いろは堂キャリア ← 戻る

夏バテだるさ対策、根性より効く3つの体調管理

2026年7月26日|いろは堂キャリア編集部
白背景でスーツ姿の男性1人がペットボトルの水を飲んでいる写真。

画像出典: ぱくたそ

この記事の要点
夏の日中のだるさは、暑さに体が順応しきれず食欲不振・疲労感・集中力低下が同時に起きている状態です。対策は根性ではなく、夜のクールダウンで疲れを翌日に残さないこと、朝食を抜かないこと、暑さ指数(WBGT)を見て環境そのものを整えることの3点に絞れます。
😮‍💨
午後になると頭が回らない。会議中もぼーっとして、夕方には何も残ってない…

夏の日中のだるさは、気合いの問題ではありません。暑さに体が順応しきれないときは、食欲不振・慢性的な疲労感・頭痛・集中力低下・イライラが同時に起きます。これはそのまま仕事のパフォーマンス低下に直結します。

正直なところ、この状態で「もっと集中しよう」と自分を追い込んでも空回りします。効くのは、夜・朝・環境という3つの入口をそれぞれ整えることです。9月からの下期に向けて体力を残しておきたい時期でもあるので、今のうちに型を作っておくと後が楽になります。

なぜ夏は午後になると仕事にならないのか?

夏バテは「暑さで疲れた」という単純な話ではありません。暑さへの体の順応が追いつかないことで、食欲不振・慢性的な疲労感・頭痛・集中力低下・イライラといった不調がまとめて出てきます。集中力が落ちるのは意志の問題ではなく、体の側で起きている現象です。

そしてやっかいなのが、疲労の持ち越しです。前日の疲れが抜けないまま朝を迎えると、その日の効率と集中力はスタート地点から下がります。午後のだるさの原因は、たいてい前日の夜と今朝にあります。

🤔
じゃあ、日中に何かするより夜と朝を変えたほうが早い?

手を入れる順番は、夜・朝・環境の3つです。日中はすでに暑さの真っ只中で、できることが限られます。コントロールしやすいのは就寝前の準備と朝の食事、そして働く場所の環境設定のほうです。以下、この3つを順に見ていきます。

夜のクールダウンをどう整えるか?

疲労を翌日に持ち越さないための夜の習慣は、翌朝のパフォーマンス維持に効きます。ポイントは、寝る前に体と寝室を「冷ます側」に振っておくことです。

  1. 入浴で一度上げてから下げるシャワーだけで済ませがちな季節ですが、入浴を挟むと体温が下がるタイミングを作れます。就寝の1〜2時間前を目安にすると寝つきの流れに乗せやすくなります。
  2. 寝室の温度を先に整える寝る直前にエアコンを入れても、部屋と寝具が熱を持ったままです。就寝前から冷やし始めて、寝る時点で室温が落ち着いている状態にします。
  3. 「暑いから切る」をやめる夜間に冷房を切ると、明け方の暑さで眠りが浅くなり、疲れが残ります。設定温度を上げる形で調整し、切るのではなく弱めるのが基本です。
  4. 翌朝の朝食を用意しておく後述しますが、朝に何も口に入れないのが一番効きません。前夜に食べるものを決めておくだけで実行率が変わります。
寝る前チェック(30秒)
  • 寝室の冷房は「就寝前」から入っているか
  • 夜通し運転にしてあるか(切るのではなく弱める)
  • 明日の朝、口に入れるものが家にあるか
  • スマホを見ながら夜更かししていないか

朝食と食事で何を意識すればいいか?

