いろは堂キャリア ← 戻る

秋冬インターン時期、後輩の就活相談で聞く3つのこと

2026年8月26日|いろは堂キャリア編集部
屋内オフィスで赤い机を挟みスーツ姿の男性2人が書類を見ながら向き合う写真

画像出典: RDNE Stock project / Pexels

この記事の要点
就活中の後輩への助言は、自分の就活体験を語るより「相手の状況を3つ聞き出してから返す」ほうが役に立ちます。秋冬インターンが早期選考の入口になるケースが増えており、内々定の時期も前倒し傾向にあるため、時期の焦りを取り除きつつ判断軸を整える言葉を渡すのが有効です。
😟
後輩から「就活どうすればいいですか」って相談されたけど、自分の時と事情が違いすぎて何を言えばいいのか…

秋になると、就活中の学生や新人から相談を受ける機会が増えます。自分が就活したのが数年前なら、当時の感覚をそのまま渡すのは危険です。インターンの位置づけも、内々定が出る時期も、ここ数年で明確に変わっています。

正直なところ、相談を受ける側にとって一番つらいのは「答えを持っていないこと」ではありません。よかれと思って言ったことが、後で事実とずれていたと分かることです。だからこそ、まず必要なのは正解を語ることではなく、相手の状況を正しく引き出す聞き方と、事実の範囲で渡せる材料です。

就活相談で、最初に聞くべき3つのことは?

いきなり助言を始めると、相手の状況に合わない話になりがちです。最初の5分は聞くことに使います。順番も含めて、次の3つで十分です。

  1. 今どこまで進んでいるか「エントリーはもう出した?インターンは何社くらい参加した?」と、事実だけを聞きます。感想や不安を先に聞くと話が広がりすぎます。
  2. 何に困っているか、本人の言葉で「一番モヤモヤしてるのはどこ?」。助言が欲しいのか、単に整理したいだけなのかがここで分かります。
  3. いつまでに何を決めたいか「この秋のうちに決めたいことってある?」。期限が見えると、渡すべき助言の粒度が決まります。

この3つを聞かずに話し始めると、たいてい自分の就活体験談になります。体験談が無価値なわけではありませんが、それは相手の状況が分かってから、例として出すものです。

秋インターンは「練習」と伝えていいのか?

🤔
秋のインターンって、本選考の練習みたいなものですよね?

秋冬のインターンは、練習の場にとどまらなくなってきています。夏から秋にかけてインターンに参加した学生へ、随時早期選考や内々定の案内が出る流れが強まっているとされます。「まだ本番じゃないから」という感覚で臨むと、実際には選考の一部だった、ということが起こり得ます。

制度としても、専門活用型インターンシップ(2週間以上・春休み以降に実施されるもの)で高い専門性を認められた学生については、広報活動の開始である3月より前に採用選考のプロセスへ移行できるとされています。つまり、インターンの種類によって、その後に起きることが変わります。

後輩に渡すなら、こう言えます。「参加するインターンが、選考につながる種類のものなのかどうかは、募集要項を見て確認しておくといいよ。練習のつもりで行くのは構わないけど、練習じゃない可能性がある前提で準備しておくと損しない」。

後輩に確認をすすめたい項目
  • そのインターンの実施期間(1日か、2週間以上か)
  • 参加後に選考案内が来る可能性が書かれているか
  • 提出する情報が、選考でも使われる旨の記載があるか
  • 参加者限定のイベント・面談が予告されているか

「まわりはもう内定が出ている」と言われたら?

これが秋にもっとも多い相談です。実際、内々定が出る時期は前倒し傾向にあります。就職みらい研究所の調査では、2027年卒学生の内々定率は2026年5月1日時点で67.0%で、3月1日時点の調査から28.9ポイント上がっていました。春の段階でこの水準なら、秋に「まわりは決まっている」と感じる学生が出るのは自然なことです。

ここで「気にしなくていい」とだけ返すのは、あまり効きません。数字として実際に前倒しが起きている以上、焦りには根拠があるからです。否定するのではなく、焦りの対象を「時期」から「判断軸」に置き換えます。

使える言い回しとしては、こうなります。「決まるのが早いか遅いかは、その人がどの業界を受けたかでかなり変わる。比べるなら時期じゃなくて、自分が何を基準に会社を選ぶか決まってるかどうかのほうだと思う。そっちはどう?」。話題を相手が動かせる領域へ戻すのが目的です。

向いていないケースもあります

相手が明らかに消耗しているときは、助言そのものが負担になります。「今日は聞くだけにするね」と宣言して、材料を渡すのは次の機会に回してください。判断力が落ちている状態で選択肢を増やすと、余計に決められなくなります。また、あなたが所属する会社の選考に関わる立場なら、個別の助言は利益相反になり得ます。その場合は一般的な情報にとどめ、人事に相談するよう案内するのが安全です。

自分の就活体験は、どこまで話していいか?

