電子図書館 使い方入門、スマホで借りて読むまで5手順
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公共図書館の電子書籍サービス(電子図書館)は、2026年1月1日時点で611自治体が導入しており、スマホのブラウザから24時間いつでも無料で本を借りられます。多くの場合は紙の図書館カードの利用者番号とパスワードでそのままログインでき、返却期限が来ると自動返却されるため延滞の心配もありません。
本を読み始めるときの一番のハードルは、たいてい「本選び」ではなく「本を手に入れるまでの手間」です。書店で選ぶ時間も、図書館の開館時間に合わせる余裕も、平日にはなかなかありません。
そこで入口になるのが、公共図書館がやっている電子書籍サービス(電子図書館)です。住んでいる自治体の図書館が導入していれば、スマホから無料で本を借りて、その場で読み始められます。移動も、返却日の管理も要りません。
秋は読書週間(2026年は10月27日〜11月9日)もあり、図書館側の案内が増える時期でもあります。まずは自分の自治体が対応しているかを確かめるところから始めてみましょう。
電子図書館とは?スマホで借りられる公共図書館のサービス
電子図書館とは、公共図書館が提供する電子書籍の貸出サービスのことです。紙の本を借りるのと同じように、利用者が本を「借りて」「読んで」「返す」のですが、すべてがスマホやPCの画面の中で完結します。
イメージとしては、図書館の貸出カウンターがそのままスマホの中に引っ越してきたようなものです。開館時間に縛られず、24時間いつでも検索して借りられます。貸出中の本は他の人は借りられず、順番待ちになる点も紙の本と同じです。
日本の公共図書館で広く使われている配信の仕組みには、「LibrariE&TRC-DL」(日本電子図書館サービス提供、KADOKAWA・講談社ほか約70社超の出版社が参加)や「OverDrive」系のサービスがあります。どれを使っているかは自治体によって違いますが、いずれもスマートフォン・タブレット・PCから利用でき、借りて読むまでの流れはほぼ共通です。読者側が仕組みの名前を覚える必要はありません。
自分の市区町村は対応している?導入状況の調べ方
電子図書館は全国すべての自治体にあるわけではありません。導入している自治体は年々増えており、一般社団法人電子出版制作・流通協議会(電流協)の調査では、2026年1月1日時点で611自治体が導入済みです。2025年10月1日時点の603自治体から8自治体増えました。電子図書館の館数は491館です。
| 区分 | 導入数/全体数 | 導入率 |
|---|---|---|
| 全自治体 | 611/1788 | 34.2% |
| 都道府県 | 33/47 | 70.2% |
| 政令市 | 19/20 | 95.0% |
| 特別区 | 21/23 | 91.3% |
| 市 | 378/772 | 50.9% |
| 町 | 112/743 | 15.1% |
| 村 | 48/183 | 26.2% |
一般社団法人電子出版制作・流通協議会(電流協)の公表データをもとに作成(2026年1月1日時点)
上の表のとおり、政令市では95.0%、特別区では91.3%、市でも50.9%が導入済みです。都市部に住んでいるなら、使える可能性はかなり高いと考えてよさそうです。一方で町は15.1%、村は26.2%と、小さな自治体ではまだこれからという状況です。
調べ方はシンプルです。検索窓に「自治体名 電子図書館」と入れるのが一番早く、図書館の公式ページが見つかります。見つからない場合は、電流協が公表している導入自治体の記録ページで確認できます。この調査は年4回(1月・4月・7月・10月)更新されています。
もうひとつ覚えておきたいのが、利用できるのは「住んでいる自治体」だけとは限らないという点です。多くの図書館は通勤・通学先の自治体の住民以外にも利用者登録を認めています。自宅の市が未導入でも、勤務先の市で登録できる場合があります。
電子図書館の使い方は?借りて読むまでの5手順
ここからが本題です。自治体によって画面の見た目は違いますが、やることの順番は共通しています。はじめての人が迷いやすいところだけ補いながら並べます。
- 図書館のページで電子図書館の入口を開く「電子図書館」「電子書籍サービス」といった名前のページがあります。ブックマークしておくと次から早いです。
- 利用者番号とパスワードでログインするすでに紙の図書館カードを持っているなら、そのカード番号で入れる場合が多いです。パスワードは生年月日などで初期設定されていることが多く、初回に変更を求められます。
- 読みたい本を探すキーワード・著者名・ジャンルから検索します。最初は「新着」や「ジャンル一覧」を眺めるほうが、思いつかない本に出会えます。
- 「借りる」を押すその瞬間から貸出期間が始まります。期間は自治体によって違い、数日〜2週間程度。同時に借りられる冊数にも上限があります。