朝食を抜くと、体はエネルギー不足のまま活動を始めることになります。これは日中のパフォーマンス低下と疲労感の増大に直結します。夏は食欲が落ちて「食べられないから抜く」となりがちですが、ここが一番のつまずきポイントです。

食欲がない日は量を減らしてでも何か入れる、という考え方に切り替えます。ヨーグルト、卵、豆腐、バナナ、具のある味噌汁など、噛む負担が少ないものを1品でも構いません。

そのうえで、意識して取りたい栄養は以下のとおりです。

たんぱく質肉・魚・卵。疲労回復に役立ちます
ビタミンB1豚肉・うなぎ・玄米。糖質の代謝を助けます
ビタミンCパプリカ・トマト・キウイ。抗酸化の働きがあります
ミネラルわかめ・ひじき・豆腐・小松菜・アーモンド・ごま

難しく考えず、「冷たい麺だけ」の食事を1日1回は避けるくらいの目安で十分です。そうめんやざるそばに卵・豚しゃぶ・トマトを足すだけでも、上の表の項目はかなり埋まります。

😅
昼はコンビニで済ませちゃうんだけど、それでもいける?

コンビニでも組み立ては可能です。おにぎり1個にサラダチキンかゆで卵、カットトマトかフルーツを足す。この3点だと、たんぱく質とビタミン類が同時に乗ります。麺類を選ぶ場合も、たんぱく質の1品を横に置く発想でだいぶ変わります。

冷房と暑さ指数(WBGT)をどう使うか?

体調管理の話は精神論になりがちですが、いま国が求めている方向はむしろ逆です。2026年3月18日に厚生労働省が策定した「職場における熱中症防止のためのガイドライン」は、「こまめな水分補給」といった呼びかけにとどまらず、日よけ・遮熱材・空調設備・涼しい休憩場所の確保といった物理的な環境整備を強く求める内容になっています。

つまり、暑さは我慢する対象ではなく、環境側を変えて下げる対象という整理です。個人で働く環境を整えるときも、同じ考え方が使えます。

暑さ指数(WBGT)を朝に見る

暑さ指数(WBGT)は、気温・湿度・日射や輻射熱を総合した指標で、1954年に米国で提案されたものです。環境省の熱中症予防情報サイト(wbgt.env.go.jp)で、全国のWBGTの実況・予測を確認できます。

気温だけを見ていると、湿度が高い日の危険度を見落とします。朝の身支度のついでにその日のWBGTを見ておくと、「今日は外回りを午前に寄せる」「屋外の移動を減らす」といった判断が事実ベースでできます。

アラートが出た日の動き方

環境省・気象庁は2021年から「熱中症警戒アラート」を運用しています。府県予報区内のいずれかの地点で、翌日または当日の日最高WBGTが33に達すると予測される場合に発表されます。さらに危険度の高い「熱中症特別警戒アラート」も新設されており、こちらは都道府県内の全観測地点でWBGT35到達が予想される場合に発令されます。

アラートが出た日にずらす仕事
  • 屋外の移動をともなう訪問・外回り
  • 炎天下での撮影・現場確認・搬入
  • 昼休みの遠出(近場か館内で済ませる)
  • 体を使う片付け・棚卸しなどの作業

職場の冷房が弱いとき

室内の熱中症対策では、空調を適切に使ってWBGT値を基準値以下に下げることが重要とされています。ここは個人の努力ではどうにもならない領域なので、「暑い」ではなく「WBGTがこの値です」という形で共有すると話が進みやすくなります。

関連する制度も動いています。2025年6月1日施行の改正労働安全衛生規則により、職場の熱中症対策は罰則付きで義務化されました。WBGT28以上または気温31℃以上の環境で、1時間以上かつ1日4時間を超える作業を行う事業者には、報告体制の整備・緊急時手順書の作成・周知が義務付けられています。屋外作業や空調の効かない現場がある職場では、これは会社側が対応すべき事項です。

1日の体調管理ルーティンはどう組むか?