体験談は、事実として話せる部分と、当時の環境に依存する部分に分かれます。分けて話すのがコツです。

話していい面接で聞かれて答えに詰まった質問、準備しておいてよかったこと、自分が会社を決めた基準とその理由
注意が必要選考の時期・回数・インターンの扱い(数年で変わっている)、特定企業の選考の内容(今も同じとは限らない)
避けたい「自分のときは〇社受けた」という量の話、精神論、結果だけを根拠にした断定

スケジュールに関する話は、特にずれやすい領域です。建前上の本選考開始は卒業前年の3月1日ですが、独自日程での選考や通年採用、インターン経由の選考案内など、それより早く動く企業が増えているとされます。自分の記憶で「3月からだよ」と言い切らず、「今は前倒しの動きがあるらしいから、志望先の日程は個別に見たほうがいい」と渡すほうが正確です。

相談を受けた後、何を渡して終わるか?

話を聞いて終わると、相手の手元には何も残りません。最後に「次にやること」を1つだけ決めて終わります。複数渡すと実行されません。

  1. 要約して返す「つまり今悩んでるのは、秋のインターンをどこまで本気で受けるか、ってことだよね?」と、相手の言葉を短くまとめて確認します。
  2. 一つだけ次の行動を決める「じゃあ今週中に、応募候補のインターン3つの募集要項を見て、選考につながる記載があるか確認してみようか」。期限と数を具体的にします。
  3. 次に話す機会を置く「見終わったらまた教えて」。継続の約束があると、相手は一人で抱えなくなります。

この3ステップは、就活相談に限らず後輩指導全般で使えます。聞く・要約する・一つ決める。助言の質より、この形のほうが相手に残ります。

言い換えのミニ辞典

同じ内容でも、言い方で受け取られ方が変わります。相談の場でそのまま使える形にしておきます。

つい言いがち言い換え
「まだ大丈夫だよ」「志望先によって時期はかなり違うから、まず日程を確認しよう」
「自分のときは〜だった」「自分のときはこうだったけど、今は変わってるかもしれない。参考程度に」
「もっと受けたほうがいい」「今受けてる中で、理由をちゃんと言える会社って何社ある?」
「気にしすぎ」「比べたくなるのはわかる。そのうえで、自分の基準はもう決まってる?」
😌
正解を持ってなくても、聞き方と渡し方だけで役に立てるんだ

就活の制度も相場も変わり続けますが、相談を受ける側に求められることはあまり変わりません。相手の状況を正確に把握し、自分が知っている範囲を正直に伝え、次の一歩を一緒に決める。これだけで、後輩にとっては十分に価値のある時間になります。

よくある質問

就活中の後輩から相談されたとき、最初に何を聞けばよいですか

「今どこまで進んでいるか」「何に一番困っているか」「いつまでに何を決めたいか」の3点を先に聞きます。この3つが分かる前に助言を始めると、相手の状況に合わない体験談になりやすいためです。

秋のインターンは本選考の練習と考えてよいですか

練習にとどまらないケースが増えています。夏から秋にインターンへ参加した学生に随時早期選考や内々定の案内が出る流れが強まっているとされ、参加するインターンの募集要項で選考につながる記載があるか確認しておくのが安全です。

内々定が出る時期は本当に早まっていますか

就職みらい研究所の調査では、2027年卒学生の内々定率は2026年5月1日時点で67.0%となり、3月1日時点の調査から28.9ポイント上昇していました。時期の前倒し傾向は数字にも表れています。

自分の就活体験はどこまで話してよいですか

面接で詰まった質問や会社を決めた基準など、時代が変わっても通じる部分は話して問題ありません。一方で選考時期・回数・インターンの扱いは数年で変化しているため、断定せず「今は変わっているかもしれない」と添えて渡すのが安全です。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。