副業の始め方、初案件まで進む7ステップとは?
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副業は「就業規則の確認 → 副業の型を選ぶ → 受注チャネル登録 → プロフィール作成 → 小さい案件で初受注 → 実績化 → 税金の準備」の7ステップで始まります。会社員の副業所得が年20万円以下なら所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は別途必要です。最初の1案件はクラウドソーシングの小規模案件から取るのが最短ルートです。
副業の情報は「稼げるジャンル一覧」や「税金の話」など、断片で出てくることが多いです。そのため、いざ始めようとしたときにどれを何番目にやればいいのかが見えないまま止まってしまいます。
正直なところ、副業でいちばん時間を溶かすのは作業そのものではなく、この「順番が分からない期間」です。ここでは、勤務先の規則を確認するところから、実際にお金が発生する最初の1案件を受け取るところまでを、7つの順番に並べます。
目安として、ステップ1〜4は週末2日ほどで終わります。ステップ5の初受注までは、動ける時間にもよりますが2週間〜1ヶ月を見ておくと現実的です。
始める前に確認しておくことは?
ステップ1:勤務先の就業規則を確認する
最初にやるのは、案件探しではなく自分の会社のルール確認です。厚生労働省は「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(平成30年1月策定、令和2年9月・令和4年7月改定)で、企業に対して副業を原則容認する方向を促しています。ただしこれは企業への義務ではなく、実際に副業できるかどうかは各社の就業規則次第です。
就業規則の副業に関する条文は、おおむね次の3タイプに分かれます。
- 禁止か/許可制か/届出制か(条文の言い回しで判断する)
- 許可制・届出制なら、誰に・どの書式で出すのか
- 競業避止(同業他社の仕事を受けてはいけない)条項の有無
就業規則は社内ポータルや人事の管理する文書に置かれていることがほとんどです。見つからない場合は、人事に「就業規則の副業に関する条文を確認したい」と聞けば済みます。副業の可否を知りたいという理由は不自然なものではありません。
許可制の会社で無申請のまま副業を続け、後から発覚すると、収入の問題ではなく手続き違反として扱われます。逆に、届出さえ出せば堂々とやれる会社も多いです。最初の10分で確認しておく価値があります。
ステップ2:雇用型か、業務委託型かを決める
副業には大きく2つの型があります。この選択で、後の時間管理も税金の扱いも変わります。
| 型 | 内容 | 時間の扱い |
|---|---|---|
| 雇用型(ダブルワーク) | 他社にアルバイト・パートとして雇われる | 本業と労働時間を通算する |
| 業務委託・請負型 | 案件単位で仕事を受ける(ライティング、デザイン、動画編集など) | 労働時間の通算対象外 |
厚労省ガイドラインは、雇用型の副業では本業・副業それぞれの労働時間を通算し、時間外労働の上限規制(休日労働を含め月100時間未満、複数月平均80時間以内など)の範囲に収める「管理モデル」を示しています。つまり雇用型は、本業の残業が多い月は副業に入れる時間そのものが法的に削られます。
もう一点、雇用型では副業先の給与も「給与所得」として扱われます。この所得区分の違いは、後のステップ7で触れる税金の手続きにそのまま効いてきます。
会社員が空き時間で始める場合、時間の拘束を受けにくい業務委託型のほうが動かしやすい、というのがこの違いから出てくる結論です。ここから先のステップは、業務委託型を前提に進めます。
どの副業ジャンルを選べばいい?
ステップ3:最初の副業ジャンルを1つに絞る
複数を並行して調べると、どれも「入口の情報」だけが増えて初受注に届きません。最初は1つに絞り、実績が1件出てから2つ目を検討するほうが早く進みます。
絞り込みの基準はシンプルです。本業で今すでにやっている作業の隣にあるものを選びます。資料を書く仕事ならライティング、社内向けの動画や広報物を触ったことがあるなら動画編集やデザイン、業務システムに触れているならプログラミング、といった具合です。ゼロから学ぶジャンルは、初受注までの距離がそのまま学習期間ぶん伸びます。
- 本業や過去の経験で、すでに触ったことがある作業はどれか
- 週に確保できるのは何時間か(平日夜1時間×3+週末3時間、など具体的に)
- 納品物をサンプルとして人に見せられるか(守秘義務のある社内資料はそのまま使えない)
どこで案件を受け、手数料はいくら引かれる?
