知り合いにどう切り出せばいいのか?

🥺
「仕事ください」って言うのが、どうしても気まずくて…

営業が苦手な人がつまずくのは、たいてい切り出し方です。「仕事をください」は相手に判断を丸投げする言い方なので、相手も「今はないかな」としか返せません。逆に、こちらが具体的な作業を1つ名指しすると、相手は自分の店のことを考え始めます。

  1. 気になった点を1つだけ伝える「サイトの営業時間、去年のままになっていますね」のように、事実の指摘だけを短く。ここで売り込まない。
  2. 直せることと、かかる手間を言う「あれなら1時間くらいで直せます」と、規模感を先に見せる。相手の警戒はたいてい「いくら請求されるか」なので、そこを先回りする。
  3. 小さく1件だけ受ける初回は範囲を絞る。全面リニューアルではなく「営業時間とメニューの更新だけ」。小さいほど決断は早い。
  4. 金額は最初に自分から出す「この範囲なら◯円で」と自分から言い切る。相手に値段を考えさせないほうが、双方気が楽になる。
  5. やり取りの記録を残す金額・作業範囲・納期を、メールやチャットに文章で残す。口約束のままにしない。

この流れの利点は、相手にとっての最初の一歩が「見積もりを取る」ではなく「うんと言う」で済むところです。ハードルが低いほど、1件目は早く生まれます。

1件目をどうやって次の紹介につなげるのか?

ここが地元・紹介ルートの分かれ目です。納品して終わりにすると、その1件は1件のまま終わります。次につなげるには、成果を相手が人に説明できる形にして渡す作業が要ります。

A4一枚の実績シートを作る

納品後に、次の内容を1枚にまとめます。相手に見せるためでもあり、次の商談で使う自分の材料でもあります。

実績シートに入れる項目
  • 依頼主の業種と規模(「駅前の個人経営カフェ」程度でよい)
  • 相談された困りごと(例: 情報が古く、問い合わせ電話が多い)
  • やったこと(例: 営業時間・メニューの更新、スマホ表示の修正)
  • ビフォーアフターの画面写真
  • かかった期間と、対応した範囲

数字が出せるなら、変化を言葉ではなく数字で書きます。「見やすくなった」より「更新後1か月の問い合わせ電話が◯件減った」のほうが、読んだ人の頭に絵が浮かびます。数字が取れない案件も多いので、その場合は無理に作らず、やったことを具体的に書けば十分です。

紹介を頼む一言を添える

実績シートを渡すときに、この一言を足します。

「同じことで困っている知り合いがいたら、名前を出してもらって大丈夫です」

売り込みではなく許可の提供なので、相手も負担なく受け取れます。実際、商店主どうしは横のつながりが濃いことが多く、組合や近所づきあいの場で話が回ります。この一言があるかないかで、その後の展開はかなり変わります。

掲載の許可を先に取っておく

ポートフォリオや名刺代わりのページに載せたい場合は、その場で口頭ではなく文章で許可をもらいます。店名を出せるか、画面写真を使えるか、この2点だけ確認しておけば足ります。後から聞き直すのは、こちらも気を使うので先に済ませたほうが早いです。

紹介や地元案件で気をつけることは?

向いていないケースもあります

紹介ルートは、断りにくさが最大の弱点です。知人経由だと「予算がないから安くして」に応じてしまいやすく、値引きの前例が紹介先にもそのまま伝わります。最初の1〜2件を練習として安くするのは選択肢ですが、その場合も「初回のみの金額です」と明言してから受けてください。

また、範囲がなし崩しに広がりやすいのも紹介案件の特徴です。「ついでにこれも」が積み上がると、時給換算で公募案件より下回ることがあります。追加依頼が来たら、その都度「それは別料金で◯円になります」と言葉にする。関係が近いほど、条件は言葉にしておいたほうが壊れません。

逆に、対面のやり取りが強いストレスになる人や、地方在住で事業所そのものが近くにない人は、無理にこのルートに寄せる必要はありません。

会社員の副業なら、勤務先の規定を先に確認する

地元案件は顔が見える範囲で動くぶん、勤務先の知人と接点が生まれることもあります。副業の可否、届出の要否、競業に当たらないかを就業規則で先に確認しておくと、後から面倒になりません。

クラウドソーシング経由の相手を勝手に外へ持ち出さない

これは地元ルートとは別の注意点ですが、混同されやすいので触れておきます。クラウドワークスの利用規約第9条第9項は、会員間でプラットフォームを使わず直接に業務委託契約を締結すること、およびその勧誘を禁じています。違反した場合、同規約第27条第5項により、当該取引の報酬額に対するシステム利用料相当額か100万円のいずれか大きい方の違約金を請求されうると定められています。ランサーズも同様に、直接取引の誘引とそれに応じることの双方を禁止しています。

つまり地元・知人経由の新規開拓は自由ですが、プラットフォームで出会った相手を外へ連れ出すのは別問題ということです。ここは線を引いておいてください。

直接契約で契約書はどうすればいいのか?

