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営業が苦手でも案件が来る、3つの仕組み作り

2026年7月23日|いろは堂副業編集部
スマートフォンとノートPCを使う人物

画像出典: パブリックドメイン(Wikimedia Commons)

この記事の要点
営業が苦手な人ほど、売り込む力ではなく「見つけられる状態」を先に作ったほうが早く受注できます。やることは3つで、実績を並べたポートフォリオ、作った物を出すたびの発信、そして常時受付窓口になる出品ページを用意します。この3つは役割が違い、認知・信頼・受付を分担するため、どれか1つだけでは相談は届きません。
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スキルはそれなりに付いたけど、DMで「お仕事ください」って送るのがどうしても無理…。営業できない人はフリーランス向いてないんでしょうか。

売り込みの得意・不得意と、案件が取れるかどうかは、実はそこまで直結していません。フリーランス協会が会員・フォロワー1,236名に行った調査(フリーランス白書2022、2022年3月公表)では、仕事の獲得経路(複数回答)で最も多いのは「人脈(知人の紹介を含む)」で65.9%、次いで「過去・現在の取引先」が58.3%。飛び込みの売り込みではなく、すでに自分を知っている人から仕事が来ている割合が圧倒的に高いという結果です。

正直なところ、この数字は「人脈がないと詰む」とも読めます。ただ見方を変えれば、やるべきことははっきりしています。知り合いを増やす努力ではなく、自分が何をできる人なのかを、相手が見つけられる場所に置いておくこと。ここではその置き方を、3つの部品に分けて組み立てていきます。

なぜ「待ちの営業」のほうが苦手な人に向いているのか?

売り込み型の営業は、相手の都合を無視して割り込むところから始まります。返事が来ない前提で数を打つ必要があり、断られ続けることに耐える性格が要ります。苦手な人にとっては、これは単純に消耗が激しい方法です。

一方の待ちの営業は、相手が「今まさに人を探している」タイミングで見つけてもらう形です。声をかけてくる時点で相手には発注意欲があるので、こちらが説得する必要がほとんどありません。会話が「私に頼んでください」から「これはできますか」に変わる、と言うとイメージしやすいかもしれません。

代わりに必要になるのが、見つけてもらうまでの準備の作業です。作品を並べる、作った経緯を書く、価格を決めて出す。どれも一人で黙々と進められる作業で、対人の緊張がほぼ発生しません。営業が苦手というより「知らない人に話しかけるのが苦手」なタイプなら、この配分の入れ替えは相性がいいはずです。

向いていないケースもあります

待ちの営業は立ち上がりが遅く、仕組みが動き出すまで数ヶ月かかることも珍しくありません。今月中に売上が必要という状況なら、まずクラウドソーシングで応募して現金を作るほうが確実です。待ちの営業は「今の収入を回しながら、並行して半年かけて育てるもの」と考えてください。

相談が来る状態は、どの3つの部品でできている?

問い合わせが届くまでには、相手の側で3つの段階が進みます。あなたを知る任せて大丈夫か判断する連絡する手段を見つける。この3段階に、それぞれ担当する置き場所を用意するのが基本の設計です。

部品担当する段階具体的な置き場所
発信知ってもらう(認知)SNS・ブログ・作業ログの投稿
ポートフォリオ信頼してもらう(判断)自分のサイト・Notion・PDF
出品連絡してもらう(受付)スキル出品サービス・依頼ページ

フリーランスの営業手法を解説する情報でも、SNSは「営業せずに営業できる」ツール、ポートフォリオサイトは信頼を獲得するためのツールと位置づけられ、SNSで認知され、ポートフォリオで信頼される流れが基本戦略として紹介されています。役割が分かれているという点が重要で、どれか1つを頑張っても相談には結びつきません。

🤔
SNSのフォロワーは増えてきたけど、問い合わせは全然来ないんですよね…。

フォロワー数と問い合わせ数が連動しないのは、この分担で言えば認知だけが動いていて、判断材料と受付窓口が欠けている状態です。見ている人は「面白い人だな」と思っても、いくらで何を頼めるのか分からず、依頼のボタンも見当たらない。ここを埋めるだけで、同じフォロワー数のまま問い合わせが発生することはよくあります。

ポートフォリオには何をどう並べる?