ステップ4:受注チャネルに登録し、手数料を把握する
最初の1案件を取る場所として現実的なのはクラウドソーシングです。営業先を自分で探す必要がなく、募集が並んでいる状態から選べるためです。国内ではクラウドワークスが案件数(アンケート回答や短文作成のように、応募や選考なしで着手できる「タスク形式」の作業を含む)で最大級、ランサーズはコンペ形式(発注者のお題に対して複数の受注者が作品を提出し、選ばれた1人だけが報酬を受け取る方式)や企業からの継続指名に強みがあるとされています(比較記事の評価であり、一次情報ではありません)。
登録は無料ですが、報酬からシステム利用料が引かれます。ここを知らずに単価を決めると手取りが想定と食い違うので、先に数字を押さえます。
| 契約金額区分 | システム利用料率 |
|---|---|
| 10万円以下の部分 | 20% |
| 10万円超20万円以下の部分 | 10% |
| 20万円超の部分 | 5% |
| タスク形式(全額) | 20% |
クラウドワークスの公表データをもとに作成
上の表はクラウドワークスの固定報酬制の料率です。振込手数料は別途かかります(楽天銀行100円、他行500円)。段階制なので、小口案件を数多くこなすほど20%区分の比率が高くなり、実質の手取り率は下がります。5,000円の案件なら手取りは4,000円、そこから振込手数料が引かれる計算です。
逆に、この段階制は金額が上がるほど有利に働きます。たとえば1件5,000円の案件を6件こなして3万円を得た場合、手数料は一律20%で6,000円引かれます。同じ3万円でも、まとまった1件の契約として受ければ引かれるのは同じ20%区分ですが、継続契約が育って月30万円規模になると、10万円を超えた部分は10%、20万円を超えた部分は5%しか引かれません。単価と契約規模を上げるほど、同じ作業時間でも手元に残る割合が増える構造です。最初の1件は小さくても、この上りの階段に乗ることが本来の狙いになります。
| 立場 | 手数料率 |
|---|---|
| ランサー(受注者) | 16.5%(契約金額税込に対して) |
| クライアント(発注者) | 5.5% |
ランサーズの公表データをもとに作成
ランサーズは2022年10月1日の改定以降、受注者側は契約金額に対して一律16.5%です。金額による段階がないため、少額案件では相対的に負担が軽く、高額案件ではクラウドワークスの5%区分より重くなります。始めたては少額案件が中心になるので、この差は初期にはランサーズ有利に働きます。ただし案件数の母数が受注しやすさを左右するため、両方に登録して募集を見比べるのが実務的です。
実績ゼロで最初の1件を取るには?
ステップ5:プロフィールと提案文を先に作り込む
案件に応募する前に整えるのはこの2つです。発注者は応募一覧の中から選ぶため、判断材料がここにしかありません。
- プロフィールを埋める本人確認を済ませ、対応できる作業・稼働時間帯・連絡がつく時間を書きます。「平日21時〜23時、土日は日中対応可」のように具体的に書くと、発注者は納期を見積もれます。
- サンプルを2〜3点用意する実績がない段階では、自主制作で構いません。ライティングなら想定読者を決めた記事、動画編集なら素材サイトの映像で作った1分の作例、デザインなら架空店舗のバナー。守秘義務のある本業の成果物は使えません。
- 提案文の型を作る「募集内容のどこを読んだか」「自分の何が合うか」「いつまでに何を出せるか」の3点を書きます。使い回しのコピペ文は読めば分かるため、募集ごとに1文目だけでも書き換えます。
ステップ6:小さい案件で最初の1件を受注する
実績ゼロの段階で高単価の継続案件に応募し続けると、通過率が上がらないまま時間だけが過ぎます。両サービスの公式ヘルプや比較記事で共通して勧められているのは、単価の低いタスク形式・コンペ形式や、小規模の固定報酬案件から実績を積むという順番です。
タスク形式はアンケート回答や短文作成のような、応募や選考なしで着手できる作業です。単価は低く、手数料も一律20%かかります。狙いは金額ではなく、評価と実績件数をプロフィールに載せることにあります。ここが埋まると提案の通過率が変わります。
- 作業内容と納品物が募集文だけで具体的に分かる
- 納期に自分の稼働時間で確実に間に合う(初回は余裕を2倍見る)
- 金額が小さくても、継続案件の可能性が書かれている
- 発注者に過去の発注実績と評価がある
この「継続案件の可能性」を優先する理由は、伸びしろが単発案件と違うからです。単発の応募は毎回ゼロから選考をやり直しますが、一度気に入られた発注者からの指名は選考なしで届きます。同じ作業でも、募集を探して提案文を書く時間が丸ごと消えるぶん、時間あたりの収入が上がります。クラウドソーシング各社が実績を積んで継続案件につなげる流れを勧めているのも、この構造によるものです。
最初の1件で最も価値があるのは報酬額ではなく、期日どおりに納品して評価をもらうことです。逆に、納期を落として低評価が付くと、それが次の応募すべてに影響します。受ける案件は自分の稼働時間で確実に終わる規模に抑えてください。
税金は何を準備しておけばいい?