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近所の店に契約書を出すのって、大げさすぎない?

仲介プラットフォームを通さない仕事には、報酬の仮払いという仕組みがありません。「終わってから払う」が口約束のままだと、支払いが遅れたときに拠り所がなくなります。だからこそ、作業範囲・金額・納期・支払期日の4点だけでも文章に残す価値があります。堅い契約書の体裁でなくても、メール1通で足ります。

制度の後押しもあります。2024年11月1日に「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(フリーランス新法)が施行され、発注事業者に対して書面等での取引条件の明示義務や、報酬支払期日の設定(原則60日以内)などが課されました。従来の下請法は資本金1000万円超の親事業者のみが対象で、小規模な発注はカバーされない場合がありましたが、そこを補完する形です。

ただし、この法律が主に定めるのは発注事業者側の義務であり、個人間・CtoCの取引を直接規制するものではありません。条件を書面で確認するのは今や普通のことという空気ができた、という受け止め方をしておくのがちょうどいい距離感です。相手に切り出しにくいときも、「決まりで条件を書面にすることになっていて」と言えば、角が立ちにくくなります。

今日できる最初の一歩は?

いきなり営業に回る必要はありません。まずは机の上で終わる作業から始められます。

  1. 行きつけの店を5軒書き出すカフェ、美容室、整体、飲食店、個人塾など、顔を知っている店で十分。
  2. 5軒それぞれを検索する公式サイトの有無、更新日、スマホでの表示崩れ、SNSの最終投稿日を見る。
  3. 気づいた点を1軒につき1行メモする「営業時間が旧年度のまま」「Instagram最終投稿が2年前」など、事実だけ。
  4. いちばん話しかけやすい1軒を選ぶ関係の近さで選んでよい。難易度ではなく、話せるかどうかで決める。
  5. 次に行ったとき、そのメモを1つだけ口に出すここまでが第一歩。受注はその先の話で、今日の目標ではない。

この5ステップは、うまくいかなくても失うものがありません。1軒で反応がなくても、残り4軒があります。応募20件で返信1件だった消耗と比べれば、ずいぶん体力の使い方が違うはずです。

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とりあえず、いつものカフェのサイト見てくる

フリーランス白書2022が示した65.9%という数字は、特別な人の話ではありません。1件目を丁寧に納品し、その成果を人に説明できる形にして渡す。それを繰り返した結果が、あの割合として現れているだけです。始まりは、いつも1軒目です。

よくある質問

人脈がまったくない状態からでも、紹介で仕事を取れますか?

取れます。フリーランス協会「フリーランス白書2022」では獲得経路の2位が「過去・現在の取引先」(58.3%)で、これは1件納品した相手が次の仕事の入口になっていることを示します。人脈は最初から持っているものではなく、最初の1件から積み上がるものです。まずは行きつけの店や知人の小さな困りごとを1件引き受けるところから始められます。

知り合いからの仕事は、値段を安くしたほうがいいですか?

安くする義務はありません。紹介案件は他社と比較されにくいため、価格を下げる理由がそもそも弱い場面です。練習として初回を安くする選択はありますが、その場合は「初回のみの金額です」と最初に明言してください。値引きの前例は紹介先にもそのまま伝わるため、二件目以降の基準になってしまいます。

クラウドソーシングで知り合った相手と直接契約してもいいですか?

できません。クラウドワークス利用規約第9条第9項は、会員がサービスを利用せずに直接業務委託契約を締結することとその勧誘を禁じており、第27条第5項では違反時に当該取引の報酬額に対するシステム利用料相当額か100万円のいずれか大きい方の違約金を請求されうると定めています。ランサーズも直接取引の誘引と、誘引に応じることの双方を禁止しています。直接契約は、プラットフォーム外で自分が開拓した相手と結んでください。

近所の店との仕事でも契約書は必要ですか?

正式な契約書の体裁でなくても、作業範囲・金額・納期・支払期日の4点をメールなど文章の形で残してください。仲介サービスと違い仮払いの仕組みがないため、未払いや作業範囲の膨張が起きたときの拠り所になります。2024年11月1日施行のフリーランス新法では発注事業者に書面等での取引条件明示義務や原則60日以内の報酬支払期日設定が課されており、条件を文書で確認すること自体が一般的な運用になっています。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。