ここまでの内容を、そのまま日常の流れに落とし込みます。全部やろうとせず、崩れている入口から1つずつ入れてください。

  1. 起床後:WBGTを見る環境省のサイトでその日の予測を確認し、外の予定を組み替えるか決めます。所要1分。
  2. 朝:何か1品を口に入れる食欲がなくてもゼロにしない。前夜に決めておいたものを食べます。
  3. 午前:重い仕事を先に置く午後は集中が落ちる前提で、判断を要する仕事を午前に寄せます。
  4. 昼:麺だけにしないたんぱく質を1品足す。冷たいものだけで終わらせません。
  5. 午後:席を立つ回数を作るだるさが出る時間帯です。短い移動や休憩を挟み、無理に粘らない配分にします。
  6. 夜:入浴と寝室の冷房を先に就寝前から部屋を冷やし、夜通し弱運転にしておきます。
これで解決しないケースもあります

睡眠・食事・冷房を整えても、頭痛や強い倦怠感が続く場合は、夏バテとは別の要因が隠れていることがあります。とくに吐き気・めまい・意識のぼんやりが出ているときは、その場で涼しい場所に移って水分をとり、ためらわず医療機関にかかってください。「夏だから仕方ない」で片付けるのが一番危険です。

また、職場の環境が暑さの主因である場合、個人の生活習慣でカバーできる範囲には限界があります。その場合は生活改善より、環境の申告と改善要求のほうが本筋です。

9月からの下期に向けて、今やっておくこと

お盆明けから9月にかけては、下期の目標設定や期の切り替えが重なり、判断の質が求められる時期に入ります。ここで体力を削り切っていると、頭を使う仕事にしわ寄せが来ます。

やっておくと効くのは、体調が落ちる前提でスケジュールを組んでおくことです。暑さのピークが続く時期に、目標設定の資料作成や評価面談の準備といった「考える仕事」を午後の遅い時間に置かない。この配分を先に決めておくだけで、だるさに引っ張られる量が減ります。

😤
夜の冷房と朝の1品なら、今日から変えられそう

夜の冷房と朝の1品は、手間に対して効果が大きい部分です。まずは今夜、寝る前に部屋を冷やしておくところから始めてみてください。翌朝の起き上がりやすさで、効いているかどうかはすぐわかります。

よくある質問

夏バテで仕事がだるいとき、まず何を変えればいいですか?

夜の睡眠環境と朝食の2つです。疲労を翌日に持ち越すと仕事の効率と集中力が直接下がるため、就寝前から寝室を冷やし、夜通し弱めの冷房にしておきます。また朝食を抜くとエネルギー不足のまま活動することになり、日中のパフォーマンス低下と疲労感の増大につながるため、食欲がなくても1品は口に入れます。

夏バテ対策で意識して食べるとよいものは何ですか?

疲労回復に役立つたんぱく質(肉・魚・卵)、糖質の代謝を助けるビタミンB1(豚肉・うなぎ・玄米)、抗酸化のビタミンC(パプリカ・トマト・キウイ)、ミネラル(わかめ・ひじき・豆腐・小松菜・アーモンド・ごま)です。冷たい麺だけの食事に、たんぱく質の1品を足すだけでも構成が変わります。

暑さ指数(WBGT)はどこで確認できますか?

環境省の熱中症予防情報サイト(wbgt.env.go.jp)で、全国のWBGTの実況値と予測値を確認できます。WBGTは気温・湿度・日射や輻射熱を総合した指標で、気温だけでは分からない湿度の高い日の危険度も反映されます。日最高WBGTが33に達すると予測される場合には熱中症警戒アラートが発表されます。

職場が暑いのは会社に言ってもいいのですか?

制度上、職場の熱中症対策は会社側の義務です。2025年6月1日施行の改正労働安全衛生規則により、WBGT28以上または気温31℃以上の環境で1時間以上・1日4時間を超える作業を行う事業者には、報告体制の整備や緊急時手順書の作成・周知が罰則付きで義務付けられています。2026年3月18日に厚生労働省が策定したガイドラインでも、空調設備や涼しい休憩場所の確保といった環境整備が求められています。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。