ステップ7:税金と記録の準備をしておく
初受注が決まった時点で、次の3つを始めます。後からまとめてやろうとすると、領収書も入金履歴も追えなくなります。
- 入金と経費の記録を取る案件ごとに、報酬額・手数料・振込手数料・かかった経費(素材代、ソフト代など)を残します。表計算ソフトの1シートで十分です。
- 20万円ラインを意識する会社員が給与・退職所得以外で得た所得が年20万円以下なら、所得税の確定申告は不要です。ここでいう20万円は収入ではなく所得(収入−必要経費)です。
- 住民税は別と理解する20万円ルールは所得税だけの話で、住民税には同じ金額基準の免除がありません。所得税の申告が不要な場合でも、住民税の申告は別途必要です。
例外もあります。給与収入が2,000万円を超える人、医療費控除やふるさと納税(ワンストップ特例=確定申告をせずに寄付先の自治体へ申請書を送るだけで住民税の控除を受けられる仕組み。これを使わない場合は確定申告が必要)、住宅ローン控除の初年度などでそもそも確定申告を行う人は、副業所得が20万円以下でも申告書にその所得を含める必要があります。
開業届は出すべきか
副業所得が「事業所得」になるか「雑所得」になるかは、規模・継続性・独立性などから社会通念上「事業」といえるかで総合的に判断されます。線引きが明確でないケースが多い領域です。雑所得にとどまる場合、開業届の提出は不要です。
ただし雑所得のままだと、青色申告特別控除(帳簿をつけて申告することで所得から一定額を差し引ける制度)が使えず、赤字が出ても給与所得と損益通算(副業の赤字を給与所得から差し引いて全体の税額を下げること)ができません。事業所得として扱いたい場合は、開業届の提出が実務上の目安になります。最初の1案件の段階では多くが雑所得からのスタートになるため、まず記録を取り、継続的な受注が見えてきた時点で開業届を検討するのが現実的な順番です。
7ステップの全体像
| 順番 | やること | 目安 |
|---|---|---|
| 1 | 就業規則の確認(禁止/許可制/届出制) | 10分〜数日 |
| 2 | 雇用型か業務委託型かを決める | 即日 |
| 3 | ジャンルを1つに絞る | 1〜2日 |
| 4 | 受注チャネル登録・手数料の把握 | 1日 |
| 5 | プロフィール・サンプル・提案文の準備 | 3日〜1週間 |
| 6 | 小規模案件で初受注 | 2週間〜1ヶ月 |
| 7 | 記録と税務の準備 | 初受注と同時に開始 |
ここまでの手順で、迷いやすいポイントはほぼ通過できます。すべてを完璧に揃えてから始める必要はありません。ステップ1と2だけでも今日のうちに終わらせておけば、次に時間が取れた日の作業は案件を見る側から始められます。
よくある質問
副業は会社に許可を取らないといけませんか?
勤務先の就業規則によります。厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」は企業に副業の原則容認を促していますが、これは企業への義務ではなく、実際に副業できるかは各社の就業規則次第です。条文が禁止・許可制・届出制のどれに当たるかをまず確認してください。
副業の収入が年20万円以下なら確定申告は不要ですか?
給与所得者が給与・退職所得以外で得た所得が年20万円以下なら、所得税の確定申告は不要です。ただしこの20万円は収入ではなく所得(収入−必要経費)を指します。また、給与収入2,000万円超の人や、医療費控除・ふるさと納税・住宅ローン控除初年度などで確定申告を行う人は、20万円以下でも申告書にその所得を含める必要があります。
所得税の申告が不要でも住民税の手続きは必要ですか?
必要です。20万円ルールは所得税にのみ適用され、住民税には同様の金額基準による免除がありません。所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告は別途行う必要があります。
雇用型の副業と業務委託型の副業では何が違いますか?
雇用型(アルバイト・パート等)は本業と労働時間を通算し、時間外労働の上限規制(休日労働を含め月100時間未満、複数月平均80時間以内など)の範囲に収める必要があります。業務委託・請負型は雇用ではないため労働時間の通算対象外です。また雇用型で得る報酬は給与所得となり、業務委託型の所得(事業所得・雑所得)とは税務上の扱いが異なります。
クラウドソーシングの手数料はどれくらい引かれますか?
クラウドワークスの固定報酬制は契約金額10万円以下の部分が20%、10万円超20万円以下の部分が10%、20万円超の部分が5%で、タスク形式は一律20%です(振込手数料は別途、楽天銀行100円・他行500円)。ランサーズは2022年10月1日の改定以降、受注者側が契約金額(税込)に対して一律16.5%です。
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