先に作るべきはポートフォリオです。発信も出品も、最終的にはここへ読み手を送り込む着地点になるためです。

  1. 載せる作品を3〜5点選ぶ数より、依頼してほしい仕事に近いものを選びます。動画編集で企業のPR動画をやりたいなら、趣味の切り抜き動画を10本並べるより、PR風の1本を丁寧に作ったほうが効きます。
  2. 1作品につき「条件・課題・やったこと・結果」を書く完成物だけ置くと、相手はセンスしか判断できません。「想定は美容室の集客用/既存客への再来店促進が課題/冒頭3秒に来店シーンを置いた/自主制作」のように、考えて作ったことが伝わる文章を200字ほど添えます。
  3. 実案件が無ければ架空案件として明記する自主制作を実績のように見せるのは信頼を落とします。「自主制作(架空クライアント想定)」と正直に書いたうえで、設計の意図を厚く書けば十分評価されます。
  4. 対応できる範囲と目安価格を書く「◯◯までは対応、△△は非対応」「1本あたり◯円〜(尺・修正回数で変動)」まで書くと、条件が合わない問い合わせが減り、合う人だけが来ます。
  5. 連絡先を全ページから届く場所に置くフォーム1つで構いません。上部と最下部の2箇所に置きます。

独学で進めている場合、ポートフォリオは自己満足になりがちで客観的な評価を受ける機会が乏しい、という点が独学のリスクとして指摘されています。作ったら必ず、同ジャンルで先に仕事をしている人に一度見てもらってください。有料の添削でも構いません。ここは自分では気づけない部分です。

公開前チェック
  • スマホで見て文字が読めるか
  • 作品ごとに意図の説明があるか
  • 自主制作と実案件が区別されているか
  • できないことが書いてあるか
  • 連絡手段が2箇所以上にあるか

発信は何を、どのくらい投稿すればいい?

発信で消耗する原因のほとんどは、ネタを毎回ゼロから探していることです。ここは仕組みにできます。新作をポートフォリオに追加するたびにSNSでも発信するというサイクルを回すやり方が紹介されていて、このサイクルにはフィードバックを次の作品へ反映しやすくなる効果もあります。

つまり、制作と発信を別のタスクにせず、1本の作業から複数の投稿を切り出します。1つの作品を作る過程で、投稿は自然に4〜5本取れます。

  1. 着手時「今日から◯◯を想定した△△を作ります」と宣言する
  2. 制作中迷った箇所と、どう判断したかを書く
  3. 完成時完成物と、狙いを3行で添えて投稿する
  4. 完成後作る中で学んだ小さなコツを、単独で使える知識として書く
  5. まとめポートフォリオへのリンクを添えて再掲する

頻度は週2〜3回で十分です。毎日投稿しようとして続かず止まるより、半年間途切れないほうが効きます。プロフィール欄には必ず「何ができる人か」と「ポートフォリオのURL」を入れてください。ここが空白だと、投稿がどれだけ良くても次の段階へ進めません。

発信の注意点

実務で受けた案件の内容は、クライアントの許可なく投稿できません。守秘義務の範囲は契約書やNDAで決まります。公開可否を契約時に確認し、不明なら「業種と工程だけ書き、成果物は載せない」など、特定できない形にとどめてください。ここを軽く扱うと、信頼どころか契約解除の話になります。

出品ページは何のために作り、どう書く?

出品とは、スキル出品型のサービスに「このメニューを、この価格で受けます」というページを常時置いておくことです。発信とポートフォリオが揃っていても、相手が「連絡していいのか、いくらなのか」で迷って離脱することがあります。出品ページは、その迷いを消す受付窓口として働きます。

加えて、出品サービス自体に検索して探しに来る人がいます。自分の発信を見ていない相手からも見つかる経路になるため、認知の裏口としても機能します。

出品ページに必ず書く項目
  • 受けるメニュー名(「動画編集します」ではなく「10分のセミナー動画を3分のダイジェストにします」)
  • 価格と、価格が変わる条件(尺・修正回数・素材の状態)
  • 納期の目安
  • 依頼者に用意してもらうもの
  • 対応しない範囲

最初の1件が取れないうちは、価格を相場の下限に置いて件数と評価を優先し、評価が5件ほど貯まった時点で本来の価格へ戻す進め方が現実的です。ただし、下げた価格のまま長く続けると、その価格帯の依頼者だけが集まり続けます。いつ戻すかを、始める前に決めておくことをおすすめします。

3つをどの順番で立ち上げ、来ないときはどこを疑う?