- 「読む」を押してそのまま読み始めるブラウザ上で開くか、専用アプリで読みます。ダウンロード不要の自治体が多く、押したその場で1ページ目が出てきます。
手順2で止まってしまう人が一番多いところなので、補足します。図書館カードをまだ持っていない場合は、オンラインまたは窓口での利用者登録が必要です。自治体によっては来館なしで登録できます。たとえば大分市民図書館は2026年3月10日から、マイナンバーカード認証(デジタル庁のデジタル認証アプリを使う方式)による図書館カードのオンライン新規登録を始めました。アプリでマイナンバーカードを読み込むと氏名・住所・生年月日・性別が自動入力され、電子書籍の貸出まで来館せずに完結します。デジタル認証アプリを使った公共図書館のWeb利用者登録としては全国初とされる取り組みです。
ただしこれは先進的な一例で、全国どこでもマイナンバーカードで登録できるわけではありません。従来どおり窓口での登録が必要な自治体も多くあります。カードを持っていない人は、まず自分の図書館の登録方法のページを確認してください。
返却はどうする?期限を過ぎても延滞にならない仕組み
紙の本の返却忘れは、図書館から足が遠のく理由のひとつです。電子図書館ではこの心配がありません。返却期限が来ると自動的に返却され、延滞金も発生しません。手元に残り続けることも、督促を受けることもありません。
読み終わらないまま期限が来てしまっても、問題ありません。もう一度借り直せばよいだけです(人気の本は順番待ちになることがあります)。早めに返したいときは「マイページ」から「返す」操作もできます。次の人のためにも、読み終えたら返す操作をしておくと親切です。
- 自治体名+「電子図書館」で検索して、サービスページがあるか
- 図書館カードを持っているか(なければ登録方法のページを確認)
- 貸出期間と同時貸出冊数の上限(自治体ごとに違う)
- ブラウザで読むのか、専用アプリが必要か
どんな本が読める?期待しすぎないための前提
ここは正直にお伝えしておきたいところです。電子図書館の蔵書は、書店や電子書籍ストアの品揃えとは違います。話題の新刊がすべて並んでいるわけではなく、タイトル数も自治体ごとに差があります。読みたい本が決まっている人ほど「無かった」となりがちです。
逆に言えば、読む本が決まっていない人にこそ向いています。並んでいるものの中から選ぶ、という制約がむしろ本選びを楽にしてくれます。無料で、移動なしで、合わなければ途中でやめられる。読書の習慣を取り戻す入口としては、これ以上ない条件です。
特定の新刊を今すぐ読みたい人、紙の手触りやページをめくる感覚そのものが読書の楽しみという人には、電子図書館は物足りないかもしれません。また、導入率は町15.1%・村26.2%と、お住まいの地域によってはそもそも選択肢がない場合があります。その場合は通勤先の自治体や都道府県立図書館(導入率70.2%)を確認してみてください。
読書週間をきっかけにするには?
2026年の読書週間は第80回で、10月27日(火)から11月9日(月)までの2週間です。主催は公益社団法人読書推進運動協議会で、初日の10月27日は「文字・活字文化の日」にあたります。
この時期は図書館の展示や案内が増えるので、何を読むか決まっていない人にとっては選びやすいタイミングです。とはいえ、気負う必要はありません。2週間で1冊読み切れなくても、借りた本を開いた時点で読書週間は十分に始まっています。
おすすめは、初日を待たずに今日のうちに登録まで済ませておくことです。読みたくなった瞬間に借りられる状態にしておくほうが、実際に読み始められる確率はずっと高くなります。
よくある質問
電子図書館の利用に料金はかかりますか?
公共図書館の電子書籍サービスは、その自治体の図書館を利用できる人であれば無料で使えます。紙の本を借りるのと同じ扱いで、貸出料も延滞金もかかりません。通信料は利用者の負担になります。
図書館カードがなくても電子図書館は使えますか?
利用には図書館の利用者登録(図書館カード)が必要です。オンラインで登録できる自治体と、窓口での登録が必要な自治体があります。大分市民図書館のように2026年3月10日からマイナンバーカード認証による来館不要のオンライン登録を始めた例もありますが、全国共通の仕組みではありません。
借りた電子書籍の返却期限を過ぎるとどうなりますか?
返却期限が来ると自動的に返却されるため、延滞金は発生しません。読み終わらなかった場合は、改めて借り直すことができます。早めに返したいときはマイページから返却操作もできます。
自分の住む自治体が電子図書館を導入しているか調べる方法は?
検索窓に自治体名と「電子図書館」を入れて図書館の公式ページを探すのが最も早い方法です。電子出版制作・流通協議会(電流協)が導入自治体の記録を年4回(1月・4月・7月・10月)公表しており、そちらでも確認できます。2026年1月1日時点の導入自治体は611です。
※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。