全部を同時に始めると、どれも中途半端なまま消耗します。順番に積むほうが早く動き出します。

1〜2週目作品を1点作り込み、ポートフォリオの器を用意する
3〜4週目作品を3点に増やし、価格と対応範囲を書いて公開する
2ヶ月目制作と連動させた発信を週2〜3回で開始する
3ヶ月目出品ページを作り、受付窓口を開く
4ヶ月目以降作品追加→発信→出品の文言更新を回し続ける

この期間はあくまで、平日夜と週末に手を動かせる場合の目安です。独学で基本スキルを身につける段階から始める場合、早くても3ヶ月〜半年程度かかるとされているので、スキル習得中の人はその後にこの4ヶ月が乗る形になります。

そして、待ちの営業だけに絞る必要はありません。人脈・直接営業・SNS発信を並行して動かすことで問い合わせが重なるタイミングが生まれ、受注の安定度が上がるという指摘があります。仕組みを育てながら、既存の取引先や知人への声かけも止めないほうが、結果的に早く軌道に乗ります。

3ヶ月回しても反応がないときの切り分け

3つの部品のどこが詰まっているかを見ます。全部を作り直す必要はまずありません。

投稿は見られているが問い合わせが無い信頼と受付が不足。ポートフォリオのリンクがプロフィールにあるか、価格が書いてあるかを確認する
ポートフォリオは見られているが連絡が無い判断材料が不足。作品の意図説明と、対応範囲・価格の記載を足す
そもそも誰にも見られていない認知が不足。発信の頻度より、誰に向けた何の話かが定まっているかを見直す
問い合わせは来るが条件が合わない対象がずれている。作品の選定と価格帯を、受けたい仕事側へ寄せる
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とりあえず作品1点とポートフォリオの器から。それなら今週できそうです。

最初の1点を作って置くところまで進めば、あとの部品はその1点を材料に組み上がっていきます。売り込みの言葉を考えるより、手を動かす時間のほうがずっと長い方法なので、営業が苦手な人ほど続けやすいはずです。

よくある質問

営業が苦手でもフリーランスとして案件は取れますか?

取れます。フリーランス協会のフリーランス白書2022(2022年3月公表、対象1,236名)では、仕事の獲得経路(複数回答)で「人脈(知人の紹介を含む)」が65.9%、「過去・現在の取引先」が58.3%を占めており、飛び込みの売り込み以外の経路が主流です。見つけてもらう準備に時間を使うほうが、苦手な人には現実的です。

ポートフォリオに載せる実績がない場合はどうすればいいですか?

自主制作を「架空クライアント想定」と明記したうえで掲載します。完成物だけでなく、想定した相手・課題・その課題に対して何をどう判断したかを1作品200字程度添えると、実績がなくても仕事の進め方を判断してもらえます。実案件のように見せる書き方は信頼を損なうため避けてください。

SNSのフォロワーが少なくても発信する意味はありますか?

あります。発信の役割は数を集めることではなく、見つけた相手に「何ができる人か」を伝えることです。プロフィールに対応できる仕事とポートフォリオのURLを置き、制作の過程を定期的に投稿していれば、フォロワーが少なくても検索や紹介から見た人が判断材料として使えます。

受けた案件の内容をSNSに載せてもいいですか?

クライアントの許可がない限り載せられません。公開可否は契約書や秘密保持契約(NDA)で定められるため、契約時に「実績として公開してよいか」を確認しておくのが確実です。許可が取れない場合は、業種や担当工程など個別のクライアントが特定できない範囲にとどめてください。

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